あ~~~~おっぱいぼろろ~~~~ん。
あー、そうだ、そうだな。あの雲の形がおっぱいに似ているぞ。本物のおっぱいが空に浮かんでいると考えるとそれは大変不気味だが、おっぱいに似た雲を探し当てたことにまずは喜びを感じようじゃないか。何気ない発見こそが幸福だが、それを人に伝えられるというのはもっと幸福だ。
ところで君は本物のおっぱいを見たことがあるだろうか。 小さい頃にちゅーちゅー吸ってたおっぱいじゃなくてだな、そうだな・・・成長期以降にそういう経験をしたことがあるかって話なんだが。 おっと別に口には出さなくて良いぞ。もしそんな事を聞いてしまって私の君の関係に気まずい亀裂を生じさせても、なんだ、困るだろう? たかがおっぱいのことでな。
いや、ごめん。今のは撤回だ。たかがおっぱいって言葉は良くないな。自分でも今のは失言だったと思うし、軽々しく扱っているわけじゃないんだ・・・その、わかるだろう? 私も男の子なんだ。
私が言いたいのは、つまり、おっぱいのことで君と喧嘩するのが嫌なんだよ。 だって君もおっぱいは好きだろう、私もとても、とてもとても好きだ。世の中には大きさよりも形とかを主張する経験不足な人間が増え始めているが、はっきり言わせて貰おう。ふざけた社会になっているんじゃないかと思う。とても、そう思うよ。 まず形に入る前に量のことを理解しろ。ベッドインした後に実際に揉みしごいてみると、これがそこそこ痛そうな顔をされるんだよ。当たり前だ、おっぱいは脂肪だからな。 君がもし肥満体でなければ身体の最も贅肉の少ない部分を摩って欲しい。痛くないか? 痛いよな。そういうもんなんだって。
俺はな、君よ。 揉みしごきたいんだ。愛撫したりこそばゆいことをさせたいんじゃない、揉みたいんだよ。掴んで揺らしたい。 真偽は定かじゃないか揉むと大きくなるそうじゃないか、ええ?
「さてここで質問だ。今どんな感情だ? 今の話を聞いて君が容易に俺の言っていることを想像できるなら、君はすごく余裕を持った人物なのだろう。その場合、”この状況”で気が抜けてるのか。それともこの状況に慣れているか。後者だったら怖いな。
話の内容に興味を抱いて下半身の突起物に血が巡っているのに気付いているなら性別は男だな。 女はどこに脈打つのか知らんし興味もない、俺は童貞だからな。 もし君が女の子だったら襲ってしまうかも知れないな、何だかこっちもムラムラしてきたよ」
リメイカーには何故自分がこの場所に居るのか。それが解らなかった。
誰かに運ばれたのか、それともわざわざ歩くだけ歩いてここに辿り着いたことをお茶目にもすっかりと忘れているのか。解らないことを探っても、また解らなかった。何かを考えようとすると頭の中が脈を打って、ひどく痛くなった。
それでも今、こうして得体の知れない誰かと話している間も、口で出任せを言いながら頭の中をフルに回転させて考えていた。
展望台に通じる扉の裏に隠れている、おおよそ見当もつかない「誰か」・・・彼(彼女なのか?)は何故ここに居るのか。どうやってこの場所までやってきたのだろうか。彼も自分と同じく記憶喪失で、そして、同じようにこの状況に惑わされているのか。 それとも自分をここに連れてきた本人なのか。おっぱいの話に興味を持ったのか。わからなかった。
「そして今の質問で思ったはずだ。 私が、君に対して・・・あるいは君が私に対して警戒心を持っていることが少なくとも、この私には解っていることを。
もし君が私のおっぱい持論に賛同してくれて、そうだな、且つ私が友好的に君と接したいことに共感しているなら姿を見せろ。頭がおかしい振りをしているが俺は冷静だ。ごめんな、単に口を動かしたかっただけなんだよ。
───但し、君が俺をここまで運び込んだ張本人なら、再起不能になってもらう。殺しはしないが覚悟はしておけ」
影が身じろぎした。 同時にリメイカーはゆっくりとその謎の人物に接近し始めていた。
「・・・・女の子か?」
少し柔らかな声で聞くと、影は半歩分、自分から遠ざかった。扉の開いた僅かな隙間を覗きながら、リメイカーはそれをしっかりと確認した。
扉に手を触れた、そのとき───
「!?」
彼は・・・これからは、なるべく自分の感性だけで行動することは避けようと思った。息を吹き返すことがあれば。
【展望台/1日目/朝】
【リメイカー@吼えろ走馬堂】
[状態]:不明
[装備]:なし
[道具]:一切なし
[死因]:おっぱい幸福論をぶち撒いて死亡。
[思考・状況]
何もかも一切不明の状況。目が覚めたとき既に展望台に居て、その少し後、扉の裏の気配に気付いて行動した。
支給品も所持していない(灰楼からのハンデ、何者かに盗まれたか、それは不明)
彼の身に何が起きて、誰が彼を襲撃(?)したのかも不明。不明不明。
(備考)
彼がどの時期のリメイカーなのかは?死因は?
本来与えられる情報が彼に与えられなかったことに意味はあるのか? それも謎。
最終更新:2009年08月22日 14:59