きっとこういう時は2種類のパターンがあるんだろう、とガレッド・バスタードは思う。
 一つは殺し合いに乗り、そのまま殺戮を続けていこうとする者。
 もう一つは突然のことに混乱し、そのまま前者に殺される者の二つだ。

 正直なところ、自分は死にたくない。
 ならば自分が取るべき行動はきっと『前者』になることなんだろう。

 きっと今時分と相対している男――――トリガー・マークレイドも同じ事を考えているはずだ。
 そのはずなのだ――――







「いや、でも世の中には出来ることと出来ない事があるでしょ常識的に考えて」

「だーよなー」

 そのはずなのに、何故か二人は殺し合いもせずにその場で雑談をし始めていた。
 しかも遭遇して1分も無くこの様である。

「でも最初に会えたのがトリガーでよかったわホント。何時殺人鬼に出会うものかと思ったぜ」

「俺だって同じだよ。……でもまだ生き残れると決まった訳じゃない」

 痛いところを突かれた。
 単純に生き残るならそれこそ自分の唯一の能力であるテレポートを使って逃げまくればいいだけの話だ。
 しかしこの殺し合いでは能力を封じられてしまっている。
 自慢ではないが、そういう状態で自分が出来ることは殆ど無いに等しい。

「でもよ。それならどうする?」

 死にたくはない。
 でもその為に誰かを殺すって言うのも何だか嫌だった。
 そうなると自然に導かれる答えは、

「逃げるしか、ない……!」

 でも何処に?
 参加者名簿には二人が知る者や知らない者も含めてかなりの人数だ。
 しかも移動できる場所はかなり限られる。挙句の果てには爆弾もある。見せしめとして殺された赤毛の女性の二の舞になるのがオチだろう。

「と、なればこの人の所に行ってみるしかないな」

 ガレッドが取り出したのは参加者名簿。
 その中にはある名前があった。

 神鷹・カイト。

 恐らく彼らが知る中で最も頼りになり、最も自分達の味方になってくれる可能性が高い男。

「じゃあ、先ずはリーダーを探すの?」

「だな。何処に居るのかは知らないけどよ」

 恐らくだが、能力を封じられているとは言えそう簡単に彼が殺されることは無いはず。
 だが彼と合流するまでは自分達は逃げ回るしかない。

「リーダーが居そうな場所……ったら何処かなぁ。トリガー、おめーはどうおm」

 そこまで言った時、

 ガレッドの身体が宙を浮いた。
 突然の出来事に一瞬思考は停止するが、ややあってから彼の頭は2つの事実を認めた。

 隣に座ってた友、トリガーが自分を谷の方に突き飛ばしたのだという事。
 もう一つは『殺し合いに乗った者』が背後から襲撃してきたのだという事実である。

「トリ――――!」

 叫ぶ間すらもなかった。
 テレポートが封じられた彼は重力の法則に従い、斜面がそんなに急ではない谷の方へと落下していく。
 泥だらけになりつつも彼は自分を放り出した友の声を聞いた。

「行け、馬鹿! 早く逃げろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 次の瞬間。
 友の力強かった声は途絶えた。
 先程まで自分達が居た場所に一閃の光が迸ったと同時に、だ。

「―――――っ!」

 素早く立ち上がると同時に、彼は走った。
 最も頼りになり、最も自分達を助けてくれるであろう男の元へ。

(何処だ何処だ何処だ何処だ! 何処に居るんだよリーダー、助けてくれよぉ!)

 赤毛の少年は走る。
 今の自分に出来ることは全力で走って、あの襲撃者から逃げ切ること。
 それ以外に選択肢は無い。

 何故なら自分がいる為にトリガーが殺されてしまったから。
 その事実に、歯を食いしばることしかできないのだから――――




【北 トンネル付近の谷/1日目/深夜】


【ガレッド・バスタード@紫色の月光】

[状態]:泥まみれだが健康
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本・カイトを探し、合流すること。
1 ・兎に角逃げる。誰かと会ったらすぐに隠れる
2 ・精神的に不安定な状態。冷静な判断力を失う。

(備考)
参戦時期はハゲタカの逆襲で団長軍団が宝探しを終えた後。
彼の元々の装備はナンパする際に使う携帯電話。能力『テレポート』が付属。
支給品はチェックする前に襲撃者に襲われ、そのままパニック状態になった為に確認できず。


【トリガー・マークレイド@紫色の月光  死亡】

[状態]:感電死
[装備]:不明
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本・カイトを探し、合流すること。
1、ガレッドを襲撃者から逃がす為に彼を突き飛ばす。
2、襲撃者にそのまま襲われ死亡。

(備考)
参戦時期はハゲタカの逆襲で団長軍団が宝探しを終えた後。
彼の元々の装備は腕時計。能力『読心術』が付属。





【?????@?????】


[状態]:健康
[装備]:手甲(キボゼツ@翔也)
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本・殺し合いに乗り、そのまま殺害を続行
1、ガレッドとトリガーを発見し、そのまま二人を殺そうとするもトリガーのみを殺害。
2、ガレッドには逃げられる。
3、兎に角殺す。誰だろうと容赦なし。


(備考)
翔也の手甲は放電能力持ち。持ち主の感情次第で出力が変化する為、状況によっては広域武器になる可能性アリ。
襲撃者の正体は次の書き手さんにお任せするつもりですが、もし出番が無いようなら自分が書きます。
尚、『神鷹・カイト』以外の人物にして欲しいというのが個人的なお願い。


タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年08月26日 23:09