遊佐君闇王エンドの場合↓


彼女の指輪が零れ落ちる
彼女の存在が、頭から抜け落ちていく
止める事の出来ない消失
跪く様にしゃがみこみ、その指輪を握り締める
目を覚ませば、溶けて消える淡い夢
彼女に焦がれたこの胸は、けれど
朝までその顔を留めておくことすら出来ない (←ここまでは一緒!)
「……っ良かっただって……?」
何が良かったんだ。彼女は今消えた。
馬鹿だろうが我侭だろうが、俺は何一つ納得なんてしていない
彼女の笑顔が、彼女の声が、彼女の残り香が
その全てが俺の中から零れていく
「こんなのっ……納得なんて……!」
もう彼女の笑顔に会えない、彼女の声が聞けない
それは、永遠に。記憶の中でさえ彼女を見ることができない
"私は満足しているの────"
「嘘だ!君は……君にはまだこれから沢山の……」
いいや、彼女は満足したんだろう。それは本当だ
だから満足していないのは俺
俺にとってたったの2週間の、満足から程遠い想い出だけで
納得して、消えてしまった彼女に。
俺がまだ居て欲しい
「まだ……これからなんだよ……君が知らなかったことを
 俺もまだ知らない事を……一緒に見たいんだ……」
憎い。
何も出来ない俺自身が。
俺から彼女を消そうとする世界が
「誰も───」
誰も───
「誰も……!」
誰も、彼女を俺から奪うな
「世界の理だって……?予定調和?」
そんなものは知らない
世界の理も、予定調和も、常識も、クソ食らえだ
そんな下らないモノの為に
俺から彼女を、真名から明日(みらい)を奪うな
「……そうだ……俺は君を諦めない」
彼女の指輪を握りしめる
朝には彼女を覚えていられないのなら
「この夜が終わらなければいい……!」
強く彼女を思い浮かべる
眩しそうに目を細めて笑う真名。俺に沢山のものをくれた人
この笑顔を覚えている限り、大丈夫。俺は絶対に君を諦めない
「だから……止まれ。明日はまだ、いらない」
月明かりが薄らぐ
自分が何をしているのかなんて、詳しくは知らない
ただ、今はこの力で、彼女がくれたこの力で、彼女を救おう
そうだ。世界が俺から彼女を奪うというのなら
俺は世界から彼女を奪い返す。それが間違いだというのなら
「……世界の敵にだって、なってやるさ……」
そうだ。いつだって魔法使いは世界の敵
ならそれでいい。彼女のためなら、俺は世界の敵にだって───
「────闇の王にだって、なってやる」
正しく働く世界の常識から、俺が真名を守る
そして、彼女を夜から連れ出す
いつかの願いを思い出す
光輝く昼の舞台の上に、彼女を立たせてあげたいと
その笑顔を見続けたいと、そう願った
願って駄目だったなら、俺が叶える
彼女を、太陽の下に連れて行く
「必ず……必ず君を見つけるよ。だから───」


遊佐君闇王エピローグYou are my...
とか言ってたけどあまりに長くてエピローグとはいえないので分けてみました
この話から続く、ホントの遊佐君闇王エンドPrometheus
こっちがホントのエピローグYou are my...
最終更新:2007年02月07日 01:05