またなのか!?
【時期】2週目最初らへん
【設定】帰る途中に部活を覗いてみるみたいな。
【場所】空手部活動場所、校庭?
【登場人物】主人公【俺】、武僧都【都】、月島聖【聖】、柊ましろ【ましろ】
保健の先生【保健の先生】
●放課後の教室
今日の授業が終わり、皆々帰り支度や部活などに向かう準備をしている。
帰りのホームルームもさっと流し、どこか寄ってかね?いいねぇ。なんて言う会話が聞こえる。
【ましろ】「遊佐君ー、今日はもう帰り?」
【俺】「ああ、特に用事もないしな。」
【ましろ】「じゃあ、一緒に帰ろー。」
【聖】「2人きりで帰れると思うなよ?」
【俺】「…。」
●放課後の校庭
冷房の効いた校舎から出ると、夏の熱気がムアっと体を包む。
放課後といえど日差しもまだ強い。
あっという間に熱射病になりそうな陽気の中、俺達は校門へ向かった。
校門へ向かう途中、グランドでは部活に励む生徒達が汗を流し青春を謳歌していて、
暑い中ご苦労なことです。なんて思いながら、俺はそれを眺めていた。
【ましろ】「ねえ遊佐君。部活は結局はどうするの?」
【聖】「遊佐じゃ、空手部は荷が重すぎたな。」
【ましろ】「あはは、そうかもねー。」
悪気は無いのだろうが、微妙に軟弱呼ばわりされている気がした…。
【俺】「うーん…。てかさぁ、ここの運動部って他と次元が違うんじゃない?」
【ましろ】「そうかなぁ、普通だと思うけど?」
【聖】「空手部が普通じゃないと思うことには同意する。」
【ましろ】「あ!噂をすれば空手部だよ。」
空手部に目をやると、武僧先輩が体操マットで包んだ丸太相手に拳を打ち込んでいる。
その簡易サンドバックは数本並んでいるが、今は武僧先輩一人が一本使っていて、
他の部員の姿は見当たらなかった。
【俺】「空手部員って先輩一人だけ?」
【ましろ】「ううん、そんなことないよ。
掛け持ちで他の部活している人が、そっちいってるだけかな?」
【聖】「基本的に部長以外は掛け持ちはありだからな。
やりたいことをやる、それがこの学校の部活の基本理念なんだそうだ。
だから、部長一人でがんばってるという姿を見ることもある。」
【俺】「なるほど。井草さんが色々やってるっていうのはそういうことか。
でも、幽霊部員が何人いるかわからないみたいな状況になりそうな話だな。」
しばらく見ていると、こちらに気がついたのか武僧先輩が手を振っている。
手を振り返すと、にゃは!っと笑って再び打ち込みを再開した。
なんとなく、一人で黙々と打ち込んでる姿を見て寂しそうな感じを受けた俺は、
ちょっとだけ空手部覗いてみようかなという気分になった。
それを察知したのか、ましろが行ってきたら?と言った。
【聖】「この前は丸太に当たっただけだし、今度はちゃんと体験して来い。
そうすりゃ、邪魔物が居なくなる。」
【俺】「…。」
二人は、じゃあ頑張ってね!と言うとさっさと俺を取り残し帰ってしまった。
俺の意思は尊重されるどころか、聞いてすらもらえない事を確認して、
そのまま帰るのもなんだか寂しいので、空手部にお邪魔することにした。
とはいえ、いきなり行って邪魔しても悪いなぁと思い、
とりあえず近くの芝生で打ち込みの様子を眺めることにした。
遠くからでは分からなかったが、打ち込むたびに丸太を地面に固定している金具がみしみし言っている。
なんとなく…、いやとてつもなく嫌な予感がしてちょっと場所を変えようと思った矢先、
その予感が的中した。
武僧先輩の渾身の一撃に耐えかねた金具が飛び、支えを失った丸太が俺をめがけて直進してくる!
【都】「にゃ!避けて!」
【俺】「またなのか!?」
時既に遅し、ものすごい勢いで飛んできた丸太を避けられるはずもなく、
前回と同じように丸太が直撃した。
痛いと思う暇も無い、こういうことを言うんだろう。きっと。
●保健室
意識が少しずつ戻ってきているのが感じられた。
【俺】『ああ…、そろそろ目が覚めるかな。』
2回目にして意識が覚醒するタイミングを見極められるようになった俺は、
ゆっくりと目を開けた。
【保健の先生】「お目覚めみたいね?おはよう、気分はどう?」
保健の先生が顔を覗き込んで様子を見ていた。
ということは、保健室にまた運ばれてきたのだろう。
とりあえずの状況確認をして、先生の問診に答える。
【俺】「ええ、とてもすっきりな目覚めです。」
【保健の先生】「二度あるとは三度ある、次はいつかしらね。」
【俺】「…。」
体を起こし、ベッドの脇をみると武僧先輩がまた涙目で俺を見つめている。
またまた不安で胸が張り裂けそうになっているのだろうから、俺は…
※
1:元気な声で挨拶してみた。(好感度うp?)
2:さらに不安にさせてみたくなったので記憶喪失を装った。(先生の好感度sage)
※※1:元気な声で挨拶してみた。
【俺】「おはようございます!」
【都】「…。」
なんだか、さらに不安そうな顔をされた。
【都】「…頭打ってこのテンションなんなん?」
【保健の先生】「頭打ってもこのテンション出せるくらい元気ってことよ。」
保健の先生は笑いを押し殺しながら、じゃあ、もう大丈夫ねと一言付け足して席を離れて行った。
それを聞いてほっとしたのか、不安な表情が消えた。
【都】「ぁ…、ほんまに堪忍なぁ。2回も丸太ぶつけてしもた…。」
【俺】「はは、意外と頑丈に出来てるみたいなんで大丈夫ですよ、これくらい。」
【都】「そうなん?ほなら、次は直接くらってみ…」
【俺】「結構です。」
俺達は保健室を使用した手続きを済ませて、心配だから送っていくと先輩に言われ、
拒否する理由も無いので一緒に下校してもらうことにした。
※※2:さらに不安にさせてみたくなったので記憶喪失を装った。
【俺】「ここは何時?私は何処?今は誰??」
【都】「!!!???」
武僧先輩の表情が凍結した。
そして、大粒の涙がぽろぽろと零れ落ち泣き出してしまった。
【保健の先生】「…ほお、そういうことするんだ。君。」
【俺】「っ!?」
保健の先生の顔が変わる。そう、その形相は阿修羅の如し!
俺は悟った。この人の前で悪いことはするべきじゃない。
【俺】「あ…、えっと…。申し訳御座いませんでした!!!」
俺は先生と武僧先輩に土下座して許しを請うた。
武僧先輩はすぐ許してくれたが、先生の怒りはその後しばらく治まらず、
武僧先輩は先に帰り、結局2時間ほど謝り続け反省文を書かされ、やっと下校することができた。
【保健の先生】「女の子を泣かせるやつぁ、たとえ御天道様が許しても、
このあたいが許さないよ!!」
※イベント終了
●帰り道
外は日が傾いて、すっかり夕暮れ時になっていた。
1時間くらい気絶していたらしい。
結局、武僧先輩の
部活動の邪魔をしてしまったようだ…。
【俺】「部活の邪魔にならないようにと思ってたのですが、結局邪魔してしまいました。
すみません。。。」
【都】「そんなことあらへん!謝るのはあたしの方や…。
見ていたの気がついとったんに、なんや余計に力はいってまって…。」
武僧先輩が俺を見上げ、多少上目遣いで申し訳なさそうに堪忍なぁと付け加えた。
そんな目で謝られたら許さないわけが無い。
ああ可愛いな、この人!なんて思ってたら、武僧先輩の顔が赤くなった。
【都】「可愛いて、自分何言うとんのや…。」
口に出してしまったってオチ…。
適当に笑ってごまかして、ちょっとお互い沈黙しつつ、
それでも悪い雰囲気ではない中、無事に自宅に送り届けられた。
最終更新:2007年03月07日 18:43