放課後

遊佐「こんちはっす」
今日も再び生徒会室へ。
弓削「あ。遊佐さん」
遊佐「や、弓削さん。会長は?」
どうやら部屋にはいないようだった。
他の生徒会員もいなかった。
弓削「すいません。ちょっと出てます」
遊佐「そっか……。んじゃ昼の続きやってるんでって伝えてくれる?」
弓削さんに手伝ってもらうのも何か気が引ける。
弓削「はい。わかりました」
言伝をしておけば大丈夫だろう。
遊佐「それじゃ」

さて、運び出そうか。
きゅっと軍手をつける。
遊佐「問題はどうやって一人で運ぶかだな」
とりあえず板の長い方を縦にして立ててみる。
そして次に肩に乗せ、頭と手で支えて……。
遊佐「せーっの!」
おりゃぁ!
遊佐「お、いけそうだ」
バランスを取りながら倉庫からでようとしたが。
遊佐「いてっ!」
板の上が倉庫の出口にあたってしまった。
遊佐「くそう」
しかもこの方法だと肩が相当いたい。
遊佐「んー」
まいったな。ひこずって行ったらやっぱ駄目かな。
??「何をやっているんだ?」
遊佐「え? あ」
声の主は村崎先輩だった。
村崎「ん……。それはまた手伝わされているのか?」
遊佐「ま、そうなりますね」
村崎「そうか」
村崎「それで、それは一人で運べるのか?」
遊佐「いや、それがちょっと無理っぽいかなと今思ってました」
村崎「だろうな。甲賀もその辺はわかってるだろうに」
遊佐「あ、その点に関しては先輩には非がないんで……」
村崎「そ、そうか。それならいい」
一応甲賀先輩の評価を下げないようにしておく。
村崎「手伝おうか?」
しかし村崎先輩の姿はこれから例の棒高跳びの練習をするといったものだった。

1.頼む--------------------------------
遊佐「すいませんが、お願いします」
ここは素直に頼ることにした。
村崎「わかった」
遊佐「あ、その前にこれ」
軍手を外す。
村崎「ん?」
遊佐「危ないんでこれつかってください」
そして村崎先輩に軍手を渡す。
村崎「いいのか?」
遊佐「はい」
流石に先輩に、まして女の人に危ない目に合わせるわけにはいかない。
村崎「しかしこれは君のだろう?」
遊佐「いや、まぁ俺のって言えばそうなんですかね」
村崎「……」
何やら思案している顔だった。
遊佐「どうせ生徒会のですから」
村崎「……」
遊佐「気にしないで下さい」
村崎「これがなかったら危ないだろう」
遊佐「先輩の手の方が大事ですから」
村崎「む……そ、そうか」
……はっ。
遊佐「あ、いや! ほら、先輩は部活で手大事じゃないですか」
村崎「そうだな……。すまないな。借りるぞ」
遊佐「はい、どうぞどうぞ」
くー、何言ってんだろう俺……。
遊佐「じゃ、いきましょう。そっちお願いします」
村崎「ん」
遊佐「いきますよ。せーのっ!」
ばっと板が持ち上がる。
村崎「おっと」
遊佐「だ、大丈夫ですか?」
村崎「ああ、平気だ」
俺より先輩の方の板が大きく早く上がった。
遊佐「こっちです」
村崎「ああ」
先頭を歩いて運ぶべき場所へ誘導する。
遊佐「ここです」
村崎「わかった」
板を下ろす。
村崎「手は大丈夫か?」
遊佐「はい、平気です」
村崎「辛かったら交代するから言うんだぞ」
遊佐「はい」
村崎先輩はやさしかった。
…………。
遊佐「それじゃ、これがラストです」
村崎「みたいだな」
…………。
村崎「ふぅ」
遊佐「ありがとうこざいました村崎先輩」
村崎「いや、構わない」
軍手を外しながらそう答えた。
遊佐「時間使わせてすいません」
村崎「それも構わない。だって……」
村崎「いや、何でもない」
……。
村崎「それじゃ、私はこれで」
遊佐「はい、助かりました」
先輩はグラウンドの方へ去って行った。
遊佐「……生徒会に報告へいくかな」
甲賀「その必要はないよん」
遊佐「おわっ!」
甲賀「お疲れ様!
遊佐「またですか……」
甲賀「ちゃんとやってくれたんだね」
遊佐「まぁ、村崎先輩に手伝ってもらいましたけど」
甲賀「知ってるよ」
遊佐「ですよね」


以下選択肢をいったんカットかつ6変更予定。
最終更新:2008年01月26日 01:50