杏子と子猫
俺:主人公。ここでは仮に俺としておきます。
俺「ふわぁーあ・・・ねみぃ・・・」
俺はあくびをしながら
帰り道を歩いていた。辺りは夕暮れ。
学校も授業が終わった下校時刻。俺のほかにも帰り道を歩く学生の姿は多かった。
帰りに購買で買った牛乳を飲みつつ、辺りを見回す。
だが、この帰り道に何か面白いものが無いか探している俺だったが、あたりには変わらない町の風景、変わらない店、変わらない人の流れ。
特に代わり映えしない日だった。
―ん?
俺の目の前に見覚えのある姿が横切った。間違いない、あれは同じクラスの杏子だ。なにやらとても急いでいるようだった。
クラスではツンツンした性格が災いしてか、誰とも交流を持たない女の子として有名であった。かくいう俺とも会話を殆どしてくれていないので、俺もあいつがどんな奴かは良くは知らなかった。
また、あの外見のせいか、相当な悪として皆からは一歩置かれた存在となっており、クラスには杏子と距離を置いているものが多かった。
しかし、俺はここで興味を持った。あのツンツンしていてみんなからは恐れられている杏子が、何を急いでいるのか。俺は興味本位で杏子を追いかけた。
俺「どうしたんだ、あいつ。あんなに急いで」
ふと、そんなセリフをもらしながら俺はひそかに杏子の後を歩く。
杏子は突然。路地を曲がると、俺の前から姿を消した。
俺「くそ、気付かれたか!?」
俺は慌てて走り、路地の中を覗き込む―。
そこで待っていた光景に、俺は唖然とした。
杏「大丈夫か・・・、かわいそうに・・・」
杏子がそう言いながら手を伸ばしている先には、ニャーニャーと泣く子猫が居た。子猫はダンボール箱に入れられており、杏子の手をぺろぺろと舐めながら、にゃーにゃーと悲しそうな声を出していた。
杏「ごめんね、私の家では貴方は飼えないの・・・」
俺は、杏子の意外な一面を見てドキッっとした。いつもは無愛想で「私に構わないで!」なんて言葉さえ発するのに、子猫に向ける感情は憎しみや怒りではなく、本当の意味での優しさのようだった。
杏「ん・・・お腹すいたか・・・これ食べな」
杏子はかばんから食べかけのパンを取り出すと、子猫に差し出した。子猫は嬉しそうにそのパンにかじりつく。杏子は特に変わらずといった様子だったが、子猫をただ見つめていた。
俺(あいつ・・・学校では怖いけど、本当は優しい奴なんだな・・・)
俺はそんな事を考えていた。
選択肢:
1:「この牛乳、飲ませてあげなよ」
2:「立ち去る」
俺は手に持っていた牛乳を見て、子猫にあげたら子猫も喜ぶのではないか。そんなことを考えていた。杏子がどんな反応をするか分らなかったが、俺は子猫の喜ぶ姿を見たい。と純粋に思っていた。
俺「なぁ、杏子」
俺は杏子に声をかける。杏子は不意の俺の登場に驚き、こちらをにらみつける。
杏「誰っ!?」
杏子は子猫の前に立ちふさがり、俺に向かって仁王立ちする。俺は感じた、明らかなる敵意を。早めに誤解を解かないとヤバイ気がした俺はにこやかに笑って牛乳を差し出した。
俺「そんなに敵意を向けるなって、同じクラスの(俺)だよ」
俺「それとさ、この牛乳。その子猫にあげたら喜ぶんじゃないかな?」
俺が100万ドルの笑顔で杏子に語りかける。杏子はゆっくりと俺と、俺の持っている牛乳を見つめてから。ゆっくりと俺に近づいてきて、俺の牛乳を奪い取った。
飛び散った牛乳が俺の服に少しついた( TДT)
杏「よーしよし・・・これ飲んでみな・・・」
杏子は自分の手に牛乳を移して、子猫が飲みやすいようにしてから子猫の元へ手を近づけた。
子猫は嬉しそうににゃーと鳴きながら、杏子の手を舐め始めた。やっぱりな、俺の予想通り。パンには牛乳だよな! 分ってるじゃないか、子猫!
杏「やっ・・・くすぐったいっ・・・」
子猫のザラザラした舌に杏子が声をあげる。確かに猫の舌ってざらざらしてて、くすぐったいよなーと俺も考える。
ふと、杏子の視線を感じた。
俺「ど、どうした・・・?」
杏子はプイッと横を向いてしまった。もしかして、さっきの変な声を聞かれたことを気にしてるのだろうか。
ぷっ、可愛い所あるんだな
内心、俺は笑ってしまいそうになるのをこらえながら、この場をこれ以上邪魔するのは悪いと思い、この場を立ち去ることにした。
俺「んじゃま、あんまり長くいても子猫がビックリしちゃうだろうし」
俺「俺は先に行くよ」
杏子は無言で頷く。
俺「杏子、お前って案外良い奴なんだな。子猫も喜んでるよ」
俺はそういい残して、路地から立ち去った。
...
杏子は、なぜか子猫に向かってそう呟き、少し微笑んだ。
俺「ここで邪魔するのもあれか・・・さっさと帰ろう」
俺はその場から去り。家に帰宅した。
edit by 234
杏子大好きダワー(=゜ω゜)ノ
杏子ばっかり設定やら考えてるゼ
最終更新:2006年12月28日 00:16