美遊・エーデルフェルト&ランサー◆wzmTZGmcwM


星の綺麗な夜だった。
正確には月が地球のそれを真似て投影しただけの作り物の夜空なのだとしても、かつて見上げた空と何の違いも感じられなかった。
ギリシャ神話にその名も高き大英雄、ランサーのクラスで召喚されたアキレウスは豪勢な屋敷の屋根で何をするでもなく夜空を見上げていた。

こうして心からのんびりと時を過ごすのは彼にとってひどく珍しい。
生前は少年の頃から死ぬまで駆け抜けるように生き急いできた。
かつての聖杯大戦でもただ待つだけの期間というものはあったが、師との決着の時を万全に迎えるために鍛錬に励む時間も多かった。
マスターの都合もあるが、それでもフラットな状態で召喚されていれば今頃は強敵を求めて哨戒にでも出ていただろう。

「ランサー」


黒髪の少女が屋根の上に登ってきた。
この高さによく上がってきたものだと思ったが、よく見れば例のステッキが髪留めのような形で彼女にくっついていた。
大方身体能力を底上げして登ってきたのだろう。


「よう、お勤めご苦労さん、マスター。
その歳で働いてるなんざ立派なもんだ」
「別に、いつものことですから」
「敬語はいらねえよ」

ランサーのマスターである少女、美遊・エーデルフェルト。
彼女は普段小学生として生活しつつこのエーデルフェルトの邸宅でメイドの仕事もこなしている。
さすがに今は仕事着であるメイド服ではなく寝間着に着替えているが。

「で?腹は決まったのか?」

直截に、ランサーは美遊に方針を訪ねた。
軽い調子での問いかけだがそれが重い意味を持つことはこの場の誰もが理解していた。
聖杯戦争、美遊の知るそれともランサーが以前の現界で参加したそれとも形式は異なるが命の駆け引きという一点については何ら変わらない。
一日前、記憶を取り戻してランサーを召喚した美遊は彼に「少し考えさせてほしい」と告げた。
そして今、彼女の中で答えは決まったのだろうか?


「最初は、乗ろうと思っていました」
「だから敬語は……いや、もういい。
思ってたってことは、今は違うのか?」

美遊の表情には様々な葛藤が乗せられていることが伺える。
それはつまり、十になるかどうかといった子供が自発的に聖杯戦争に乗りかけるほどの何かを抱え込んでいるということだ。
その事情が何であるか、ランサーは訊いていないし出会ってすぐに教えてもらえるとも思っていない。
当人が話したいと思った時に話してくれればそれでいい。



「でも、大切な友達が言ったことを思い出したんです。
“わたしは全てを救いたい”。その言葉でわたしは救われたんです。
聖杯は欲しい、でもそのために誰かを犠牲にはしたくない…わたしも、もう何も諦めたくない」

思わずランサーは目を丸くした。
まさか、こんなところで彼女やあの聖人のような願いを聞くことになろうとは。
いや、美遊の言うそれは願いというよりは最早我が儘と言った方が近いだろう。
到底叶うはずのない、現実を知らない子供の我が儘だ。

「俺はお前と似たようなことを言った奴を二人知っている」


以前なら「そんなことは不可能だ、自分が生き残ることを第一に考えろ」とでも返しただろう。
しかし今は不思議とそんな気分にはなれなかった。


「一人はとんでもない執念で、本当に全ての人類を救おうとした聖人だ。
奴は好きになれそうもないタイプだったが信念は本物だった。
少なくとも、この俺の槍を突きつけられて微塵も動揺しない程度にはな。
ただ…あいつは心の底じゃ人間ってやつを信じてなかっただろうなあ」


ルーラー、天草士郎時貞。
六十年もの時を過ごして準備を整え、策謀を尽くして第三魔法の実現によって人類を救おうとした男。
自分が消えた後も人類の命運を決める決戦は続いただろうが、その結果については興味はない。
仮にあの男が勝っていたとしても、この世界には関わりのないことだからだ。


「もう一人は聖杯で全ての子供の幸福を願った女だ。
彼女の願いを聞いた時、俺は正直心の中じゃ無理だろうって思ったよ。
誰もが幸福で満ち足りた世界なんぞ実現できるはずもない、それが世界のシステムだってな。
だが……美しかった。美しい願いだったんだ」


彼女のことを語ると、不意に後悔の念が込み上げてくる。
何故自分は彼女の変調に気づかなかったのか。
師との対決に向けた鍛錬に専念していたからとはいえ、もう少し深く話をする時間ぐらいはあったはずだ。
あまりに自分らしくない、後ろを振り向くという感傷に走る程度にはあの聖杯大戦の記憶は魂に深く刻まれていた。


「あの…つまり、どういうことですか?」
「あー…話が逸れちまったな。
つまりだ、誰も彼もを救おうなんざ英雄であっても成し得るもんじゃないって話だ。
ましてやお前が言ってるのは理想ですらねえ、ただの我が儘な上に友達の受け売りだろ」


美遊が唇を噛み締めて俯いた。
やはり誰も犠牲にせずに聖杯を手に入れようなんて無茶だったのだろうか。
いくら自分がイリヤの言葉を信じていても、自分と共に戦うサーヴァントに信じてもらえなければ意味がない。
乗るしかないのか、殺すしかないのか。


「やっぱり…」
「――――だが、その我が儘に英雄が付き合っちゃならないなんてルールはない」

俯いていた美遊がハッと顔を上げる。
美遊に向けたランサーの顔には笑みが浮かんでいた。


「確かに誰も彼もを救うのは困難だろうさ。不可能事、とすら言えるかもな。
ただまあ、アレだ。不可能から目を背けるのは英雄らしくないと、俺は思うんだよ」

この身、この魂には後悔が刻まれている。
こうして新たな世界で、新たな霊基で現界を果たしてもなお消えない罪の記憶が。
だからこそ二度と同じ罪を繰り返すわけにはいかない。

正直に言って、こういうのは俺向きじゃないとランサーは思う。
純真で真っ直ぐな子供の従者など、荒ぶる英雄より子の幸福を願う女狩人の方がよほど適任だろうに。
だが彼女はここにはいない。なら俺がやるしかない。
不向きであろうと何だろうと、不可能を力技で引っ繰り返してこその英雄なのだから。


「約束する。俺はお前の味方であり、お前が救おうとするもの全ての味方だ。
お前はお前が思うままにすればいい。
周りの野次なんかは気にすんな、俺が何とかしてやるからよ」
「……ありがとうございます」

美遊も自然と笑顔になっていた。
単なる契約ではなく、心から共に戦ってくれるサーヴァントに出会えた自分はきっと恵まれている。

イリヤはどうなのだろう?
美遊の最高の友達はこの世界にも存在しているし、友達であることに変わりはない。
出来ることなら今すぐにでも彼女に会って、一緒に戦いたい。
イリヤがマスターに目覚めていないとしても彼女を守りたい。

けれど、それは出来ない。
もしイリヤがマスターでなかったら不用意に彼女を聖杯戦争に巻き込んでしまいかねない。
それだけならまだしも聖杯戦争には神秘の隠匿というルールがある。
イリヤがマスターでなかった場合、神秘の漏洩を防ぐために監督役に抹殺されてしまうかもしれない。
だからイリヤがマスターだと確信できない限りは真実を話すわけにはいかない。
もちろん、イリヤの姉という設定になっているクロにもだ。


(そういえば、イリヤは妹扱いで良いのかな)

ふと何でもなかった、けれど何にも代えがたい価値のある日常のワンシーンを思い出した。
イリヤとクロのどちらが姉になるか争ったことがあったが、どうやら月はクロを姉として認めたようだ。
もし二人のどちらもが記憶を取り戻して、マスターになっていたらまた姉の座を巡る姉妹喧嘩が始まるに違いない。



――――そう、もしも二人と手を取り合えたなら、どんなことも成し遂げられるに違いない。
きっと、必ず。


【クラス】ランサー

【真名】アキレウス@Fate/Apocrypha

【属性】秩序・中庸
【ステータス】
筋力B+ 耐久A 敏捷A++ 魔力C 幸運D 宝具A+


【クラス別スキル】
対魔力:B
魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術、儀礼呪法を以ってしても傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
戦闘続行:A
往生際が悪い。
弱点であるはずのアキレス腱と心臓を射抜かれてもしばらく戦い続けた。

勇猛:A+
威圧・混乱・幻惑といった精神干渉を無効にする能力。
また、格闘ダメージを向上させる効果もある。

女神の寵愛:B
母である女神テティスから寵愛を受けている。
魔力と幸運を除く全ステータスがランクアップする。

神性:C
海の女神テティスと人間の英雄ペレウスとの間の子。


【宝具】

『彗星走法(ドロメウス・コメーテース)』
ランク:A+ 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:1人
あらゆる時代のあらゆる英雄の中で、最も迅いという伝説が具現化した常時発動型宝具。
広大な戦場を一呼吸で駆け抜け、フィールド上に障害があっても速度は鈍らない。
その速度は最早瞬間移動にも等しく、アキレウスの視界に入る全ての光景は彼の間合いとなる。
自身の弱点であるアキレス腱を露出しなければならないが、この速度を捉えきれる英霊は数少ない。

『勇者の不凋花(アンドレアス・アマラントス)』
ランク:B 種別:対人(自身)宝具 レンジ:0 最大補足:1人
踵を除く全てに母である女神テティスが与えた不死の祝福がかかっている。
Cランク以上の神性スキルを持たない者からの攻撃を威力・効果を問わず全て無効化する。
また神性スキルがD、Eランクの者からの攻撃によるダメージをそれぞれ25%、50%ずつ削減し、神造兵装によっても(ランクに応じて)ダメージを負う。
よって神性スキル、神造兵装のいずれも持たない者がアキレウスを傷つけるには踵に攻撃を命中させるしかない。
ただし、宝具などによる広範囲攻撃で踵を巻き込んでも意味はなく、あくまでアキレウスの生前の逸話に則り踵をピンポイントで狙って傷つけなければならない。
踵に攻撃を受けた場合はこの宝具と『彗星走法』が解除され、よほどの大魔術でない限り踵の治癒は困難となる。

『宙駆ける星の穂先(ディアトレコーン・アステール・ロンケーイ)』
ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:2~10 最大補足:1人
アキレウスの父母が結婚する際、アキレウスの師であるケイローンが彼らに贈った長槍。
真名を発動することで時間や環境全てから遮断された、どちらかが倒れるまで解除されない闘技場を形成する。
お互いに第三者や神々、幸運などの補正が全て打ち消され、不死や蘇生タイプのスキル、宝具も無効化される究極の実力勝負。
ただしこの宝具はアキレウスが一対一を望む者にしか発動できず、また相手が一騎打ちを望まない場合はアキレウスも無理にこの宝具を発動しようとはしない。
また生前この槍でアマゾネスの女王ペンテシレイアを殺してしまったことから女性に対しては真名解放自体ができない。
ランサーとして召喚されたため、上記の効果とは別にこの槍で手傷を負わせると治癒が不可能になる常時発動効果が使用可能になっている。
この槍で与えたダメージ分だけHP上限そのものを削減するため、治癒能力を用いても傷を受けた状態までしか回復できない。

『蒼天囲みし小世界(アキレウス・コスモス)』
ランク:A+ 種別:結界宝具 レンジ:0 最大補足:1人
鍛冶神ヘパイストスによって作られた神造兵装の盾。
アキレウスが見てきた世界そのものが投影されており、外周部分には海神による海流が渦巻いている。
この盾に立ち向かうということは即ち世界を相手取るということであり、発動させれば対城・対国・対神宝具すら防ぎ切れる。
上記の通り、防御用の宝具だがアキレウスはこれを攻撃に転用することができる。
宝具を展開した後、前へ前へと突き進むことで極小世界による押し潰しを図る。なお鍛冶神はこのような使い方は考慮していないと思われる。
戦車の宝具を持たないランサークラスのアキレウスとしては、最大の威力を持つ攻撃手段となる。

【weapon】
宙駆ける星の穂先
無銘・長剣

【人物背景】
ギリシャ神話にして世界三大叙事詩の一角「イリアス」に登場する人類最速の英霊。
ギリシャ最大の大英雄ヘラクレスに次ぐギリシャを代表する大英雄であり、数ある英雄の中でも屈指の知名度を誇る世界的な英雄。
銀の軽鎧を纏った美丈夫で気に入らなければ王の命令であろうと公然と無視する奔放な青年。
義に厚く、卑怯な振る舞いを嫌い、討ち果たされた友のためなら万軍を敵に回しても見事敵将を討つほどの豪傑で、世界にただ一人の友と愛する女たちがいれば、ただそれだけで満足とし、散り様でさえ陽気を忘れない勇者。
敵と認めた者には一切の容赦がない苛烈さを持つ一方、一度でも味方ないし良い奴と認めた相手には甘く、戦うことを躊躇することすらある。
豪放磊落だが乱暴狼藉を良しとはせず、父ペレウスに似て穏健を良しとする根の甘さを持っている。
英雄らしい清廉さと高潔さ、英雄らしい傲慢と愚かさが同居している人物。

とある並行世界で起こった聖杯大戦の記憶を継承しているレアケースのサーヴァント。
本来、聖杯戦争に参加したサーヴァントがその記憶を持ち越すことはない。有り得ざる第二の生の記憶がいくつもあれば、生の実感を薄れさせてしまうからだ。
――――それでも、英霊本体にも強く焼き付いた忘れ得ぬ体験があった。
届かぬ理想と知りながら全ての子供が幸福で在れる世界を願った彼女と、その理想から目を背けた自分。
裁定者によって殺された子供たちの無念を晴らさんと英霊の矜持をも捨てて失墜していった彼女と、彼女の異変に気づきながら知らぬふりを決め込んだ自分。
かつて見たはずの美しい夢をすら見失い魔獣へと変貌した彼女と、呪いをかけられた槍で彼女を殺した自分。
美遊の召喚に応じ寄り添うことを決めたのは、アキレウスなりの贖罪であり決意である。
今度こそ、彼女の眩い理想から目を逸らすことなく英雄として目の前の子供を守り抜いてみせよう、と。

ちなみに以前の現界で積年の悲願であった師匠超えを果たしていることもあり、既に戦いそのものにはある程度満足している。
無論新たな戦場で自らを傷つけ殺し得る強敵との戦いを望まないわけではないが、今は幼いマスターの理想の行く末を見守ることを第一義としている。


【サーヴァントとしての願い】
美遊と美遊の理想を守り抜く。

【基本戦術、方針、運用法】
全サーヴァント中でもトップクラスの戦闘力と並のライダークラスすら置き去りにする絶大な機動性を併せ持つ。
ランサーとして現界したことで戦車の宝具と騎乗能力を失ったが、引き換えに敏捷性がより生前に近くなり対魔力が向上、そして『宙駆ける星の穂先』の全ての能力を行使可能になった。
歩兵としての性能は上がったが戦車にマスターを匿うことが出来ず、対軍の攻撃手段を失っているためマスターを防衛する能力は低下していると言える。
美遊の能力面については無限の魔力供給には一目置いているものの、クラスカードの行使を含めた自衛力に関してはさほど信頼していない。
これは美遊を見下しているというより、以前の現界で数多くのイレギュラーや規格外というものを身を以って味わった経験があるため。



【マスター】
美遊・エーデルフェルト@Fate/kaleid liner プリズマ☆イリヤ ドライ!!

【参戦方法】
エインズワースから救出された後、衛宮邸に落ちていた『白紙のトランプ』に導かれ、マジカルサファイア及び一部のサーヴァントカード諸共に参戦

【人物背景】
ある平行世界の冬木に存在した「朔月家」の「神稚児」と呼ばれる存在。朔月家では代々その身に神を宿し、願いを叶える存在となる子供が生まれるが、周囲の人間の強い願いを無差別に叶えてしまうため、七歳になって能力が消えてしまうまでは結界の中で暮らすことになる。彼女もそうなるはずであったが、災害をその力で食い止めたことから衛宮切嗣に目を付けられ、連れ去られた。
切嗣の死後は士郎の妹となるもエインズワースによって連れ去られ、その後士郎に救出されイリヤたちの住む平行世界に送られた。
ルヴィアに拾われエーデルフェルトの名やイリヤという友人を得たが八枚目のクラスカードを封印した時に現れたエインズワースのドールズによって元の世界に連れ戻されたが、イリヤや士郎、仲間たちの尽力で救助された。
その後士郎の過去を聞き改めてエインズワースに対抗し、平行世界と美遊の共存を目指して作戦を練り直していた最中に聖杯戦争の参加者として見出された。

【weapon】
マジカルサファイア
宝石翁ゼルレッチが2本1セットで製作した特殊魔術礼装・カレイドステッキ……に、宿っている人工天然精霊。もう1本のカレイドステッキに宿っている精霊・マジカルルビーの妹にあたる。
任務によって宝石翁からルヴィアゼリッタ・エーデルフェルトに貸し与えられマスターとしたが、遠坂凛との私闘に明け暮れるルヴィアに呆れ、姉と共にマスターを見限った。現在、美遊・エーデルフェルトをマスターとする。
基本的に無口であり、あまりしゃべらない。口調そのものは丁寧で、誰に対しても「様」をつける。性格元のメイド服同様、冷静なように見えて意外と感情の起伏が大きい。
また、慇懃無礼な態度の裏の性格は非常に辛辣で、彼女的に見てどうかと思う人物・行為に対しては容赦なく罵倒する。
本来は姉と違ってマスターから簡単に離反するような性格ではないのだが、あまりにルヴィアが任務を無視した傍若無人な振る舞いをしたため、見限ることになった。対し、美遊との関係は良好。
平行世界からの干渉によってマスターへ無限の魔力供給が可能。
また、Aランクの魔術障壁の他、物理保護、治癒促進、身体能力強化といった恩恵を常に与えている。
ただし、供給量・持続時間は無限でも、一度に引き出せる魔力はマスターの魔術回路の性能に依存するため、結局は効率的な魔力運用は欠かせない。
機能の一つに、魔術ではなく「純粋な魔力」を放出するというものがあり、砲弾、散弾、ブレード状に固定、といったバリエーションで駆使する。

ある程度、形・大きさを変えることができるらしく、使用時以外は手で持つステッキ部分を消して、羽の生えた星型の丸いヘッド部分のみの姿となって、美遊の近くにいる。
洗脳電波デバイスを有し、事件の記憶を一般人から(時にはマスターたちからも)消したり、トラブルを起こしたお仕置きにルビーを洗脳したりもする。

サーヴァントカード
エインズワースによって作られた魔術礼装。イリヤ達は当初、彼女達の世界の魔術協会が名付けた「クラスカード」の名で呼称していた。
高位の魔術礼装を媒介とすることで英霊の座にアクセスし、力の一端である宝具を召喚、行使できる『限定展開(インクルード)』の能力を持つ。
だが、それは力の一端に過ぎず、本質は「自身の肉体を媒介とし、その本質を座に居る英霊と置換する」、一言で言えば「英霊になる」『夢幻召喚(インストール)』を行うアイテム。
「美遊の世界」の冬木市で開催される聖杯戦争はこのカードの所有者同士の対決によって行われる。
現時点で美遊が何を保有しているのかは不明だが、少なくともキャスター(メディア)のカードは既に喪失している。

【能力・技能】
魔導元帥製のカレイドステッキ及び回収したエインズワース製のサーヴァントカードを利用した、魔法少女(カレイドライナー)としての能力を持つ。
カレイドステッキにより、平行世界から無尽蔵な魔力回収、またAランクの魔術障壁の他、物理保護、治癒促進、身体能力強化といった恩恵を常に受けている。但し、障壁の防御機能は内部からの攻撃には無力である。
ただし、供給量・持続時間は無限でも、一度に引き出せる魔力はマスターの魔術回路の性能に依存する。
アキレウスへの魔力供給によってカレイドライナーとしての能力値の大幅な減衰は免れないが、それでも戦車の無いランサーでの現界ということもあってある程度の自衛力は確保できる。
多少無理をすればアキレウスの維持と『夢幻召喚(インストール)』も短時間ならばこなせると思われる。
また機能の一つに、魔術ではなく「純粋な魔力」を放出するというものがあり、対魔力スキルを突破し得る砲弾、散弾、ブレード状に固定、といったバリエーションで行使可能。
持ち主のイメージ次第で飛行することも可能なのだが美遊は「人は空を飛べない」という常識に縛られているため飛行することはできない。
代わりに魔力で空中に足場を作りそこに跳躍する、という手段を用いている。


【マスターとしての願い】
もう何一つ諦めない。極力誰も犠牲にすることなく帰還し、聖杯も手に入れる。

【方針】
未定。

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最終更新:2017年02月04日 07:26