ルシウス・モデストゥス&ランサー◆7WJp/yel/Y


「おい、ルシウス。どうしたんだ、その痣は」

中背だが逞しい体つきの男、マルクスは友人であるルシウス・モデストゥスの手の甲を指差した。
ルシウス・モデストゥス。
兵士や闘奴ほどではないが逞しい身体つき。
鋭利な目に挟まれた眉は神経質に狭まっており、常に不機嫌そうに口をすぼめている。
整った顔立ちだが気難しさを隠そうともしない姿から女性を遠ざける。

そんな『浴場(テルマエ)技師』のルシウスの手の甲には、大樹を連想させる薄い痣があった。

「分からぬ、気づけばついていた。
 日が経てば消えるだろう」

ルシウスの言葉は真実でも有り、偽りでもあった。
気づけば痣が存在していたのは事実だ。
しかし、何時か消えるだろうという考えは偽りだった。
この痣は不可思議な痣だ。
実のところ、家へと帰ればこの痣は霞がかったような薄いものへと変わる。
しかし、ある場所へと近づけばその痣は強烈に色を付ける。
ある場所とは、すなわちテルマエ。
テルマエに近づけばこの痣ははっきりと形作られるのだ。

(バイアエに一大テルマエ施設を手掛ける私への、神々の何かの思し召しか……?)

テルマエ技師ルシウスは今、時の皇帝ハドリアヌス帝より一つの事業を任されていた。
既に病床について先を悟りつつあるハドリアヌス帝の最期を穏やかなものにするための事業。
すなわち、テルマエによる心の安寧。
バイアエを、一つの街そのものをテルマエへと変え、心穏やかなローマの象徴とする。
そのために心血を注ぐ日々が続く。
しかし、答えの見えぬ製作に苦戦していた。
如何にすれば、尊敬するハドリアヌス帝が満足できる都市を、テルマエを作ることが出来るか。

「……テルマエに入るか」

答えが出ぬ日々。
ならば、テルマエのことはテルマエで考えるに限る。
何か、ヒントを得られるかもしれない。
手元の痣が色濃くなる様を見ながら、近場の公衆浴場へと向かう。
脱衣所にて服を脱ぎ、湯へと浸かる前に身体を洗い、ゆっくりと風呂に入る。
そして、身じろぎもせず、ただ力を抜き、もたらされる快感に身を委ねるのみ。
母の懐のような安心感に浸かる、それがテルマエ。
この瞬間だけは、あらゆる悩みから離れることが出来る。

「……ふぅ」

心地よさに息を吐く。
この一時こそがルシウスの生きる意味であり、ルシウスにとってのローマの在り方だった。
ルシウスの生きる時代は、『最も人類が幸福であった時代』とも称されている。
そんなローマの在り様は、テルマエのように穏やかであることがルシウスの理想だった。



「むっ……?」

そんな中、浴槽の床に一枚のカードが張り付いていることを認識した。
ルシウスは目を細めながら、その一枚のカードへと手を伸ばす。
そして、カードに触れた瞬間。


「なっ、うぼおぉぁあ!?」


ルシウスはまるで吸い込まれるように溺れた。
脚がつくどころの話ではない、腰掛けても顔に届かないような風呂の中で。
ルシウスは溺れた。
理解できぬまま、まるで渦に巻き込まれるように身体が水に浸しながら上下左右へと翻弄される。
それがどれほど続いただろうか。
一分か五分か、あるいは十秒にも満たなかったかもしれない。


「ぷはぁ!!!」


はぁ、はぁ、と肩で息をしながら懸命に肺へと空気を送り込む。
不可思議な出来事。
浴槽で溺れ、在りえぬ時間、巨大な力に翻弄される。
だが、初めてではない。
もはや、確信めいてルシウスはこの期の自体を想像した。

(ふっ、だが、わかるぞ。
 これは同じだ。今まで何度となく繰り返したものと同じだ)

ポチャリ、と。
背後から水滴が落ちる音がした。
ここはテルマエ、背後で誰かが湯に浸かっているのだ。

(背後に人が居る。
 ふふ、ならば、そこには平たい顔族が――――)

平たい顔族。
ルシウスが不可思議な現象に苦しめられた先に存在する世界で暮らす人々。
彫りの深い顔立ちであるローマ人とは違ったのっぺりとした顔立ちの民族。
誰も彼もが穏やかな性根。
児戯のような戦力しか持たない人々。
しかし、その技術力は恐ろしいものがある。
神々の操る雷を我が物とし、ローマとは比べ物にならない快適な生活を送る恐るべき集団。
そして、何よりもテルマエにかける情熱が素晴らしい。
敗北を認めるようで決して口には出さないが、ルシウスが尊敬する集団。
その平たい顔族が、いつものように湯に浸かっているはずだ。
ルシウスはゆっくりと振り返り。




(――――ひ、平たくない!?)


驚愕した。
そこには日に焼けた肌と金色の髪をした、逞しい身体つきの男が、驚愕に碧眼を染めたままこちらを眺めていたからだ。
平たい顔族の特徴である黒髪黒目、彫りの浅い顔立ち、やや貧相な身体つきからは程遠い姿だ。

「お~い、なんか大きな音がしたが大丈夫か~い」

再び、背後から間延びした顔が響く。
ルシウスが振り向くと。

(平たい顔族!)

彫りの浅い顔立ちをした、恐らく店員と思える老人が不思議そうな目でこちらを眺めていた。

(店主は平たい顔族! だが、客の多くは平たくない顔!
 しかし、ローマ人とは異なる顔つきだ……な、なにが起こっている……!?)

今までとは微妙に異なる自体に、ルシウスは混乱した。
ルシウスは腰にタオルのみを巻いた姿で外へと飛び出す。
外へと出ると、雨が降っている。
それにも構わず、周囲を眺めた。
ローマではない、ここもまた雷の力を使ったと思われる道具によって街が照らされている。
だが、街の雰囲気が平たい顔族の街とも異なる――――ような気がする。

「おーい、お兄さん!
 雨が降ってるのに、風邪を引いちまうよぉ!」

ルシウスが混乱の最中に居ると、心配そうな声が響いた。
傘を持った、ルシウスの言葉を借りるならば、平たい顔族の老人が追ってくる。
ルシウスは瞬時に振り返り、傘を持った老人の肩を掴み詰め寄った。

『ここは何処だ!』
「はぁ? ……あのねぇ、日本語とは言わないけど、せめて英語使ってよ!」
『私はハドリアヌス帝に仕えているルシウス・モデストゥスというテルマエ技師だ!
 ここはローマから近いのか!?遠いのか!?
 平たい顔族の領地なのか!?
 それだけでも良いのか教えてくれ!』
「とにかくさ、服を着て中に入りなよ。
 せっかく風呂に入ったってのに、台無しじゃないか」

そう言うと、傘を押し付けて平たい顔族の老人が家屋へと戻っていく。
雨がルシウスの裸体を打つ。
ルシウスは今まで以上に輝く右手の痣と、握りしめた白紙のトランプを眺める。
わからないことばかりだ。
テルマエの未来も見えなければ、今の状況もわからない。
なんなら傘の使い方もわからない。
なんだこれは、短槍か。
所詮は戦争に長けない平たい顔族、この程度の武器が相手ならば素手でも制圧できる。
そんな見当違いのことまで考え始める始末。
ルシウスは、思わず毒づいた。



『くっ、言葉が通じん……やはりここはローマではないのか』

その時だった。
ピカリ、と。
ガゴン、と。
巨大な光量と音量がルシウスの五感を襲う。
稲妻だ。
ルシウスは思わずうずくまった。
同時に、ローマの男である自身が偉大なるユーピテルの祝福である稲妻に慄くなど、とカッと羞恥に顔を染め、立ち上がる。
しかし、そんな羞恥もすぐに驚愕に吹き飛んだ。


「いいや、ここはローマだ。
 お前の知るローマとは異なるが、ここもまたローマなのだ」


ルシウスは、驚きとともに振り向いた。
そこには、一人の巨人が居た。
稲光とともに、巨人が現れたのだ。
ルシウスはその巨人を見上げた。
頑健な肉体を誇るローマ人の中でも、巨躯のルシウスが大きく見上げるほどの巨人。
ルシウスは見上げた視線から、その巨人は恐らく三メートルはあるものと感じた。
だが、それは誤りだ。
ルシウスが目の前の存在を巨人と感じたのは、自身が跪いていたからだ。
立ち上がったはずの自分が、もう一度膝をついている。
自身の身体すらままならぬ状況で、マジマジと巨人の顔を見る。
胸から湧き上がる畏敬の念。
自身の裡から湧き出る敬意に、理解できぬ無礼な想いを抱く。
ハドリアヌス帝をも超えるやもしれぬ敬意。
ふと、有りえぬ想いが脳裏をよぎる。
いや、しかし、それは有りえぬ。
だが、この胸から溢れ出るとすれば、それは。
自身が出会った中でも最も偉大なハドリアヌス帝をも凌ぐ威光。
この方は、もしや、神なのではないのか。
ローマの異郷で出会う、神なのでは。


「お前の応えに求め、参上した。
 我は旧き神と一体化した、新たなる神」


ゾクリ、と。
ルシウスの背中が粟立った。


「私<<ローマ>>が、ローマだ」
「おお……おお……!」


突拍子もない言葉。
常であれば理解も出来ず、その余りの無礼な言葉に怒りで頭が支配されるほどの言葉。
だが、今は不思議と理解できた。
それこそ、目の前の存在の威光が事実であることを何よりも証明している。
偉大なるローマの偉大なる建国者。
人の身のまま神へと列席した、最も新しい神。
ローマ臣民として忠義を捧げる偉大なる神祖。




「い、偉大なる……神祖ロムルス……!」


真名を名乗ろうとはせずとも、その存在そのものが何よりも真名を告げている。
深紅の神祖。
建国王ロムルス。
言葉が出ない。
無礼であることを自覚しつつも、恥ずべき行いだと理解しつつも。
ただ、ただ、感嘆の声しか出なかった。

「はうぁ……!」
「我が愛しきローマの民よ。我が愛し子の一人、ルシウスよ」
「な、なぜ私の名を!?」
「私<<ローマ>>がローマで在るゆえに、私<<ローマ>>の中にはローマの全てを在る」
「おお……!」

理屈にもなっていない言葉にも、ただただ感嘆の声が出る。
父のような逞しい肉体と、母のような穏やかな言葉。
まるで、テルマエのように全てを委ねたくなる姿。
ルシウスは、無礼とも気づかずに声を張り上げた。

「建国の祖たるロムルスよ!
 どうか、どうか私をお導きください!」

謙遜もない、恥ずべき言動。
しかし、これを夢か幻かと疑っている部分のあるルシウスにはそんなことを考える余裕もなかった。
雨が降り注ぐ中、すがるように言葉を繰り出す。

「どうか、私に新たなるテルマエの姿をお導きください!
 私一人では、何も為すことが出来ませぬ!
 私は私の力だけで何かを成し遂げたことなど何一つとして有りませぬ!
 全ては……全ては平たい顔族の文化を、盗み取っただけのもの!
 その文化を我が功績と偽る、ローマ人に相応しくない、情けない男なのです!」

自らの恥部を曝け出す羞恥に堪えながらも、神祖へと懺悔する。
偉大なるローマを前に、己を偽ることは出来ない。

「ルシウスよ、自らを卑下するものではない」

しかし、ランサーはルシウスを弾劾することも侮蔑することもなかった。
ただ、柔らかくルシウスを包みこむのみだ。
その穏やかな対応が、逆にルシウスの心を痛めさせる。

「ルシウス、例え、お前がもたらした物がお前のものでなくとも、お前がローマのために尽力したことは事実だ。
 『マグナ・ウォルイッセ・マグヌム』。
 ローマが偉大であるのは、偉大なことを欲する想いがあるからこそ。
 人々がお前を讃えたのは、お前が目指した理想のローマを、ローマの民として尊いと感じたからだ。
 例え、別の者が同じ物を生み出しても、お前の理想に劣るものならば誰も讃えはしない」
「偉大なこと……す、すなわち、ハドリアヌス様が命じられたテルマエ都市……!」
「そうだ、浴場による理想郷。
 我が愛し子ハドリアヌスがお前だからこそと命じ、お前が求めたローマの姿」

そして、雨雲に隠されている太陽が降りてきたような暖かさで。


「それがお前のローマだ」


跪くルシウスを包み込んだ。
しかし、それでもルシウスは納得ができなかった。
不遜にも、建国王が導き出した答えに意義を申し立てる。



「ならばこそ、お教えください!
 偉大なる神祖ロムルス!
 私が求めるローマの姿は、どのようにすれば形作れるのですか!」
「二度言おう、ルシウスよ。
 浴場による理想郷……『テルマエ・ユートピア』。
 それこそがお前の求めるお前のローマだ。
 私<<ローマ>>はローマであるがゆえに、お前のローマを知っている。
 だが、そのローマはお前からでなければならない。
 お前だけが生み出せるローマであるがゆえに、お前が見つけねば、それはお前の求めるローマではない」

突き放すような言葉で、優しく包み込む。
ローマそのものであるランサーが提案するテルマエならば、あらゆるローマの民が納得するものが出来るだろう。
だが、それはランサーの望むべくものではない。
ルシウスによって新たに生み出された『テルマエ<<ローマ>>』こそが、偉大なるローマの一部に相応しいと考えるからだ。
ルシウスは、幾度となく食い下がった。

「それが分からぬのです、神祖ロムルス!
 何もわからない、私では頭打ちなのです!
 ハドリアヌス帝の最期の想いにも、偉大なる神祖の期待にも応えらない!
 私が世界から貶されることよりも、貴方がたの想いを裏切ることが恐ろしいのです!」

ルシウスの下がることのない目に、ランサーは目を伏した。
そして、包み込んでいた腕を解き、背後にあった樹槍を手に取った。

「……良いだろう、ルシウス」
「おお……感謝します、神祖よ!」
「私からは答えはやれぬ。
 しかし、私<<ローマ>>のローマを見せよう。
 そこから、お前がお前のローマを見つめるのだ」

そして、ゆっくりと樹槍を横薙ぎに振るう。
春の大地のような瑞々しい唇が動く。


「『すべては我が愛に通ずる<<モレス・ネチェサーリエ>>』」


その言葉とともに、大地から壁が生えた。
ドーム型に展開された壁は、ルシウスとランサーだけの世界だけを作り上げる。
世界から隔絶されたように、雨すらも二人の空間から消しさったのだ。

「これなる壁は私<<ローマ>>を覗き見、飛び越える者を隔絶する」

ルシウスは理解した。
この壁こそが、建国神話にて名高き隔絶の壁。
神祖ロムルスの弟、レムスが飛び越えた災いの壁。
生まれながらの超人であるロムルスが唯一嘆き悲しんだ逸話から生じる、世界から空間を隔離する宝具。
ローマの中のローマとなったこの空間にて、ロムルスは樹槍を高く掲げた。
大きく口を開く。




「見よ、新たなる神の在リ様を!
 当世とは離れた地にてローマを見た男よ!
 槍を通じて那由多に偏在する、多様なローマを視るが良い!」


先程までの穏やかな口調からは遠い。
戦士としての雄々しい叫び。
ランサーが叫ぶ。
樹槍が脈打つ。
まるで雨後の大河のように、樹槍の表面化に言語化できぬ巨大なエネルギーが暴れまわっているのだ。
そのエネルギーの正体。
実態の持たぬ其れを、人々は。


「おお! おお!」


『ローマ』と呼ぶ。


「――――『すべては我が槍に通じる<<マグナ・ウォルイッセ・マグヌム>>』!!!!!!!」


瞬間。
ロムルスが手にしていた樹槍が、雄々しく、瑞々しく、成長する。
単なる樹ではない。
それは『ローマそのもの』である大樹へと姿を変えていく。
その姿を見て、ルシウスは、口を開く。
呼応するように、ロムルスも大きく叫んだ。
奇しくも、二人の言葉が重なった


「「ローマ!!!!」」


過去。
現在。
未来。
全てのローマが怒涛の勢いでルシウスの眼前にて展開される。
瑞々しい枝葉の一本一本が、ローマの輝きを秘めている。
樹槍が作り出す一本の巨木は、ローマそのものだ。
圧倒されていた。
自身が所属するローマという国が偉大であるという自負はあった。
だが、ルシウスのそれは表面上のものでしか無かったと、今ならば理解できる。
目の前のこの巨木の偉大さこそが、ローマの偉大さ。
その眩さに目を奪われ、直後に、ルシウスは倒れた。





「結局、全く分からぬままだ」

翌日、浴場の清掃をしながらルシウスは呟いた。
この世に過去現在未来、全てのローマを顕現させるという偉業を行ってみせたランサーの姿は、既にない。
裡なるローマを見せることで、ルシウスにローマを導いてみせた。
だが、それでもルシウスは自らのローマを見出すことは出来なかった。

「しかし、なぜ私がこのテルマエの清掃などを……!」

そう言いながらも、モップを動かしていく。

「おーい、お兄さん!そろそろ湯を張るよぉ!」
「ああ、わかった店主!」

そして、先日は言葉の通じなかった老人と、一晩経てばなぜか言葉が通じている。
タイムスリップ途中の転移ということもあり、多少の不具合が起こっている。
ルシウスはラテン語しか理解できなくなっていた。
それが、先日での食い違いの原因だ。
ならば、なぜルシウスは今、目の前の老人と会話が出来ているのか。
それこそがランサーが神祖たる所以。
規格外のランクを誇る皇帝特権と、愛しき我が子へと加護を授ける七つの丘。
二つのスキルを使い、ランサーはルシウスと世界の間に作り上げられた言語の壁というものを乗り越えてみせたのだ。
これは恐ろしいことだ。
ランサーはこの二つのスキルを噛み合わせることで、限界こそあるがマスターへとサーヴァントが持つスキルを付与することが出来る。
それは気配遮断の技能であったり、騎乗の技能であったりする。

「この看板は複数の言語を用いて書き込まれている。
 ……なるほど、ここは多様な人種が存在しているのか」

言語を通じるようにしたことをランサーから知らされても、さすがは神祖と敬意を深めるだけだった。
それがどれほど凄いことかも気づくことなく、ルシウスはこのテルマエで働くこととなった。
日銭は必要だ。
聖杯戦争の真実についても曖昧な理解のまま。
自らの願いのまま、異郷の地にて日々を過ごすこととなった。

【クラス】
ランサー

【真名】
ロムルス@Fate/Grand Order

【パラメーター】
筋力:B 耐久:A 敏捷:A 魔力:C 幸運:B 宝具:EX

【属性】
混沌・中立

【クラススキル】
対魔力:B
魔術に対する抵抗力。
一定ランクまでの魔術は無効化し、それ以上のランクのものは効果を削減する。
Bランクでは、魔術詠唱が三節以下のものを無効化する。
大魔術・儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。

【保有スキル】
皇帝特権:EX
本来所持していないスキルを短期間獲得できるというもの。
神祖は万能なり。
該当するスキルは騎乗、剣術、芸術、カリスマ、軍略、と多岐に渡る。
Aランク以上の皇帝特権は、肉体面での負荷(神性など)すら獲得が可能。
本スキルを有するにあたり、ロムルスは本来有していた高ランクの神性スキルを自ら封印している。

天性の肉体:C
生まれながらに生物として完全な肉体を持つ。
このスキルの所有者は、一時的に筋力のパラメーターをランクアップさせることが出来る。
さらに、鍛えなくても筋骨隆々の体躯を保つ上、どれだけカロリーを摂取しても体型が変わらない。

七つの丘:A
自らが「我が子」と認めた者たちに加護を与える。
ロムルスは、このスキルと皇帝特権スキルによって、自身以外の存在にもスキルを付与することが出来る。

【宝具】
『すべては我が槍に通ずる(マグナ・ウォルイッセ・マグヌム)』
ランク:A++ 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大捕捉:900人
マグナ・ウォルイッセ・マグヌム。
国造りの槍。
母シルヴィアの処女受胎により、ロムルスを産み落とす以前に見た夢に登場する、ローマの象徴である大樹と結びつけて伝えられる。
ローマ建国の折、ロムルスはこの槍をパラティウムに突き立てたという。
宝具としては樹木操作の能力を有している。
真名解放の際には槍が大樹として拡大・変容し「帝都ローマの過去・現在・未来の姿」を造成。
怒涛の奔流によって対象を押し流す。
質量兵器ローマ。


『すべては我が愛に通ずる(モレス・ネチェサーリエ)』
ランク:B 種別:結界宝具 レンジ:1~40 最大捕捉:100人
モレス・ネチェサーリエ。
愛する弟レムスを自らの手で誅した逸話を具現化した、血濡れた愛の城壁。
空間を分断する城壁を出現させることで壁の内側を守る、結界宝具。
城壁の出現は地面から瞬時に湧き上がるため、出現位置の調整次第ではギロチンのように対象を切断することも可能。



【weapon】
樹槍である『すべては我が槍に通じる(マグナ・ウォルイッセ・マグヌム)』。
樹木操作の力も持つ。

【人物背景】
ザ・ローマ。
古代ローマ建国神話に登場する国造りの英雄。
七つの丘にローマの都を打ち立て、栄光の大帝国ローマの礎を築いた建国王にして神祖。
生きながら神の席に祀られたモノ。
軍神マルスと美しき姫シルウィアとの間に生まれ、神の獣たる狼を友に育ったという。

母シルウィアを虐げ、祖父ヌミトルを陥れたアルバ・ロンガ王アムリウスとの戦いに勝利した。
後、アルバを統治することなく、イタリア半島に都市国家ローマを建設した。
共にアルバ戦争を戦った弟ロムスを建国の折の諍いで手にかけるという悲劇を乗り越えた。
後、たちまちのうちに地中海周辺国家を併合し、ローマ帝国の礎を築いた。

生まれながらに超人であるため、余裕と落ち着きがある。
その人間性は世界に君臨するローマそのもの。
ネロやカエサル、カリギュラのように縁のある皇帝系英霊たちを「我が子」と呼び、愛する。

カプラ沼のほとりの野で突如として発生した嵐と雷の後、彼は「消失」した。
その最期は死ではなく、古き神の名クイリヌスと言う神となって、生きながら神の席に祀られたのだ。
ローマ帝国の建国神話に名を連ねる偉大なる建国王。


【サーヴァントとしての願い】
ルシウスの望みはローマを育たせる。
故に、ルシウスの求める答えの一助となる。



【マスター】
ルシウス・モデストゥス@テルマエ・ロマエ

【参加方法】
テルマエに入浴していた際、溺れるように謎の穴に吸い込まれ、スノーフィールドの地へと迷い込む。

【マスターとしての願い】
理想のテルマエをつくる。

【weapon】
なし

【能力・技能】
テルマエ技師として、建築家としての技能を誇る。
また、兵役をこなしているために剣術・槍術・弓術・馬術に秀でている。

【人物背景】
浴場を専門とするローマの建築技師で、アテネで最新の建築技術を習得している。
愛国心あふれる頑固な職人気質で、自身の職務とローマ人であることに誇りを持っている。
だが、職務に熱中しすぎて周囲が見えなくなるなど、ワーカホリック気味な所がある。
そのため妻リウィアとの衝突も多く、作中で三下り半を突き付けられ離婚、いっそう職務に没頭するようになった。

また有事には兵士としてローマ帝国軍に応召していた。
そのため、タイムスリップ先の現代日本人から「ギリシア彫刻みたい」と形容された無駄なく引き締まった肉体を持つ。

様々な浴室の建築に頭を悩ませるたびに、風呂場もしくは水に関する場所(生簀・海・泉等)から現代日本の多種多様な風呂や浴場へとタイムスリップしてしまう。

【方針】
理想のテルマエへの道を見つけ出す。

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最終更新:2017年01月27日 02:23