兎の穴◆yYcNedCd82
豪雨が降り注いでいた。
無限に続くかと思われる巨大な積層都市の最下層に、雨が振り続けていた。
容赦なく叩きつけるような雨粒に晒されながら、彼は宿敵と対峙する。
世界全てを支配せんとする男は、もはやかつての涼し気な表情を失っていた。
激高し、怒鳴り、叫び、感情も顕に怒りをぶつけ、彼に対して拳を叩きつける。
何故か。
彼が立ち上がるからだ。
幾度殴られ、蹴られ、投げつけられ、叩きつけられても、彼が立ち上がるからだ。
彼は笑った。笑って、ゆっくりとクレーターの底から立ち上がった。
その姿を見て、男が目を剥く。信じがたいものを見るような表情。
「なぜだ? なぜやめない? なぜ立ち上がり戦い続けようとする?
命を捨ててまで守りたいものがあるのか? それが何か分かっているのか?
自由か、真実か、平和か、それとも愛か? それはただの幻想だよ。
愚かな人間の知性が意味も目的もなく存在するのを正当化するための幻だ。
この世界と同じ虚構なのだ。つまらん愛とやらを作り出せるのは人間だけだが……。
そろそろ分かっているはずだ。君は負ける。戦う意味はない。
なぜだ? なぜそこまで続ける!?」
彼は言った。
「選択したからだ」
男が吠え、飛びかかってくる。彼は身構え、真っ向からそれを迎え撃った。
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「さあ、出てこいミスター・アンダーソン! 遊びは終わりだ!」
――まったく、夢見が悪いと思ったらこれだ!
アンダーソンはオフィスでデスクの下に潜り込みながら、苛立たしげに舌打ちをした。
妙な夢を見た。救世主伝説とブルース・リーとヒーローコミックをごちゃまぜにした夢だ。
そして目覚ましを止めたら遅刻寸前。慌てて飛び出したけど結局遅刻。
上司に怒鳴り散らされ、今度遅刻したら首にすると脅され、席につけば仕事の山。
――そしてお次はテロリストの襲撃ときたもんだ!
「ねえ、マスター? もういっそ皆殺しにしちゃいましょうよ。そのほうが早いわ
「む……。確かにそうだな。隠匿さえすれば、魂喰いも許される。よし、やれ!」
「何を言ってるんだ、あいつは……」
頭でもおかしくなったのか?
ファンタジー小説にでも出てきそうなローブを纏った男は、頭の痛くなるような事を叫んでいる。
その隣に扇情的な衣装を纏った女を伴っているあたり、ここはコミコン会場かと疑いたくもなる。
だが、これは現実だ。
男がわめきながら手を振れば稲妻が飛んで同僚が消し炭になり、女の槍は同僚の首を跳ね飛ばしている。
隠れている自分に気づいている様子は無いが、時間の問題だろう。
これが現実――現実? 本当に?
アンダーソンは目を瞬かせた。白い兎を見たような気がした。
男の放った稲妻で吹き飛んだ机から、舞い上がった書類が雪のように降り注いでくる。
その中に、白いトランプが一枚だけ混ざっていた。
ひらりひらりと、左右に揺れながら、アンダーソンの前でトランプが踊る。
―――― "Follow the white rabbit."
そう呟いたのは無意識のうちだったのかもしれない。
あるいは潜在的な、何かがそれを促したのかもしれない。
アンダーソンは恐る恐る、その紙切れへと手をのばし――――
(三秒後、頭を低くして走って、奥の部屋へ!)
――――その瞬間脳裏に響いた声に従って、弾けるように駆け出した。
(奥の部屋。入って、窓の外。ゴンドラに飛び移って!)
逃げ惑う人の隙間。崩れてきた荷物の影。死角から死角。
滑り込むような動きはアンダーソン自身でも驚くほどに俊敏だ。
もちろんその速度に驚いたわけではない。
コツを覚えていたことに驚いたのだ。
「君はどうするんだ?」
サーヴァント。聖杯戦争。英霊。ムーンセル。
次々と流れ込んでくる0と1の感覚は、彼にとって極めて懐かしいものだった。
主観時間だとさほどの時間は経っていないが、客観時間ではどれほどの経過があったのか。
アンダーソンはオフィスの窓をあけると、雪風の中に身を乗り出した。
吹きすさぶ風の冷たさに目を閉じ、反射的な動作に思わず笑って、平然と外に身を晒す。
すぐそばには窓拭き用のゴンドラが揺れている。
間に足場は無い。落ちれば死ぬ。遥か下のコンクリートに叩きつけられて。
(そりゃあ、私はサーヴァントだもの。サーヴァントの相手をする。でしょう?)
「なら、僕はマスターの方だな」
(そーゆーこと)
鈴のような声音が脳裏に響いて、ぶつりと途絶える。
「……今度の兎の穴も、けっこう深そうだよ」
もう会うことのない懐かしい友にそう呟いて、アンダーソンは笑った。
笑い、そして以前は跳べなかった空間へと彼は身を躍らせた。
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メタ・コーテックのスノーホワイト支社に務めるアンダーソンはマスターだ。
幸運にも早期に記憶を取り戻したその魔術師が、ウェブを流れる情報を手に入れたのは偶然だった。
聖杯戦争の初動をどうするかというのは難しい問題である。
動けば痕跡が残る、痕跡が残れば他の参加者に気づかれる。
十五騎が揃った状態で時間となれば本戦が始まるののだから、予選中は潜伏すれば良い。
だが、もしも相手がまだ未覚醒の状態だったら?
それは悪魔のような囁きだった。いや、事実そうだったのかもしれない。
彼の召喚した槍兵の魔女は、褥を共にしたあとで艶っぽく告げてきたのだ。
もしも私が滅んでしまった時、もう一枚トランプがあれば、力になれるでしょう?
魔術師は迷わず飛びついた。
彼は槍の魔女の肉体に溺れていた。
魔女が魂食いを望んでいるだけと気づいていても、拒もうとは思えなかった。
自らの欲望のまま無辜の人々を惨殺することを選んだ時点で、彼と彼女に救いは無い。
故に――――……。
「残念でしたっ!」
――ここに森羅の守護者が立ちはだかる。
真紅の外套を翻した少女が、白黒一対の剣をもって、魔女の槍を切り払う。
澄んだ金属音を伴って穂先が弾かれ、今まさに殺されんとしていたプログラマーの命を救う。
這いつくばるようにして隠れているデスクには、妻子の写真。プログラマーは父親だった。
父親としての役割を与えられたAIだった。
「なッ!? サーヴァントだと……ッ!?」
魔術師は唾を飛ばして怒鳴り散らし、目を剥いた。
悠然と目の前に佇む少女は、明らかに他の人間――AIやNPCどもとは情報量が違う。
間違いない。英霊――サーヴァント、アンダーソンの呼び出したものだ。
「ふうん、正道の英霊かしら。ご苦労なこと……」
槍の魔女は、転げるように逃げ出したプログラマーを横目で追いながら、気怠げに息を吐く。
「所詮は自我も魂もないAIや、何者かもわかっていないNPCでしょう? 守るだけ無駄な努力よね」
「……救われない人」
真紅の弓兵は蔑むようにため息を吐いた。
するりと踊るようにステップを踏み、口元には大胆不敵な微笑が浮かぶ。
「良いわ、掛かってきなさい。――正義の味方ってのを教えてあげる」
「抜かせ、小娘ッ!!」
激突。
今までの戯れではなく、槍の魔女の本気の攻勢。
紫電の如き突きを、少女は残像すら残らぬ速さでことごとく迎え撃ち、弾き飛ばす。
「……ッ!」
彼は援護しようと呪印を結びかけるが、高速の攻防に介入の余地はない。
魔術師はとっさに視線を彷徨わせて、奥の扉が僅かに開いている事に気がついた。
思わず飛びつく。ドアを開く。吹き込んでくる雪の冷たさに目を閉じた。窓が開いている。
――上か!
窓の外にゴンドラが見え、それで彼の次の行動は決まった。
「ランサー、その娘を仕留め……いや、捕えろ! 使い道はいくらでもある!」
「はい、マスター。仰せのままに……。四肢を貫いて、磔にしてあげる」
「うわ。お断りなんだけどなぁ」
緊張感無く顔をしかめる少女に、緊張感はあまりない。
駆け出した魔術師を背にした魔女は、その表情に唇を噛んだ。身の程を知るべきだ。
彼女は素早く口訣を結び、槍の秘めたる名を解き明かす。
毒棘を持つその槍は、触れれば肉を腐らせ、骨を溶かし、血を沸かす必滅の武具。
一切の躊躇なく繰り出されたそれを見て、すっと少女は目を細めた。
「刻印弓(フェイルノート)、第二展開!」
音もなく、まるで翼を広げるように少女の右腕から弓が弦を伸ばす。
そして、虹色の光が世界に満ちて――――……。
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「もはや逃れられないぞ、ミスター・アンダーソン!!」
ビルの屋上に、その男はいた。
魔術師はぜいぜいと息を荒げながら、苛立たしげに男を睨みつける。
ゴンドラに飛び移り、そこからさらに上を目指すのは、相応の労力が必要だった。
だが、いつの間にやら黒いコートを着込んでいたアンダーソンは、平然と立っている。
――まるで、魔術師を待ち構えるかのように。
「無駄な足掻きをするな!
勝ち目は無い――どうやらサーヴァントを召喚したらしいが、あの小娘も俺のランサーには勝てん!
お前もそうだ! 魔術師でもないお前が、今こうして俺と対峙した時点で負けは決まっている!
諦めろ! お前が戦う意味は無い!」
「いや」
男は、平然と言った。
「僕はもう、選択した」
「抜かせッ!!」
魔術師は感情に任せて呪印を切り、魔力を迸らせた。
魔力は雷槌の形を結び、迸る紫電が周囲の大気を沸騰させる。
ムーンセルによって参加者として選ばれ、自我を取り戻すだけの才を見せた魔術師である。
その魔術の技量は、並大抵のものではない。
彼は自らが生み出した雷を槍の如く振りかぶる。如何なる者とて、この一撃は防げまい。
音の四百四十倍。一億ボルトの電圧。一ギガジュールのエネルギーの塊。
まさしく神也!
「死ねぇッ!!」
だから魔術師はその結果を確信していた。
男は黒焦げになり、全身の筋肉を炭化させ、神経を燃やし、痙攣しながら死ぬのだと。
故に、この結果はありえないものだった。
稲妻が
空中で
止まっている。
魔術師は目を瞬かせた。何だこれは? 何が起きている?
このアンダーソンという男は、魔術師などではなかった筈だ。
だが、しかし、これはなんだ。
なぜ自分が渾身の力で放った魔術が、突き出された掌の前で停止しているのだ?
これは本当に現実なのか? 現実――――……現実?
「一つ、僕が教わったことを教えてやろう」
不意に静かな声が響いて、魔術師ははっと顔をあげた。
そこにはアンダーソンが立っていた。
掌を突き出し、ぼろぼろの背広姿のまま、けれど雪よりも透明な表情で。
――――なんだ、この男は?
先程まで、こんな雰囲気は纏っていなかったはずだ。
目の前に立っている男は、まるで巨大な壁のようだった。
それが自分へと覆いかぶさってくる。そんな錯覚に、口の中が乾く。
「"スプーンなんて無い"」
それが魔術師が聞いた最後の言葉だった。
アンダーソンが僅かに力を込めると、稲妻が光の速度で手元に戻り、魔術師を貫いたからだ。
強烈な放電の情報量は容易く魔術師の意識を0と1に分解した。苦痛は無かったろう。
彼は黒焦げになり、全身の筋肉を炭化させ、神経を燃やし、痙攣しながら崩れ落ちた
つまり、死んだのだ。
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戦いは終わった。
ぶすぶすと煙を上げる炭素の塊に背を向けて、彼は屋上の断崖絶壁に佇む。
見下ろしたスノーフィールドの街は荒涼としていて、雪が容赦なく彼に降り注ぐ。
「つまり、これも"代償"のうちってわけか?」
かつて彼は一つの契約を交わした。
人の世界を救うため、機械の世界を救うという約束だ。
機械じかけの神はそれに同意し――彼の献身を代償として、二つの世界は救われた。
だがしかし、この機械じかけの月にまだ危機があるというのであれば。
――それを救うのが、僕の使命というわけか。
アンダーソン、いや、もはやネオと呼ばれるべき男は皮肉げに口元を緩めた。
救世主は休む暇も無いらしい。大工の息子も三日で蘇らせられた。
――だが、まあ、かつてと比べれば随分と楽だ。
既に選択は為された。
この偽りの都市――そう、ここに都市などない――に集った人達は、自らの意思で立っている。
だが未だに選択する事にさえ気が付かず、今さっきのように惨殺されていく人々もいる。
それがPC候補であれ、純然たるAIであれ、そこに何の違いもないことをネオは知っていた。
あのマシンシティへ向かう途中の地下鉄駅で出会った、ある家族がそれを教えてくれた。
AIとて「愛」を覚えるのだ。「運命」はそこにある。
重要なのは言葉ではない。言葉が意味する関係性――つまり、「そこにいる意味」だ。
ならばムーンセルがネオを招いた理由は明白だった。
――トリニティ、君がいたら何と言うだろう?
喪われた恋人の怜悧で容赦のない口調を思い返すと、僅かな寂しさが雪風に混ざった。
まるでエージェントみたいね、だろうか。実際、似たようなものだ。
ネオは目を閉じ、ムーンセルの中を流れる0と1、プログラムの奔流に身を浸した。
と――……。
「おまたせっ。大丈夫だったみたいね?」
まるでデートに遅れたことを気にもしない少女のような声。
ネオは目を開き、ゆっくりと振り返った。
真紅の外套を纏った弓兵の少女――彼女が銀髪をなびかせて、猫めいた微笑を浮かべている。
「今回はお互いガーディアンって事で呼ばれたみたいだけど……良い?」
「大丈夫だ。……といっても、立場としては参加者らしいが」
ネオは笑った。
察するに、この少女も英霊として――ムーンセルの守護者として顕現させられたのだろう。
英霊というのは人類種が存亡の危機に陥った時、それを救うために現れるのだという。
だとすれば自分のいた世界に彼女のような存在が現れなかったのは……。
――つまりあのマシンに支配された世界は、人類が滅ばない世界だったというわけか。
なるほど、それは確かに事実で、ネオの笑いはその皮肉な事実に起因した。
「自分の意思で選択をした以上、参加者はその結果を受け入れなければならないと僕は思う」
ネオが静かにそう言うと、少女は「ふぅん」と面白がるように相槌を打つ。
「だが選択する事もできない人々や、無関係のAIたちが……犠牲にされるのは、おかしい」
「そうね。 うん……悪くない答えだと思う」
にこりとアーチャーは微笑んだ。
英霊の年齢など考えるだけ無駄だろうが、見たところ16か、17か。
ティーンエイジのアイドルかなにかとして、グラビアを飾っても良さそうな容貌だ。
そんな彼女が戦いに身を投じていることに、ネオは僅かな疑問と好奇心を抱いた。
もともと好奇心は強い――でなくば、兎の穴には飛び込まない――方だ。素直にそれをぶつける。
「サーヴァントはムーンセルに願いがあるんだろう?」
「んー?」
アーチャーは問われた言葉に不思議そうに首を傾げ「大したことじゃないの」と手を振った。
「私は……そうね。ちょっと、見てみたい世界線があるだけ」
ある人が救われている世界線を見たいのよ。アーチャーはそう言った。
ネオは頷いた。よくわかる話だった。自分もトリニティが救われた世界線を見てみたい。
ムーンセルに願う報酬があるとすれば、それだけだ。それで十分だ。
しかしネオは深く納得したと同時に、再び疑問が浮かぶのを覚えた。
それはかつて、幾度となく己自身に問うた事でもあった。答えのでない問題だ。
選択したから、という結論に至るまで――長い、長い、時間と戦いが必要だった問いかけ。
「しかし、なぜ僕なんだ?」
問われた少女――銀髪に赤い外套の弓兵は、一瞬きょとんと目を見開いた。
その赤い目が宙を彷徨い、わずかに朱に染まった頬を、形の良い指先がごまかすように掻く。
「それは……」
くるりとアーチャーは顔を隠すように背を向けた。
三つ編みにされた銀髪が大きく弧を描いて空中に踊る。
その軌跡がまだ宙にある内に、彼女はステップを踏んで、舞うように振り返った。
顔に浮かぶ表情は――気恥ずかしさに満ちた、けれど楽しげな微笑。
「あなたのコートとその声が、エミヤキリツグに似ていたからよ!」
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【出展】SWORD DANCERS(比村乳業)
【CLASS】アーチャー
【真名】
イリヤスフィール・フォン・アインツベルン
【属性】混沌・善
【ステータス】
筋力E 耐久D 敏捷B 魔力A 幸運E 宝具A
【クラス別スキル】
対魔力:A
A以下の魔術は全てキャンセル。
事実上、現代の魔術師ではアーチャーに傷をつけられない。
単独行動:C
マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
ランクCならば、マスターを失ってから一日間現界可能。
【保有スキル】
心眼(偽):C
第六感による危険回避。
千里眼:C
視力の良さ。遠方の標的の捕捉、動体視力の向上。
魔術:B
錬成魔術を中心に、オーソドックスな魔術を高いレベルで行使できる。
魔術師としての技量は低いが、理論をすっ飛ばして「結果」のみを現出可能。
髪の毛を媒介に使い魔を作り出す事ができる他、強烈なガンドを発射する。
投影魔術:C+++
ある無銘の英霊の心象風景=固有結界より零れ落ちたもの。
そこは「剣を形成する要素」で満たされ、目視した刀剣が登録、複製、貯蔵されている。
貯蔵可能なものは武具に限定されるが、ランク低下と引き換えに宝具の投影も可能。
【宝具】
『刻印弓(フェイルノート)』
ランク:D 種別:対人宝具 レンジ:1-99 最大補足:10人
右腕に刺青として刻まれた魔術刻印。
解放することで手首に赤い光弓を展開、実体を持たない「弓を打つ」概念となる。
投影した剣を瞬間的に装着、狙った場所に確実に着弾させる事ができる。
ただし弓自体に追尾効果などはないため、極めて正確な射撃以上のものではない。
アーチャーに弓の才能は無く、この宝具によって弓兵のクラスを得ている。
『夢幻凍結(ファントムキャンセラー)』
ランク:A 種別:対抑止宝具 レンジ:1-99 最大補足:1
フェイルノートの第二段階。抑止の守護者へのカウンターとしての宝具。
対象が宝具を解放しようとした際、瞬時に情報を解析し、同じ宝具を投影、発射する。
これによって如何なる規模の宝具であろうと相殺、無効化する事ができる。
ただし打ち消せるのは武器としての形状を持つ、アーチャーが投影可能な宝具に限られる。
『我が魂と絆の剣(ローレライ)』
ランク:EX 種別:第三魔法 レンジ:1 最大補足:1
ある無銘の英霊が、ただ一度だけ自身の意思で錬鉄した剣。
アーチャーの霊核であり、厳密にはこの剣こそがアーチャーの本体。
赤い外套を纏った少女の姿は、いわばこの剣に憑依している幽霊に過ぎない。
アーチャーが投影を扱えるのは、剣を通して無銘の英霊の心象風景と繋がっているため。
この剣が破壊されない限り、アーチャーは消滅することがない。
また単独行動スキルの期限が来て魔力が尽きても、彼女は剣の姿で存在を維持できる。
【weapon】
『干将・莫耶』
アーチャーが好んで振るう陰陽一対の夫婦剣。ランクC-の宝具。
装備しているだけで対魔術・対物理防御が上昇する、一種の巫術礼装。
また互いに引き合う性質を持つため、投擲や奇襲に応用する事もできる。
本来はさほどの刀身ではないのだが、アーチャーは長剣サイズに延長して投影している。
『シュトルヒリッター(コウノトリの騎士)』
術式『天使の詩(エルゲンリート)』を用いて髪の毛を媒介に錬成した使い魔。
小型ながら魔力の生成すら可能な自立浮遊砲。「小さな魔術師」とすら称される。
光弾を撃つ銃身兼剣と、それを固定した浮遊する本体の2パーツで構成されている。
射出する普通の光弾をツェーレ(涙)、剣部分を光弾として放つものをデーゲン(剣)と呼ぶ。
【人物背景】
銀髪を三つ編みにし、赤色の外套を纏った弓兵の少女。
抑止の守護者が非道な行いを以って世界を救わんとした際に顕現する、森羅の守護者。
犠牲を減らし、人を守り、助け、誰も殺さずに世界を救おうとする「正義の味方」。
明るく元気、破天荒でおてんば、周囲を引っ掻き回す年相応の少女らしい性格をしている。
軽薄な振る舞いに反し身体能力は極めて高く、かのアーサー王とも互角に打ち合ったという。
またクーフーリン、ギルガメッシュ、ヘラクレスなど大英霊との面識もあるらしい。
可愛い女の子を好み、天然ではないけれどドジっ子属性があるとのこと。
16歳の春、一番大切な人と二人っきりで旅に出た少女。
一年後に生涯を終えた彼女の魂と亡骸が、剣として鍛えられた存在。
【サーヴァントとしての願い】
無銘の英霊を抑止から解放する。
無辜のNPCたちを守る。
【基本戦術、方針、運用法】
アーチャーは純然たる「正義の味方」として行動します。
彼女の目的は無銘の英霊を抑止から解放することですが、同時に無辜のNPCを守ることです。
つまり積極的であれ消極的であれ、NPCに犠牲を出す行動は取りません。
戦闘においては――Fate原作本編のアーチャーさながらの戦術を取ります。
近距離では双剣を用いた白兵戦、刻印弓を用いた投影剣連射、狙撃、宝具の投影。
固有結界を展開できない彼女の切り札は『夢幻凍結』です。
相手の宝具を無効化し、即座に連撃を叩き込むのが必勝パターンでしょう。
640: 兎の穴 ◆yYcNedCd82 :2016/12/04(日) 12:53:50 ID:2wQWv.CE0
【マスター】
ネオ(トーマス・A・アンダーソン)
【出展】
MATRIX 三部作
【参戦方法】
スミスとの最終決戦後、分解されたデータをデウス・エクス・マキナが回収。
ムーンセルとの間の何らかの情報交換においてデータが引き渡され、再構築された。
【人物背景】
人類がマトリックスという巨大な仮想世界で捕らわれている時代に現れた"救世主"。
あらゆるプログラムに干渉することのできるアノマリー(異常情報体)。
元は単なるプログラマーだったが、救世主として目覚め、マトリックスとの戦いに挑んだ。
その中で、宿敵であるマトリックス側エージェント・スミスが暴走を開始してしまう。
彼もまたアノマリーと化し、マトリックスを全て自分のプログラムで支配しようとしていた。
人類とマシン双方が滅亡の危機に晒され、ネオはマトリックスと和平を結ぶ事に成功。
そして人類の解放と引き換えにスミスと戦い、自らの犠牲を以ってスミスを消滅させた。
【能力・技能】
あらゆるプログラムに干渉し、自らの望むままに書き換える能力。
電脳空間内においては限定的な「全能」として発揮される。強力なコードキャスト。
身体能力の超人化、傷の治療、事象の変換、物質の想像エトセトラ。
ただし能力行使には集中が必要となるために、消耗も激しい。
"そこにスプーンなんて無い”。
【マスターとしての願い】
無辜のNPCたちを守る。
【方針】
ネオはムーンセルによって構築されたガーディアンです。
オープニングで発生したバグを疑問視したムーンセルが、ネオを呼び出しました。
彼は超人的な身体能力と限定的な「全能」を駆使し、NPC達を守るために戦います。
彼は人とマシン、二つの存在の"救世主"であることを選択したのですから。
最終更新:2016年12月04日 13:51