【空の光の紡ぎ詩】
空が欲しくて欲しくてたまらない男の子のお話。
帝王、国王、魔王、憲王。頂点が乱立するこの世界。
欲望が力となる世界で大悪魔はそそのかし、過激な欲を持つものに力を与えた。
大悪魔を使うことになった欲の持ち主はその欲ゆえに世界を荒らし、災害となる。
その対抗手段として生まれたのは大天使。
大天使を主とし付く者達と大悪魔を使う者達の争いの話である。
用語解説
願い・望みとも呼ばれ、
大天使が好む神聖なものを願い。大悪魔が好む邪念なものを望みとしている。
大きすぎる欲は世界のルールにより捻じ曲げられて解釈されるが、強い能力になる。
:大悪魔に対向するべく希望に溢れた願いを探す生き物。
願いの主に力を貸し、大悪魔による被害を直して平和で正しい道へと修正しようとしている。
彼らが力を与えた者を大天使付と呼び、主従関係を築いて大悪魔を抑えるよう戦う。
暖色系の色合いと小動物の体。白い翼を持っている。
:世界を混沌に導くべく自己中心的な望みを探す生き物。
望みの主に力を預け、その欲望の赴くままに世界の均衡を崩そうとすることが目的。
彼らが力を渡した者を大悪魔使と呼び、主に従い力を振るい続ける。
寒色系の色合いと小動物の体。口元を白い物で覆った黒い翼を持つ。
体にある宝石の位置が核にあたる。
:他人のための、無害な願いを持つ者の元に卵が現れ、彼らの願いを元に大天使が生まれる。
願いに応じた力を大天使から授かり、その力を使って大悪魔と大悪魔使に立ち向かう者。
願いの強さに応じて力が変わるため、基本的に大悪魔使には劣るが数はずっと多い。
人より少しだけ寿命が長く、体が強固になる。
:自己中心的な、世界を破壊する程の望みを持つ者の元に卵が現れ、
彼らの望みを元に大悪魔が生まれる。望みを叶えるための力を大悪魔から授けられるが、
彼らが選ぶ者はいずれも強大で最悪な欲望ばかり、強大な力を持つ者が生まれてしまう。
数は少ないが世界が半壊状態であるように危険とされる者。
最も力の強い大悪魔使から魔王が選ばれる。
卵から生まれる際心臓を食われてしまうので、人ならざる生命体になっている。
大悪魔の核部分が弱点となり、半永久的に生きることが可能になる。
:最凶最大最悪最高位の権力者。悪が上に立ってしまっている。
魔王となったものが世界を掌握し、統べることが出来ると言われている。
反抗する大天使を寄せ付けず、世界の均衡を崩し続ける存在。
力が尽きる時に指名されたものが魔王としての地位を得て君臨することになる。
登場人物
主な視点者
- ぼく :空の異変を不快に思い、絵画でしか残っていなかった空に憧れを抱いた少年。
”ボク”の元へ赴き大敗北をしてから強い願いに惹かれた大天使に拾われた。
願いは「空を取り戻す」。冷たい炎の使い手。
能力は『光を灯すこと』で「空を取り戻す」願いから生まれた。
脳内で自己完結する「ご主人」に代わり世話を焼く(格が上の筈なのに)。
灯す時はお腹が光る。常に丁寧口調で勇気100%。
- ボク :「空が欲しい」という強い望みに魅入られて大悪魔使になることになった少年。
魔王候補と言われたが一度の力の開放の後、半世紀活動をしなかった。
不可視の水紋の使い手で、”ぼく”にとてもよく似ている。
- ルクランシェ:愛称はルクス。太陽の光を奪った大悪魔。
能力は『光を奪うこと』で「空が欲しい」という欲から生まれた。
尻尾の宝石に奪った光を宿して主人のために世界を回り続ける。
悪魔としての倫理観で正論を吐く侮れない存在。
大天使サイド
- あたし :”ぼく”のことを気に入って「ダーリン」と呼ぶ女性。
あまり回りが見えない質らしく、ダーリン一筋で話を進める。
町で出会ってからずっと付いてくる。何か目的があるらしい。似た者を極端に嫌う。
- ミモザ :謎の大天使。色々と筋の通らないところが出ている上、大天使教会に知られていない。
能力は『忍ぶこと』で「誰にも目立たない存在になりたい」という願いから生まれたらしい。
胸の石は水晶。変装するごとに色が変わっている。首元のスカーフはトレードマーク。
のんびり屋さんでぼーっとしていることが多い 。
- 余 :願ったことにより突然王位が降って来た男の子。自らは遠慮してオーサマに譲っている。
人心掌握の力の他にもいくつか与えられたようだが使わないので不明。
- オーサマ:実際に王様にもなっている。王様の大天使。
『良い王様が国を平和にしてくれますように』という願いから生まれた。
常に偉そうな言動だが20cmなので威厳は無い。
願いの主を王様にする事が役目の筈がお互い立場に満足している。
大悪魔サイド
- 私 :引っ込み思案な女の子で、いじめられっ子。愚鈍で何も出来ないと自己評価していた。
災難から避けたいばかりにマイナスな感情が肥大化していたらしく、大悪魔サイドに。
”ボク”の下について、支配者がいなくなる世界を目指そうとしている。
- シェーレ :恐竜の姿をした、他よりも一回り大きな大悪魔。
能力は『全てを跳ね返す』で「傷付けないで」という望みから生まれた。
一言も話さないでぴったりと主に付いている。右手で吸い込み左手で吐き出す装置を持つ。
- 俺様 :「神になりたい」という望みから力を得た。自己中心的で我儘なこども。
好き放題やり続け、六十余年もの間天も大地も荒らしている。
紫色の雲の積乱雲のような城を作ってそこに居座ってふんぞり返っている。
能力は『雲を生み出し風を操る』で「神になりたい」という欲から生まれた。
スキンヘッド犬。ジェスチャーで会話をするが声は渋い。
尻尾から常に雲を作り出している。お茶目で楽しいことが好き。
- ??? :主人が誰かは分かっていない。姿を隠し、世界の行末を見守っているらしい。
大悪魔使には珍しく過激な手段には出ず、暗躍し続けている。
能力は『同じ存在になりかわること』で「他人が羨ましい」という欲から生まれた。
黒い骨組みのような翼を持ち、間に膜を張って飛ぶことができる。
世界的には何の影響も及ぼさない一見無害な子。
最終更新:2015年10月18日 23:40