四月一日、早朝。
冬は寒く、夏は殺意すら感じる陽光に照らされる東京にあって、数少ない爽やかかつ穏やかな日差しが差す貴重な時である。
現世の虚像、冥奥の地の偽りの東京とは言え、それは変わらず。そこに住まう人々も、嘘偽りとは言えども、快適に過ごせる時期を満喫している。
例え天を震わし、地を揺るがす魔戦が天上にて繰り広げられたとしても、人々は安寧を享受する。
自分にだけは、自分の周りには、災厄が来無いと。そう信じながら、心の何処かで祈りながら。
だが、だがしかし。災厄は既に冥奥東京の其処彼処にばら撒かれ。
今、その一つが新たな災禍を振り撒くべく動き出そうとしていた。
◆◆◆
「こんなモンで良いかぁ」
「おお、これだけ居れば充分よ」
東京某所。春の大気を穢し尽くす、濃密な悪意と妖気を纏う異形が二体。言葉を交わした。
獣の槍により人であった頃の全てを梳られ、忘れ去っても尚、その悪性と殺戮への欲求を失わなかった獰悪の獣、紅煉。
禁呪法により産み出された人造生命。炎の激情と氷の冷徹を併せ持つ凶猛の氷炎将軍
フレイザード。
冥奥東京に確と根付く災厄の一つにして、主従共に人外化生という例外にして枠外。
主従揃って、並いるサーヴァントを有象無象と蹴散らして来た規格外の怪物共が、陣容を整え出師する。
「手筈通りにやれよ、セイバー」
昨日考案した作戦に則り、出撃するセイバーに対し、フレイザードは念押しをする。何しろこの獣の獰悪な気性は、フレイザードの思惑を無視しかね無い。
実際その懸念は実に正しく。人と妖(バケモノ)との連合軍と
白面の者との決戦時に、人間と遊び(戦い)続けて戦場に馳せ参じなかったという大失態を、紅煉は犯している。
その事をフレイザードが知らぬが、それでも尚の事、念を押させるだけの、凶猛獰悪な気性を有するのが、紅煉という悪虐の獣だった。
「そっちこそな、マスター」
口元を歪める紅煉。浮かべるものが笑みであり、浮かばせたものが喜悦であるというのに、その顔は獲物を前に牙を剥く凶獣のものとしか見えない。
姿を消して飛び去る紅煉を見送り、フレイザードは背後を振り返る。
「出撃だぁ!!」
フレイザードの周囲に侍る二十の獣。異形の単眼と胴から生える牙とを持つ、紅煉の産み出した黒炎の新型。
この地の何処かに在りて、その存在を肥え太らせているであろう大妖。それを探す為に、旧型の黒炎が出払っている今現在。フレイザードが直卒出来るのは、紅煉に一晩掛けて生み出させたこの二十体のみ。
それでも戦力としては充分ではある。生前率いていた氷炎軍団に比べれば、数こそ少ないが、その強さはフレイザードの率いた軍団内でも比肩し得る魔物(モンスター)はそうは居ない。
二体の新型黒炎の肩に担がれ、フレイザードもまた、空を征くものとなった。
◆◆◆
東京都文京区に有るとある高校。
新年度初日。クラス替えを始めとする多くのイベントが発生する日。
新たな日々の始まりに緊張する者。友人と同じクラスになって喜ぶ者。部活やサークルに勧誘される新入生。そういったイベントと全く無縁の隠キャ。
頻発する超常の事態。各所で発生する災害。立ち向かうヒーロー。フィクションの中にしか存在しない事柄が立て続けに起きていても、十人十色、生徒の数だけ存在する学生生活を過ごしていた。
それが、薄氷の上に乗っているものとも知らずに。
それが、運命のほんの気まぐれで、一つの色に染め上げられることも知らずに。
最初に気付いたのは、友人と話しながら校門から校舎へと歩いている女子高生だった。
なんという事はない。歩いていたら、日が翳った。それで何の気無しに上を見上げた。
そして見上げた視界に映ったのは、何かは判らないが、大きな黒い獣の足。
そう認識した次の瞬間、何の行動も起こす事も、言葉を発することも無く、少女は垂直に圧縮されて、潰れて死んだ。
活気に満ちていた周囲が瞬時に静まり返る。
人は、己が理解を超えたものを見た時、見たものを認識が出来ないという。
いきなり空から降ってきた巨大な獣に、人間が1人潰された。
獣の重量と落下の勢いで、ひしゃげた頭部が胴にめり込み。弾ける様に肋骨と内臓が飛び出し、胴を突き抜けた臓物まみれの潰れた頭部が脚の間に落ちるなど、確かに理解の外だろう。
隣を歩いていた友人が無残な肉塊と成り果た事に、何の反応も示さず呆けていた少女へと、黒い巨獣────紅煉は無言で腕を振るう。少女の上半身が消失し、盛大に血と肉片が飛び散った。
最初に死んだ少女のものか、次に死んだ少女のものか、地面を転がった眼球が靴のつま先に当たった少年が絶叫した時。紅煉は既に20人以上を爪に掛け、更に殺害人数を増やそうとしていた、
立ち竦んで絶叫する3人の少女を、鼻面に刺さった刀を伸ばして胴を輪切りにすると、失禁して地面にへたり込む少年の横を駆け抜けながら頭を砕き。
逃げようとしていた少女の頭を掴んで握り潰しながら投擲、30m以上離れた場所に居た2人連れの少女をまとめて殺し。
足元でへたり込んでいた少女を踏み潰すのと、少女を抱え上げて逃げようとしていた少女の恋人の頭に拳を振り下ろして、身体を半分に圧縮し。
100m以上の距離を瞬時に駆け抜け、擦れ違った人間全てを爪で切り裂き、紅煉の身体に触れた者は骨が砕け、臓物が潰れて即死した。
この間、僅か10秒足らず。
紅煉が最初に犠牲になった少女を踏み潰してから、五分と経たぬうちに、死者は三桁の大台に到達していた。
周囲に生きる人間が居なくなった紅煉が、叫喚を聞きながら凶悪な笑みを浮かべる。
NPCという奴は、味が薄くて進んで喰う気こそしないものの。恐怖し、傷ついた時にあげる悲鳴は。刀で爪で斬り裂き、拳で殴り潰す肉の感触は。生身の人間と変わらない。
食欲は兎も角。殺戮の愉しみを満喫する事は、充分に出来るのだった。
耳障りな音が聞こえ、首を巡らせた紅煉へと、エンジン音を響かせながら車が迫る。
教師の一人が、紅煉の凶行を止めるべく、通勤に使っている乗用車を持ち出したのだ。
紅煉から少しでも離れようと、必死に足を動かしていた生徒達から歓声が上がった。これでこのバケモノをやっつける事が出来ると。
重さ一トンを超える鉄の機械は、校庭を逃げ惑う生徒たちを、奇跡的に轢く事なく、時速80kmで紅煉へと激突した。
「ふはははは。良い玩具を持ってきやがった」
生徒達の顔から表情が消えた。一トンを超える自動車が、自足80kmで激突したのだ。それを棒立ちで受けて、小揺るぎもしない有り様は、悪夢の具現という言葉ですら追いつかない。
伸ばされた紅煉の右手が、車のフロントノーズに食い込むと、さして力を入れた様にも見えないのに、軽々と車を腕一本で持ち上げる。
「そらよ!」
軽く腕を振った。そうとしか見えないのに、投擲された車は放物線を描いて二十mも宙を舞い。落ちた場所にいた生徒複数を押し潰し、
更に生徒を巻き込みながら勢いよく転がって、校門に激突し、塞いでしまった。
絶望そのものの表情で、紅煉へと視線を向けてくる生徒達へ、悪意のタップリと籠った嘲笑を浴びせると。
轟ッッ!!!
紅煉の口腔に眩い輝きが生じる。秒毎に増していった輝きは、五秒後に地獄の業火と化して吐き出され、校庭にいる生徒を悉く炎に包み、校門を塞ぐ自動車を焼き尽くし爆散させた。
殺戮の愉悦に酔った眼が、校舎へと向けられた。
常人には影すら見えぬ速度で校舎に突入した紅煉は、逃げる者も隠れる者も動けぬ者も、目についた全てを殺しながら一階から四階まで駆け抜けると、壁を打ち抜いて飛び去った。
◆◆◆
「なぁセイバー。奴はどうして、お前を弾き飛ばしただけで済ませたんだろうなぁ」
昨晩。フレイザードと紅煉の間に交わされた会話。
紅煉と熊男との一戦は、傍目から見ても当人たちからしても、只の一掌で紅煉が遠く彼方へと弾き出されて終わりだった。
だが、それでも、両者が僅かな時間とは言え対峙し、瞬時とは言え接触したのは確かな事実。観察眼に秀でた者ならば、何かを掴むには充分と言えた。
「ああ!?んなもん知るかよ!!何か言いてえならさっさと言え!!」
「お前、心当たりは無いか?他の奴等を巻き添えにするのを嫌う甘ちゃんに」
「……あるけどよ。それが何だってんだよ」
「彼処は街中だっただろぉ。熊野郎がお前を張り飛ばしただけで済ませたのは、単純に周りの人間どもを気にしたんだろうよ」
確かにあの時、紅煉はただの一撃で場外負けを喫した。言葉にすれば簡単だが、今まで出逢ったサーヴァント皆悉く、雑魚として一蹴してきたのが紅煉である。
その紅煉に対し、ロクに反応も許さぬ速度で距離を詰めて、かつそれなりにダメージを齎す一撃を入れるとなれば、それは尋常の域には無い。
あの熊男は強いのだ。紛れもなくこの冥奥で一ヶ月を生き抜いた者達の一人。フレイザードの知る強者達、六大軍団長に比肩し得る強者なのだ。
更には熊男には、手を組んでいるサーヴァントが居た。単純な数の上では向こうが有利。
それが、紅煉との戦闘を、言ってしまえば避ける様な真似をするというのは、確実に理由がある。
紅煉と熊男とが接触した場所を去りながら、フレイザードは熊男を従えていたガキを観察して、熊男が消極策に出た理由を理解した。
「あのメスガキは、骨の髄まで甘っちょろいヤツだ。彼処でお前と熊野郎が戦えば、周りの人間どもが何人死ぬか判らねぇ。それを気にしたんだろうよ。
熊野郎も、メスガキの意思を汲んで、お前を弾き飛ばすだけに留めたんだろうよ」
フレイザードの脳裏に浮かぶは1人の勇者。正義を掲げ、人間どもが殺されることに怒り、勝ち目がない状況であっても人質を取るだけでその場に留まる勇者の姿。
熊男を従えていた少女は、どこかあの勇者の姿と重なって、フレイザードの敵意と戦意を燃え上がらせる。
「成る程なぁ。そういう奴には、俺も心当たりが有るぜぇ」
紅煉が思い浮かべるのは槍持つ少年。悪に怒り、暴虐に立ち向かう、獣の槍に選ばれた少年の姿。
力の程も弁えずに立ち向かってきたマヌケと思っていたが、改めてメスガキの事を思いだしてみれば、熊男と纏めて、あの二体で一体の妖(バケモノ)を想起させた、
紅煉の脳裏で重なった二つの姿は、紅煉の悪意と嗜虐性を滾らせる。
「あのメスガキのサーヴァントは、俺にはかなりデカい経験値だ。喰わねぇ理由は無ぇ。けどもよ、この街で、人間一人探すのは、バカバカしいだろう?」
フレイザードがいた世界や、紅煉の知る時代と比べて、この街には人間が溢れかえっている。
何しろ一つの区だけでも、彼等の知識で言えば、一つの国に相当する人間が住んでいるのだ。
目立つ光輪(ヘイロー)が有るとは言え、この中から一人の少女を探すのは、現実的な行為とは言えず、更には両者の気質にも合っていない。
────何処に居るのか分からなくても、方法は有るよなぁ。
フレイザードが岩石の顔に、凶悪な笑みを浮かべて言った言葉の意図するところを、同類である紅煉は正確に理解した。
「なぁる程なぁ。探すのが面倒なら、向こうからやって来させりゃ良い訳だ」
邪悪。その言葉でしか表せず。その言葉では到底足りぬ、獰悪凶猛な表情で、紅煉はフレイザードの考えに賛同した。
◆◆◆
そして現在に至る。
光輪(ヘイロー)背負った少女と熊男との主従を釣り出す為、紅煉は殺戮に励み、文京区に有る四つの高校を血の海に沈め。二つの中学校に屍の山を築き、紅煉は五つ目の高校を襲っていた。
周囲にも足元にも死体が積み重なり。その全てが人の形を留めていない。
『バケモノが高校を襲って回っている』
『狙われるのは、教職員よりも生徒』
『男よりも女の方を優先して狙っている』
既にSNSで情報が流れ、男子生徒や教職員が、手近にいた女生徒を紅煉に向けて押し出して来るのを見て、紅煉は獰猛に笑った。
「人間はこれだからおもしれえんだよなぁ」
撫でただけで死ぬ人間よりも、人間より遥かに強い妖(バケモノ)を、恐怖させ、逃げようとするのを捕まえ、嬲り殺す。その方が遥かに愉しく面白い。
人のころより変わらぬ嗜虐の性。未だに目当ての熊男は現れず、脆弱なNPCを嬲り殺すしか無いとは言え、自分だけは助かろうとする人間どもの醜態は、見ていて中々に愉しい。
男達に突き飛ばされ、足元に転がった、紙袋を持った少女を、紅煉は見下ろす。
紙袋から、何やら食い物の臭いがした。
「偶には食ってみるか」
少女から袋を取り上げると、破いて中身を摘み出す。入っていたのは照り焼きバーガー。
口の中に放り込んで咀嚼し。飲み込む。
“食べ物に関心を持ったら、ころされずに済むかも。”
そんな淡い希望を抱いている少女に、無慈悲な宣告。
「あ〜不味い。やっぱり人間喰ってるほうが良い」
絶望に染まり切った少女の頭頂部を掴んで持ち上げると、一息に頭部の右半分を齧り取った。
「相変わらず味は薄いが、さっきのよりマシだな」
視線を周囲に向ける。女を突き飛ばし、殴り倒し、果てには脚を追ってまでして、逃げる男達と、地に伏して呻く女達。
「あのガキがこの光景見たら何て言うんだろうなぁ」
サッサと来いよ。熊男。来たら両手足捥いでから、飼い主のガキ目の前で食ってやるから。
昨日みたいに張り飛ばしても、飛んだ先で殺すだけだぜ。
そんな事を思いながら、紅煉は手にした死骸を投げつけて、必死に逃げる少年の身体を撃砕した。
◆◆◆
文京区上空。
「マヌケ共はまだ出てこねぇな」
新型黒炎を従え、二体の新型黒炎に担がれて宙にあるフレイザードは、紅煉が暴虐を恣にしている場所を中心に、周囲を監視していた。
経験値となる敵を求めるフレイザードの立てた作戦は実に単純。他の主従が何処にいるか判らぬのなら、昨日の様に暴れて呼び出せば良い。
少なくとも熊男を従えたメスガキと、その同盟者ならば、必ずマヌケ面下げてやって来る。
獰悪の二体の悪性が持つ記憶。勇者ダイと、獣の槍の使い手蒼月潮。この両名と同類である熊男のマスター相手には、この作戦が極めて有効だと確信させる。
紅煉にした所で、派手に暴れて人間どもの苦痛と怨嗟慟哭が地に満ちれば、この冥奥の地に居る最強の大妖“白面の者”が惹かれてやって来るかも知れぬという打算が有る。
フレイザードと紅煉の探し求める相手を容易く発見に至るこの一手。極めて合理的であると言える。
複数の陣営に存在を知られ、怒りを買い、袋叩きにされかねないという一点を除けば。
だが、それもフレイザードは織り込み済み。元よりこの作戦で釣り出せるマヌケとは、この悪虐の主従は最初から相容れぬ。
釣り出される事無く見に徹する者。釣り出されたマヌケの晒した狙う者。こちらの方が理解し合える目があるだろう。
どうせ最初から敵対する事が定まっている手合いならば、どういう悪感情を持たれても問題は無い。
それに、一つ気になる事も有る。
フレイザードにしろ紅煉にしろ、人とはかけ離れた異形の形だ。人の中に混じっての情報収集など、到底出来る訳も無い。
粗野で粗暴に見えても、フレイザードは大魔王バーン麾下の六大軍団長の一角だ。戦争に於ける情報の重要性は熟知している。
情報の精度と速さは、戦争に於ける勝敗を決するもの。異形の主従がその点に於いて他の陣営に大きく遅れを取っていた。
其処を補うべく、フレイザードは紅煉の胃に収まる前の人間どもや、サーヴァントを撃破した後、即座に殺さないでおいたマスターから、情報を引き出していたのだ。
その情報に偽りは存在し無い。両手の全指を潰されて捥がれて、嘘を付ける者などまず居ないのだから。
その上で複数の口から聞き出せた情報が、光輪(ヘイロー)を背負った少女の話。
それもどうやら、複数人数が居るらしい。
全員がマスターだとした場合。群れられては面倒な事になる。
早い内に、光輪(ヘイロー)を背負った者達を、殺しておくべきだろう。
かくしてフレイザードは紅煉を解き放ち、恣に殺戮を行わせる。人間どもの阿鼻叫喚を以って、正義の二字を胸に抱く、甘っちょろいマヌケを呼び出す為に。
紅煉が一箇所に留まらず、複数箇所で暴れるのは、釣り出された者が複数いた場合に分散させる為だ。
マスターとして規格外の実力を持つフレイザードならば、並のサーヴァント程度ならば、容易く勝利をもぎ取れる。紅煉の戦力と合わせれば、複数のサーヴァントを相手にしても屠ることは出来るだろう。
だが、数で来られれば煩わしいのは事実だ。だからこそ場所を散らす。殺戮の起きた場所が多い程、救助の為にも対処する為にも別れなければならない。
其処を衝けば、一匹ずつ狩り取って行く事も出来る。
新型黒炎の放つ『穿』は支援攻撃には最適で、尚且つ戦闘にも撤退の際にも、空を飛べるというアドバンテージは絶大だ。
地を這うことしか出来ない奴等を、空中から一方的に攻撃して殺して勝つ。
『勝つ事』を何よりも好むフレイザードにも、『殺す事』を何よりも好む紅煉にも、共に合致する作戦だった。
正純な英雄であれば、 決して採らぬ────どころか考えの端にも登らぬ策を、躊躇無く採用する紅煉は矢張り、この聖杯戦争における枠外だ。
とはいうものの、未だにマスター一人。サーヴァント一騎も現れない。それならそれで魂食いが出来て良いとするべきだろうが、せっかくの準備が無駄になるのは業腹だった。
出て来れば、紅煉と戦っている隙を突いて仕留める。数が多かったり、予想外の存在が現れれば撤退する。
特に、昨晩上空で覇を競っていた連中の様なのが現れれば即座に撤退する。
交戦しても敗北するとは思っていないが、此方も主従共に疲弊するのは確実だ。
あれ程の強さを誇るとなれば、他の陣営にとっても脅威となり得る。
それを態々消耗してまでして、取り除いてやる必要など無いというだけの事。
後は勝手に潰しあえば良い。
アレ等と決着を着けるとするならば、フレイザードが己が本質を掴み、紅煉の言う“白面の者”が見つかった時。
その時であれば、如何なる敵が相手でも、フレイザードと紅煉が敗北する事は無いだろう。
「最初に出て来るのは、果たして何奴か」
空中から地上を睥睨するフレイザードの視界には、未だに目当ての相手は映らない。
【文京区上空/11日目・午前(昼近く)
【フレイザード@ドラゴンクエスト ダイの大冒険】
[運命力]通常
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]無し
[道具]無し
[所持金]無し
[思考・状況]
基本行動方針:皆殺しにして聖杯を得る
1.己が力の本質を掴む為に経験値を得る
2.紅煉に釣られて出てきたマヌケを狩る
[備考]
※20体の新型黒炎を率いています
【セイバー(紅煉)@うしおととら】
【状態]健康
[装備]破妖霊刀
[道具]無し
[所持金]無し
[思考・状況]
基本行動方針:皆殺しにして聖杯を得る
1.白面の者を捜す
2.昨日戦ったライダーを殺す
[備考]
※東京中に黒炎を放って白面の者を探ささせています
※文京区で中高生を主な標的として殺戮を行なっています
最終更新:2024年07月13日 06:58