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選択肢A「抱き締める」





俺はツンの痩せ細った体を抱き締めた。そっと。壊れそうな心を抱きとめるように。



俺「ツン……俺は、もう何も言わない。ツンが幸せなようにしたら良い。短い間かもしれないけど、そのためにできる事は何だってするから……」



ツン「……男君……ありがとう……」





あれから俺は毎日ツンの病室に通っている。ツンは非常時の延命治療から点滴まで全てを拒否し、ただ死を待つのみだった。



俺はそんなツンを見守るばかりだった。もう俺は生きる事を無理強いなどしない。ツンが望んでいるのだ、俺はその望みを叶えてやるだけだ。





ツン「もう、今週中みたい……」



男「そうか……苦しいか?」



ツン「うん、でも幸せだから……だから哀れんだりしないで」



男「分かってるよ。お前は最後まで美しくありたいんだな」



ツン「ありがとう」





ツンはその3日後に息を引き取った。



その顔はひどくやつれて、青ざめていたけれど、精一杯誇り高く、美しく逝こうとした彼女の生き様を物語るような笑顔だったと思う。



ツンの遺書には、遺品は全て俺に譲るから、要らないものは処分して欲しいとあった。



俺とツンの写った写真、交換日記、ツンにプレゼントしたみやげ物……遺品を整理しているうちに、葬式では流れなかった涙が頬を伝った。





ツンはいない。ツンはもうどこにもいない。



秋は深まり、やがて寒い冬が訪れる。冷えた手を温めてくれる彼女はもういない。





さよなら、俺の愛しい人よ。





Fin





一応バッドエンド。






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最終更新:2007年02月15日 11:49