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女「私がここに居たという事を残しておきたいの、だから・・・」
男「わかったよ」
女「か、勘違いしないでよ・・・あんたしか居なかったから
 あんたに頼んだだけでべ、別に好きとかじゃ・・・」
男「・・・わかってるよ」
そして抱き合う二人



~~~~~~~~~~~~



数ヶ月後
医者「HIVが検出されました」
男「あいつ・・・HIV残していきやがった・・・」







医「ふぅ…」
看「お疲れ様です。はい、コーヒー」
医「ああ…ありがとう」
看「いい加減休んだらどうですか?もう3日は寝てないですよね…医者が身体を壊したら本も子もありませんよ?」
医「患者が頑張ってるんだ。医者が何もしなかったら、それこそ本も子もないじゃないか。」
看「…男君とツンちゃんのことですか?」
医「…」
看「強いですよね」
医「…ああ」
看「…」
医「…」
看「えいっ(ガバッ)」
医「な、何を///」
看「5分くらい目を閉じて…休んでください。強い人っていうのは、ちゃんと休める人なんですよ?だから…」
医「…」
看「頑張ってくださいね?私も…その…応援してますから。」
医「…zzz」
看「あらら…」
医「zzz」
看「…///」
ツン(自販機帰り)「///」
翌日、病院のあらゆるところで医と看がちゃかされたのは、また別の話…







ツン「はあ…ドラえもんが本当にいたら、あたしの病気治してくれるんだろうな…
  そして…男の病気も治して、二人でずっと仲良く暮らしたい…」
?「ぼーくードーラーえーもーん」
ツン「え!!??まさか本当に!!??」
男「俺のモノマネ結構似てるだろ?」
ツン「まったく似てないわよっ!!」
男「な、なんでそんなにキレてんだ?」
ツン「ドラえもんに頼んでまずは男の頭から治してもらわないとね…」
男「あーそうだな、ずいぶん長い間髪切ってないからボッサボサだ」
ツン「……これはドラえもんでも治せそうにないわね」
男「髪なんて床屋でいいんじゃね?なんでドラえもんなんだ?」
ツン「…やっぱ無理だわ」
男「え?俺なんか変なこと言ったか?」



ツン「…プッ
  アハハハハハハ!!!!」
男「な、なんだなんだ?なにがそんなにおかしいんだ?」
ツン「ハァハァ…ほんと男といると飽きなくていいわね」
男「惚れ直したか?」
ツン「バ、バカッ!!!暇つぶしができるって意味よ!!(////)」
男「ふーん(ニヤニヤ)」
ツン「な、なにニヤけてんのよ!」
男「俺はお前といるとすごく楽しいぜ?
暇つぶしとかじゃなくて、ただ純粋に一緒にいたいって思うぞ?」
ツン「(//////////////////)」
男「ハハハ、すげー真っ赤だ」
ツン「誰のせいだと思ってるのよ!!(///////)」



ワイワイガヤガヤ



そんな光景をそっと見守る人達がいた



医者「運命とは残酷なものとはよく言ったものです…
 あんなに幸せそうな二人も、もうすぐ離れ離れになってしまう…
 私がドラえもんだったら…何度そう思ってきたかわからない…」
ツン母「ほんとですね…あの二人を見ていると、幸せな気分になってきますもの…
  どうしようもないのですか、先生…」
医者「ええ…今の医学では延命処置がやっとです
 頭髪は抜け落ち、激しい痛みを伴いますがね」
ツン母「ツンはもっと長く生きたいと思わなかったのでしょうか…?」
医者「思っているに決まっているでしょう。あの歳で死ぬのが怖いなんて思うはずない
 ……私も最初は疑問に思いました。だが、あの二人を見ていると理由がわかった気がします
 ツンちゃんは苦しい数ヶ月の延命より、今のままで男君と一緒に笑って過ごすことを
 選んだのでしょう…それが、彼女にとっての最後の幸せというわけではないでしょうか」
ツン母「うう…どうして……どうしてあんなに幸せそうなのに!!!
  何もしてあげられないなんて!!!ツンが…ツンが何をしたって言うんですか!!
  自分の感情を表現するのがちょっと苦手ないい娘なんですよ!!
  男君と出会ってあんなに楽しそうに笑うことができるようになったのに!!
  それなのになぜ…!!!」
医者「お母さん、落ち着いてください。気持ちは痛いほどわかります
 しかし…治す方法がないのです…ある方法を除いては…」
ツン母「どのような方法が…!?以前は手の打ちようがないっておっしゃっていたじゃないですか!」



医者「ええ…あの時は確かにそう言いました。
 しかし、私自身希望がまったく持てないことだったので話をしなかったのです…
 方法というのは………臓器移植です。
 しかしながら、この病気は少しでも拒絶反応がでると失敗してしまう…
 失敗した場合にはもちろん命を落とします…ほぼ100%の適正な臓器でなければ
 この病気を治すことはできないのです…全世界を探しても1人いるかどうかの確率…
 あの二人を無断で調べさせていただいた結果………」
ツン母「ま…まさか…?」




医者「全く合いませんでした。全世界に1人の確率なのにそう簡単に見つかるわけないでしょ」



ツン母「デスヨネー」







男「暑い」
ツン「何よ急に」
男「……ツン、お前もしや」
ツン「えぇ。冷房切ったわよ。肌に悪いから」
男「おっ、おま…ナズェキッタンディスカア!!」
ツン「肌に悪いから」
男「う、うぅ……でもなんで突然肌なんて?昨日まで気にしてなかったのに」
ツン「べっ、べつに。看護婦さんにそーしなさいって言われたのよ!」
男「そっかー…」



昨日
男「うわーツンのほっぺふにふにですべすべー」
ツン「ふぁふぃふぁっふぇんふぉふぉ!」
男「ごめんごめん。でもほお擦りしたくなるくらい肌綺麗だな」



ツン「(容姿も体力もないけど…せめて男だ綺麗だっていってくれた肌くらいっ!」



後日、看護婦と化粧水選びにいそしむツンの姿があったそうな。







男「ツン、散歩いくか」
ツン「男がどうしてもっていうなら…」



看護婦「ちょっと先生!勝手に外出てますよ?」
医師「いいねー若いねー…」
看護婦「ツンちゃんはそんなにもたないって…」
医師「これ」ぱさ
看護婦「これ、は?…」
医師「カルテ。どっからどうみても、薬も変えてない、僕らは何もしてないのに快方に向かってるだろ?」
看護婦「何、で…」



医師「さぁ?恋の神様だけが知ってるんじゃないかな~♪」







ツン「今日は屋上までついてきていいわよ」
男「はいはい、いい天気だしいいぜ」



部屋からでる2人



ツン「…え!?」(ガクッ)
男「どうしたんだよ!?」
ツン「な…なんでもないわよ。手を離して…(力がはいらない?)」
男「先生呼んでく…」
ツン「ちょ、ちょっと待ってよ!!なんでもないったら!(いや、そばにいて!)」
男「でも…」
ツン「これ…」
男「…?」
ツン「車椅子」
男「…」
ツン「これに乗ってみたかっただけ」
男「おい…」
ツン「屋上まで私を歩かせる気?」
男「…(ムチャはできない…)」
ツン「押させてあげるんだから文句ないでしょ?」
男「…行ったらすぐ部屋に帰るからな」
ツン「早く行くわよ」男「ったく」




男(あと4ヶ月か…)







これが彼女の最後の願いになることは
ただの高校生である俺でもわかっていた。



医師たちも何も言わなかった。
ツンの両親は気丈な人たちだった。
俺に「ツンのお願いをきいてあげて」とだけ言った。



「最期はね……男の家がいいわ」



まるで俺の気持ちを考えずにツンはそう言った。



「ごめんね、これじゃ学校どころじゃないね」
「まぁ仕方ないよ。今はゆっくり休めばいい」



休んだってどうなる訳でもない。それは分かっていた。



――「イヤ! 点滴はしたくないっ!!」――



ツンは『少しでも栄養を……』と言う医師の言うことを拒絶した。
それはいつもの強がりであることはわかった。
普段から『体に管が付けられてる所なんて、見られたくない』と言っていた。




俺の家に来てからも、ツンの死は日に日に濃くなっていった。
でも俺は、何故かツンの死を実感できずにいた。
だから悲しくなんて無かった。二人でいる時間は増えていたから。



ツンはたまに苦しそうにしていた。
それを見るのはただひたすらに辛かった。
その時だけは、なぜ早くツンを連れて行ってくれないのか、と思った。



――深夜、隣の部屋で寝ている俺は、妙な気分になった。
「……ッ!」
「ツン!?」
「男……ハァッ……ァ」
「病院に……!」
ツンが俺の腕を掴む。
「病院はいや……傍にいてくれればいいん、だからぁ……」
今夜が最期だろう。
ツンの白い腕はもう命の欠片も残っていなかった。



「男、ありがとうね……」
「なにいってんだよ」
「べ、別に! ただ色々世話になったって言ってるのよ!」
「ッ……うん」
「あなたは……私だけを見ていてね……」
「つん……」
「嬉しかったぁ……こんなポンコツでもずっと傍に居てくれて……」
「……」
「別にあんたが特別なんじゃないわよ。傍に居てくれれば誰でも」
「わかってるよ……わかってる」
「バカ……全然わかってない」
「……わかってるよ」
「幸せだったなぁ私の人生。バイバイ男……」
「わかってるから……つん……」



その日、僕の世界は大切な物を無くしてしまった。







男「……」



男「……うわっ!なんだよ……お前か」
ツン「泣いているの……?」
男「……」
ツン「どうして泣いているの?」



男「わかんないよ。ただ自分の周りでさ。
『人の死』とか、悲しいとか、苦しいとか、辛いとか、悔しいとか、
 そういうのがあまりにも多すぎて……。
 自分の中で大きな渦になって…… 」
ツン「ふうん」



男「それでお前のこととか考えたら……気がついたら、こうなっていた」
ツン「……フン。あたしの為に泣くとはモノ好きな男ね」
男「……」
ツン「あんたさ」
男「……なんだよ」
ツン「セカチューとか、24時間テレビとか見て泣けるタイプでしょ」
男「……あ?」
ツン「あたしはね、泣かないの。泣き疲れたから」
男「……」
ツン「何よその目は」
男「……」
ツン「……バカじゃないの!男のくせにメソメソして。ほんとバカ」



俺はアイツとの付き合いで知っている。
アイツは、ツンデレだ。



ツン『何であんたなんかとデートに行かないといけないのよ!』
それは肯定の意。本当は行きたいという彼女なりの意思表示。



ツン『別に私が入院してもあんたに…関係ないでしょ…』
それは構ってほしい、けど恥ずかしくて言えない、照れ隠し。



さっき話した、
ツン『……フン。あたしの為に泣くとは、モノ好きな男ね』
あの話し方も、上の二つと同じ。出た言葉の裏が、真意だ。



でもまてよ。
ツン『……バカじゃないの!男のくせにメソメソして。ほんとバカ』
あれも、思えばツンデレの一種だった。喋り方でわかった。
その言葉の裏とは……?



俺が泣くことを蔑んだ彼女。本当は、羨ましかった?
彼女は泣かないと言った。それは泣きたくても泣けなかった?



男「……泣かせてやるよ」
どうせ泣かせるなら、悲しい涙や悔し涙よりも。
うれし涙の方がいいよな。







女友「女、入院したみたいよ。なんでも重病であと半年とか・・・」
男「な、なんだてって!!」



男「女!!」
女「あ、男」
男「どうして!!どうしておしえてくれなかったんだよ!!」
女「ちょっとなに焦ってんのよ」
男「俺、心配で、心配で、頭どうかなりそうで・・・なのに・・・なのに何で重病っておしえてくれなかったんだよ!!」
女「男――」
男「余命半年なんてあんまりだよ!!」
女「ちょっとストップ!」
男「へ?」
女「落ち着いていきてね」
男「・・・」
女「どうせ女友から聞いたんだろうけど、重傷なのは当たりよ」
男「やっぱり!」
女「でもね、足の骨折っただけで死ぬなんて聞いたことあるかしら?」
男「じゃあ・・・」
女「そうよアタシはただ骨折っただけ。余命はあと70ってところかしら」
男「そうか・・・よかった・・・グス」
女「バ、バカ!泣くんじゃないわよみっともない///!」



女友「嘘も方便ってね♪」







病室にて
ツン「うわぁ…」
男「おぉ…」
男「雪の降るクリスマスなんて久しぶりだな…」
ツン「素敵…」
男「記憶が無いぐらいだから、もしかしたら見たの初めてかもな」
ツン「(最後の雪を男くんと見られるなんて…)」
男「ふぅ…冷えてきたな、窓占めるか?」
ツン「いいわ。その代わりにこっちに来なさい」
男「…?」
(ガバッ)
二人でシーツにくるまれた。
ツン「…た、ただのカイロがわりよ…」
男「暖かいな」
ツン「…うん」



最後のクリスマスだから、
最高のクリスマス。




以上10個の短編をお送りいたしました



感想、コメントが作家を育てます。
支障なければほんの一文でも感想を残していただければ幸いです。


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最終更新:2009年05月31日 17:17