外はもう茜色に染まっていた。
ツンは数刻前に泣き止み、男とともに病室に戻っていった。
ちなみに病室に戻る際、看護婦さんが人差し指と中指の間に親指をいれ、握りこぶしを男に作って見せて、男の顔が真っ赤に染まったのはツンは知らない。
気まずいようで、気恥ずかしい、そんな沈黙が病室を支配する。
気恥ずかしさに耐えきれなくなった男が沈黙を破る
男「あ、あのさ!今日雛祭りだろ?だからさ、持ってきたんだ。」
ゆっくりと、何度も失敗して、それでも病院に入院して以来、少なくとも2年以上は見てない雛人形をツンに見せるために作ってきたそれを、手渡す。
普段なら「べ、別にいらないわよ!」なんていいながら突っ返すところだが、
病室に漂う気恥ずかしさゆえか、先ほど見せた失態ゆえか、
ツン「・・・・ぁりがとぅ・・・///」
素直に感謝の言葉が出る。
もっとも男の耳に届くかどうかわからないほど小さな声ではあったが。
そして再び沈黙。
二人の視線が絡み合う。
熱に浮かされたかのように上気した頬。
ゆっくりと・・・徐々に・・・二人の距離は縮まる。
そして・・・
看護婦「ツンちゃんにお母さんからお届け物だよ~・・ってあれ?お邪魔だった?」
瞬時に距離をとる二人。
邪魔が・・・・入った。
最終更新:2007年03月05日 01:21