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シェンムーIII

【しぇんむーすりー】
ジャンル アクションアドベンチャー
対応機種 プレイステーション4&br;Windows(Epic Games Store/Steam/GOG.com)
発売元 Deep Silver
開発元 YS Net&br;Shibuya Productions
定価 【PS4】2,498円&br;【Win(EGS/Steam)】3,090円
発売日 【PS4/Win(EGS)】2019年11月19日&br;【Win(Steam/GOG)】2020年11月19日
レーティング CERO:B(12才以上対象)
判定 クソゲー
ポイント ファン待望の あまりに遅すぎた 続編


概要

問題点

  • ゲームシステム
    • 全体的に旧作からの進化が乏しく、旧作の問題点を引き摺っている。シリーズ1章と見比べても、問題点の多くが改善されずにそのまま残っていることが伺える。
    • 代わり映えしないシステム
      • 搭載されているシステムは旧作に毛が生えた程度でほとんど変わっていない。発売当時ですら不便で人を選ぶ仕様であったため、現代のゲームに慣れたユーザーからの批判は免れず、年季の入ったゲーマーやレトロ愛好家であっても、シリーズ未経験者がすんなり馴染むにはハードルが高い。リマスター版『I&II』で「元々こういうゲームだ」と納得する機会があるとはいえ、完全新作としては厳しい内容となっている。
    • 面倒なフラグ管理
      • シナリオ進行に特定の場所の調査やアイテム入手が必須だが、フラグ管理の順番が厳格に固定されており、次章のアイテムやフラグを先んじて入手することは不可能。そのため、周回プレイをしても各章の行動がほぼ変わらず、作業感が非常に強い。
      • 住民に道を聞かないと先の場所へ進めないなど、必然性を感じにくいフラグも散見される。
    • 自由度の無いオープンワールド
      • 移動に強制的な制限がかかる場所が多く、実質的な自由度は低い。未開放エリアに行こうとすると「ここで話を聞こう」というメッセージが表示され、現在のエリアに強制留置される。
      • 柵を越えられない、しゃがめないなど基本動作の幅が狭く、現代のゲームとしてはリアリティに欠ける。また、後述のスタミナ制により自由な探索が阻害されており、旧作よりも不便になったと感じる場面も多い。
    • 操作性の問題
      • アイテム入手時に一々主観視点で○ボタンを押す必要があるなど、無駄に凝った操作を強要される。個々の動作ももっさりしており、ストレスが蓄積しやすい。
    • スタミナ制の導入
      • スタミナ制が採用されており、切れるとダッシュが不可能になる。回復には食べ物が必要で、そのためにアルバイトで金を稼ぐか収集を行う必要がある。
      • 消費量が他ゲームと比較しても極めて大きく、少し走っただけで最大値の10分の1を消耗する。必須バトルが少ないためスタミナ管理の駆け引きを楽しめる場面が乏しく、単に探索を面倒にする要素に留まっている。旧作で単なる書き割りだった店舗などにゲーム的意味を持たせる意図は見えるが、成功しているとは言い難い。
    • カメラとモデリング
      • ダッシュ時のカメラの揺れが激しく、3D酔いを起こしやすい。
      • キャラクターのモデリングは動きや表情が非常に固く、人形を動かしているような違和感を覚える。
    • 作り込みの粗さ
      • 飲食店などがガラガラであったり、誰もいないテーブルに料理が置かれているなど不自然な描写が目立つ。
      • 特に天候表現において、雨が降っても誰も傘を差さず、土砂降りの雨の中で平気で露店飲食を続ける人々が指摘される。旧作の『1』では住民が適切に傘を差していたため、退化した部分として違和感が強い。
  • シナリオ
    • 会話テンポの遅さ
      • 会話が必要以上に冗長である。アイテム購入時にも、芭月涼「あの…」店員「なんじゃ?」芭月涼「ほしいものがあるんですが…」といったやり取りがいちいち挟まる。
      • 涼が「そうなんですか?」と頻繁に聞き返すため個々の会話が長く、流れが噛み合っていないことも多い。住民ごとの会話もオウム返しやテンプレが多く、面白みに欠ける。アップデートで会話スキップが可能になったことで、現在はある程度改善されている。
    • 会話演出の不便さ
      • 会話の度にカメラのカットバック演出が入り、ゲームの流れが静止する。
      • スキップや早送りが可能なのは一部の会話のみで、重要でない話を聞くのが苦痛になりやすい。また、通常の会話にはオート再生がなく、進行のために一回ずつボタンを押す必要がある。
    • 仲間との絆と主人公の弱体化
      • 旧作では仲間が物語で大きな役割を担っていたが、本作ではヒロインのファンメイですら関わりが薄く、涼が一匹狼で進む展開が多い。
      • シナリオ上、涼がゴロツキ二人に苦戦するなど弱体化が目立つ。シリーズ主人公としての理由付けが乏しい点は不自然さが拭えない。
    • 希薄なシナリオ内容
      • 「莎花の養父を助ける」内容である。極めて薄い。20年待たされたファンは、全11章の構想に基づく本編の進展や完結を期待していたが、実際には謎が解明されることも本編が進むこともほとんどなく、多くの落胆と批判を招いた。
    • ネタバレ
      • ラストでは因縁の相手である藍帝との直接対決が実現するが、イベントバトルのため決着は付かずに終了する。
    • 5000元稼ぎイベント
      • 終盤に要求される大金に対し、稼ぐ手段が限られているため、過酷な作業を強いられる。他作品の類似イベントのように、救済措置となる大金獲得手段が用意されていない点が厳しい。
    • 負けシナリオの多用
      • 勝っても結果が変わらない「負けイベント」が、短いシナリオの中でラスボスを含め5回も存在する。プレイヤーの努力を否定するような構成は嫌がらせに近いという声も。
  • バトル
    • 戦闘機会の不足
      • ゲームの大半が探索と会話で占められており、アクションとしての戦闘シーンが極端に少ない。
    • システムと演出の改悪
      • 前作まで存在した「捌き」や「投げ」が撤廃された。複数敵を相手にする際の優位性が失われ、殴ってダウンさせて追い打ちするだけの単調な内容になっている。
      • 必須戦闘は少ないが、突破にはレベリングが必要で、単調な戦闘を繰り返す作業が避けられない。SEも迫力不足で、カンフーアクションとしての爽快感が失われている。
    • QTEの仕様
      • 不意打ち的に発生するQTEが非常に早く、失敗しやすい。失敗するとやり直しになるため、ストレス要因となっている。

賛否両論点

  • セーブ・ロード
    • セーブおよびロードはいつでも実行可能となっており、前述した過酷な資金繰りイベントなども、根気さえあればリトライを繰り返してクリアすることができる。
    • ただし、そこまでの作業を完遂するためのモチベーションを維持できるかについては、プレイヤーの忍耐力に大きく左右される。
  • ミニゲーム
    • 収録されているミニゲームの質自体は高く、本編の探索や作業の合間に息抜きとして遊ぶ分には良い塩梅に調整されている。
    • 一方で、現代の基準で見れば「この程度のミニゲームは無料アプリレベルの内容に過ぎない」といった厳しい声も囁かれている。

評価点

  • グラフィックの近代化
    • 旧作の雰囲気を壊さず、現代の基準に合わせて解像度や質感が向上している。
      • 『シェンムー』特有の、どこか懐かしくゆったりとした空気感そのものは維持されている。
  • 待望の続編
    • 頓挫していたプロジェクトがクラウドファンディングを経て形になり、物語の続きが描かれたこと自体は評価に値する。
  • 細かく作られたキャラ
    • 本作には形式的な「モブキャラクター」がほとんど存在せず、一見馴染みのない村の女性一人に至るまで、個別のキャラ付けがなされている。こうした緻密な世界観の作り込みは見事と言うほかない。
  • 膨大な会話パターン
    • 個々の会話内容の是非はともかく、用意されたテキストの数とパターン自体は膨大である。その密度は『どうぶつの森』シリーズにも匹敵するほどの会話量に達している。
  • 電話
    • 拠点から様々なキャラクターに電話をかけて会話を楽しむ要素が用意されている。驚くべきことに、前作や前々作に登場した過去のキャラクターたちとも電話で話せるようになっており、シリーズを通してのファンを喜ばせる作り込みがなされている。
  • 過去作ファンサービス
    • シリーズファンからは、当時の独特な雰囲気を極めて忠実に再現できているという肯定的な意見も多い。一種の「同窓会」的な感覚で当時の空気感を懐かしみながら楽しめる部分は、ファンにとっての大きな価値となっている。

総評

  • 前作から20年という長い歳月を経て待望の発売となった『III』だが、蓋を開けてみれば、改悪されたバトルシステムやほとんど進展を見せない本編シナリオなど、旧来のファンを大いに落胆させる結果となってしまった。
    • 評価点の多くは「旧作の雰囲気を受け継いでいる」という点に集約されており、ゲーム単体として客観的に見れば、起伏に乏しく面白みに欠けるシナリオ、作業感が強く意欲を削ぐシステム、自由度の低いオープンワールドといった欠点が目立つ。結果として、凡作という評価を下すことすら躊躇われるほど、厳しい仕上がりとなってしまったと言わざるを得ない。

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最終更新:2026年05月30日 00:57