Among Us
【アモングアス】
| ジャンル |
オンライン人狼系パーティーゲーム |
| 対応機種 |
Windows Android iOS Nintendo Switch PlayStation 4 PlayStation 5 Xbox One Xbox Series X/S |
| 発売元 |
Innersloth |
| 開発元 |
Innersloth |
| 発売日 |
2018年11月16日 |
| 定価 |
無料(モバイル版) / 有料(PC・家庭用版) |
概要・特徴
- 宇宙船を舞台にした人狼ゲーム
- プレイヤーは宇宙船や施設で作業を行う「クルー」と、クルーに紛れ込んだ殺人者「インポスター」に分かれて対戦する。
- クルーは各所に配置されたタスクを完了するか、議論によってすべてのインポスターを追放することで勝利となる。
- 一方のインポスターは、クルーを殺害しながら正体を隠し、クルーとインポスターの人数を逆転させることで勝利を目指す。
- 「嘘をつく側」と「疑う側」に分かれるゲームシステム
- クルー側は、誰がインポスターなのかを見抜かなければならない。
- しかしゲーム中に明確な犯人を示す証拠が常に存在するわけではなく、「誰と一緒にいたか」「どこから来たのか」「なぜその場所にいたのか」といったプレイヤーの証言から推理する必要がある。
- インポスター側は逆に、自分が犯人であることを悟られないように嘘の証言を行い、他のプレイヤーへ疑いを向けなければならない。
- タスクによる独特のゲームバランス
- クルーは配線修理やカード認証、機械の操作など、簡単なミニゲーム形式のタスクをこなしていく。
- タスクを進めることでクルー側の勝利条件へ近づくため、犯人探しだけをしていればよいわけではない。
- タスクを行っている最中にインポスターに襲われる危険があるため、「一人で行動するか」「誰かと一緒に行動するか」という判断そのものが重要になる。
- 死体発見から始まる議論
- クルーが殺害された場合、死体を発見したプレイヤーが通報することで全員参加の会議が始まる。
- 会議では直前の行動や目撃情報を持ち寄り、誰が怪しいのかを話し合う。
- 証拠が不十分な場合はあえて投票を見送ることも可能であり、確実な証拠を待つか、怪しい人物を排除するかという判断を迫られる。
- プレイヤー同士の会話がゲームそのものになる構造
- 本作には固定されたストーリーが存在せず、プレイヤー同士の会話や駆け引きによって毎回異なる展開が生まれる。
- インポスターが巧妙な嘘をついて無実のプレイヤーを追放させたり、クルー側が証言の矛盾から犯人を追い詰めたりするなど、プレイヤー自身がドラマを作り出す。
- この構造が実況プレイや配信と非常に相性が良く、2020年頃から動画投稿者や配信者を中心に世界的なブームとなった。
- 2020年の世界的ブーム
- 発売は2018年だったが、当初から世界的な大ヒットを記録したわけではなく、発売から約2年後の2020年に大きく注目されるようになった。
- ゲーム実況や配信を通じて口コミが急速に広まり、友人同士でオンライン上から遊べるパーティーゲームとして爆発的に普及した。
- 新型コロナウイルス感染症の流行によってオンラインで人と交流する機会が増えたことも、人気拡大の背景の一つとされている。
評価点
- ルールが非常に分かりやすい
- 「クルーは仕事をする」「インポスターは殺人を行う」「会議で犯人を追放する」という基本構造が極めて単純で、ゲーム初心者でも短時間でルールを理解できる。
- 複雑なステータスや大量の装備を覚える必要がなく、ゲームを始めてすぐに他のプレイヤーと同じ土俵で遊べる点が高く評価されている。
- 人間の心理そのものをゲームにしている
- 本作では、プレイヤーの行動だけでなく「その人が何を言ったのか」まで重要な情報になる。
- 例えば、実際には何もしていないプレイヤーが「○○を見た」と嘘をついたり、インポスターが本当にタスクをしていたかのように振る舞ったりすることで、ゲーム内の情報が複雑に変化する。
- そのため、単純な反射神経ではなく、観察力、記憶力、話術、他人からの信用などが勝敗を左右する。
- インポスター側の自由度が高い
- インポスターは単純にクルーを殺害するだけではなく、停電や通信障害などの妨害を利用して状況を作り出すことができる。
- あえてクルーの近くで行動してアリバイを作ったり、死体を発見したふりをして通報したり、議論で積極的に発言して他人へ疑いを向けたりするなど、様々な戦術が存在する。
- 同じプレイヤーでも、そのときの状況や一緒に遊ぶ相手によってまったく異なる立ち回りになる。
- クルー側にも緊張感がある
- クルーはタスクをこなすだけでもよいように見えるが、単独行動するとインポスターに狙われる危険性が高くなる。
- 逆に複数人で行動すれば安全性は高くなるものの、全員が固まって行動するとタスクの進行が遅れる。
- 「誰と一緒にいるのが安全なのか」という判断そのものがゲームの面白さにつながっている。
- 死後もゲームへ参加できる
- インポスターに殺害されたクルーは幽霊となり、生存者とは会話できなくなるものの、タスクを引き続き行うことができる。
- そのため、ゲーム序盤で殺されたプレイヤーでも完全に暇になるわけではなく、味方の勝利へ貢献できる。
- 実況・配信との相性が非常に良い
- 本作では、プレイヤーの反応そのものがゲームの面白さになる。
- 「絶対にこいつが犯人だ」と主張していた人物が実はインポスターだったり、逆に必死に弁明していたプレイヤーが無実だったりするなど、会議中のやり取りがそのまま見どころになる。
- プレイヤー同士の会話によって毎回違う珍プレーや名場面が生まれるため、実況・配信文化との相性が非常に良い。
論争点
- 身内プレイと野良プレイで面白さが大きく異なる
- 友人同士でボイスチャットをしながら遊ぶ場合、プレイヤー同士の信頼関係や過去の行動まで推理材料となるため、非常に盛り上がりやすい。
- 一方、見知らぬプレイヤーが集まる野良ロビーでは、十分な議論が行われず、ゲームの魅力を十分に味わえない場合がある。
- 「Among Usそのものは面白いが、野良では面白さが安定しない」という評価も見られる。
- 推理ゲームなのかパーティーゲームなのか
- 本作は人狼ゲームに近い推理システムを持つ一方、プレイヤー同士の会話やリアクションを楽しむパーティーゲームとしても遊ばれている。
- 論理的な証拠を積み上げて犯人を特定したいプレイヤーからすると、「なんとなく怪しい」という理由だけで投票が行われる展開は不満になりやすい。
- 反対に、厳密な推理よりも友人との言い争いや騙し合いそのものを楽しむプレイヤーからは、こうした自由さが魅力として評価されている。
- プレイヤーの性格によってゲーム体験が変わる
- インポスターが積極的に嘘をつくタイプなのか、クルーが慎重に証拠を集めるタイプなのかによって、同じルールでもゲームの展開は大きく異なる。
- そのため、プレイヤー同士の相性が悪い場合には、心理戦よりも口論や煽り合いが目立つこともある。
- 初心者と経験者の差
- 長期間プレイしているプレイヤーは、マップの構造やタスクの位置、インポスターの典型的な行動を把握している。
- 初心者が経験者と同じ部屋に入ると、行動の差から疑われやすくなったり、逆に経験者の高度な立ち回りについていけなかったりすることがある。
- 一方で、経験者同士になると高度な読み合いが発生するため、プレイヤーの熟練度によってゲーム性が大きく変化する。
問題点
- 野良部屋では無言投票や根拠のない吊りが発生しやすい
- 本来は証言や行動を比較して犯人を推理するゲームだが、「○○怪しい」「色が怪しい」など、明確な根拠のないまま投票が進んでしまうことがある。
- 特に議論に参加しないプレイヤーが多い場合、ゲームが本来想定していた心理戦が成立しにくくなる。
- 推理を楽しみたいプレイヤーにとっては、こうした展開が大きなストレスになる。
- 途中退出によるゲームバランスの崩壊
- インポスターに選ばれなかった、疑われて追放されたなどの理由で、ゲーム途中に退出するプレイヤーが存在する。
- プレイヤーが抜けることでクルーとインポスターの人数バランスが変化し、特にインポスターが途中退出するとゲーム展開そのものが大きく崩れてしまう。
- 何度も途中退出が発生すると、残ったプレイヤーにとってゲームを最後まで楽しみにくくなる。
- マンネリ化しやすい
- 基本的なゲームの流れは「タスクを行う→死体を発見する→会議をする→投票する」の繰り返しである。
- 新しいマップや役職によって変化は加えられているものの、長期間プレイすると基本構造そのものに慣れてしまう。
- 特に一人で野良プレイを繰り返す場合は、同じような展開が続いて飽きを感じやすい。
- 不正行為や迷惑行為の問題
- オンラインゲームであるため、チートやハックなどによってゲームバランスを崩すプレイヤーが問題となったこともある。
- また、ゲーム外の情報を利用して犯人を特定するメタ推理や、他プレイヤーへの煽り、暴言など、システムだけでは防ぎにくい問題も存在する。
- プレイヤー同士のコミュニケーションに依存する
- 本作の最大の魅力である議論システムは、そのまま最大の弱点にもなっている。
- プレイヤー同士が積極的に会話しなければゲームが成立しにくく、ボイスチャットを使えない環境では楽しみ方が限定される場合もある。
- 逆に、仲間内で盛り上がれる環境では非常に面白い一方、一人で黙々と遊ぶタイプのプレイヤーには向いていない。
- 役割が偏ることがある
- 本作ではゲーム開始時にクルーとインポスターの役割がランダムで決定されるが、同じプレイヤーが何度もインポスターになる、あるいは逆に長時間プレイしても一度もインポスターにならないなど、役割が極端に偏る現象が報告されている。
- 本来はランダム抽選であるため、同じ役割が連続すること自体は十分に起こり得るものの、何試合も続けて同じプレイヤーに役割が集中すると、「本当に均等なランダム抽選になっているのか」と疑問を持つプレイヤーもいる。
- 特にプレイヤー人数が少ない部屋では、一度の抽選結果がそのまま次の試合にも影響しているように感じられやすく、「また同じ人がインポスターになった」といった印象につながりやすい。
- また、インポスターを連続して引いたプレイヤーだけでなく、クルーばかりが続くプレイヤーからも「何十試合遊んでもインポスターにならない」といった不満が出ることがあり、プレイヤーごとの体感差が大きい。
- 実際には完全なランダム抽選であれば同じ役割が連続することはあり得るため、こうした偏りだけで抽選システムに問題があるとは断定できない。しかし、プレイヤー側から見るとあまりにも偏って感じられる場合があり、ランダム性そのものに対する不信感につながることがある。
- 一方で、毎回役割を均等に配分する仕組みにすると「次は自分がインポスターになる」と予測できてしまうため、現在のランダム性を維持することにも一定の合理性がある。
総評
『Among Us』は、「誰が敵なのか分からない」という人狼ゲームの面白さを、極めてシンプルな操作と宇宙船という分かりやすい舞台へ落とし込んだ、完成度の高いオンラインパーティーゲームである。
最大の魅力は、ゲーム側が用意した物語ではなく、プレイヤー自身の嘘と疑いによって毎回異なるドラマが生まれる点にある。インポスターの巧妙な嘘、クルーの必死の弁明、突然の裏切り、投票による仲間の追放など、同じマップを何度遊んでも異なる展開が生まれる。
特に友人同士や配信者同士で遊んだ際の盛り上がりは非常に大きく、2020年に発生した世界的ブームも含め、オンラインパーティーゲームの代表作となった。
一方で、ゲームの面白さが一緒に遊ぶプレイヤーへ大きく依存するため、野良プレイでは無言投票、根拠のない吊り、途中退出、煽り行為などによって本来の魅力を味わいにくい場合がある。また、長期間プレイすると基本的なゲーム展開に慣れ、マンネリを感じるプレイヤーもいる。
それでも、「タスクをする」「殺す」「疑う」「騙す」という単純な要素を組み合わせることで、プレイヤー同士の心理戦をここまで強烈な体験へ変えたゲームデザインは非常に優れている。
『Among Us』は単なる人狼ゲームの一種に留まらず、後のソーシャル・ディダクション系ゲームや配信向けパーティーゲームの人気を押し上げた作品としても重要であり、「友人とワイワイ遊べるゲーム」を探している人には特におすすめできる一本である。
最終更新:2026年08月11日 00:53