バイオミュータント
【ばいおみゅーたんと】
| ジャンル |
アクションRPG |
ASINが有効ではありません。 |
| 対応機種 |
Windows / PS4 / PS5 / Xbox One / Xbox Series X/S / Switch |
| 発売元 |
THQ Nordic |
| 開発元 |
Experiment 101 |
| 発売日 |
2021年5月25日(PS4/Win/Xbox One) 2022年9月6日(PS5/Xbox Series X/S) 2024年5月14日(Switch) |
概要
スウェーデンの新鋭スタジオExperiment 101が手掛けた、文明崩壊後(ポスト・アポカリプス)の世界を舞台とするオープンワールド・アクションRPGだ。~
プレイヤーは突然変異した哺乳類の戦士となり、汚染されゆく「生命の樹」を巡る世界の命運を左右する旅に出る。~
2021年の発売からわずか数ヶ月で100万本を突破するヒットを記録したが、その独特なゲーム性ゆえに評価は大きく分かれている。
特徴
- 「生命の樹」の救済か、あるいは破滅か
- 世界の中心にある生命の源「生命の樹」が、毒を撒き散らす「ワールドイーター」によって危機に瀕している。
- プレイヤーは樹を癒やすのか、それとも枯れゆくままにするのか、究極の選択を迫られる。
- 6つの部族と勢力争い
- 島には思想の異なる6つの部族が存在する。樹を救おうとする平和主義から、弱肉強食を掲げる武闘派まで様々だ。
- どの部族と同盟を結び、どの部族を排除(あるいは統合)するかはプレイヤーの自由であり、それによってストーリーが分岐する。
- 自由度の高いキャラクターカスタマイズ
- 初期設定では体格や毛皮、牙の形などを細かく調整可能だ。
- 見た目の変化はステータスに直結しており、大柄な個体は鈍重だが攻撃力・耐久力に優れ、小柄な個体は敏捷性が高くなる。
- 近接・遠距離・超能力を組み合わせた戦闘システム
- 剣やハンマーによる近接攻撃、銃器による射撃に加え、「ミューテーション(突然変異)」による超能力を組み合わせて戦う。
- 回避やジャンプを駆使したスタイリッシュなアクションが特徴だ。
- 奥深いクラフト要素
- 世界中で拾い集めたパーツを組み合わせ、自分だけの武器や装備を作成できる。
- 属性(電気や極低温など)を付与することで、敵を凍結させるなどの特殊効果を持たせることが可能。
- 探索を支える乗り物と装備
- 徒歩以外にも、メカ(ロボット)、ジェットスキー、気球といった多彩な乗り物が登場する。
- デッドゾーン(酸欠エリア)などの過酷な環境を探索するためには、ガスマスクなどの専用装備を整える必要がある。
評価点
- 独創的なビジュアルと世界観
- 「文明崩壊後の地球」を舞台にしつつ、擬人化された動物たちが独自の文化を築いている世界観は非常に個性的で、唯一無二の魅力がある。
- ダイナミックな天候変化や昼夜サイクルにより、景観の美しさも評価が高い。
- 膨大なカスタマイズの幅
- 武器クラフトの組み合わせは天文学的な数にのぼり、「自分だけの最強武器」を作り出す楽しさは本作の醍醐味と言える。
- 装備品(防具)のデザインも、ガラクタを組み合わせたようなパンクなものが多く、収集欲をそそる。
- ナレーションによる物語進行
- まるで絵本の読み聞かせのようなナレーターによる実況が入り、独特のプレイフィールを生んでいる。
- なお、このナレーション頻度はプレイヤーの好みで調整可能である。
論争点
- 説教臭いトーン
- ストーリー全体に哲学的な格言や比喩が多く、内容が抽象的すぎるため「結局何が言いたいのか分かりにくい」という批判がある。
- 一方で、この独特の童話的・絵本的な雰囲気を「癒やし」として評価する声もあり、好みが真っ二つに分かれる。
- 子供向けか大人向けか
- ビジュアルやナレーション、UIの親切さは子供向けに見えるが、クラフトの複雑さや文明崩壊後の重い設定は大人向けであり、ターゲット層が曖昧であるとの指摘が多い。
問題点
- 「広大だが中身が薄い」
- オープンワールドの規模は大きいが、ロケーションが似通っており視覚的な飽きが早い。
- 各地の探索ポイントやパズル、サイドクエストがパターン化されており、中盤以降は単純な作業の繰り返しになりがちである。
- 難解な専門用語による「説明不足」
- 「生命の樹」「ワールドイーター」といった基本設定ならまだしも、作中に登場する独自のガジェットや現象に対し、馴染みのない造語(ミューテーション、サイ・パワー、各種バイオーム名など)が次々と投入される。
- 特に「文明崩壊後の世界で独自進化した動物たちが呼称している」という設定上、我々の知る一般的な名詞を意図的に捻った名前(例:テレビを「ストリンギ・ボッコン」、鉄道を「チョチュ・トレイン」等)で呼ぶため、直感的に何を指しているのか理解しづらい。
- 結果として、ナレーターが延々と哲学的な比理や造語を並べる展開になりやすく、プレイヤーが「今、自分は何のためにどこへ向かっているのか」という目的意識を失いやすい要因となっている。
- 例えば固有名詞を銃を「ピューピュー」汽車を「チョチュ」といった擬音語ベースの名称が多く、シリアスなポスト・アポカリプスの世界観に対して「幼稚すぎる」と感じるプレイヤーが続出した。
- またその固有名詞のせいでナレーターが「彼はストリンギ・ボッコンを見ろと言っている」といった調子ですべてを翻訳するため、直感的に「テレビを見ろ」と理解するまでにワンテンポ遅れる。これが全編にわたって続くため、ストーリー把握の大きな障害となっている。
- 「世界観を深めるための味付け」であるはずの独自用語が、不親切な説明と相まって、プレイヤーを物語から突き放す壁になってしまっている点は否めない。
- ローカライズと専門用語の相性の悪さ
- 原文(英語)でも独特な言い回しが多いが、日本語版においてはその専門用語の翻訳が不自然だったり、一貫性がなかったりしたため、余計に「意味不明な言葉の羅列」に見えてしまう場面が多々ある。
- 深みのない各種システム
- 「光と闇」のカルマシステムや部族間の同盟システムが物語に与える影響が限定的で、選択の重みを感じにくい。
- 部族戦争も、序盤以降は拠点制圧の繰り返しであり、最終的にはスキップすら可能になるなど作り込みの甘さが指摘されている。
- 戦闘バランスの悪さ
- 「カンフー・アクション」を謳いながら、実際には遠距離からの射撃(銃)が圧倒的に強く、近接攻撃や超能力(サイ・パワー)の存在意義が薄い。
- 回避やパリィの挙動に重みがなく「フワフワしている」と表現される独特の手触りも好みが分かれる要因となっている。
- 不便な移動とスタミナ制限
- 泳ぐ際のスタミナ消費が激しく、切れると即死する仕様が探索のストレスとなっている。
- 魅力的な乗り物(メカ等)の多くが特定のボス戦やエリアに限定されており、広大なマップを自由に移動する手段としては機能しきれていない。
- 価格に見合わないボリューム
- インディー規模のスタジオが制作しているが、発売当時の価格(フルプライス)に対して、各要素のクオリティが「AAAタイトル」の基準に達していないという不満が目立った。
総評
野心的な試みが詰め込まれた意欲作であり、特に「ケモノ」の造形やクラフトの自由度に魅力を感じるプレイヤーにとっては、他に代えがたい体験ができる良作だ。~
一方で、全体的なゲームデザインのバランスや、ストーリーの伝え方において不親切・単調な部分も目立ち、評価が極端に分かれる結果となっている。
最終更新:2026年05月08日 01:44