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実況パワフルプロ野球2016

【じっきょうぱわふるぷろやきゅう にせんじゅうろく】
ジャンル 野球・育成


対応機種 プレイステーション3&brプレイステーション4&brプレイステーション・ヴィータ
メディア 【PS3/PS4】BD-ROM&br;【PSV】PlayStation Vitaカード 各1枚
発売元 コナミデジタルエンタテインメント
開発元 コナミデジタルエンタテインメント&br;(パワプロプロダクション)
発売日 2016年4月28日
定価 【PS4】7,980円&br;【PS3/PSV】6,980円(各税別)
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 良作
ポイント サクセス20周年の集大成&brパワフェスの追加でボリュームアップ&brアップデートで下方修正された育成環境&br一方、メインキャラは前作から更に冷遇される&brプロスピ化していく野球システム&br 良くも悪くも大幅な改革がされた作品
実況パワフルプロ野球シリーズ


概要

『実況パワフルプロ野球2014』以来、2年のブランクを経て登場したシリーズ最新作。東京ゲームショウ2015で制作が発表され、開発期間の都合から『2015』は欠番となった。
シリーズ初のPlayStation 4対応に加え、「サクセス20周年」という節目の年に発売された記念碑的作品。基本無料ソフト『実況パワフルプロ野球 サクセススペシャル』との連動や、発売1年後の「2017年シーズンアップデート(Ver.1.07)」によるモード追加など、長期的な展開が行われた。


新要素・変更点

  • 打撃システムの刷新
    • 投球カーソルが着弾点まで表示される従来の形式から、コースを大まかに示す「フェードカーソル」へと変更された。投手のリリースに合わせて円が収束し、球種も伏せられる仕様となっている。
      • サクセスおよびパワフェスではこの形式で固定。
    • ストライクゾーンには相手投手の配球履歴が表示されるようになり、テレビ中継さながらの矢印と変化量で配球を確認できる。
    • PlayStation Vita版では、アナログスティックによるミートカーソル操作の精度が向上した。

  • 投球・守備のリアリティ向上
    • 投球時、コントロールの数値に関わらず着弾点が一定範囲でぶれるようになり、球威に応じてカーソルの大きさが変化する。球威のない球ほど捉えられやすくなる設計。
    • スタミナと球速の連動がリアルタイム化され、スタミナ切れによる極端な球速低下が解消された。また、最高球速は175km/hに引き上げられている。
    • 肩力、守備力、捕球といった基礎能力が守備動作に与える影響が拡大。捕球の低い選手のお手玉や失策が顕著になったことで、相手の捕球値を最低にするアイテム「魔物ちゃん人形」が猛威を振るうこととなった。

  • 視点と演出の追加
    • 打者を至近距離の斜めから捉える「ダイナミック視点」を搭載。
    • 応援曲作成では音域の拡大や演奏場面の細分化が行われた。パスワード出力は廃止され、画像ファイルによるデータ受け渡しへと移行した。

  • 新モードと拡張要素
    • 「なりきりプレイ」:選択した選手一人に焦点を当てた視点で守備・走塁をプレイ可能。
    • 「新球種開発」:オリジナル球種のカスタマイズ機能。エフェクトを含めた自由度が大幅に向上し、作成した球種は各モードで取得できる。
    • ペナント・マイライフの最長プレイ期間が30年に延長。栄冠ナインでは試合中にメニューを開かず選手能力を確認できるようUIが改善された。


サクセス

  • 『パワプロ12』以来となる三本立て構成。舞台を刷新し、猪狩や友沢といった歴代の主要キャラは対戦相手としての登場に留まる。
  • 練習後の「パワマップ」移動によるイベント発生や、アプリ版に準じた「オーバーオール(☆能力値)」による選手査定が導入された。監督の評価概念が撤廃され、全試合に無条件でスタメン出場が可能となっている。

  • 社会人編
    • 廃部危機の「パワフルズ」が舞台。社内評価を上げて役職(給料)を上げ、ショップでアイテムを購入して育成する。
      • 「実和男(みわちゃん)」を利用した育成理論、通称「社会人ホモ理論」による強力な二刀流選手育成が可能。

  • 独立リーグ編
    • 元女子リーグの「アマゾネス」が舞台。全能力最低の状態から一年でのプロ入りを目指す。
      • 初期能力や周囲のレベルは低いが、練習等で得られる経験点が高く設定されている。

  • 草野球編
    • 怪我で引退した元プロ野球選手が再起を懸ける異色のシナリオ。
      • 初期能力が高い代わりに、大会までに規定人数(投手1、野手8)のチームメイトをスカウトしなければ選手登録不可という独自ルールを持つ。

パワフェス

  • 南国の島を舞台とした歴代サクセスキャラの野球トーナメント。
    • 試合に勝利するごとに相手チームのキャプテンや選手を仲間に加え、マネージャーのサポートを受けながら勝ち抜いていく「お祭りモード」。
    • 獲得人数は点差によって変動し(最大3人)、敗北しても仲間にした選手は次回プレイ時に助っ人として初期加入させることが可能。
    • アイテム無しではロックオン機能が排除されるため、シリーズ内でも難易度が高いモードに位置づけられている。

ペナント

  • 選手年鑑の復活や、オリジナル選手のドラフト参加設定など、データ管理・オプション面が大幅に強化された。


評価点

  • 野球システムの改善
    • 盗塁判定の緩和
  • 前2作(『2013』『2014』)では走力が高くとも失敗する確率が非常に高かったが、本作では判定の見直しにより、走力に応じた適切な成功率へと調整された。
  • 2017年アップデート(Ver.1.07)により、現実のプロ野球のルールに則ったDH解除が試合開始時および試合途中で行えるようになり、戦略の幅が広がった。

  • お祭り要素の強い「パワフェス」
  • サクセス20周年を記念し、過去19作品から膨大なキャラクターが参戦。試合に勝利して仲間を増やし、自分だけのドリームチームを構築する楽しみがある。
    • 『パワプロ』シリーズのみならず、ポータブル版(パワポタ)のキャラクターも収録されている。
    • 従来のオールスター形式にはなかった「コンボイベント」が導入された。猪狩進と外藤といった因縁深い組み合わせから、意外な接点を持つキャラまで多彩な掛け合いが用意されており、キャラゲーとしての密度が高い。
    • 敗北しても獲得した経験値や図鑑登録によって次回以降の初期戦力が底上げされるため、繰り返し挑戦する意欲を削がない設計となっている。
    • 条件を満たすことで『8』の伝説最強チームを彷彿とさせる、OBや海外移籍選手で構成された「プロ野球レジェンズ」との対戦も可能。
    • アップデートにより『サクセススペシャル』に登場する高校が参戦し、既存キャラのコンボイベントもサイレント修正で増量された。

  • 矢部明雄の再評価と活躍
  • 従来作では能力の微妙さやマイナスイベントの多さから不名誉な愛称で呼ばれることも多かった矢部だが、パワフェスでは「必ず最初から仲間になり、最も早く成長する」という仕様により、序盤の脆弱な外野陣を支える頼もしい存在となった。レベル最大時には弱点である「チャンスF」を克服する点も大きい。
    • 決勝戦前のイベントでは負傷欠場した矢部を称えてベンチに眼鏡を置くといった某国際大会を思わせる演出や、ラスボス戦での「男・矢部明雄」としての覚醒など、ギャグと熱さを両立させた展開が好評を博した。
  • 実況キャラクター「熱盛 宗厚」の存在感
  • パワフェス専用実況として登場。従来の堂前氏とは一線を画す、熱血かつユニークなフレーズ(「ボールはポロリンコ!」等)が試合を盛り上げる。
  • 一度クリアすれば、サクセスの最終戦でも実況を熱盛に変更可能。据え置き版では久々のボイス付き固定キャラクターとして、作品の看板を背負う人気を確立した。
  • 「ATSUMORIリベンジャーズ」
    • 怨念の宿った伝説のマイクに支配された熱盛が、敗退した選手を率いて立ちはだかる展開は圧巻。
    • プレイヤーが以前の試合で獲得しなかった選手が敵として現れるため、相手の弱点を突くようなスカウト戦略も重要となる。
    • 熱盛自身も「ムネアツシュート」を武器にする豪腕投手として君臨し、試合中には自ら実況(女性選手への敬語や矢部への執拗な敵意など)を行いながらプレイするという前代未聞の演出がなされている。
  • BGMや雰囲気作りが秀逸で、コミカルさと威圧感を兼ね備えたシリーズ屈指のラスボスとして高い評価を得た。

  • サクセスの原点回帰と進化
    • 不評だった3Dモデルによる会話シーンを廃止し、従来の2D立ち絵形式へと回帰。キャラクターの表情や個性がより鮮明に表現されるようになった。
    • 『2012』以前のシンプルなシステムに近づけ、デッキシステムも事前準備に時間を取られすぎないよう調整された。
  • 管理機能の向上
    • 年月表示に代わり「残りターン数」を明示することで、長期的な育成計画の立案が容易になった。また、継承選手をプレイ開始前に自由に入れ替えられるようになり、利便性が大幅に向上。
  • プレイスタイルの多様化
    • 全部で5パターンの試合操作形式を選択でき、プレイヤーの技量に合わせた攻略が可能。特定条件での強制敗北によるゲームオーバーも減少した。
  • 据え置き機初の選手兼彼女
    • 左腕投手の「佐菜あゆみ」が、従来のマネージャー枠ではなく「選手兼彼女候補」として登場。独立リーグ編ではチームメイトとして、他シナリオでは通常の彼女候補として交流でき、育成と恋愛を並行する楽しさを提供した。

  • ペナント
  • ドラフト候補のリアリティ向上
    • 現実のプロ野球における即戦力選手の活躍を反映し、ドラフトに登場する大学・社会人出身の架空選手の初期能力が高めに設定された。これにより、獲得後すぐに一軍で起用できる実用性が増した。
  • 特殊要素の追加
    • 低確率ながら二刀流選手がドラフトに登場するようになったほか、2017年度データ(Ver.1.07以降)ではペナント内でのオリジナル変化球習得が可能となった。
  • プレイ年数の拡張
    • 従来は最長20年だった制限が30年に延長され、長期的なチーム再建や、かつては困難だった金字塔的な記録の更新が狙えるようになった。


    • アレンジ
  • 保存枠とリーグ編成の拡張
    • アレンジチームの保存枠が55チームへと大幅に増加し、最大16チームのアレンジチームによるペナントレース開催が可能となった。
  • チーム名設定の自由度向上
    • 公式アナウンスはなかったが、Ver.1.08以降はチーム名に地名・企業名以外の幅広い漢字を使用できるようになった。
  • カテゴリー機能の導入
    • 「12球団オールスター」や「サクセスオールスター」といったカテゴリーが新設。オンライン対戦において、事前にオーダーを決定・登録しておくことが可能となった。
      • ただし、2016年度データではベースとなるプロ球団の選手交代枠に留まっている。


    • マイライフ
  • アレンジチームによる参戦
    • 既存球団に単身入団する形式に加え、オリジナル選手を加えたアレンジチームでの登録が可能となった。ただし、全選手がオリジナル、あるいはサクセスキャラのみのチームは対象外。
  • 自由な選手配置
    • 作成した選手を他球団に配置してライバルとしたり、自チームに集めて強力な布陣を築くことが可能。自作選手を監督やコーチに設定し、指導を受けるプレイも行える。
  • 二刀流プレイの実装
    • 投手と野手を兼任する「二刀流」でのプレイが遂に解禁。強化設定画面で投手・野手双方の能力表示を切り替えながら進行できる。
  • 彼女システムと追加要素
    • サクセスでの恋人関係を引き継いで開始できるようになった。彼女候補は一新され、新たに9名が追加。2017年度データでは、新施設を通じて「超特殊能力」の取得も可能となった。
  • 先発投手の運用改善
    • 非登板日における行動制限が緩和され、試合後に体力が回復する仕様に変更。前2作で問題となっていた「回復手段の欠如による非登板日の強制スキップ」が解消された。
  • イベントとミッションの洗練
    • 『2014』では昇格状況によって断絶していた同期・二上との交流イベントが、一軍昇格後も継続可能となった。
    • 契約更改時のミッションが選択制となり、自身のプレイスタイルに合わない理不尽な要求を回避しやすくなった。
  • 30年制への移行
    • プレイ期間が30年に延びたことで、物理的に到達が困難だった投手通算記録や出場試合数の更新が現実味を帯びるようになった。
  • キャラクターメイクの進化
    • ドラフト順位やアピールポイントの影響が強まり、初期能力の高い即戦力から、成長の余地が大きい低能力選手まで作成の幅が拡大。
    • アピールポイントでサブポジションを付与すれば、投手の打撃能力を底上げして二刀流を目指すことも可能。一方で、経歴による初期能力差は縮小され、開始年齢の自由度が高まった。
  • 演出の復活
    • 恋人が観戦に訪れた際、試合画面に彼女が表示される仕様が復活。活躍に応じて笑顔を見せるなど、モチベーションを高める演出が盛り込まれている。

  • 栄冠ナイン
    • プレイ中のデフォルトBGMが2曲追加された。また、『2014』では3ヵ月に一度だったBGMの切り替わりが2ヶ月周期に変更され、季節の移り変わりがより細やかに表現されている。

  • パワプロショップ
    • ゲーム内通貨「パワポイント」が新たに導入。サクセスやペナント等の各モードをプレイすることで獲得でき、OB選手や攻略を助ける各種アイテムと交換可能。
    • 「赤い糸」といった強力な効果を持つアイテムも用意されており、やり込みに応じた恩恵が得られる。
    • 一方で、各モードごとに持ち込み数制限や使用上限が設けられており、利便性を高めつつもゲームバランスを維持する調整がなされている。

  • 進化した通信対戦「チャンピオンシップ」
    • Ver.1.07より追加されたオンライン対戦モード。ルールを統一したマッチングや、全国のプレイヤーと競い合う大会形式の導入により、対戦要素が強化された。
    • 試合前後には定型コメントやポーズ、称号を介したコミュニケーションも可能となっている(現在はサービス終了に伴い選択不可)。

  • BGM・OP
    • 演出面が非常に充実しており、特にパワフェス最終戦のBGMは独自のコーラスとコールが入り、壮大さと威圧感を兼ね備えた楽曲として評価が高い。
    • パワフェスの試合BGMは原典作品の音源をそのまま採用。過去作へのリスペクトを感じさせる仕様は、古参プレイヤーからも高く支持されている。
    • サウンド設定では木製バットの打球音を選択可能。現行仕様のほか、『7』~『15』、初期作品群の三種類から選べ、好みの時代の質感でプレイできる。
    • サクセスやペナント等のBGM変更機能に加え、DLCでは過去作のBGMや実在の応援歌も使用可能。パワプロ9のOP「Tomorrow~未来への翼~」のフル音源なども収録されている。

  • LIVE選手
    • 育成した選手をサーバー上で共有できる機能。他プレイヤーが作成した選手をパワポイントで入手でき、サクセスの継承選手として活用することも可能。
    • 15文字の「パワナンバー」による識別が導入され、従来の長大なパスワードを入力する手間が大幅に削減された。

  • グラフィックの強化
    • PS4版ではハード性能の向上により、テクスチャや光源処理が大幅に進化。観客のフル3D化や細かな挙動の追加、PS4 Proへの対応など、次世代機に相応しい映像表現となった。

  • システム
    • サクセスキャラの顔設定が大幅に拡張。本作に登場するほぼ全ての固有キャラの顔が、ペナントや対戦などの他モードでも使用可能になった。
    • サクスペとの連動や継続的なアップデートにより、使用可能なキャラクター数も順次拡大された。
    • 一作品で2年分のデータを収録。Ver.1.07以降は2016年度と2017年度のデータを起動時に選択でき、前年度データの引き継ぎもスムーズに行える。
    • アップデート(Ver.1.03/1.05)により試合前のロード時間が短縮。さらにVer.1.09からはクリア後のオリジナル選手の生年月日変更が可能になり、能力以外のほぼ全ての要素を後から編集できるようになった。
    • 汎用パワターの目パーツに7段階のサイズ変更機能が追加され、エディットのレパートリーがより豊かになっている。

争論点

  • 野球バランスの変容
    • 本作は全体的に「投高打低」の傾向が強く、打撃の難易度が高めに設定されている。
      • ストレートと変化球の判別は容易になった反面、バットの芯で捉えなければ凡打になりやすく、カーブ系をはじめとする各種変化球の飛距離も抑制されている。
      • 特にオンライン対戦では「ドロップカーブ」「爆速ストレート」「眉村ジャイロ」「ロゼルージュ」といった打ちにくい球種が猛威を振るっている。
    • この仕様変更は、打球が飛びすぎた過去作への反省とも取れるが、ロックオン無しで挑むパワフェスの難易度を相対的に引き上げる要因にもなった。
    • Ver.1.07以降のアップデートで、芯を外した際もヒット性の当たりが出やすくなる調整が行われたものの、変化球攻略には依然として習熟が求められる。

  • 栄冠ナイン
    • 投高打低の煽りを受けて打撃が弱体化し、守備時の失策率も上昇したことで、全体的な難易度は『2014』より高まっている。
    • 一方で、スカウト評価の上げにくさや味方の戦力不足といった前作の問題点は、パワプロショップのアイテムを活用することで緩和可能になり、攻略の選択肢は増えている。

  • サクセス
    • 一年制の短期間シナリオ
      • 三年制を望む声は根強いが、周回プレイが前提の本作においては、短時間で選手を完成させられる利便性が社会人などの層から支持されており、一概に欠点とは言えない。
    • 「センス」の数値化
      • 従来の「センス○・×」が廃止され、数値化されたセンスを上げることで経験点消費を抑えるシステムに刷新された。
      • 効率を求めると「終盤まで経験点を温存する」という極端なプレイスタイルになりやすく、育成の自由度や爽快感を損なう「縛り要素」と化している面がある。
    • 合否判定の緩和
      • スカウト評価が不足していても「育成枠」や「テスト合格」で選手登録が可能になった。救済措置としての評価がある一方、プロ入りの緊張感を削ぐという批判も存在する。
    • 特異な育成理論の台頭
      • タッグ練習の効率低下や回復コマンドの弱体化により、従来の育成法が通用しにくくなった。
      • 「精神練習の連打」や「石の厳選」といった作業感の強い理論が最適解となってしまい、試行錯誤の楽しみが薄れたとする意見も多い。

  • パワフェス
    • 未参戦作品のキャラクター
      • 『パワプロ98』やパワポケ、パワメジャシリーズのキャラが殆ど登場せず、参戦を熱望する声が多い。
      • ただし、本作は「本家パワプロのサクセス20周年」という立ち位置であり、パワター(顔データ)が存在しない等の物理的制約も影響している。
    • チーム登場シーン
      • 各チームの個性を描いたムービーは好評だが、一部のキャラ(神楽坂や雅など)において、性格や設定にそぐわないモーションの使い回しが見受けられる。
    • イラストの流用
      • キャラクターイラストの多くが過去の『パワスタ』等からの使い回しであり、新規描き下ろしを期待した層からは不満が出た。
    • レベルシステム
      • やり込み要素としての達成感を評価する声がある一方、実戦投入までに何度も周回してレベルを上げる手間を煩雑と感じるプレイヤーも存在する。
    • 試合操作の制限
      • フルイニング操作ができずオート進行が多いため、短時間での周回には適しているが、じっくり試合を楽しみたい層からは操作形式の選択制を望む声がある。

問題点

  • 野球システム
  • プロスピからの逆輸入が目立つシステム
    • 本作で導入された新要素の多くが、リアル志向の姉妹作『プロ野球スピリッツ』シリーズからの流用である。(守備動作やナイスピッチシステムなどは前2作から既に導入されていたが、本作でより顕著になった。)
    • フェードカーソルや球種ごとのカーソルサイズ差、なりきりプレイといったシステムはデフォルメを主体とするパワプロの持ち味を薄めており、「シリーズを分けて展開する意義」について双方のファンから疑問を呈された。
  • 2016年度データの反映制限
    • オンラインサービス終了後の2016年度データからは選手データの引き継ぎが行えない。そのため、追加された2017年度データへ新規に作成した選手を移すことができない。

  • サクセス
  • メインキャラの不在
    • サクセスにおけるデッキシステムの廃止に伴い、シリーズの顔であるメインキャラクターたちがシナリオに直接登場しなくなった。
    • パワフェスには出演しているものの出番は大幅に減っており、新キャラも彼らを凌ぐ魅力を出し切れず、シリーズにおけるキャラクター性の継承という面で課題を残した。
  • 実和男理論によるシナリオの形骸化
    • 全シナリオ共通で登場する「実和男」を利用した育成法(洞窟理論)が強力すぎるあまり、各シナリオ特有のうろつき先が軽視される結果となった。
    • イベント内のボタン連打要求が非常にシビアで、コントローラーへの負担や苦手なプレイヤーへの配慮に欠けるとの批判も多い。
  • 再現選手作成との相性の悪さ
    • 実和男イベントのランダム発生により、意図しない特殊能力が強制的に付与される場合がある。強い選手を作る分には利点だが、特定の能力を再現したいプレイヤーにとっては大きな障害となった。
  • 施設管理の煩雑さ
    • 町の施設レベルを上げる管理が複雑な割に、上述の特殊イベントを利用した育成が主流となったため、精神練習主体になりがちで施設の恩恵を実感しにくい。
  • イベント完走率の低さ
    • 金特入手に関わるランダムイベントが完走しにくく、特に登場キャラの多い独立リーグ編で顕著。佐菜あゆみの攻略ルートも極端に確率が低く、多くのユーザーに設定を誤解される要因となった。
  • 赤特能付与手段の不足
    • 過去作に存在した赤特能を任意で付ける手段(赤本屋など)が乏しく、再現選手作成の幅が狭まっている。
    • シナリオごとに取得可能な金特が固定されており、さらに二股も不可となったため、能力構成のバリエーションが減少した。
  • アップデートによる極端な下方修正
    • Ver.1.02において、強力な育成ルートだった実和男関連の出現率が大幅に下げられた。
    • バランスブレイカーの修正という側面はあるものの、代わりとなる上方修正(イベント完走率の改善など)が不十分であったため、プレイヤーの意欲を削ぐ結果となった。
    • その他、批判のなかった牛丼屋の出現率や精神練習の仕様までもが弱体化され、自由度が著しく低下。アップデート以降、サクセスの育成理論に関するコミュニティの活性化も急速に収束してしまった。
    • 結果として、今作の育成にこだわらず過去作や『サクスペ』を経由して選手を用意するプレイヤーが続出する事態を招いた。



  • パワフェス
  • 劣悪なゲームバランス
    • モブ選手の能力不足
      • 味方チームのモブ選手は守備能力がF〜Gと極めて低く、戦力として期待できない。本作の仕様上、守備能力の低さは失策や守備範囲の狭さに直結するため、プレイヤーに多大なストレスを与える。対して敵チームのモブは相応の能力を有しており、理不尽な格差が生じている。
    • 選手引き抜きの仕様
      • 3点差がついた時点で自操作が強制終了しオート進行へ移行するため、仲間が育っていない序盤は逆転負けを喫しやすい。
      • 後攻固定の仕様上、3人引き抜きの条件である「3点差勝利」を満たすには、僅差の最終回にあえて同点を許しサヨナラ本塁打を放つといった歪な立ち回りが求められる。
    • 経験点稼ぎの弊害
      • 獲得経験点が「操作時の安打数・盗塁数」に依存するため、強い選手を作るには「点を取りすぎないよう単打を積み重ねる」という不自然な試合運びを強いられる。
    • 高難易度の打撃設定
      • アイテムなしではロックオンが付かず、実質的な難易度はエキスパート級となる。しかし持ち込みアイテム枠が二つと少ないため、常にリソース不足に悩まされる。
    • 育成効率と運要素
      • 選手育成面ではサクセス本編に及ばず、金特や赤特の取得も不可。さらに初期助っ人の選出や対戦相手が完全ランダムであるため、理想の選手を作るには過酷な厳選作業が不可避となっている。

  • 登場キャラクターの偏り
    • 登場選手の選出が近年の作品に偏っており、旧作(ナンバリング時代)のキャラは極めて少ない。これは2010年以降の「パワター(顔データ)」の有無に依存しており、新規にデータが作成されなかったことが要因である。
    • この影響で、過去作では大世帯だったチームも所属選手がわずか1名になるなど、お祭りゲーとしての華やかさを欠く場面がある。

  • パワプロショップ
  • アイテムの費用対効果と入手性
    • 「ダイジョーブ博士の成功手形」は高額ながら発生確率が低く、サクスペと異なり他アイテムとの併用制限もあるため非常に使いにくい。
    • 「天才の入部届」は最終アップデートまでショップに陳列されず、特典や配布分を使い切ると二度と入手できないという、育成の自由度を著しく制限する仕様となった。

  • LIVE選手
  • 改造選手の氾濫と機能不足
    • 過去作からの転送機能やチートを利用した改造選手がランキングを占拠する事態を招き、後にアップロード制限がかけられるなどの対策を余儀なくされた。
    • 膨大な投稿数に対し「検索機能」が皆無であり、パワナンバーなしではごく一部の選手しか閲覧・入手できない。

  • 通信対戦とチャンピオンシップ
  • ハード仕様と操作難易度
    • PS4版では対戦にPlayStation Plusへの加入が必須となり、未加入者は新キャラの演出すら見ることができない。
    • 大会ルールでは打撃ロックオンが「無し」に固定されており、習熟していないプレイヤーにとっては凡打の山を築くストレスフルな環境となっている。

  • システム
  • 年度間データの不備
    • 2016年度版から2017年度版への各種モードデータの引き継ぎができず、新システムも2016年度側には一切適用されない。また、年度を跨ぐ際に一部のユニフォームが削除されるなど、データの整合性にも不満が残る。

  • サクセスキャラの顔設定関連
  • 特定キャラクターの仕様不備
    • 大西を仲間にした際やサクスペ連動時に、アンドロゴーグル付きの帽子を着用した顔設定となるが、本作ではこの帽子が所属チーム(栄冠ナインやオリジナルチーム等)の配色に反映されず、常にアンドロメダ学園の「A」マークのままとなる不具合がある。
  • 限定キャラの開放難易度
    • サクスペ連動で開放される顔設定のうち、特定の「ユニフォーム仕様」彼女候補などは高レアリティ(SR以上)かつ期間限定ガチャでのみ入手可能であったため、コンプリートのハードルが極めて高い。
  • 一部顔設定の削除
    • 前作『2014』で使用可能だった大学野球部の監督や、一部の彼女候補キャラクターの顔設定が本作では使用不可となった。データ上は存在するもののプレイヤーが選択できない仕様となっている。

  • サクスペ連動の終了に伴う影響
  • 顔設定・選手データの開放不可
    • オンラインサービス終了によりサクスペとの連動が断たれたため、連動必須だった選手データや顔設定パネルの開放が物理的に不可能となった。
    • これにより、終了後に本作を購入したプレイヤーは、顔設定画面に多数の「?」パネルが残されたままとなり、事実上のコンプリート不可状態となっている。

    • OB選手
  • 収録ラインナップの入れ替え
    • 松井秀喜氏や古田敦也氏といったレジェンド級が継続参戦している一方で、新規OBの追加と引き換えに削除された過去作OBも多い。
    • 2017年度版へのアップデートの際にも、入れ替わりで削除されるOBが発生しており、お気に入りの選手が使えなくなる事態を招いた。
  • 適正ポジションの違和感
    • 小久保裕紀氏が二塁手設定になっているなど、査定年度の成績と守備位置が合致しない、実態と乖離した設定が見受けられる。

  • DLC関連
  • 配信の完全終了
    • 2017年度アップデートに伴い、全DLCの配信が終了。版権曲だけでなく、過去作のBGMパックも一切購入できなくなった。今後の再配信予定もないため、新規プレイヤーはカスタマイズ要素を享受できない。

  • マイライフ
  • アレンジチーム参加時の背番号制限
    • アレンジチームでの参戦が可能になったが、ペナントと異なり「コーチや二軍監督も含めた背番号の重複」が一切許されない。
    • アレンジモード上ではコーチ等の背番号を確認・変更する手段が乏しいため、参加させるまでの調整に多大な手間を要する。

  • オンラインサービスの運用
  • 終了時期の不備
    • オンラインサービスの終了が次回作『2018』の発売1週間前となっており、空白期間が生じた。また、サービス終了に伴い、データ上の不具合改善の見込みも事実上消滅している。

その他軽度の問題点

  • コリジョンルールへの対応不備
  • 特殊能力の残留
    • 2016年よりプロ野球で導入されたコリジョンルールに対し、「体当り」「ブロック」「ゲッツー崩し」といった、新ルール下では現実的に起こりえない特殊能力がサクセス内で取得可能なままとなっている。
    • 実在選手についてはアップデートで削除対応がなされたが、サクセスキャラについてはシリーズの伝統的な要素として残された形となっている。

  • オーバーオールの確認制限
  • 限定的な表示箇所
    • 選手の総合評価を示す「オーバーオール」の数値が、サクセスモード内の特定の画面(継承デッキ編成時や主人公、一部のNPC確認時)でしか表示されない。
    • 他モードでの利便性を欠く仕様となっていたが、この点は次回作以降で改善が図られた。

  • ホームスチール時の不具合
  • 挙動の不整合
    • 本塁突入時、投打画面で生還が確認できた場合でも、守備・走塁画面へ切り替わった瞬間に走者の位置がホーム手前まで押し戻されるバグが存在する。
    • 発生頻度こそ低いものの、試合の勝敗に直結する挙動として課題を残した。

  • 既存モードの停滞
  • 変化の乏しい構成
    • 「栄冠ナイン」や「サクサクセス」について、前作からの目立った変更点が少なく、使い回しの印象が強い。
    • 前作の課題も引き継がれているが、システムの安定性を重視する層からは現状維持を肯定する意見も出ている。

  • 新球種開発
  • 設定の自由度と習得の難易度
    • 球種ごとに調整可能な上限値が設定されており、完全に自由なカスタマイズができるわけではない。
    • パワフェスでの習得には膨大な経験点を要し、基礎能力を大幅に削る必要がある。対戦バランス維持のための制約という側面はあるものの、負担の大きさに対する不満も根強い。
  • モード間の連動不足
    • 本機能で開発したオリジナル変化球は、栄冠ナインやサクサクセスでは習得させることができない。新要素として推されていた機能だけに、連動範囲の狭さを惜しむ声が上がった。

  • マイライフ
  • 30年制におけるイベント不足
    • プレイ可能年数が延長された一方で追加イベントが乏しく、長期プレイにおいて内容が希薄化している。ベテランならではの固有イベント等の拡充が望まれた。
  • 流用によるマンネリ化
    • デートイベントや食事の選択肢が旧作から据え置かれており、新規背景などの素材が十分に活用されていない。
  • 資金の用途制限
    • 引退時に多額の資金が余りやすく、現役中の使い道が限られている。2017年度版アップデートで「自家用ジェット機」が追加されたが、2016年度版では反映されていない。
  • 操作性の変更
    • 野球道具の装備手順が「システム」内の「登録設定」から行う形式に変更され、直感的な操作が困難となった。後にアイテム画面からも変更可能になったが、年度データ間で仕様に差がある。
  • テキストの不自然さ
    • 家族や配偶者からの呼称に名字が含まれるなど、親密な関係性において不自然な台詞回しが散見される。
  • 不自然な遠征設定
    • ビジター試合の際、同一拠点内の球団(巨人対ヤクルトなど)であっても強制的にホテル宿泊となる仕様が継続されており、リアリティを欠く。過去作では拠点に応じた管理がなされていたこともあり、改善を望む声が多い。
  • 不親切な彼女フラグ
    • 好感度が最大であっても、特定の未告知イベント(ビジターでのヒーローインタビューなど)を消化していなければ告白を断られる仕様となっている。イベントの発生条件に関するヒントが乏しく、攻略の難易度を不必要に高めている。

  • BGM・OP
  • BGM設定の柔軟性不足
    • サクセスやマイライフのBGMがシーズンを通じて固定されており、季節ごとの設定が不可となっている。過去作に存在した季節曲への切り替えが反映しにくい。
    • サクセス最終戦前などの一部楽曲がBGM設定の選択肢に含まれておらず、ユーザーの自由度が制限されている。
  • 演出の不足
    • パワフェスのプロ野球レジェンズ戦において、手動操作時に固有のBGMが流れず応援歌のみとなるため、演出が寂しいとの指摘がある。
  • OP映像の構成
    • サクセスキャラの描写に比重が置かれている反面、プロ野球選手の登場カットが極めて短く、プロ野球ファンからは物足りなさを指摘されている。

  • バグと不具合
  • 多発する不具合と修正の不徹底
    • リリース当初より表示バグやイベント時の不自然な挙動が複数報告されていた。アップデート後も新たな不具合が発生する事態が散見された。
  • パワフェスにおける描写エラー
    • サクスペ連動キャラのグラフィック消失や、意図しないモーションへの差し替わりが発生していた。Ver.1.09以降で概ね改善されたが、年度データ間でモーションの差異が残るなど不完全な箇所も存在する。
  • BGMの無音化バグ
    • Ver.1.10において、特定の条件を満たすと決勝戦でBGMが流れず、実況と効果音のみになる不具合が発生した。Ver.1.11での設定項目追加により事実上の修正がなされたが、根本的な挙動そのものは残された。

  • 2016年度パワフェスの進行不能エラー
  • 致命的なシステムエラー
    • Ver.1.11適用後の2016年度パワフェスにおいて、中断セーブの利用や特定選手の起用、特定ルートの達成といった条件下で最終戦を開始すると、ロード中にエラーが発生しゲームが停止する。
    • この不具合が発生するとそれまでのプレイデータが消失するため、最終アップデート版における極めて深刻な問題点となっている。

  • システム
  • データ読み込みの不備
    • モード選択時、PS4版ではVita版に比べて「ロード中」の表示が頻繁に挿入され、操作のテンポを削いでいる。
    • 練習モード中にサウンド設定を変更して終了すると、システムデータの保存に伴いオリジナル選手やアレンジチームのデータが未ロード状態となり、一時的に選択不能になる不明瞭な挙動が存在する。

  • 栄冠ナインにおける操作不能バグ
    • 投手への代打起用後に守備交代を行うと、戦術コマンドやポーズメニューの操作において「左スティック」が一切反応しなくなる。
    • ポーズメニュー内で方向キーを用いた画面切り替えを行うことで復帰可能だが、根本的な修正は次回作以降に持ち越されることとなった。


  • DLC関連
  • 不完全なラインナップと不備
    • 配信された過去作BGMは全楽曲を網羅しておらず、合宿や日米野球といった特定期間の曲、およびパワポケ・パワメジャシリーズの楽曲は未収録となった。
    • 一部の楽曲タイトルが入れ替わって表記されるといった初歩的なミスも散見される。
  • 価格設定と販売形態
    • コンテンツ単体の価格は安価だが、ラインナップが膨大なため、一通り揃えるには相応の出費を要する。セット販売と単体購入の価格差も大きく、購入時の判断を難しくさせている。

総評

前作がシリーズ20周年記念作として賛否を分かつ結果となった中、本作は「サクセス20周年」を掲げ、その期待に応える質とボリュームを実現した。
進化したグラフィックや各種モードの改良、特にお祭り要素の強い「パワフェス」の導入により、シリーズの停滞感を打破することに成功している。

一方で、アップデートによるサクセス育成環境の極端な下方修正がプレイヤーの不信感を招いた点や、投高打低のバランス、プロスピのシステム逆輸入による操作難易度の上昇など、野球部分については依然として課題も多い。
細部の粗やバグも散見されるものの、全体としての完成度は高く、近年のシリーズ作品群の中では総合的に見て良作と呼ぶに相応しい一作といえる。

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最終更新:2026年05月05日 21:01