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風雲 幕末伝

【ふううん ばくまつでん】
ジャンル 本格歴史アクション
対応機種 プレイステーション2
発売・開発元 元気
発売日 2005年1月20日
定価 6,800円(税別)
レーティング CERO:15歳以上対象((廉価版のレーティングはCERO:C(15歳以上対象)となっている。))
廉価版 PlayStation 2 the Best&br;2006年8月3日/2,800円
配信 ゲームアーカイブス&br;2014年12月17日/1,200円
判定 良作
ポイント 前作の不満点を大幅に改良&br;ストーリーも佐幕編倒幕編に増加
風雲シリーズ &br;風雲 新撰組 / ''風雲 幕末伝'' / 風雲 新撰組‐幕末伝‐Portable


作品概要

    • 幕末の日本を舞台にした歴史アクションゲームであり、前作『風雲 新撰組』のシステムをベースにしながら、新撰組の動向のみならず幕末の激動の歴史を完全収録している。
    • 前作では新撰組側のみの視点であったが、本作では「佐幕派」と「倒幕派」の双方の立場でプレイが可能となり、幕末という時代そのものを深く味わえる作品へと進化した。
    • 「桜田門外の変」「池田屋事変」「禁門の変」「薩長同盟」「長州征伐」といった歴史上の重要エピソードを網羅。佐幕派を選べば新撰組隊士として不逞浪士の取り締まりや倒幕志士との死闘に身を投じ、浪士組結成から箱館戦争までという広範な戦いの記録を追体験できる。
    • 一方、倒幕派を選択した場合は日本各地を転々としながら、幕府要人の暗殺や新撰組・見廻組との戦闘を繰り広げることとなる。特定の藩に固定されず、様々な歴史的事件に関与していく。
    • 二人のオリジナル主人公を通じて歴史を追う構成となっており、沖田総司、岡田以蔵、桂小五郎といった著名な志士たちが多数登場。さらに「偉人録」モードでは、これら志士たちの視点で個別のエピソードを体験でき、本格的な殺陣アクションを堪能できる。

ストーリー構成

  • 幕末の動乱
    • 黒船来航の瞬間から、250年続いた徳川幕府の安泰は揺らぎ始める。長年の鎖国で諸外国から遅れを取った日本は、欧米の圧倒的な軍事力を前に困窮。圧力に屈する幕府への不信感から、天皇を掲げ異国を排斥する「尊皇攘夷」の思想が台頭する。

  • 弾圧と反発
    • 勢力を増す尊皇攘夷派に対し、老中・井伊直弼は「安政の大獄」による徹底した弾圧を断行し、吉田松陰らを処刑。しかしこの強硬策はかえって幕府への不信を加速させ、暗殺という形で井伊自身へと跳ね返る。若輩ゆえに同志から外された一人の若者が、この時代のうねりの中へ足を踏み入れようとしていた。
  • 新撰組の誕生
    • 「桜田門外の変」によって危機感を募らせた幕府は、将軍家茂の上洛を決定。治安が極限まで悪化した京を鎮めるべく、文久三年三月、清河八郎の進言により「浪士組」が組織される。
    • 集まったのは素性不明の無法者が大半であったが、その中には時流に媚びず、幕府へ命を捧げんとする天然理心流宗主・近藤勇とその門人たちの姿があった。一人の若者の運命が、彼らとの出会いによって大きく変転していく。

評価点と特徴

  • 本編:二つの幕末時代劇
    • 緻密な時代考証に基づいた「佐幕」「倒幕」二人の主人公によるシナリオが展開。「池田屋事件」「龍馬暗殺」「戊辰戦争」といった史実をなぞりながら物語が進行する。
  • 倒幕編・主人公(デフォルト名:宮本宗助)
    • 若き志士として当初は過激な尊皇攘夷思想に基づき、幕臣を暗殺する「人斬り」に手を染める。しかし坂本龍馬との出会いを通じ、暴力ではない日本の動かし方を模索し始める葛藤が描かれる。
  • 佐幕編・主人公(デフォルト名:秋月小次郎)
    • 不逞浪士の取締りのため「壬生浪士組」に志願。孤高の浪士として剣を振るい続けるが、組織が「新撰組」へと変貌する中で心境に変化が生じていく。時代の激流は、彼と仲間たちに容赦なく襲いかかる。
  • 高い没入感と演出
    • 主人公たちが物語の「空気」にならず、自らの手で動乱を動かしている実感を伴う構成。キャラクター性豊かな主人公への感情移入もしやすく、メニュー画面に「仲間との触れ合い」が描かれるなどの演出も疑似体験を補強している。
    • 佐幕編ラストの、新撰組の名を歴史に刻まんとする生き残りたちの奮戦を描いた「100人斬り」は極めて熱い展開となっている。また、一方の主人公でクリア後、別の編をプレイした際にかつての自キャラが「ライバル」として、以前のセーブデータの名前や剣術を保持したまま立ちはだかる展開は、プレイヤーから高く評価されている。

  • 改良されたシステム
  • 難易度選択の導入
    • 「易しいモード」と「普通モード」を選択可能。易しいモードでは敵の体力が抑えられ、ガード(受け)の頻度も低下するため、アクション初心者でも楽しみやすくなっている。
  • 任務とマップのバリエーション
    • 戦争任務において戦線防衛、仲間護衛、敵指揮官殺害、強行突破、持久戦など多岐にわたるルールが用意され、単調さを回避している。倒幕編特有の暗殺や聞き込みといった任務も追加された。
  • 全編フルボイス化
    • 前作のテキスト中心から、今作では全編フルボイスへと進化。坂本龍馬役に高知県出身の小野大輔氏を起用するなど、配役の妙が世界観への没入を助けている。
  • 名声度と出撃コスト
    • 従来の信頼度システムを刷新し、名声度と仲間の「格」による交換制となった。同行者の状態(絶好調~絶不調)によるステータス変動や、任務から撤退した際のペナルティ(3日間格が上昇する)など、マネジメント要素が強化。山南や井上といった前作で同行不可だった隊士も選択可能になった。
  • 会話と探索
    • 非戦闘時(抜刀していない状態)に町人と会話が可能。聞き込みによる情報収集や、会話を通じて得られるアイテムが任務進行の鍵となる。
  • アイテムと装備
    • 桶や樽の破壊、町人との交流、隊士との友好度によってアイテムを入手可能。沖田の「菊一文字政宗」など、実在の著名な刀剣も装備できるようになった。
  • 状態確認と収集要素
    • 総討伐数、総法度数、所持品、同行隊士のステータスなどが詳細に確認可能となった。

  • 追加モード
  • 挑戦モード
    • タイムアタック形式のモード。「討伐」「殲滅」「突破」「強敵(1対1)」「百人斬り」の5種が存在し、本編の進行状況に応じて使用キャラが解禁される。
  • 偉人録
    • 主要な歴史人物12名を主人公としたサブストーリーモード。坂本龍馬暗殺の真相や、岡田以蔵による勝海舟護衛など、独自の視点から歴史的事件を解決する。
    • 各キャラクターには固有のEDムービーが用意され、死に際の沖田と黒猫の逸話をモチーフにしたものなど、ファン垂涎の演出が盛り込まれている。千葉重太郎や佐那といった、他作品では珍しい人物も操作可能。

  • 資料・名鑑
    • 「人物名鑑」は新撰組を含む幕末の諸名士を詳細に網羅。聞き馴染みのない人物でも、資料を読むことで時代背景への理解を深めることができる。年表も完備されており、歴史知識が浅いプレイヤーへの配慮も行き届いている。

論争点

  • 偉人録の構成
    • 本編の主人公二人が直接関与しない「龍馬暗殺」や「近藤襲撃」といった歴史的瞬間を体験できる試み自体は評価が高い。しかし、収録シナリオ数を優先した影響か、個々のストーリー内容が希薄になっている感は否めない。
    • 特定の偉人において「このエピソードよりも別の場面をプレイしたかった」という、選定基準に対するユーザー間の温度差も見受けられる。
  • フィールドの構築
    • 前作に引き続きフィールドのクオリティは高く、幕末の情緒や世界観を的確に表現している。
    • 一方で、前作ほど顕著ではないものの使い回しの箇所が散見される。特に後半の戊辰戦争のステージにおいてその傾向が強く、視覚的な新鮮さに欠ける部分がある。

問題点

  • 戊辰戦争描写の不完全さ
    • 倒幕編の物語が「鳥羽伏見の戦い」で完結してしまい、その後に続く上野戦争、宇都宮城の戦い、甲州勝沼の戦いといった、新選組が深く関与した主要な戦局に参戦できない点に不満が集中している。
    • 佐幕編においても「鳥羽伏見」から「会津戦争」へと至る過程の戦いが一部省略されており、歴史の空白期間が生じている。
    • 特に倒幕編の視点では、宇都宮で戦った永倉新八や原田左之助、会津での斎藤一、そして土方歳三といった、敵として極めて魅力的な新撰組幹部たちと刃を交える機会を逃している点が、シナリオ面での大きな機会損失として指摘されている。
  • モーションの不自然さ
    • キャラクターのボイスが再生されているにもかかわらず、口の動きが連動していないなど、一部の演出において不自然なモーションが残っている。
  • 主人公カスタマイズの制限
    • 前作では複数の候補から主人公の容姿を選択可能であったが、今作では顔グラフィックが固定されており自由度が失われた。前作の仕様を好んでいた層からは、選択式の復活を望む声が多い。
  • 実在流派の名称変更
    • 「天然理心流」が「多摩剣術」とされるなど、実在する剣術流派の名前が変更されている。このため、歴史への造詣が深くリアリティを重視するプレイヤーほど、没入感を削ぐ要因として不満を抱きやすい。

総評

    • フルボイス化の実現や戊辰戦争の収録など、前作寄せられた不満点を着実に改良し、豊富な付加要素と共に大幅な進化を遂げた続編。
    • 新撰組や志士たちが駆け抜けた「最後の武士の時代」を最後まで描ききっており、熱く燃え上がる展開と幕末特有の切なさを両立させたストーリーは極めて秀逸である。
    • アクションの多様性も向上しており、幕末を題材としたゲーム作品として一つの完成形に至った良作といえる。```

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最終更新:2026年05月06日 19:38