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Death Stranding
【です すとらんでぃんぐ】
ジャンル
ストランドゲーム
対応機種
プレイステーション4&br;Windows (Steam / Epic Games Store / Microsoft Store)
販売元
【PS4】Sony Interactive Entertainment&br;【Win】505 Games
開発元
コジマプロダクション
発売日
【PS4】2019年11月8日&br;【Steam/EGS】2020年7月14日&br;【MS Store】2022年8月23日
定価
【PS4】6,980円&br;【Steam/EGS】7,590円&br;【MS Store】3,750円
限定版
【PS4】デジタルデラックスエディション / 7,540円&br【Steam】初回限定生産版 / 8,690円
レーティング
CERO:D(17才以上対象)
廉価版
Value Selection: 2021年5月26日 / 4,900円
備考
''
「The Game Awards 2019 Best Game Direction」受賞
''
判定
なし
ポイント
新生コジプロ作品の第1作
『MGSV』以来の「''A HIDEO KOJIMA GAME
」テーマは人と人との「繋がり」オープンワールド新解釈アメリカを繋ぐ配達インフラお使いゲームPS4トップクラスの美麗なグラフィック非常に難解且つ複雑なストーリー意外にも強いホラー要素&br;
『MGS4』をも凌ぐ圧倒的ムービーゲー''
概要
世界観と主要用語
ゲームシステム
評価点
論争点
問題点
シナリオ
ゲーム
バトル
総評
分断された世界を、再び繋げ
概要
『メタルギア』シリーズで世界的に知られる小島秀夫監督が、コナミ退社後に設立した「コジマプロダクション」の第一弾タイトルとして放った完全新規のアクションゲーム。
小島氏自身が企画・脚本・監督・ゲームデザインのすべてを統括し、これまでにない「繋がり」をテーマにした斬新なプレイ体験を提供している。
制作陣には脚本の野島一人氏、キャラクターデザインの新川洋司氏、タイトルロゴのカイル・クーパー氏といった小島作品の常連スタッフが再集結。
キャストにはノーマン・リーダスを主演に迎え、マッツ・ミケルセンやレア・セドゥといったハリウッドの実力派俳優が名を連ねる豪華な布陣となっている。
本作の根底にあるのは安部公房の短編小説「なわ」から着想を得た「棒と縄」という概念である。
従来のゲームが敵を排除する「棒」の道具だとすれば、本作は人との繋がりを象徴する「縄」の体験を目指している。
舞台は、原因不明の災厄によって文明が崩壊し、人々の交流が途絶えた近未来の北米大陸。
プレイヤーは「伝説の配達人」サム・ポーター・ブリッジズとなり、孤立した都市や人々を通信と物流で繋ぎ直し、アメリカを再建する過酷な任務に挑む。
世界観と主要用語
デス・ストランディング(DS)
数十年前、生者の世界と死者の世界が混じり合った怪現象。この影響で死者が「BT」として現世に留まるようになり、既存のインフラは崩壊。人類は地下やシェルターへの隠遁を余儀なくされた。
BT(Beached Things)
座礁地帯に現れる死者の成れの果て。通常、生者の目には見えない。
人間が死後火葬されずに放置されると、このBTへと変質し、後述する壊滅的な爆発事故を引き起こす。
クジラなどの大量座礁を指す「ストランディング」が名称の由来となっている。
対消滅(ヴォイドアウト)
反物質で構成されるBTが、物質である生者を取り込むことで発生する超巨大爆発。
かつて北米の主要都市はこの現象によって地図から消え去り、文明崩壊の決定打となった。
時雨(タイムフォール)
DS発生以降に降るようになった特殊な雨。
接触した物質の時間を極端に加速させる性質を持ち、触れた建物は風化し、生物は急速に老化する。
地上の人工物が維持できない最大の要因であり、この世とあの世が繋がっている場所で激しく降り注ぐ。
ブリッジズ
アメリカの再建を目指す組織。分断された拠点を「カイラル通信」によって再統合し、「アメリカ都市連合(UCA)」を樹立しようとしている。
BB(ブリッジ・ベイビー)
脳死状態の母親から摘出された胎児をポッドに入れ、装備化したもの。
生と死の境界にいるBBと感覚を同期させることで、本来視認できないBTの存在を察知できるようになる。
ポーターとミュール
地上で物資を運ぶ配達人は「ポーター」と呼ばれる。
その中で、配達の達成感による脳内報酬の獲得が目的化した「配達依存症」の集団が「ミュール」であり、他者の荷物を強奪する略奪者として恐れられている。
ゲームシステム
ソーシャル・ストランド・システム
オンライン上の他プレイヤーと「間接的に」繋がる独自システム。
他人が残した足跡が道となり、誰かが設置した梯子や橋、建設した国道が自分の世界にも現れ、過酷な旅を助けてくれる。
これらの設置物には「いいね」を送ることができ、互いに顔の見えない相手を支援し合う緩やかな繋がりが、孤独な配達行に彩りを与える。
配送と地形攻略
本作のメインプレイは「荷物を背負って歩く」ことにある。
悪路では左右のバランスを崩しやすく、L2・R2ボタンで重心を制御しながら慎重に進まなければならない。
荷物の重さや積み方、靴の摩耗、スタミナ管理が重要となり、単なる移動がスリリングな冒険へと昇華されている。
BTとの遭遇
BTが出現する座礁地帯では、息を殺して移動するステルス要素が重要となる。
中盤以降はサムの血液や排泄物を利用した対BT兵器が開発され、直接対決も可能になるが、倒すとその場に貴重な「カイラル結晶」が残る一方、失敗して捕食されれば対消滅を招くリスクも伴う。
非殺傷の推奨
人間の敵(ミュールやテリトリーを主張するテロリスト)に対して、銃火器による殺害は推奨されない。
死体を放置すればBT化し対消滅を招くため、殺してしまった場合は遠方の焼却場まで運ぶという多大な労力が必要になる。
そのため、基本的には非殺傷武器による無力化や、格闘での対処が求められる。
荷物の管理と評価
届けた荷物の「中身」の健全さが配達評価に直結する。
「ケース」が時雨で劣化しても中身が無事なら評価は下がらないが、ケースが壊れると中身へのダメージが通りやすくなるため、資材を用いたケースの修復や適切なルート選びが伝説の配達人への近道となる。
評価点
美麗なグラフィック
本作はSIEおよびゲリラゲームズの協力により、『Horizon Zero Dawn』などで使用されたDECIMAエンジンが採用されている。従来からグラフィック面で高い評価を受けてきた小島監督作品らしく、その映像表現は極めて高品質である。
一見すると実写と見紛うほどのリアリティを誇り、荒廃したアメリカ大陸、苔むす緑の大地、雪に覆われた山岳地帯、破壊し尽くされた戦場など、多彩なロケーションが鮮烈に描かれている。
キャラクター描写も緻密で、毛穴や皺、肌の赤みに至るまで徹底的に作り込まれており、血の通った人間としての存在感を放つことで「不気味の谷」を感じさせない見事なモデリングを実現している。
BTが出現する座礁地帯では、時雨の影響で植物が瞬時に成長と衰退を繰り返すタイムラプスのような幻想的な光景が演出されている。
圧巻の演出とムービーシーン
映画さながらの徹底したこだわりが光るムービーシーンは本作でも健在。磨き上げられた映像美と計算尽くされたカメラワークは圧巻であり、重厚なストーリーを支える柱となっている。
ムービーの多さがゲーム性を損なうという意見もあるが、それ自体が小島作品の大きな魅力であり、独自の作家性を形作っている。
最新のモーションキャプチャーやフェイシャルキャプチャー技術を駆使し、ノーマン・リーダスやマッツ・ミケルセンら名優たちが実際に演技を披露している点も特筆に値する。
特に終盤のダイハードマンによる独白シーンは、マスクを外した素顔での感情剥き出しの演技が、精緻な表情の動きと相まって観る者の心を強く揺さぶる。
主人公サムを演じるノーマン・リーダスについては、プライベートルームで見せるコミカルな小ネタなどファンサービスも充実している。
日本語吹き替え陣も、サム役の津田健次郎氏をはじめ、山路和弘氏、大塚明夫氏、大塚芳忠氏ら実力派ベテラン声優が集結しており、非常に質の高い音声体験が可能。英語音声への切り替えも対応している。
独創的なゲーム性
「お使い」という要素を極限まで突き詰め、独自のオリジナリティへと昇華させている。荷物を運び、孤立した人々を繋ぐことでインフラが整備され、世界が発展していく過程は、経営シミュレーションにも似た達成感がある。
物資や装備、時雨による劣化を考慮しながら、いかに効率的かつ安全なルートを構築するかという戦略性が求められ、敵との戦闘以上に「地形そのものの攻略」が遊びの核となっている。
「死体を放置すれば世界が滅びる」という世界観設定により、主人公が不殺を貫く理由がシステム面からも補強されており、物語とゲームデザインが密接にリンクしている。
ソーシャル・ストランド・システム
カイラル通信を繋いだエリアで他プレイヤーの建造物や梯子が共有される仕組みは、孤独な旅の中に「他者の存在」を感じさせる斬新な試みである。
自分が設置した設備が誰かの役に立ち、「いいね」を貰う喜びは、本作独自のポジティブな循環を生んでいる。
他人に感謝を伝えるための「いいね」連打は、実利こそ少ないものの、プレイヤー同士の緩やかな繋がりを象徴するアクションとして親しまれている。
一人用ゲームでありながら、国道の復元といった大規模なインフラ整備には他プレイヤーとの協力が不可欠であり、世界を共に作り上げる感覚を味わえる。
未開の地を踏破する面白さ
車両がスムーズに走れる平地は少なく、大半は徒歩での慎重な移動が求められる。川や崖といった障害をロープや梯子、建設装置を駆使して乗り越えていく過程がパズルのような面白さを生んでいる。
「人が通ると道ができる」という要素がユニークで、同じルートを繰り返し通ることで地面が踏み固められ、他プレイヤーの足跡と合わさることで自然と「街道」が形成されていく。
広大な地形そのものを攻略対象とする発想の転換は、かつてステルスゲームを確立した小島監督らしい、制約を逆手に取った斬新なデザインと言える。
荷物運搬の駆け引きと設備拡充
運べる荷物の体積・重量には限界があり、装備品とのバランスを考えた取捨選択が常に求められる。無理な積載は転倒を招き、荷物の破損に直結する。
ファストトラベル機能は存在するが、持ち込めるアイテムに厳しい制限があるため、実質的な運搬手段としては機能せず、地道な移動の重要性が保たれている。
発電機、橋、セーフハウスといった施設が充実し、さらに「国道」が開通することで、絶望的だった移動が劇的に快適になっていくインフラ構築の楽しさは格別である。
システム・UIの演出
システム画面を開く際にサムが手錠端末を覗き込んだり、ホログラムで配送端末が表示されたりと、世界観を崩さない没入感重視の演出が徹底されている。
サウンドとBGM
配達中にタイミングよく流れ出す楽曲は、景色の美しさや登頂の達成感と見事にシンクロし、プレイヤーに深い感動を与える。
実在アーティストの楽曲も多数収録されており、小島監督と親交のある星野源氏の「POP VIRUS」などが作品の世界観に彩りを添えている。
オンライン要素と孤独感の融合
従来の協力・対戦型オンラインゲームとは異なり、「直接会わないオンライン」を成立させた点が高く評価されている。
他プレイヤーの痕跡が断片的に共有されることで、“完全な孤独ではない終末世界”という独特の空気感を形成している。
SNS的な緩やかな繋がりをゲームシステムへ落とし込んだ点は、本作独自の発想として語られることが多い。
「誰かに助けられたから、自分も誰かを助ける」という善意の連鎖を自然発生させている。
インフラ復旧による長期的成長感
一般的なオープンワールド作品では主人公だけが強化されることが多いが、本作では“世界そのもの”が発展していく。
発電機・橋・国道・ジップライン整備によって、かつて危険地帯だった場所が物流網へ変化していく。
ゲーム序盤で苦しめられた地形ほど、後半での利便性向上による達成感が強い。
プレイヤー自身が「開拓者」になっている感覚を得られる。
運搬そのものを主題化した独自性
多くのゲームで省略される「移動」や「荷運び」を、ゲーム体験の中心へ据えている。
重量バランス・足場・天候・地形などが移動へ直接影響するため、“歩く”こと自体にゲーム性が存在する。
単なる移動ではなく、「どう運ぶか」を考えるシミュレーション性が強い。
荷崩れ・転倒・川流れなど、些細なミスが大事故へ繋がる緊張感も特徴。
世界観設定とシステムの高い整合性
「時雨による劣化」「BT感知」「死体処理」といった設定が単なるストーリー背景に終わっていない。
ゲームプレイそのものが終末世界のルールを体験させる構造になっている。
不殺推奨や物流重視といった方向性にも世界観上の理由付けが存在する。
設定とシステムが分離せず、一体化している点を高く評価する声がある。
地形攻略を中心に据えたゲームデザイン
本作では敵との戦闘以上に「地形の突破」が重要視されている。
急斜面・雪山・激流・岩場など、それぞれ異なる攻略法が求められる。
装備選択や積載量管理、ルート設計が配送成功率へ直結する。
オープンワールド作品でありながら、“地図を読む力”が重要になる珍しい作品。
移動手段進化によるゲーム体験の変化
序盤は徒歩主体で慎重な移動が求められるが、終盤では物流ネットワーク構築ゲームの側面が強くなる。
ジップライン網完成後の高速移動は、序盤との落差もあって爽快感が大きい。
プレイヤー自身が地形を学習していくことで移動効率も改善され、知識蓄積が快適性へ直結する。
「苦労した場所を後から楽に通れる」構造が強い成長実感を生んでいる。
フォトリアルと超常演出の融合
現実的な自然描写とBT・時雨といった超常現象が独特の空気感を形成している。
苔むした廃墟や荒廃都市には静かな美しさがあり、“終末後の自然回帰”を感じさせる。
BT出現時の油膜演出や空間変化にはホラー作品的な不気味さも存在する。
リアルと幻想の境界線を曖昧にしたビジュアル表現が本作の個性となっている。
著名俳優の演技力を活かした演出
俳優起用が単なる宣伝要素ではなく、作品演出へ深く組み込まれている。
フェイシャルキャプチャー精度が高く、微細な感情表現まで再現されている。
特にマッツ・ミケルセン演じるクリフ関連シーンは映像作品としての完成度を高く評価されている。
映画的演出と実写俳優の存在感が、小島作品らしい作家性を強めている。
希望を描く終末世界
一般的なポストアポカリプス作品は「文明崩壊後の絶望」が中心となることが多い。
本作は“再建”や“再接続”を主題としており、終末世界としては比較的前向きな作風となっている。
孤立した人々が少しずつ繋がり直していく過程に救いがある。
プレイヤーの行動によって世界が改善されるため、破滅を眺めるだけで終わらない。
装備解放による体験変化
新装備が単なる数値強化ではなく、プレイスタイルそのものを変化させる。
パワースケルトン取得後は重量管理の感覚が大きく変わる。
フローターやトラック導入によって大量輸送が可能になる。
装備更新による“生活革命”的な快適化が強い満足感を生む。
景観と音楽演出の同期
長時間の静寂移動があるからこそ、楽曲挿入時の印象が強烈になっている。
山を越えた瞬間や目的地接近時に流れる楽曲が、旅路の達成感を増幅させる。
BGMを常時流さず、「静けさ」を演出へ活用している点が特徴。
孤独・安心・解放感といった感情を、音楽によって強く印象付けている。
論争点
非常に人を選ぶゲーム性
前述の通り、本作は「お使い」に特化した内容であり、ゲームの大半は目的地へ荷物を運搬することに費やされる。サブイベントなどの世界観を補完する要素もすべて配送の延長線上に位置している。
荷物を運ぶ過程で受取人との信頼を築き、キャラクターへの感情移入を深めていく設計は、間接的なオンライン要素と相まって「人との繋がりの大切さ」というテーマを具現化している。
一方で、同じ行為の反復は単調さや飽きやすさを孕んでおり、ストイックなゲーム性に魅了され「配達依存症」のようにのめり込む層がいる反面、繰り返しに耐えきれず離脱してしまうプレイヤーも少なくない。
難易度の高さ
配送ルートの選定は本作の肝だが、計画性が欠如していると障害を前にリソースが尽き、帰還すら困難な「詰み」の状態に陥ることがある。
ルート選定の間違いや準備不足により、数十分の苦労が無に帰すケースも発生しうる。地図では判別しにくい亀裂や段差といった初見殺しの地形も多い。
事前にルートを偵察し、梯子などを敷設しておけば悲劇は回避できるが、それには相応の時間を要する。
装備の乏しい序盤は人力による積載限界が厳しく、激しい高低差を越える配送も多いため、後半よりも難易度が高いと感じられやすい。
サム自身は死亡しても復活可能だが、荷物のダメージは死亡時のまま引き継がれるため、結局はセーブデータからやり直すことになる場面が多い。
難易度設定を下げても荷物の耐久度が上がるなどの調整に留まり、道中の障害自体が緩和されたりサムの戦闘力が劇的に向上するようなフォローではない。
序盤の舞台である東部は中部エリアに比べて狭いものの、拠点間に必ず座礁地帯が存在し、国道などの回避手段も乏しいため、BTや悪路への対抗手段が少ない前半ほど枷になりやすい。
小島作品恒例の長いムービーシーン
全体的にムービーの占める割合が非常に高く、特に序盤と終盤は1時間から2時間ほどイベントが連続する。
物語のクライマックスでは1時間以上もムービーが主体となるため、ゲームとしてのプレイ体験が乏しいという批判的な意見も存在する。
メインストーリー
小島秀夫監督作品らしく、重厚なストーリーと強いメッセージ性を持つ。
しかしその内容は非常に難解であり、多様な解釈や考察を可能にする一方で、プレイヤーを置き去りにしているような印象を与える側面もある。
当時の国際情勢やオカルト、SF、考古学など広範な分野から設定が引用されており、物語の複雑化に拍車をかけている。-サム
主人公のサムは全体的に受動的でネガティブな言動が目立つ。アメリカ再建という大目標に対しても極めて消極的であり、一般的なヒーロー像とは異なるため感情移入が難しい。
ただし、任務自体がブリッジズによる半ば強制的なものであるという背景を考慮すれば、その消極姿勢に共感の余地を見出すこともできる。
中盤以降、BB(ルー)との絆を深めていく過程で、プレイヤーも徐々にサムの視点に寄り添いやすくなっていく。
「脳死した母親の胎児を装備として利用する」という設定は、作中の倫理観を鑑みてもショッキングであり、こうした要素を盛り込むことへの疑問の声も存在する。
''BB(ブリッジ・ベイビー)
死亡した胎児を特殊な目的のために利用するという設定は、作中でも倫理的な問題として触れられており、プレイヤーの間でも賛否が大きく分かれた要素である。
特に年配のプレイヤーや既婚者、子どもを持つプレイヤーからは、「設定として受け入れにくい」「不快感や嫌悪感を覚える」という意見も少なくない。
BBの外見もリアルな胎児を強く意識したデザインになっているため、人によってはグロテスクな印象を受けることがあり、本作の独特な世界観を象徴する一方で、強い抵抗感を覚えるプレイヤーもいる。
ゲームシステム面でもBBは非常にデリケートな存在として描かれている。
主人公のサムは常にBBへ過度な負担を与えないよう慎重な行動を求められ、単なるアイテムや装備ではなく、「守るべき存在」として扱わなければならない。
BTを感知している最中はBBが常に恐怖とストレスに晒されており、危険地帯に長時間留まり続けると自家中毒を起こして機能不全に陥ることもある。
また、転倒すると泣き出したり、ストレスが限界に達するとあやす必要があったりと、プレイヤーの行動を妨げる場面も多く、緊張感のある場面でさらに負担が増えることも少なくない。
こうした仕様については、「まるで育児ノイローゼを体験しているようだ」「ゲームなのに子育てのストレスまで味わうことになる」と否定的に受け止めるプレイヤーも存在する。
一方で、長い旅路を共にするうちにBBへ強い愛着を抱くようになったという意見も非常に多い。
座礁地帯を無事に抜けた際に見せる反応や、喜ぶような仕草、サムとの交流などを通じて、単なるシステム上の存在ではなく「相棒」「我が子のような存在」として認識するプレイヤーも少なくない。
フレーバーに近い不殺設定
世界観設定として「殺人はご法度」とされており、多大なデメリットが設けられているが、一方で不殺を貫くことのゲーム的なデメリットも皆無である。
対人戦においても制圧力の高い非殺傷兵器が充実しており、不便を感じることはない。
敵は崖から落とそうがトラックで跳ね飛ばそうが命に別状はなく、誤って殺害してしまうケースは極めて稀である。
このため、不殺の設定がゲームプレイに与える影響は限定的であり、実際のプレイ感覚は一般的なTPSと大差ないものとなっている。
バカゲー要素
これまでの小島作品同様、随所に小ネタが散りばめられているが、シリアスな世界観と調和していないと感じるユーザーもいる。
重要な場面で挿入されるシュールなユーモアが寒く感じられる場合もある一方、小ネタの総量自体はそれほど多くないため、過去作のような過剰な要素を期待すると肩透かしを食らう。
メタ要素
ゲーム内に小島監督自身がBTのモデルとして登場したり、収集要素の解説が監督自身の個人的な趣味の羅列であったりと、メタ的な演出が散見される。
こうした身内ネタ的な手法は、過去作同様にユーザーの間で賛否が分かれるポイントとなっている。
問題点
シナリオ
シャワー・トイレシーン
劇中ではサムのシャワーやトイレのシーンが頻繁に挿入される。直接的な描写は避けられており下品な演出ではないものの、その回数は非常に多い。
これには、サムの体液や排泄物がBTを退ける力を持ち、その採取を兼ねているという設定上の理由がある。特に序盤は貴重な対BTアイテムの入手手段となるため、配送ごとに一通りこなすプレイヤーも多いが、中年男性のサービスシーンが繰り返されることに拒絶感を抱く層も存在する(スキップ操作は可能)。
この背景には、ゲーム業界におけるジェンダー表現や規制の公平性を巡る議論、いわゆる「ゲーマーゲート論争」などの複雑な社会情勢も影響していると指摘する声がある。
専門用語の多さ
物語の序盤から専門用語が飛び交う会話が展開され、世界観や用語に対する丁寧な解説がないまま話が進むため、多くのプレイヤーが困惑を抱えたまま進行することになる。
配送先との親密度向上や隠しアイテムの入手で解放されるドキュメントが補完要素となっているが、その多くはストーリーの進行に合わせて順次解放されるため、開始直後から全てを確認することはできない。情報の少なさによる手探り感が過剰に感じられる場面も多い。
設定の理解を前提とした構成が目立ち、用語を把握しきれていないと物語の起承転結から取り残されてしまう恐れがある。
カットシーンの多さ
あらゆる動作にカットシーンが挿入される点も目立つ。例えば物資を納品する際にも毎回演出が入るが、スキップ自体は可能であるものの演出が細かく分けられているため、その都度ボタン操作を求められる煩わしさがある。
アップデートにより一部のスキップ操作は簡略化されたが、演出が始まって一定時間は操作を受け付けない、特定の場所では一括スキップが出現しないなど、利便性の面で課題が残っている。
ただし、座礁地帯でBTを感知する際の演出については、初回以降は設定でカットできるようになった。
ミュール
「配達依存症」に陥った元配達人たちの集団。カイラル物質による精神汚染や「世界を支えている」という肥大化したプライド、配送による感謝(いいね)が得る幸福感に支配され、他者の荷物を強奪するようになった存在である。
荷物にしか執着しないため、サムが荷物を持っていなければ拠点に近づかない限り襲ってこない。これはSNS時代における承認欲求や、他人の成果を自分のものとして誇示する風潮への風刺とも取れる。
一方で、奪った荷物を自分たちの拠点で保管するだけに留まっている点は、設定上のプライドや執着心と実際の挙動が噛み合っておらず、ゲーム的な都合が優先された結果、設定の練り込みが不足しているように見えるという意見もある。
ポーターの存在
サム以外の一般配達人であるポーターは、開拓が進むとフィールドに現れ、物々交換などの交流が可能になる。
雰囲気作りには貢献しているが、接触するとデメリットが生じる仕様が難点となっている。肩がぶつかるだけで「いいね」が減少するほか、車両で衝突すれば多大なペナルティを負う。
彼らは車両の動線上を歩いていることも多く、視認性も高くはないため、不注意による事故が起きやすい。特に橋や入り口付近に設置されたホログラムを無視して突っ切る癖がついていると、実体のポーターを見分けられず衝突してしまう事例が後を絶たない。
冗長なムービーシーン
冒頭の合計2時間に及ぶ映像をはじめ、キャラクター紹介などメインシナリオの進行に伴うムービーの尺が非常に長い。
クオリティ自体は極めて高いものの、間や台詞回しが過剰に長く、内容が簡潔にまとめられていない。小島監督の「ゲームは映画以上の存在になれる」という哲学が、結果として演出の肥大化を招き、整理を放棄しているのではないかとの批判もある。
物寂しい世界観
「繋がり」がテーマであるにもかかわらず、拠点外で遭遇する味方のモブNPCは極めて少なく、ミュール制圧後にわずかに登場する程度である。
街には数万人が居住していると設定されているが、実際のフィールドには人影が乏しく、違和感を覚えやすい。主要な繋がりが間接的なオンライン要素に依存しているため、オフライン環境ではより寂しさが強調される。
無駄に広いフィールド
広大なフィールドを自由に移動できるが、実態は荷物運びが主体であり、敵との戦闘などの刺激は限定的なエリアに留まる。
効率的なルートを確立した後は作業的な移動になりやすく、マップの端などの僻地には訪れる動機やコンテンツがほとんど用意されていない。
BTやミュールの出現場所も固定化されているため、繰り返しプレイする中での新鮮味が失われやすい。
悪路の多さと単調なロケーション
通常の平坦な道は少なく、岩場や急斜面、雪道といった悪路が移動の大部分を占める。岩場では徒歩だと段差ごとに登る動作が必要になり、車両ではわずかな突起で立ち往生する。
バイクでの走行は不安定で3D酔いを招きやすく、トラックも狭い悪路が多い場所では実用性に欠ける。移動に手間がかかる仕様は、爽快な旅を期待するプレイヤーにとって苦痛となる。
アメリカ全土を舞台にしている割には、岩場や雪山など似たような景色が続き、名所などのバリエーションに乏しいため単調に感じられやすい。
ストーリー進行のテンポが極端
本作は序盤・中盤・終盤でゲームの進行テンポが大きく異なっており、プレイヤーによって評価が大きく分かれる。
序盤は専門用語や世界設定の説明が意図的に抑えられているため、「何が起きているのか分からないまま進む」「置いてけぼりにされた感覚が強い」と戸惑うプレイヤーも少なくない。
一方で、この謎だらけの状況がかえって先の展開への興味を引き立て、「少しずつ世界の全貌が見えてくる感覚がたまらない」と高く評価する声もある。
中盤は配送を中心としたゲームプレイが長く続く構成となっている。
インフラ整備や配送ルートの構築、各地との繋がりを広げていく過程をじっくり楽しめる反面、ストーリーの進展自体は比較的ゆっくりである。
そのため、「コツコツと世界を繋げていく過程が心地よい」という意見がある一方で、「物語の進みが遅く、同じ作業の繰り返しに感じる」という意見も少なくない。
そして終盤になると、それまで張り巡らされていた伏線や謎が一気に回収される構成となっている。
長時間にわたるムービーやイベントシーンが連続し、怒涛の勢いで真相が明かされていくため、「圧倒的な没入感だった」「ここまでの旅が全て報われた」と絶賛するプレイヤーも多い。
その一方で、「急に映画のようになった」「操作する時間よりムービーを見ている時間の方が長い」と感じるプレイヤーもいる。
このように、どのパートで作品の魅力に惹かれるか、あるいは退屈さを感じるかがプレイヤーごとに大きく異なる。
そのため本作は、「唯一無二の体験を味わえる傑作」「人生で最も記憶に残るゲーム」と絶賛されることもあれば、「単調な作業の繰り返しで合わなかった」「何が面白いのか最後まで理解できなかった」と酷評されることもある。
良くも悪くも万人受けを狙った作品ではなく、プレイヤーとの相性によって評価が大きく変わる、極めて個性的な作品として知られている。
ゲーム
操作性・UI周りの煩雑さ
本作は“物流シミュレーション”的な没入感を重視している反面、UIや操作体系が複雑化している。
L2・R2による荷重バランス維持を頻繁に要求される。
荷物の積載位置や重量配分の調整が細かい。
長押し・同時押し・状況依存操作が多く、慣れるまで誤操作を招きやすい。
乗車とパンチが同一ボタンに割り当てられており、車両付近で誤って攻撃が暴発することがある。
「荷物投げ」など重要アクションの入力も特殊で直感性に欠ける。
L2・R2保持中のジャンプがステップへ化けやすく、崖際で転落事故を起こしやすい。
ボタン長押しによる隠し操作も多く、存在自体に気付かないまま進行するケースもある。
チュートリアルやTipsは膨大だが、情報量過多で必要項目を探しにくい。
文字サイズも小さめで、難解なUI説明をさらに読みづらくしている。
アップデートで改善は行われたものの、根本的な煩雑さは残存している。
徒歩・移動システム
徒歩移動自体をゲーム性へ昇華した独創性は高く評価されている一方、人によっては強いストレス要因ともなる。
序盤は装備不足により少しの傾斜でも転倒しやすい。
岩場では細かな段差に頻繁に引っ掛かる。
雪山ではスタミナ消費と移動速度低下が顕著。
川では流れを見誤ると荷物ごと流される危険がある。
L2・R2によるバランス操作を“常に押し続けるだけ”の単純作業と感じる層も存在する。
「歩くこと自体」に価値を見出せるかで評価が極端に分かれる作品となっている。
移動補助装備が揃うまでの前半は特に苦痛を感じやすい。
悪路・車両周りのストレス
マップの大部分が悪路中心で構成されている。
車両が小さな岩や段差で停止しやすい。
急斜面ではトラックの登坂性能不足が目立つ。
岩場ではバイクが頻繁に跳ね上がる。
雪山では車両運用自体が困難。
車両納品の判定範囲も狭く、停車位置の微調整を要求される。
荷物積み下ろし時には専用演出が挿入され、テンポ低下へ繋がっている。
左ハンドル車両なのに端末位置が右側固定のため、毎回回り込む必要があるなど細かなストレスも多い。
配達ゲームとしての単調さ
ゲームサイクルの大半が「依頼受注→荷物運搬→納品」で構成されている。
戦闘やイベントより移動時間の比重が圧倒的に大きい。
サブクエストも本質的には配送依頼の延長線上に留まる。
国道完成後はトラック輸送中心、山岳地帯ではジップライン輸送中心となりやすい。
終盤ほど“物流効率化ゲーム”として収束していく傾向がある。
世界観や孤独感へ没入できない場合、「延々と荷物を運ぶだけ」と感じやすい。
リアル志向とテンポ低下
没入感重視の演出がテンポ悪化へ直結している場面がある。
荷物整理・納品・休憩など細かな動作ごとに演出が入る。
カットシーンはスキップ可能だが、細切れ構成のためボタン入力回数が多い。
配送ごとにシャワー・休憩・装備整理を繰り返す流れが冗長化しやすい。
大量配送時は「持つ→置く→積む→確認」を何度も反復する必要がある。
“リアルな物流体験”として評価する声もある一方、「単なる面倒」とする批判も根強い。
オープンワールドとしての密度不足
広大なフィールドを有する一方、探索密度は低め。
都市内部へ自由に入れる場所は少ない。
NPCとの交流機会も限定的。
景観重視の設計で、一般的OWRPG的な寄り道イベントは少ない。
マップの広さに対し「立ち寄る意味のある場所」が少ないとの声もある。
「広大だが空虚」と感じるプレイヤーも存在する。
オンライン要素の賛否
ソーシャル・ストランド・システムは本作最大の特徴であり、同時に賛否の中心でもある。
危険地帯に突然現れる橋やロープに救われる体験は高く評価されている。
一方で大量の看板・発電機・橋が景観を損ねるケースもある。
本来到達困難な場所が他人の設備で簡単化され、達成感が薄れる場合もある。
オンラインON/OFFでゲーム体験そのものが大きく変化する。
「人との繋がり」を感じる革新的要素として絶賛される一方、没入感を壊す要素とも捉えられている。
バトル
人間の敵
登場する人間の敵は、主に槍を投げる歩兵と銃器を扱う兵の2種類に大別される。ミュールとテロリストという所属の違いこそあるが、使用武器が非殺傷か実弾かという差異を除けば、行動パターンや対処法に大きな違いは見られない。
敵の索敵範囲が広い一方で、身を隠せる草むらなどのステルスポイントが少ない場所も多く、隠密を保ったまま進むのが困難なシチュエーションが散見される。
ゲーム後半から敵が射撃武器を本格的に使用し始めるため一定の対策は求められるが、難易度Normal以下であれば適切な装備を持ち込むことで特段苦戦することなく無力化が可能である。また、戦う必要がなければそのままエリアを駆け抜ける戦術も有効。
BT戦
座礁地帯におけるBTとの遭遇は、序盤から終盤まで「ゲイザー(浮遊霊)」との距離を保ちつつ進むという基本構造に変化がない。ゲイザーやハンターに捕らえられた際に大型BTが出現するというギミックも一貫している。
フィールドボスに相当する大型BT「キャッチャー」はバリエーションが3種類と少なく、特にイルカ型とイカ型は外見や挙動が酷似しているため、戦闘に変化を感じにくい。
戦闘自体の難易度は決して高くはなく、対BT兵器を所持していなくてもフィールド上で他者から供給される救済措置があるため、基本さえ理解すれば撃退は容易である。
しかし、一度キャッチャーに敗北して「ボイド・アウト」が発生すると、そのエリアにクレーターが形成され、エンディングまでキャッチャーが出現しなくなる。この仕様により、プレイヤーが大型BT戦の立ち回りを学習する機会が失われてしまう。
独特の恐怖演出も相まって、アクションやTPSに不慣れな層は大型BT戦に対して強い苦手意識を持ちやすい。
特に序盤から登場するイルカ型は、戦闘開始直後に即死攻撃(捕食)を仕掛けてくるルーチンを持つことが多く、これも初心者の心理的な壁となっている。
頭部が発光してから飛びかかってくる予備動作が即死攻撃のサインであり、回避の猶予も設定されているが、初見のプレイヤーがノーヒントでそれを察知するのは困難である。
BT遭遇時は基本的に「しゃがみ移動→感知回避→発見時逃走or戦闘」の流れ。
大型BTも種類が少ない。
イルカ型・イカ型など挙動が類似している敵も多い。
恐怖演出そのものは高評価だが、長時間プレイするとパターン化しやすい。
後半は対BT兵器が充実し、脅威が薄れやすい。
戦闘要素の薄さ
TPSとして見ると戦闘バリエーションは限定的。
対人戦は拘束銃・ボーラガン・非殺傷銃などによる制圧が中心。
BT戦も基本的には血液武器による攻撃が主体となる。
敵AIの行動パターンは比較的単純。
ステルス攻略も草むら潜伏と拘束中心になりやすい。
「移動ゲーム」としては成立しているが、純粋なアクションゲームとして期待すると物足りなさを感じやすい。
終盤の作業化
インフラ完成後は危険地帯の脅威が大幅に低下する。
国道整備後はトラック輸送が最適解になりやすい。
ジップライン網完成後は山岳地帯すら数分で移動可能となる。
その結果、序盤に存在した“地形攻略の緊張感”が薄れやすい。
効率重視の配送ルートが固定化されることで、探索感も減少する。
敵配置の固定化
BTやミュールの配置がほぼ固定されている。
周回プレイでは危険地帯が完全にパターン化しやすい。
「この川沿いにBT」「この丘にミュール拠点」と覚えると緊張感が低下する。
探索型オープンワールドとしてはランダム性や変化に乏しい。
不殺設定のゲーム的希薄さ
「死体処理を怠ると大惨事」という世界観設定が存在する。
しかし実際は非殺傷武器が極めて強力。ボーラガンやゴム弾武器だけで大半の敵を制圧可能。敵を誤って殺害するケース自体が少ない。
倫理テーマは存在するものの、ゲームプレイ面では“不殺縛り”感覚は薄い。
総評
主要拠点間の移動そのものが困難な極限状態のオープンワールドを、自ら踏破ルートを選定して切り拓いていく。独立後の小島秀夫監督が提示したこのデザインは、移動という行為をゲームの核に据え、既存の「お使いゲー」を全く新しい体験へと再解釈した意欲作といえる。
最初は地道に歩くことから始まり、梯子やロープを駆使して険しい地形を乗り越え、やがて解禁される車両やインフラを駆使して世界を繋いでいく。発電機や橋、国道を整備し、あんなに苦労した配送ルートを快適に走破できるようになった時の達成感や「世界を改造した」という征服感は、本作独自の魅力である。
その反面、プレイヤーに忍耐を強いるゲームデザインや操作感の癖の強さは、肌に合わない者にとっては単なる「苦行」として映り、評価が二分される要因となっている。
シナリオ面では、日本人に馴染み深い「三途の川」や「彼岸」といった死生観をベースにしたSF設定と、「人との繋がり」というテーマがシステムと密接にリンクしており、多くのプレイヤーに感銘を与えている。一方で、アメリカを舞台にしながら独自の専門用語が飛び交う物語は非常に複雑で難解であり、混乱を招く側面も否定できない。
いずれの要素も細部まで徹底して作り込まれており、全体的な完成度は極めて高い。志半ばで世に出ることとなった前作『MGSV:TPP』の雪辱を果たすに足る仕上がりと言えるだろう。
端的に評するならば、「万人受けはしないが、唯一無二の独創性に魅了された者は、これ以上ないほど深く没入できる」という、極めて尖った作家性が光る一作である。
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最終更新:2026年08月22日 14:52