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The Last of Us Part II

【らすと おぶ あす ぱーと つー】
ジャンル サバイバルアクション


対応機種 プレイステーション4
発売元 Sony Interactive Entertainment
開発元 Naughty Dog
発売日 2020年6月19日
定価 パッケージ: 6,900円+税
ダウンロード: 7,590円(税込)
プレイ人数 1人
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
備考 COLOR(blue){''「Golden Joystick Awards 2020」''}
COLOR(blue){''Game of the Year受賞作品 }&br;COLOR(blue){ 「The Game Awards 2020」''}
COLOR(blue){''Game of the Year受賞作品''}
判定 賛否両論
ポイント 2人の女の 復讐劇
バトル、システムは大進化
感情移入しづらいキャラクター
シナリオは大荒れのCOLOR(red){ 超賛否両論 }
''The Last of Usシリーズ''&br; The Last of Us / ''The Last of Us Part II''
''PlayStation Studios作品''


概要

    • 本作はNaughty Dogが手掛け、世界的に絶賛された『The Last of Us』の続編である。
    • 前作の旅路から5年後、文明崩壊後のアメリカ・シアトルを主な舞台とし、19歳に成長したエリーが辿る過酷な「復讐の旅」が描かれる。
    • 圧倒的な支持を得た前作の続編ということもあり、発表当時から世界中のファンに待ち望まれていた。
    • しかし、復讐をテーマとした悲劇的な物語性や、度重なる延期、前作という巨大な壁を超えられるかといった不安視する声も一部で上がっていた。
    • 満を持して発売された本作は、その衝撃的な内容からゲーム史に残るほどの激しい賛否両論を巻き起こすことになる。

ストーリー

    • 謎の感染爆発によるパンデミックから5年。エリーとジョエルはワイオミング州ジャクソンのコミュニティで、束の間の平穏を享受していた。
    • 平穏な暮らしの中にも、感染者や困窮した他の生存者といった脅威は常に存在していたが、コミュニティは着実に発展を遂げていた。
    • だがある日、突如として発生した惨劇が二人の平和を無残に打ち砕く。
    • 再び無慈悲な旅へと身を投じたエリーは、裁きを下すために標的を一人ずつ追い詰めていくが、その果てに自らの行動が引き起こす凄惨な復讐の連鎖に直面することとなる。

  • ダブル主人公制
    • 前作のヒロイン「エリー」に加え、新キャラクターの「アビー」を操作キャラクターとして採用しており、物語の進行に合わせて視点を切り替えていく。
    • 構成はプロローグの「ジャクソン編」、両者の視点で展開する「シアトル編」、エピローグの「サンタバーバラ編」に大きく分かれている。
    • 両者で育成の方向性が異なり、エリーは隠密行動に特化したスキル、アビーは直接戦闘に長けたスキルを習得しやすいといった特徴がある。
    • 本作を象徴する核となるシステムだが、同時にプレイヤーの間で大きな議論を呼ぶ最大の要因ともなった。
    • 収集要素も異なり、エリーはトレーディングカード、アビーはコインを集めている。

特徴

  • チャプターセレクト
    • 物語を各チャプターから自由に再プレイ可能になった。各時点での装備やスキル状態は、初回到達時のセーブデータに準拠する。
    • クリア後には特定の戦闘シーンのみを遊べる「BATTLE」モードが追加され、キャラクターの能力が固定された状態でステルス戦やボス戦を個別に楽しむことができる。

  • 難易度設定
    • 「VERY EASY」から最高難易度の「GROUND」まで計6段階が用意されているほか、詳細を自分好みに調整できる「CUSTOM」が新たに追加された。
    • 「敵の強さは維持しつつ資源の量だけを増やす」といった細かなカスタマイズが可能になり、幅広いプレイスタイルに対応している。
    • クリア後には、能力を引き継いで挑戦できる周回要素「+」モードも選択可能。

  • 感染者
    • ランナー、ストーカー、クリッカー、ブローターといったお馴染みの種類は引き続き登場するが、特にストーカーのAIが大幅に強化された。
    • 強化されたストーカーは遮蔽物を巧みに利用して距離を取り、隙を見て奇襲を仕掛けてくるほか、潜伏中は「聞き耳」でも察知しにくいため、前作以上に厄介な強敵となっている。
    • 新種として、酸性ガスを撒き散らす「シャンブラー」や、圧倒的な異形を誇るボスクリーチャー「ラットキング」が追加された。

  • 生存者(敵勢力)
    • 新たな人間側の勢力として「WLF」「セラファイト」「ラトラーズ」が登場。
    • 軍隊並みの組織力を誇るWLFは、軍用犬を用いて匂いでプレイヤーを追跡してくるため、単に隠れるだけでは振り切れない緊張感を生んでいる。
    • カルト教団のセラファイトは口笛で意思疎通を図る不気味な集団であり、弓矢による持続ダメージや通常の方法では倒せない巨漢兵などが脅威となる。
    • ラトラーズは防具を固めた耐久力の高いならず者集団であり、物語の終盤で対峙することになる。

  • 回避と急所攻撃
    • 近接戦闘に「回避(L1)」が導入され、敵の攻撃に合わせて発動することで反撃に繋げられるようになった。単なる連打ではない、読み合いの要素が強化されている。
    • また、怯んだ敵や絶命寸前の敵に強力な一撃を与える「急所攻撃」も追加され、銃撃や投擲物と組み合わせることで能動的に大ダメージを狙うことも可能。

  • 匍匐移動
    • 姿勢制御に「匍匐」が追加され、狭い隙間を通り抜けたり、背の低い草むらでの完全な隠密が可能になった。
    • 周囲の環境を利用したステルスアクションの幅が広がり、より戦術的な立ち回りが求められるようになっている。

  • 第8世代ハード最高峰の映像表現
    • 前作のリマスター版でも極めて高い水準にあったが、今作ではそれを遥かに凌駕するクオリティを実現している。家屋に無造作に置かれたコップや洗濯物といった細部に至るまで徹底的に作り込まれており、ディテールへの執着が凄まじい。
    • 特にエリー編で探索するシアトルの廃墟街は、植生や建築構造に関する膨大な調査に基づいてデザインされており、その景観は圧巻の一言に尽きる。
    • キャラクターの表情の変化、目の充血、皮膚の鬱血といった「血の巡り」まで意識した精密なグラフィック表現にも一切の妥協がなく、圧倒的なリアリティを誇る。

  • モーションの作り込み
    • 戦闘時の急所攻撃はバリエーションが豊富で、敵の武器を奪って反撃する変則的なパターンも含め、非常に臨場感のある動作が用意されている。
    • 3DCGにおいて実装が困難とされる「衣服を脱ぐ」といった動作も極めて自然に再現されている。
    • 作業台での重火器改造モーションは必見で、例えばピストルの連射速度を上げる際には「スライドロックの解除」「ハンマースプリングの交換」「銃身の清掃」「マガジン装填」といった一連の工程をキャラクターが実際に遂行する。細かい部分は影で処理されているものの、動きと効果音の組み合わせが視聴者の想像力を強く刺激する。
    • ゲーム内に登場するコードやロープの物理演算は業界内でも注目を集めた。手繰り寄せる動作、地形との干渉による絡まり、引っ張った際の張りやたるみなど、実写と見紛うほどの挙動を見せる。

  • 進化したステルスアクション
    • 緊張感に満ちたステルス要素は健在で、サバイバルと戦闘が高度に融合したバランスは多くのユーザーから支持されている。
    • 中腰や匍匐でのみ隠れられる草むら、匂いで追跡してくる軍用犬、サプレッサーの導入など、自由度と脅威が共に増しており、より戦略的な立ち回りが可能となった。
    • 敵AIにも個別の名前が設定されており、仲間が殺害された際にその名前を叫ぶといった細かな演出により、敵を単なる記号的な標的として扱わない工夫がなされている。
    • 前作では追加コンテンツのみの要素だった「感染者と人間側の三つ巴」の状況が本編でも頻繁に発生し、感染者を利用する、あるいは利用されるといった豊富なシチュエーションが楽しめる。
    • 前作ではクリッカーのような即死攻撃を持つ敵への接近は即ゲームオーバーに直結しがちだったが、今作では「回避」の導入により生存率が向上し、理不尽なストレスが軽減されている。

  • シナリオの評価点
    • 物語全体には激しい賛否があるものの、高く評価されている部分も存在する。特に劇中で挿入されるジョエルとエリーの「空白の5年間」の描写は白眉。エリーの誕生日エピソードや、前作ラストの嘘に対する真実の発覚、それに伴う二人の確執は、エリーの複雑な葛藤と後悔を鮮烈に描き出している。
    • ボス級の敵キャラクターも増加した。特にアビー編で対峙することになる特定の人間キャラクターは、優秀なAIと印象的な戦術により、プレイヤーの記憶に強く残る戦闘となっている。
    • エリー編では単なる敵として排除していた人物が、アビー編では重要な役割を担っているなど、視点を切り替えるオムニバス形式ならではの叙述的な楽しみ方も提供されている。
    • クリア後に「BATTLE」項目が追加されたことで、これらの印象的な戦闘を手軽にリプレイできる点も利便性が高い。

  • 楽曲と演奏システム
    • ジョエルとエリーが奏でるギターの楽曲は、二人の絆を象徴するものとして非常に評価が高い。
    • ゲーム内には実際にギターを自由に演奏できるシーンがあり、タッチパッドをなぞる直感的な操作で、習熟すれば1曲丸々演奏することも可能。動画サイト等でも多くの演奏動画が投稿されるなど人気を博した。
    • エリーがディーナに対して「Take On Me」を弾き語るシーンは、物語の中でも屈指の感動的な場面として挙げられる。

  • アクセシビリティの充実
    • より多くの人々がプレイできるよう、60種類以上のオプションを備えている。テキスト読み上げやHUD拡大といった視覚・聴覚サポートに加え、敵AIの弱体化や匍匐時の完全ステルス化など、ゲームバランスを劇的に変える調整も可能。
    • これらの機能により、全盲のプレイヤーが独力でゲームをクリアしたという報告もあり、ゲーム業界におけるバリアフリー化の先駆的な事例として高く評価されている。

  • 探索要素と世界観
    • 荒廃したアメリカを舞台に、民家、楽器店、薬局など多彩な廃墟を探索できる。各所に残された住人のメモやポスターからは、崩壊前の人々の生活や当時の状況を克明に推察することができ、世界観への没入感を高めている。
    • 廃墟のみならず、前作から大きく発展したジャクソンの街並みや、スタジアムを居住区へ改造したWLF基地など、崩壊後の世界で人々が築き上げた独自の生活圏も見どころとなっている。そこに住まう人々の細かな生活動作を眺めるだけでも楽しめる作り込みとなっている。
    • エリーが旅の途中で書き留める日記には、その時々の情景がイラストと共に記録される。彼女の画力と繊細な心情が垣間見えるこの要素は、プレイヤーをより深く物語の世界へ引き込む一助となっている。

論争点

  • シナリオ及びキャラクター
    • 「復讐」をテーマに据えた本作のストーリーは、前作のような明確な目的地への前進を描いたものとは毛色が異なり、全体的に極めて陰鬱な空気に包まれている。
    • 暗いテーマであっても完成度が高ければ受け入れられた可能性はあるが、今作ではユーザーに対して強い嫌悪感や疎外感を与える展開が相次ぎ、否定的な意見が目立つ結果となった。
    • 一方で、圧倒的な映像美によって描かれる物語には言葉に尽くしがたい訴求力があり、その描写に深く感銘を受けたユーザーも少なくない。
    • 結果として、今作の評価は両極端に分かれることとなり、発売直後から世界規模での激しい論争を巻き起こした。
    • シナリオ全体を通じて、キャラクターの行動原理や選択に釈然としない点が多く、プレイヤーの視点からは納得しづらかったり、感情移入を拒んだりする部分が散見される。特に新主人公であるアビーに関する描写は、本作における最大の賛否両論点として、多大な議論の対象となった。

  • アビーについて
    • エリーと並ぶもう一人の主人公として登場したアビーだが、作中での彼女の行動がもたらした強烈な悪印象から、その存在の是非を巡る議論が絶えない。
    • アビーはWLF(ワシントン解放戦線)に所属する兵士であり、過去に医師であった父をジョエルに殺されたという背景を持つ。彼女はその復讐の機会を長年うかがっていたという設定だが、これらの詳細な経緯をプレイヤーが知らされるのは、シアトル編の中盤に差し掛かってからである。
    • 操作パート自体は序盤のジャクソン編から用意されているが、その時点では「何らかの目的でジャクソンへ接近している」程度の情報しか開示されず、プレイヤーは彼女の正体を一切知らされないまま操作権を委ねられることになる。
    • 操作を進める中でアビーは感染者の群れに襲われ窮地に陥るが、そこを偶然ジョエルに救われる。しかし、アビーはジョエルを仲間の元へ誘導すると、そこで彼を拷問の末に惨殺してしまう。この凶行の動機は復讐であったが、当時のプレイヤーには知る由もない。
    • 前作の主人公が序盤であっさり命を落とすという展開の衝撃もさることながら、「理由も分からずアビーを生かすために操作していた行為が、結果的にジョエルの死を招いた」という事実は、プレイヤーに強い内罰的な不快感を抱かせ、アビーへのヘイトを一気に加速させた。
    • この出来事を受け、エリーがジョエルを殺害したアビーを追う形でシアトル編が始まるが、多くのプレイヤーがエリーに感情移入する中で、物語は再びアビー視点へと切り替わる。生き延びるために嫌悪の対象であるアビーを操作し続けなければならない構成は、多くのユーザーに苦痛を与えた。
    • 物語終盤、エリーとアビーが対峙する因縁の決闘においても、プレイヤーが操作するのはアビー側である。復讐を遂げるために進んできたプレイヤーが、逆にアビーの手でエリーを痛めつけることを強要される展開は、前作からのファンにとってさらなる反発を招くこととなった。
    • その他の描写についても、命を救われたジョエルを容赦なく殺害する一方で、同様に自分を助けたセラファイトの姉妹(ヤーラとレブ)には献身的に尽くすなど、恩人に対する対応の極端な温度差を指摘する声がある。また、仲間のメルとオーウェンの関係に割り込みながら、彼らが殺害されると激高する態度に対しても、自業自得ではないかという批判が見られる。
    • 一方で、アビー編を通じて彼女に共感を示したプレイヤーも存在する。父を殺された復讐心の根源はジョエルの行動にあり、因果応報の側面があることは否定できない。アビーの思考そのものは、決して理解不能な異常者のものではないという見方もある。
    • アビー編におけるセラファイトとの勢力争いやヤーラ・レブとの信頼構築、グラウンドゼロでの死闘、ヘイブンの脱出劇などは、構成自体はダイナミックで揺さぶられる展開が多く、物語としての完成度を評価する声もある。
    • アビーの辿る軌跡は、かつてジョエルが歩んだ道筋を想起させるオマージュ的な側面も持っており、そこにキャラクターとしての深みを見出す意見がある一方、「前作主人公の足跡をこのようなキャラに重ねるのは悪趣味だ」とする批判も根強い。
    • 総じて、ダブルスタンダードな主張や自己中心的な行動を含め、悪い意味で非常に「人間臭い」キャラクターと言える。その生々しさを魅力と捉えるか、不快と切り捨てるかは、個々のプレイヤーの感性に委ねられている。

  • 結末について
    • サンタバーバラでの最終決戦とその結末についても、大きな議論の的となった。
    • 決闘の際、すでに戦意を喪失していたアビーに対し、エリーはレブを人質に取るという強硬な手段で再戦を強いる。この場面は、どちらが正義でどちらが悪役か判然としない構図となっている。
    • 死闘の末、エリーはアビーを追い詰めるが、土壇場で殺害を思いとどまる。復讐をテーマに掲げながら、最終的にエリーがその目的を遂げない結末には、カタルシスが得られず納得がいかないという意見が相次いだ。
    • 「復讐は虚しい」という教訓を描いたにしては、アビーに辿り着くまでの過程ですでに数多くの人間を殺害しており、復讐の連鎖を止めるには時期を逸しているとの指摘もある。
    • 最終的に両主人公に残されたものの格差についても批判がある。エリーはジョエルを失い、復讐も果たせず、再度の旅立ちによって恋人ディーナにも去られ、さらに指を失ったことでジョエルから教わったギターすら弾けなくなった。徹底して「全てを失う」末路を辿っている。
    • 対照的にアビーは、仲間こそ失ったもののジョエルへの復讐を遂げ、新たな相棒であるレブを守り抜き、希望であったファイアフライの元へ辿り着いた。この対比が「アビーへの過度な贔屓」と映り、納得できないユーザーによる激しい批判を招いた。
    • 一方で、「復讐の完遂がエリーの救いになるとは限らない」「全てを失うことでようやく過去と向き合い、折り合いをつけられた」と好意的に解釈する層もいる。本作の真のテーマは「復讐」ではなく「赦し」にあるのではないかという考察もなされている。
    • 物語の背景には、前作の結末でジョエルがエリーを「生かした」ことによる影響が色濃く反映されている。エリー自身もその複雑な愛憎を抱えており、ジョエルを赦そうと模索していた矢先に彼を奪われた悲劇が描かれている。
    • 開発側もシナリオに「赦し」の要素が含まれていることを認めており、復讐の旅の果てにエリーが何を見出したのかという視点に立てば、結末への評価も変わる余地がある。

  • その他の不整合点
    • ゲームの進行や演出の都合上、リアリティを欠く事象や不自然なキャラクターの挙動が散見される。
    • 尋問されていたはずのメルが、監視を潜り抜けて単独で水族館まで移動できている点や、高所にありながら敵勢力に察知されずに存在する橋、感染者や略奪者が横行する世界で簡易的な柵のみで生活している農場など、現実的な整合性を重視するプレイヤーからは疑問の声が上がっている。
    • これらは「ゲーム的な割り切り」として許容する意見と、「徹底したリアリズムを謳う作品として問題がある」とする意見で評価が分かれている。

  • エリー編のシアトル廃墟街探索
    • エリー編のシアトル1日目で訪れる廃墟街は、マップ全体がオープンワールドのように広大であり、全ての建築物がシームレスに繋がっているため、非常に探索のし甲斐がある。内部イベントの数も豊富で、全てのイベントを制覇することで取得できるトロフィーも用意されている。愛馬のキラリに乗って広大なマップを移動する様は、名作『ワンダと巨像』を彷彿とさせる体験となっている。
    • 一方で、こうしたオープンワールド的な要素は全編通してこのパートのみであり、以降は前作同様の一本道ステージが続く。そのため、ゲーム全体の構成から見るとこの部分だけが統一感を欠き、浮いているという指摘もある。
    • 探索自体も基本的には碁盤の目状のルートに沿って進む形となるため、マップの広さに対して自由度はそれほど高く感じられない。また、現在地を確認するために頻繁にマップを開く必要があるが、その動作の遅さが探索のテンポを削いでいる面も否めない。初回プレイ時は新鮮だが、周回プレイでアイテム回収のために広範囲を駆け巡る際は、作業感が出やすくダレやすいという側面も持っている。

  • 雑談シーン
    • シアトル1日目の探索中には、エリーとディーナの間で前作のジョエルとエリーを思わせるような軽妙な雑談が交わされる。
    • しかし、今作の旅の目的がジョエル殺害に対する復讐という極めて重苦しいものであるため、その目的の深刻さに対して「会話内容が明るく能天気すぎるのではないか」という違和感を抱く意見も少なくない。

  • LGBT要素
    • バイセクシュアルのディーナ、トランスジェンダー的な背景を持つレブ、筋骨隆々な体躯を持つアビーなど、本作にはLGBTQ+への配慮を感じさせる女性キャラクターが多数登場する。
    • レブの本名はリリーであり女性であるが、丸刈りの外見や振る舞いから男性と誤認するプレイヤーやウェブサイトも存在した。こうした多様なキャラクター造形については、表現の幅を広げていると評価される一方で、ポリコレ的な押しつけがましさを感じて素直に受け入れられないとする層もおり、反応は真っ二つに分かれている。
    • 従来の美少女的な造形に近いエリーとは対照的に、新キャラクターたちは総じて写実的で泥臭い外見であるため、いわゆる百合的な要素を好む層からも必ずしも肯定的には捉えられていない。

  • 軍用犬の登場について
    • 敵勢力が連れている軍用犬は、攻撃を受けた際の挙動や、飼い主を失った際に悲しむリアクションが極めて精緻に作り込まれている。このため、愛犬家のプレイヤーにとっては殺害することに強い心理的抵抗や罪悪感を抱かせる仕様となっている。犬たちはあくまで飼い主の命令に従っているに過ぎないという点も、その感情を助長させる。
    • 戦闘において犬を殺さずに進む選択も不可能ではないが、犬の探知能力は非常に高く、プレイヤーの匂いを追うだけでなく殺害したNPCの死体を迅速に発見して警戒レベルを引き上げてしまう。そのため、隠密を維持しながら犬を生存させることは困難を極め、実質的に殺害を強要されていると感じる場面も多い。

問題点


  • ロードの長さ
    • 場面転換の際には約20秒から30秒程度のロード時間が挿入される。発生頻度も高いため、プレイの没入感を削ぐ要因として指摘されている。あまりの長さに、内部ストレージをHDDからSSDへ換装することを推奨する攻略サイトも現れたほどである。
    • ただし、リトライ時の読み込みや手動セーブに要する時間は非常に短く抑えられている。

  • マルチプレイ未収録
    • 前作に搭載されていたマルチプレイモードは非常に評価が高く、今作の進化したシステムで対人戦を楽しみたいという要望は発売前から多く寄せられていた。しかし、今作にはマルチプレイが収録されなかったため、これを残念がるファンの声は根強い。

  • 国内版における過剰な表現規制
    • 日本国内版では、部位欠損や臓器露出といった残虐描写の多くに規制が施されている。その結果、区分がCERO:Z(18歳以上のみ対象)であるにもかかわらず、その基準に見合わないほど刺激が抑えられた内容となっている。
    • ゲームバランスや物語の根幹に直接的な支障はないものの、本作の売りであるグラフィックの作り込みや臨場感が規制によって陳腐化してしまっている点を惜しむ声は多い。海外版であれば無規制でプレイ可能だが、日本語の音声や字幕が収録されていない点に注意が必要となる。

  • キャラクター描写について
    • 本作で初登場したサブキャラクターたちの描写については、アビーほどではないにしろ否定的な評価が見られる。
    • 主人公であるエリーやアビーの行動が詳細に描かれる一方で、脇を固めるキャラクターたちの動機や行動は断片的にしか描写されない。そのため、彼らの行動を深く理解したり擁護したりするための情報が不足しており、賛否両論というよりは純粋な脚本上の落ち度として指摘されやすい。

  • ジョエル
    • 前作の主人公でありながら今作の序盤で惨殺されるという結末を迎えるが、その最大の要因が「自ら本名を明かしたこと」にある点に批判が集まっている。
    • ジョエルは前作のファイアフライの件を含め、多くの人間の恨みを買っている自覚があるはずであり、無防備に素性を晒すのはあまりにも不自然である。前作で数々の修羅場を潜り抜けてきた彼と比較して、危機管理能力が著しく低下しているように見えるため、物語を進行させるためのご都合主義的な弱体化ではないかという違和感を生んでいる。
    • これに対し公式側や擁護派からは「ジャクソンでの数年間にわたる平和な暮らしが彼の牙を抜いてしまった」という見解が示されているが、納得できないファンも多い。
    • また、偵察任務にしてもあまりに少人数で行動していた点も不自然とされる。前作の世界観ではシェルター外は極めて危険であり、徒党を組み重武装で移動するのが常識であった。それに対し、今作のジョエルの死を招くシチュエーションがあまりにも隙だらけであったことも、批判の対象となっている。

  • トミー
    • 前作から引き続き登場するジョエルの実弟。兄を惨殺された復讐心から、エリーと同様にWLFへの過酷な追跡を開始する。物語の端緒において、アビーらと遭遇した際にトミーが不用意に自分たちの本名を名乗ってしまったことが、結果としてジョエルの死を招く一因となった。
    • 道中の行動はエリー以上に苛烈であり、情報を引き出すための拷問や、スナイパーライフルによる一方的な狙撃を繰り返す。エリーが進行の障害となる者を排除するのに対し、トミーはWLFという組織そのものに対して積極的に殺害を行っている。しかし、WLFの一般兵士たちはアビーと同じ組織に属しているだけで復讐の直接的な対象ではないため、事情を知らぬまま殺されていく兵士側の視点も含め、その殺戮の是非が問われている。
    • 復讐の途上で多くのWLF兵士を葬ったことで一時的に心が落ち着いたのか、肝心のアビーを仕留めていないにもかかわらずジャクソンへ帰還しようとするなど、場面によって良識派のような振る舞いを見せることもある。しかし、その後のアビーによる逆襲で右目と右脚を負傷し、不自由な体となったことで復讐の炎が再燃。最終的には復讐に取り憑かれ、妻マリアとの関係も悪化してしまう。
    • かつての相棒であるエリーに対し、隠遁生活を送る彼女を訪ねて再び復讐を焚き付け、断られると罵倒の言葉を投げかけるなど、前作で見せた寛大なリーダー像とはかけ離れた変貌を遂げている。これには「キャラを落としめすぎだ」という批判がある一方、「復讐が人間をいかに変貌させるかという末路をリアルに描いている」とする声もあり、評価が分かれている。

  • ディーナ
    • エリーの復讐の旅に同行する新たな相棒。道中では高い戦闘力を発揮してエリーの窮地を救う場面も多いが、実は妊娠していることを隠して出発しており、発覚後は体調悪化により戦力外となってしまう。
    • エリーとの同性愛的な関係性が強調されているが、任務中であっても場所を選ばず親密な描写が挿入されることには否定的な意見も目立つ。作中でも仲間のジェシーから「任務に責任を持て」と窘められる場面がある。
    • 一方で、中盤以降は無線技術を駆使して後方支援に徹するなど、役割を果たしている面もある。過酷な運命を辿る他の登場人物と比較すれば、最終的な扱いを含め、本作の中では比較的救いのある立ち位置と言える。

  • オーウェン
    • WLFのメンバーであり、アビーの元恋人。組織内では過度な暴力を嫌う穏健派として描かれている。
    • 現在のパートナーであるメルの妊娠を知りながらもアビーへの未練を断ち切れず、密会中に一線を越えてしまうなど、優柔不断で身勝手な振る舞いが目立つ。こうした不誠実なキャラクター造形から、プレイヤーからの評価は芳しくない。

  • メル
    • WLFの医療担当であり、オーウェンの伴侶。彼の子供を身籠っているが、オーウェンとアビーの複雑な関係に気づいており、内面ではアビーに対して強い敵意を抱いている。
    • 作中では妊婦という身でありながら、母体に大きな負担がかかる前線での任務や危険な移動を繰り返す。WLFのような組織がなぜ妊婦を前線に出すのかという設定上の疑問や、オーウェンを繋ぎ止めるためにあえて妊娠した姿をアビーに見せつけているかのような言動が、ドロドロとした人間関係を象徴しており、シナリオの停滞感として批判の対象になりやすい。

  • ジェシー
    • ジャクソンの住民でディーナの元恋人。ディーナのお腹の子の父親でもある。エリーたちの危機を知り、自らもシアトルへ駆けつけ一時的に共闘する。
    • エリー、ディーナとの間に生じる三角関係的な問題が解決を見ないまま、物語の途中で唐突な最期を迎える。献身的なキャラクターであっただけに、そのあっけない退場は「扱いの悪さ」として印象に残るものとなった。

  • ストーリーのテンポ
    • エリーの視点でシアトルでの3日間をプレイした後、全く同じ時間軸をアビーの視点で再度3日間やり直す構成は、冗長で中だるみを感じさせるという意見が多い。特にアビーに嫌悪感を抱いているプレイヤーにとっては、長尺のプレイを強要されることが苦痛に繋がっている。
    • また、過去の出来事を描く回想パートが頻繁に挿入されるが、これも周回プレイ時にはテンポを損なう要因となる。単に数歩歩いて扉を開けるだけといった、操作の必要性が薄いシーンが散見される点も指摘されている。

  • チャプター「グラウンドゼロ」の評価
    • パンデミックの源流となった場所という非常に興味深い設定でありながら、実際のゲーム内での役割は「医療キットの回収とボス戦」という小規模なものに留まっている。世界観の核心に迫るような新事実やシナリオへの大きな影響が期待されただけに、肩透かしを食らったと感じるユーザーも多い。

  • シアトル編の対決における不自然さ
    • アビーがエリーの潜伏先を突き止められたのは、エリーが現場に自分の居場所を記した地図を置き忘れたという「偶然」が重なった結果である。
    • 復讐のために慎重に行動していたはずのエリーが、相手の妊婦を殺害した動揺があったとはいえ、あまりにも初歩的なミスで居場所を露呈させてしまう展開には、物語を強引に進めるためのご都合主義的な印象が拭えないという批判がある。

  • サンタバーバラ編
    • 本編の結末を描く重要なエピソードだが、一部では蛇足であるとの見方も存在する。新勢力「ラトラーズ」の登場が唐突で存在意義が薄いとされるほか、エリーが腹部に重傷を負い大量出血している状態で、単身で武装組織を壊滅させる展開にはリアリティを欠くとの声が強い。
    • 前作のジョエルも超人的な活躍を見せたが、華奢なエリーが致命的な怪我を押して無双する姿には不自然さが目立ち、「火事場の馬鹿力」という解釈を差し引いても強引な展開であると評されやすい。

総評

    • 爆発的なヒットを記録した前作の正統な続編として、システムや戦闘面は格段の進化を遂げており、純粋なゲーム部分のクオリティは極めて高い。
    • しかし、キャラクターへの深い感情移入を誘った前作の人間ドラマとは対照的に、本作は徹底して陰鬱で歪な関係性を描き出している。その極端な作風はプレイヤーごとに受け取り方が大きく異なり、国内外で空前の議論を巻き起こす結果となった。
    • PlayStation 4世代を締めくくる超大作として、また第8世代コンソール末期における海外ゲームの傾向を象徴する一本として、良くも悪くも歴史に残る作品であることは間違いない。```

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最終更新:2026年05月07日 19:16