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Detroit: Become Human

【でとろいと びかむ ひゅーまん】
ジャンル オープンシナリオ・アドベンチャーゲーム
対応機種 プレイステーション4&br;Windows(Epic Games Store/Steam)
発売元 ソニー・インタラクティブエンタテインメント&br;【Win】クアンティック・ドリーム
開発元 クアンティック・ドリーム
発売日 【PS4】2018年5月25日&br;【Win】&br 2019年12月12日(Epic Games Store) &br 2020年6月18日(Steam)
定価 【PS4】6,900円(税別)&br;【Win】3,990円(税込)
廉価版 【PS4】Value Selection&br;2018年11月21日/3,900円
レーティング CERO:D(17才以上対象)
判定 良作
ポイント アンドロイドのいる社会を描く近未来SF&br;極めてフォトリアルな「人間」のグラフィック&br;膨大な分岐と多彩なエンディングを実現
''Quantic Dream製ADV''&br Fahrenheit / HEAVY RAIN 心の軋むとき / BEYOND: Two Souls / ''Detroit: Become Human''
''PlayStation Studios作品''



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&big(){''それは命か、それともモノか。''}
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特徴・評価点

    • シナリオの構造と没入感
      • 立場や目的が異なる3体のアンドロイドの視点がチャプターごとに切り替わり、物語が進行する。
      • 「人間とアンドロイドの共存と対立」というテーマを軸に、映画のような緊迫感溢れる展開が連続する。プレイヤーが直接アクションを操作することで、ゲームならではのスリルと一体感を享受できる設計となっている。
      • 操作の主体はQTE(クイックタイムイベント)だが、その入力パターンは状況に応じて極めて多彩に用意されており、「自らの手で操作する映画」というプレイ体験を高度に実現している。
      • 物語の展開はプレイヤーの選択やアクションの成否によって精緻に分岐する。前作『BEYOND』では選択が結末に与える影響が限定的であったが、本作では中長期的に影響を及ぼすフラグが多数存在し、クライマックスではそれまでの積み重ねによって全く異なる結末へと辿り着く。この膨大な分岐を網羅するため、脚本の総量は通常の映画の20倍以上に達している。
    • フローチャートとソーシャル要素
      • チャプター終了時には物語の全分岐パターンがフローチャート形式で公開される。どの選択がどこで分岐を生んだのか、未発見の結末がいくつ存在するかを一目で確認できる。
      • 全世界のプレイヤーがどの選択肢を選んだのかがパーセント表示される機能を搭載。自身の価値観と世間の動向を比較するという、多人数参加型のような楽しみ方も提示されている。
      • 主要キャラクターのみならずサブキャラクターの生死もシナリオに深く関与し、生存状況によって後のチャプターの展開がドラマチックに変化する。
    • キャラクター描写
      • 主人公3名に加え、脇を固める登場人物たちも非常に魅力的に描かれている。
      • 変異体となり人間臭い葛藤を見せるアンドロイド、それらに対し理解を示す人間、あるいは激しい敵意を剥き出しにする人間など、多種多様な思想が交錯する人間模様が描かれる。
      • 特にコナーの相棒となるハンクは屈指の人気を誇る。プレイヤーとの対話を通じて終盤の立ち位置が激変するが、その変化に説得力を持たせる複雑な人物造形がなされている。また、マーカスの旧所有者であるカールは、物語に深い示唆を与える人格者として強い印象を残す。
    • 緻密な世界観構築
      • 近未来社会の描写は細部まで考察が及んでいる。アンドロイドの普及による失業率の増大や、対人関係の希薄化、婚活市場への影響など、現代社会の延長線上にあるリアルな問題として描写される。
      • 国際情勢についても、BRICsの台頭や北極圏を巡る領有権争い、女性大統領の誕生など、地政学的なリアリティが物語に厚みを与えている。
    • グラフィックと演出技術
      • 全キャラクターの挙動に「モーションキャプチャー」技術を採用。実在の俳優による繊細な演技をそのままデータ化しており、目の動き以外の全てにおいてフォトリアルな挙動を実現している。
      • 無機質であるはずのアンドロイドが、俳優の表現力によって豊かな情感を湛える様子は、実写と見紛うほどのグラフィック精度を誇る。
    • 直感的な操作システム
      • コントローラー(デュアルショック4)の機能をフルに活用し、作中の動作を現実の動きに擬似的にリンクさせるQTEが導入されている(難易度「EXPERIENCE」時)。
      • タッチパッドをスライドさせてタブレットを操作する、アナログスティックを回してドアを開けるといった、現実の物理動作を模した入力が没入感を高めている。
      • 逃走や戦闘シーンにおけるQTEの成否が物語の分岐に直結する場面も多く、失敗が死や破滅を招く緊張感を生んでいる。
      • 「EXPERIENCE」モードでは、素早い入力や同時押し、コントローラーを振るジャイロ操作など、絶妙な難易度調整がなされており、アクション性の高い体験が可能となっている。

賛否両論点

    • 特定主人公の早期退場リスク
      • 3人の主人公のうち1人は、選択や操作ミスによって物語の序盤から中盤にかけて死亡し、以降の出番が消失する可能性がある。その場合、本来用意されていたエピソードが大幅にカットされることになり、全体のボリュームが実質的に減少してしまう。
    • 過剰なQTE操作の要求
      • 過去作と比較すれば改善されているものの、依然として些細な日常動作にまでQTE入力を求める場面が存在する。これを「操作が煩雑で余計である」とする意見と、「些細な動作の積み重ねが没入感の源泉である」とする意見で評価が分かれている。
    • 吹き替え版におけるキャラクター解釈の差異
      • コナー役の花輪英司氏の演技は高く評価されているものの、英語版における「ユーモアを湛えた、やや高めの声質」という特徴が、日本語版では「正統派で実直な主人公像」へとシフトしている。オリジナル版のニュアンスを重視するプレイヤーからは、イメージの乖離を指摘されることがある。
    • マーカスの行動における独善性
      • 中盤以降、マーカスが未変異のアンドロイドを強制的に変異させていく描写がある。個別の事情や人間との信頼関係を考慮せず一方的に自我を付与する行為は、救済であると同時に一種の暴力的な介入とも受け取れる。
      • ただし、変異後のアンドロイドに対し意志を確認し、強制的に従属させているわけではないという擁護の側面もある。
    • 人間に対する批判的態度の固定化
      • マーカスはかつての所有者カールと良好な関係を築いていた経験があるにもかかわらず、覚醒後は人間社会を一様に「奴隷主」として非難し続ける。
      • 平和的な解決を目指すルートであっても、「人間による抑圧」を前提とした対決姿勢を崩さないため、カールの慈愛を顧みない極端なスタンスに反感を抱くプレイヤーも存在する。
  • 人種差別描写の“露骨さ”
    • 本作はアンドロイド差別を黒人差別・奴隷制度になぞらえて描いているが、その比喩表現があまりにも直接的すぎるという批判がある。
      • バス後方への隔離、強制収容所、行進デモなど、現実の歴史的悲劇を強く連想させる演出が多数存在。
      • 一方で「差別問題を真正面から扱った意欲作」と評価する声もあり、扱い方を巡って賛否が分かれた。

  • テーマ性の浅さ
    • 「AIと人間の共存」という重いテーマを扱っているが、哲学的な掘り下げは意外と単純という意見も多い。
      • 「感情を持った存在は人権を持つべき」という方向へ話が収束しやすく、AI倫理・意識問題への踏み込みは限定的。
      • 『ブレードランナー』や『攻殻機動隊』級のSF考察を期待すると肩透かしという感想も見られる。

  • プレイヤー依存が強すぎるシナリオ
    • 分岐量の多さは高評価だが、そのぶん「王道ルート」を通らないと人物描写が極端に薄くなる問題もある。
      • 特定キャラが早期死亡すると、後半の感情的シーンの積み重ねが崩壊しやすい。
      • 結果として「初見では微妙だったが、理想ルートで評価が変わった」というプレイヤーも多い。


  • ノース関連の賛否
    • ノースとの恋愛イベントがやや唐突。
      • 一定以上好感度を上げると急接近するため、「感情移入しにくい」という感想がある。
      • 逆に革命思想の過激さを含めて魅力的という評価もあり、かなり好みが分かれるキャラ。

問題点

  • マーカス編の温度差
    • 3主人公の中で、マーカス編だけ急激にスケールが大きくなるため浮いているという意見がある。
      • コナー編は刑事ドラマ、カーラ編は逃亡劇だが、マーカス編は革命戦争へ発展。
      • そのため作品全体のジャンル感が統一されていないと感じるプレイヤーもいる。

  • カーラ編の存在意義
    • レビューサイトでは「カーラ編だけ本筋から浮いている」という意見も少なくない。
      • コナーとマーカスが“世界そのもの”を変える話なのに対し、カーラ編は小規模な逃避行が中心。
      • 感情移入しやすい反面、「全体シナリオへの寄与が薄い」とも言われる。

  • プレイヤーに罪悪感を与える作り
    • QTE失敗や選択ミスでキャラが突然死亡するため、心理的負担が大きい。
      • 「失敗込みで物語」という設計思想ではあるが、取り返しのつかない展開を嫌う人にはかなり厳しい。
      • 特に初見で重要人物を失うと、そのまま萎えてしまうケースも多い。

  • ご都合主義的な展開
    • 物語を盛り上げるため、リアリティより“ドラマ性”を優先したような展開が散見される。
      • コナー編では、捜査に必要な証拠や関係者が絶妙なタイミングで現れることが多い。
        • 例えばジェリコの所在地特定では、特定の変異体を生存させていた場合に都合よく情報へアクセス可能になるなど、「たまたま必要情報を持っていた」ケースが目立つ。
        • 終盤ではコナーが重要人物へ短期間で何度も接触できるため、「デトロイトが狭すぎる」と揶揄されることもある。
      • マーカス編では、革命勢力が短期間で急激に拡大する点に違和感を覚える意見がある。
        • わずか数日~数週間程度で大規模デモ・武装蜂起・世論変化に発展するため、社会描写が駆け足。
        • 特に世論ゲージの変動が極端で、「一回の演説で支持率が激変する」などゲーム的処理の色が濃い。
      • カーラ編では逃亡劇ゆえに「ギリギリで助かる」展開が連続する。
        • 検問突破、警察からの逃走、国境越えなどで偶然味方が現れる場面が多い。
        • ルートによっては人間側の警備が不自然に甘く見えることもあり、「シナリオ補正感」が強いと指摘された。
      • 終盤の革命ルートでは、世界規模の問題がデトロイト一都市の事件だけで急激に決着へ向かう。
        • 軍投入レベルの国家危機にもかかわらず、最後は世論や演説で情勢が一気に変わるため、説得力不足との声もある。
        • 特に平和革命ルートでは「歌っただけで軍が撤退した」とネタにされることもあった。

  • コナー編偏重との指摘
    • 3主人公制ではあるが、レビューサイトやプレイヤー間では「コナー編だけ突出して完成度が高い」という声が非常に多い。
      • コナー編は「刑事バディもの」として構成が安定しており、目的も明快。
        • 事件捜査→証拠収集→尋問→選択という流れがゲームシステムとも噛み合っている。
        • ハンクとの関係変化も丁寧で、「友情」「対立」「決別」など分岐が分かりやすい。
      • 一方マーカス編は、思想・革命・戦争という大きすぎるテーマを扱うため、描写不足との指摘が多い。
        • 革命指導者になるまでの過程が急で、「昨日まで介護ロボだった主人公が突然カリスマ化する」点に違和感を持つプレイヤーもいた。
        • 仲間キャラも思想的議論より“イベント進行役”になりがちで、心理描写が浅いという意見もある。
      • カーラ編は感情移入重視のドラマ構成だが、物語全体への影響力が低い。
        • 終盤まで「逃げる」ことが主目的のため、世界観の核心へ踏み込む機会が少ない。
        • 結果として「本筋と関係ない外伝っぽい」と感じる人もいる。
      • また、コナー編だけゲーム的にも優遇されているとの声がある。
        • 推理、潜入、アクション、尋問などゲーム的バリエーションが豊富。
        • 対してカーラ編は移動と会話中心、マーカス編は演説や選択中心になりやすく、プレイ感の差が大きい。
      • 人気投票や配信でもコナーとハンク関連の話題が突出して多く、「他2編が食われている」と言われることもある。

  • 自由度の限界
    • 分岐は多いが、根本的な物語の流れ自体はそこまで変わらないという批判もある。
      • 特に中盤までは「分岐しているようで大筋は固定」という場面が多い。
      • フローチャートの量ほど自由ではないという指摘。

  • アンドロイド覚醒の条件が曖昧
    • 変異体(デビアント)化の条件がかなりふわっとしている。
      • 強いストレスや感情で突然覚醒する個体もいれば、長年従順な個体も存在。
      • 「脚本の都合で覚醒しているように見える」という声もある。

  • 人間側描写の不足
    • アンドロイド側の視点に比べ、人間社会側の掘り下げが不足しているという意見もある。
      • 失業問題や治安悪化など深刻な問題が示唆されるが、本編では断片的にしか描かれない。
      • そのため、人類側にも一定の正当性があるはずなのに、十分語られないまま終わる。

  • 終盤の急展開
    • 革命編終盤は展開速度がかなり速い。
      • 数日の出来事で世界情勢が激変するため、「スケールに対して時間経過が短すぎる」という指摘がある。
      • 特に世論変化の速さには違和感を覚えるプレイヤーも。


  • エンディング後の余韻不足
    • 膨大な分岐がある反面、エンディング後の後日談は比較的短め。
      • 「その後の社会がどう変わったか」をもっと見たかったという声も多い。
      • 大作感に対して締めがやや駆け足という意見も見られる。

  • 映画的演出優先の弊害
    • 「ゲーム」というより「インタラクティブ映画」に近いため、ゲーム性そのものは薄い。
      • 探索・戦闘・推理などのシステム的深みは少ない。
      • ADV好きには高評価だが、ゲーム性重視の層には物足りないとされる。

  • 再プレイにおける利便性の課題
    • 周回プレイを前提とした構造でありながら、快適性には依然として難がある。
      • フローチャート上のチェックポイントから再開する機能は実装されたものの、「カットシーンのスキップや早送りが不可」という仕様は据え置きとなっている。
      • 一度過去のチャプターをやり直して結末を書き換える場合、その後の展開を反映させるには最後まで通しでプレイし直す必要がある。このため、フローチャートのコンプリートを目指す際には、同一シーンを幾度も繰り返す必要があり、多大な労力を要する。

  • フローチャートの表示タイミング
    • 分岐を視覚化できるフローチャート自体は好評だが、チャプター終了ごとに強制的に表示される仕様については、物語への没入感を削ぐという指摘が一定数存在する。
      • 「初回クリアまでは非表示にし、一周プレイした後に解禁した方が演出上の盛り上がりを阻害しなかったのではないか」という意見も根強い。

  • 翻訳およびローカライズの不備
    • ゲーム内の看板やテレビ番組内のテキストなどは日本語化されておらず、英語が苦手なプレイヤーには不親切な箇所が見受けられる。
    • 日本語音声・字幕周りにも不自然な点が散見される。
      • 台詞の末尾が不自然に途切れる、字幕と音声の内容が一致しない、あるいは明らかな翻訳ミス(大統領の記者会見で「リコールセンター」を「コールセンター」と発音する、逃走シーンで警官が放つ「待て! 火事だ!」という不可解な誤訳など)が没入感を損なっている。

  • UIと選択肢の判別性
    • 決定とキャンセルの認識において、一部で海外基準(○と×の意味が逆転しているような感覚)が混在しており、操作に混乱を招きやすい。
    • 会話の選択肢が抽象的な単語のみで構成されているため、主人公が具体的にどのようなニュアンスで発言するのか事前に判断しにくい場面が少なくない。
    • カーラ編の一部において、選択肢の語句と実際に発せられる台詞が明らかに乖離している箇所があり、感動的なシーンの水を差している。

  • 戦闘描写におけるパワーバランスの違和感
    • 物語終盤の軍隊や警備兵との戦闘において、重武装した兵士がハンドガン一丁を携えたアンドロイド勢力に圧倒される描写があり、リアリティに欠けるという意見がある。
      • 作中では「アンドロイドの優れた射撃精度」や「主人公機が特殊な戦闘モデルである」といった説明はなされているものの、それでも圧倒的な装備差を覆す要因としては説得力に欠けるとの見方が強い。
      • 特に、戦闘訓練を受けていない一般サービス用モデルであるノースまでもが兵士を容易に制圧する様子には、疑問の声も上がっている。

  • アリスの正体に関する論争
+ ネタバレ注意
    • カーラが保護する少女アリスの正体が、終盤に「実はアンドロイドであった」と判明する展開について。
      • カーラが「無意識に気づかないふりをしていた」という心理描写で補完されてはいるが、設定上の無理を指摘する声は多い。
      • トッドがアリスに対して「学校の準備」や「宿題」を命じ、食事まで用意していた点(後の展開で「家族の演技」であったとの推測は可能だが)など、驚きを優先するあまり不自然な点が多いとされる。
      • 一部のユーザーからは、「アリスがアンドロイドである」という衝撃的な展開を成立させるために、整合性や伏線の丁寧さが犠牲になっているのではないかと惜しまれている。

  • 総評
Quantic Dreamの過去作で培われたフォトリアルなグラフィックと映画的演出を正統に継承し、ハードスペックの向上によって「人間」の表現は極致に達している。
アドベンチャーゲームとしての構造も飛躍的な進化を遂げた。選択肢が実質的な一本道であった『BEYOND』の反省を活かし、プレイヤーの意思がキャラクターの生死や世界の運命を劇的に変える、真にインタラクティブな物語を実現している。
過去作で批判の対象となりやすかったシナリオ面も、「アンドロイドの自我」という普遍的なテーマを軸に、終盤まで破綻なくまとめ上げている。
再プレイの不便さといった課題は残るものの、総じて過去作の弱点を克服しており、「プレイできる映画」として最高峰の完成度を誇る一作と言える。

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最終更新:2026年05月09日 00:56