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幻影異聞録♯FE

【げんえいいぶんろく しゃーぷえふいー】
ジャンル RPG


対応機種 Wii U
発売元 任天堂
開発元 アトラス
発売日 2015年12月26日
定価 パッケージ/ダウンロード版:7,236円&br;Fortissimo Edition版:9,698円&br;本体+Fortissimo Edition版セット:40,824円&br;(いずれも税8%込)
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 クソゲー
ポイント 地味主人公イツキ~
ファイアーエムブレムシリーズ
女神転生シリーズ

概要

論争点

  • 作風の乖離とシナリオの傾向
    • コラボ元である『ファイアーエムブレム(FE)』シリーズや、アトラスの『女神転生』シリーズの多くが暗く重い展開を特徴としていた時期があるため、本作の明るくポップな作風とのギャップが激しい。
    • 『FE聖魔の光石』や『FE覚醒』、『ペルソナ4』のような比較的明快なシナリオを好む層には受け入れられやすいが、『真・女神転生III』までの本流作品や『ペルソナ5』、『FE聖戦の系譜』や『FE風花雪月』といった重厚でシリアスな物語から入ったプレイヤーには、抵抗を感じる場合がある。
    • 第1章こそシリアスな雰囲気で進行するが、以降はコミカルかつ突飛な「バカゲー」的側面が強まる。第1章で厳格だった中心人物が後に極端な変貌を遂げるなど、全体的なノリは特撮番組(ニチアサ等)に近い。この独特の空気感は好みが極端に分かれるポイントとなっている。
    • 物語が再びシリアスな路線へと回帰するのは、ゲーム終盤に差し掛かってからである。
    • RPG作品としての全体的なボリュームは、他作品と比較してやや短めに設定されている。

  • 特定キャラクターの描写と違和感
    • 主要メンバーの一人がヒーロー番組のアクターを務めているが、その仕事に関連する描写には、実際の特撮現場の常識から乖離した不自然な展開が目立つ。
    • パロディやデフォルメの域を超えた奇妙な設定の繰り返しは、特撮番組の知識があるプレイヤーにとっては没入感を削ぐ要因となり得る。

  • 主人公「イツキ」の造形
    • 主人公の蒼井樹(イツキ)は、王道的な巻き込まれ型主人公であり、事務所のキャッチコピーである「ノーマル系男子」が示す通り、やや無個性な深夜アニメやライトノベルの主人公像に近い。
  • 主人公・蒼井樹の存在感の薄さ
    • 本作の主人公である蒼井樹は、良くも悪くも“癖のない善人”として描かれている。
      • 仲間を支える立場に徹することが多く、自分自身の欲望や葛藤を強く表に出す場面が少ない。
      • そのため、「主人公なのに物語を動かしている感じが薄い」という意見が多い。
      • 各章では「つばさのアイドル活動」「霧亜の歌手活動」「斗馬の特撮俳優路線」など、仲間個人の悩み解決がメインになる。
      • 樹は基本的に相談役・応援役であり、自分の問題を主軸にした章が少ない。
      • 結果として、「プレイヤー視点役ではあるが、ドラマの主役ではない」と言われやすい。
      • 仲間たちは歌・演技・モデル活動など“夢”に向かって努力しているが、樹自身は明確な目標が曖昧。
      • 当初は裏方志望という設定だが、ストーリー上で大きな情熱や執念として描かれる場面は少ない。
      • そのため、「主人公だけ熱量が低く見える」という指摘がある。
      • RPG的には万能型だが、物語上で“特別な力を持つ主人公”という扱いがそこまで強くない。
      • 仲間側の専用イベントや覚醒演出の方が印象に残りやすい。
      • 結果として、「主人公よりヒロインや仲間の方が目立つ」という構図になっている。
      • ヒロイン側から好意を向けられる描写はある。
      • しかし樹本人から積極的に感情を見せる場面は少なく、かなり淡白。
      • 「誰に対しても優しいが、誰にも踏み込まない」ため、恋愛ドラマとしては盛り上がりに欠けるという意見も。
      • 仲間が苦悩している場面でも、樹は比較的冷静かつ優等生的に振る舞う。
      • 暴走したり、感情を爆発させたりすることが少ないため、印象が弱くなりがち。
      • メガテン・ペルソナ系主人公に期待される“狂気”や“エッジ”が薄いと評されることもある。
    • 一方で、「普通の青年だからこそ空気が良い」という肯定意見も存在する。
      • 過剰に俺様系でも陰キャ系でもなく、素直で他人を尊重できる主人公として好感を持たれている。
      • 芸能界のギスギスした競争ではなく、“仲間を支える青春群像劇”という本作の作風には合っているという声もある。

  • FE関連の限定的な参戦と設定の差異
    • 名有りのFEキャラクターの登場が『暗黒竜と光の剣』および『覚醒』の2作品に限定されている。これについては発売前から公表されていたものの、他作品のファンからは不満の声も上がった。
    • JRPGという枠組みにおいて登場させられる人数に限界があるための措置と考えられるが、シリーズの多様性を期待した層には物足りなさが残る。
      • なお、名前こそ出ないものの、他作品のキャラクターを彷彿とさせるNPCが一部登場するファンサービスは存在する。
    • コラボレーションに伴う設定変更により、原作の人物像や時間軸との齟齬が生じている箇所がある。
      • 原作では『暗黒竜』の約2000年後が『覚醒』の時代設定だが、本作ではシーダとクロムが同時代に存在し、マルスが遥か古の伝説の英雄として扱われるなど、パラレルワールド的な独自解釈がなされている。
    • 兵種と武器設定の変更についても、一部のファンから疑問が呈されている。
      • ドーガに代表されるアーマーナイト系のミラージュが、原作で得意とする「槍」ではなく「斧」をメイン武器としている。原作で斧を使用可能になるのは上級職のジェネラル等に限られており、初期状態での斧装備は不可能であった。
      • パーティ内の武器バランス(槍使用者の過多と斧使用者の不在)を考慮したメタ的な調整と推測されるが、原作重視の視点からは違和感が生じている。
      • ※余談だが、後に発売された『FE風花雪月』ではアーマーナイトの標準武器が斧に変更されており、本作がその仕様を先取りした形となっている。
    • 敵ミラージュの選出についても賛否がある。
      • 『暗黒竜』のカミュやミシェイル、『覚醒』のヴァルハルトといった圧倒的な存在感を持つ強敵が登場しない一方で、原作でそれほど目立たなかったフェルスが参戦するなど、人選に偏りが見られる。
  • アトラス要素のバランス
    • FE側のキャラクターが多数登場するのに対し、アトラス作品そのものからゲスト出演するキャラクターは極めて少ない。
      • イゴールの登場や、コンビニのマスコットとしての「ジャックフロスト」の起用、『真・女神転生 STRANGE JOURNEY』のアンソニーを模したNPC「庵宗二」など、ピンポイントな要素に留まっている。
    • 本作は「FEという作品」と「アトラスというメーカー」のコラボレーションであり、システム面でアトラス製RPGの系譜を色濃く受け継いでいる。そのため、キャラクター面までアトラス要素を強めすぎないようバランスを調整した結果と考えられる。
  • 『Fire Emblem series』×『Shin Megami Tensei series』コラボとしての方向性
    • 発表当初は“ダークファンタジーSRPG×メガテン”を期待する声が多かった。
      • しかし実際は「芸能界」「アイドル」「J-POP」を前面に押し出した明るい作風だったため、戸惑うファンも多かった。
      • 一方で、「中途半端に暗くするより独自色が強くて良かった」と好意的に見る意見もある。
  • 芸能界テーマ
    • アイドル・俳優・モデル活動を通じて成長するストーリーは個性的。
      • ライブ演出や楽曲は高評価。
      • ただし「ノリがかなりオタク向け」「テンションについていけない」という人もいた。
  • キャラクターの明るさ
    • 主人公陣は前向きで爽やかなキャラが多い。
      • 従来メガテン系の退廃的・重苦しい空気とは真逆。
      • 「遊びやすいJRPG」として評価する声と、「毒気が足りない」という声に分かれた。
  • 戦闘の爽快感
    • “セッション”による追撃連鎖はテンポが良く爽快。
      • 一方で、後半は連鎖演出が長くなり、「毎回見せられる」とテンポ悪化を指摘されることも。
      • オート高速化はあるが、演出量自体はかなり派手。
  • ファイアーエムブレム要素
    • 歴代Chrom やCaeda などが登場。
      • しかし基本的には“ペルソナ的守護霊”ポジション。
      • 「FEコラボというよりメガテン寄り新作」という声も多かった。

問題点

  • Wii U GamePadの仕様と制限
    • Wii U版においてGamePadは常に「TOPIC(作中SNS)」の表示画面として固定されており、テレビを使用しない「GamePadオンリープレイ」には非対応となっている。
    • 戦闘中、敵の弱点を確認するには敵に直接カーソルを合わせるか、GamePad側のTOPIC画面で調べる必要がある。
  • ロード時間に関する課題
    • パッケージ版は戦闘突入時のロードがやや長く、快適性を損なう要因となっている。
    • 他作品で見られるようなロード短縮用データパックの配信も行われておらず、改善を望む声が多い。ただし、ダウンロード版であればある程度の短縮が見込める。
  • シナリオにおける未回収の伏線
+ ネタバレ注意
    • 黒城キリアが「こけら落とし消失事件」の後に無事発見された経緯について、詳細な説明が欠落している。他の主要キャラであるつばさやヤシロについては掘り下げがあるため、彼女だけ描写が省かれている点は不自然さが残る。
    • 「テレビ局の新社長」に関する描写が中途半端に終わっている。物語中盤では黒幕の存在を隠すミスリード役として機能しているが、終盤には特に触れられることなく物語から退場してしまう。
      • 公式サイトでは「政界からテレビ業界へ転身した」等の設定が公開されているが、作中では「経歴不明」とされ、設定が活かしきれていない。
  • ギャラリーモードにおける再生対象の不備
    • 2周目以降、事務所で過去のライブ映像や番組を視聴できるようになるが、源まもりの出演番組「レンチンアイドル☆まもりん」は再生リストに含まれていない。
    • 同番組はサイドストーリー等で頻繁に放送され、共演する仲間キャラの強烈な個性も相まってプレイヤーからの人気が高いだけに、見直しができない仕様を惜しむ声が多い。
    • 同様に、特定の仲間キャラがMCを務めた深夜番組「アブソリュートカワイイ」も視聴不可となっており、破天荒な内容を再度楽しみたいユーザーからは不満が上がっている。

  • 加入キャラクターの性能の乖離
    • 物語上では圧倒的な実力を持つ強者として描写され、単騎で敵を殲滅していたキャラクターが、パーティ加入直後に期待外れの性能へ低下する事例がある。
    • 極端に弱いわけではないが、耐久力の低さや攻撃力の不足が目立ち、加入時点のレギュラーメンバーと大差ないレベル設定も相まって、事前の演出との落差が激しい。
    • 以降に加入するキャラクターたちが独自の強みや高レベルを維持して参入してくるため、作中で最も頼りにされるポジションの人物が、最も期待外れな形で操作キャラとなる状況が生じている。
  • 織部彩羽の不遇な扱いとプレイレコード
    • ヒロインの姉である彩羽は、物語途中から事務所の事務員として加わるが、以降はメインストーリーでの出動が激減する。
    • 専用のサイドストーリーが用意されず、事務所関係者が集結する場面でも不在であるなど、キャラクターの内情に触れる機会が極めて少ない。エンディング後の後日談も存在せず、彼女のファンにとっては寂しい扱いとなっている。
    • なお、作中のプレイレコード(実績)には「彩羽を攻略できない不具合」という名称の項目が存在する。
      • これは恋愛シミュレーション等で攻略対象外のキャラを指すネットスラングになぞらえたメタ的なネタであり、実際にシステム上の不具合が起きているわけではない。しかし、実態としては「攻略できない」以上に「キャラクターとしての扱いが薄い」点が指摘されている。
  • 会話ログ機能の欠如
    • 近年のアトラス作品では標準的に搭載されている「会話ログ」機能が実装されていない。誤って台詞を読み飛ばしてしまった際のバックアップができず、利便性に欠ける。
  • 移動速度の遅滞
    • 通常マップおよびイドラスフィア内でのダッシュ速度が遅く、探索のテンポが削がれやすい。
    • 主人公の樹は常に一定の速度で小走りするような挙動に留まり、敵に追跡された際も振り切りにくいなど、アクション面でのストレスに繋がっている。
  • FEコラボとして期待外れとの声
    • 発表時PVの雰囲気と完成品の方向性が大きく異なる。
      • シリアス戦争劇を期待していた層からは特に反発が強かった。
      • 「なぜ芸能界にしたのか分からない」という意見も多い。
  • シナリオの薄さ
    • ストーリーは王道で分かりやすい反面、深み不足との指摘もある。
      • 芸能界テーマもかなり理想化されており、業界の闇などはほぼ描かれない。
      • 敵組織も動機や背景描写が浅め。
  • 主人公・蒼井樹の存在感
    • 主人公の個性がかなり薄い。
      • 仲間たちの悩み解決役に徹する場面が多く、「空気主人公」と言われることも。
      • 恋愛・ドラマ面でも受動的。
  • ダンジョン構造
    • 終盤ダンジョンはギミック重視で複雑。
      • ワープやスイッチが多く、面倒という声がある。
      • マップ構造が単調な割に長い。
  • サブカル色の強さ
    • アイドル文化・特撮・グラビアなど、日本オタク文化色がかなり濃い。
      • そのため海外では「理解しづらい」「恥ずかしい」と感じるプレイヤーもいた。
      • 逆に日本サブカル好きには刺さる内容。
  • 敵デザインへの違和感
    • FEキャラをモチーフにした敵がグロテスク寄りにアレンジされている。
      • 「原作キャラをこんな怪物化するのか」と拒否感を持つファンもいた。
  • Wii U後期発売の不遇
    • 発売時期がWii U末期。
      • ハード普及台数の問題から埋もれやすかった。
      • 後のTokyo Mirage Sessions ♯FE Encore で再評価された側面がある。
  • ローカライズ論争
    • 海外版では衣装や年齢設定の変更、一部イベント修正が行われた。
      • 検閲として批判されることもあった。
      • Encore版でも変更が維持されたため議論になった。
  • 「ペルソナっぽい」との比較
    • 現代東京・若者集団・芸能活動・色彩演出などから、Persona 4 や Persona 5 と比較されやすかった。
      • しかしコミュ要素や人間関係描写はそこまで深くなく、「ペルソナほどではない」という意見も多い。
  • ストーリーの危機感不足
    • 世界の危機を扱う割に、全体的に明るく軽い。
      • ライブや芸能活動パートとの温度差を指摘する声もあった。

総評

  • 発売前はその奇抜な世界観や設定から賛否両論を巻き起こし、大きな注目を集めた。
  • しかし、いざ蓋を開けてみると、細部の不備や描写の甘さが目立ち、結果として厳しい評価を下すユーザーも少なくない。

幻影異聞録♯FE Encore

【げんえいいぶんろくしゃーぷえふいー あんこーる】
ジャンル RPG
対応機種 Nintendo Switch
発売元 任天堂
開発元 アトラス
発売日 2020年1月17日
定価 5,150円
レーティング CERO:B(12歳以上対象)
判定 良作
ポイント 追加曲&シナリオ&br;テンポが大幅に改善&br;水着&お色気要素削除
ファイアーエムブレムシリーズリンク
女神転生シリーズリンク

概要(Encore)

海外版である『Tokyo Mirage Session #FE』をベースに、追加要素を加えて移植した、いわゆる「インターナショナル版」に近い内容

  • テンポの大幅な改善
    • ハードの移行に伴いロード時間が劇的に短縮された。特にWii Uのパッケージ版で課題となっていた戦闘開始時の待機時間が解消され、非常に快適なプレイフィールを実現している。
    • 戦闘中の「セッション演出」をスキップ・カットする機能が追加された。演出の有無はセッション発動中、リアルタイムで切り替えが可能となっている。
    • Wii U版では有料DLCであった経験値や資金を稼げる専用ダンジョンが標準搭載されており、これを利用することでキャラクター育成を迅速に進めることができる。

問題点

  • 表現の変更と削除要素
    • 本作は欧米版をベースとした全世界共通仕様での移植となっている。そのため、一部の衣装(水着等)の露出度が抑制されているほか、下着の描写が制限されるなどの調整が加えられている。
      • 発売前、公式サイトに国内版準拠の画像が誤って掲載された経緯があり、後に仕様の差異に関する謝罪と予約キャンセルの対応が行われる事態となった。
    • 第2章における織部つばさのグラビア撮影イベントが、露出度の高い水着から通常のファッションに変更されている。しかし、シナリオの内容は水着着用時を前提とした構成のままであるため、つばさが過度に羞恥心を見せる描写との整合性が取れず、不自然な場面となっている。
      • 後の小イベントにおいて当該のグラビアが再登場する際も、変更後のビジュアルでは展開の説得力が著しく低下している。
    • Wii U版のDLCであった温泉番組エピソード「秘湯へGO!」が未収録となっている。一方で、海外版限定であった追加イベントが新たに収録されており、旧国内版とは異なる内容を楽しむことも可能。
  • キャラクター設定の微調整
    • 主要なティーンエイジャーのキャラクターの年齢が、無印版から1歳ずつ引き上げられた。
      • 蒼井樹・織部つばさ・赤城斗馬は「18歳・高校3年生」、弓弦エレオノーラは「17歳・高校2年生」、剣弥代は「19歳」へとそれぞれ変更されている。
      • なお、成人キャラクターである黒城キリアや、年少の源まもり、その他バリィやチキ、志摩崎舞子(年齢非公表)の設定には変更はない。

総評(Encore)

  • Wii U版の欠点であったテンポの悪さが大幅に解消され、利便性が向上した決定版と言える。追加要素も含まれており、新規にプレイするのであれば本作が推奨される。
  • お色気要素の削除・修正を惜しむ声はあるものの、純粋なRPGとしてのクオリティは順当な進化を遂げており、表現の差異を許容できるプレイヤーにとっては満足度の高い仕上がりとなっている。

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最終更新:2026年05月09日 18:39