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信長の野望 大志
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信長の野望 大志
【のぶながのやぼう たいし】
ジャンル
歴史シミュレーションゲーム
対応機種
Nintendo Switch
プレイステーション4
Windows 7/8.1/10
発売・開発元
コーエーテクモゲームス
発売日
2017年11月30日
定価
通常版 / TREASURE BOX
【Switch/PS4】8,800円 / 12,800円
【Win】9,800円 / 13,800円(各税別)
信長の野望シリーズ
信長の野望 大志
問題点
論争点
評価点
総評
問題点
劣悪なUI設計と操作性
スマートフォンとの同時展開を前提とした設計が、全プラットフォームにおいて足枷となっている。
スマートフォン版はPC版を無理に移植した構成であり、動作が極めて重く、スリープ時のリセットや操作不能に陥るなど致命的な欠陥が散見される。これらに対する根本的なアップデートも行われていない。
文字表現を排しアイコン化を推し進めた結果、視認性と直感性が著しく低下した。
主要コマンドが全てアイコン表示(例:兜に「+」で登用、「-」で追放)となっており、カーソルを合わせるまで判別が難しい。
シナリオ開始時の不親切なフロー。
大名選択後に難易度設定画面へ遷移せず、即座にゲームが開始される。設定変更はシナリオ選択画面の目立たないアイコンから呼び出す必要があり、初心者が意図しない難易度で開始したり、不要なチュートリアルを受け続けたりする事態を招いている。
演出重視による識別性の低下。
大名選択画面が格闘ゲームのようなUIとなっており、顔グラフィックのみで判別を強いるため、コアなファン以外には対象の特定が困難。地図選択への切り替え操作も難解である。
合戦時の部隊表示も「武将の目元のみ」となっており、前作までの顔全体や名前表示に比べ、部隊の判別がつきにくい。
一覧画面における武将移動時のソート機能が欠如している。
内政システムの形骸化
各種パラメータを上昇させても明確な恩恵が実感しにくく、軍備を整えて早期に侵攻する方が効率的となっている。
「天翔記」のような緊迫感のある内政・民忠管理とは異なり、小規模勢力では「資金不足→内政の効果不足→軍備停滞」という負の連鎖に陥りやすく、そのまま詰むケースが多い。
回避困難な「決戦」
決戦をスキップすると、勝敗や損害が単純な数値計算で処理されるため、双方に甚大な被害が出やすい。損害を最小限に抑えるためには、弱小勢力ほど手動での決戦を強じられる構造となっている。
朝廷コマンドの形文化
金銭要求の見返りとして得られる官位が外交にほとんど寄与しない。要求を拒否すると心証が悪化するため、実質的に単なる資金徴収要素となっている。
調略・軍団要素の削除
引き抜き、暗殺、寝返りといった謀略要素が一切存在しない。忠誠度が低い武将は単に出奔するのみで、他家との駆け引きがない「クリーンすぎる戦国」と化している。
これにより「知略」パラメータが決戦時の防御力等にしか影響せず、戦略的な意義が大幅に低下した。
軍団システムも廃止されており、すべての合戦を大名自らが指揮する必要がある。宣戦布告後の委任といった広域統治も不可能。
CS版における操作の不統一
決定・拒否の表記がアイコン化されているが、PS4版では「○」アイコンが表示されているにもかかわらず△ボタンで決定する場面があり、操作ミスを誘発しやすい。
コマンドによって○ボタンで決定するものと△ボタンで決定するものが混在しており、入力系統が統一されていない。
外交システムの不自然さと制限
同盟締結の逆転現象。
相手に金品を要求すると、条件として同盟締結を提示される。過去作のように同盟のために貢ぐ必要がなく、「同盟したければ金を要求する」という奇妙な攻略法が成立している。
交渉範囲の制約。
隣接勢力としか外交ができず、標的を挟み撃ちにするための遠交近攻策が取れない。
過剰なリアリティによる外交悪化。
「同盟国の同盟国」への配慮が厳しく、侵攻時に周辺国から「不義理」とみなされ一気に外交関係が破綻する。
勢力拡大に伴う「警戒」の理由が明示されず、交渉不能に陥りやすい。また、特定地域を支配しているだけで問答無用で敵視される仕様があり、心証改善が無意味になるケースがある。
同盟延長の不可。
期限終了後の再交渉が必要だが、その間に勢力が拡大していると交渉を拒否され、必然的に合戦へ発展する。前作同様、無印版では延長ができず、PK版での改善を待つ形となった。
「降伏勧告」の消失。
従属による統一が難しく、特に著名な大名家は絶対に従属しない設定のため、史実のような外交による天下統一がほぼ不可能となっている。
家宝システムのランダム化
自発的な購入ができず、商人の来訪を待つランダムイベントに依存するため、コンプリートや特定の家宝入手が極めて困難。
「志」システムの希薄な影響力
プレイヤー以外の大名についてはセリフ以外で「志」によるAIの変化を実感しにくい。結局はどの勢力も似たような挙動で拡大していく。
配下武将の志に至ってはゲーム上の意味がほぼなく、隠居による大名交代を行わない限りシステムとして機能しない。
音響要素の不足
勢力規模に応じたBGMの変化はあるものの、特定大名の専用曲が存在しない。シリーズの象徴である織田信長ですら専用BGMが用意されていない点は不評である。
従属・同盟関係の不安定さ
圧倒的な国力差がある状況であっても、従属勢力が突然謀反を起こしたり、同盟を破棄したりすることがある。戦略的な合理性に欠ける挙動が目立ち、外交の安定性が低い。
過剰な報告演出によるテンポの悪化
報告事項が発生するたびに画面が切り替わり、プレイヤーの操作が中断される。報告頻度に対して演出が冗長であり、ゲームプレイのテンポを著しく損なっている。
進行スキップ機能の不備
内政や軍備でやることがない月であっても、一ヶ月ごとに必ず進行が止まる。数ヶ月単位での一括スキップができないため、待ち時間の多い時期は苦痛に感じやすい。
武将登用システムの単調さ
敵勢力を滅ぼさない限り武将を登用できないが、滅ぼした瞬間にその勢力の全武将が登用可能となる極端な仕様。
武将個々の「義理」や「不義理」といった性格的な違いが登用に反映されず、引き抜きの醍醐味が失われている。
仕様上の欠陥と死にコマンド
外交における「商圏独占の解除要請」など、活用場面がほぼ存在しない死にコマンドが散見される。
農地と人口の仕様による停滞
農地が人口を上回っている場合、流民が全て農民に割り振られる。戦争で人口が激減すると農地が過多となり、流民が全く増えなくなる事態に陥る。
特に農兵を重視する長宗我部家などが徹底抗戦して人口が減った場合、回復までに数年単位の時間を要し、足軽重視の大名家でプレイする際の大きな足かせとなる。
行軍システムと敵AIのミスマッチ
兵糧消費が激しい設計であるにもかかわらず、行軍における無駄が多い。
集結地点に近い部隊は、遠方からの部隊を待つ間も兵糧を消費し続ける。敵地侵攻前に既に大きな消耗を強いられる。
軍勢の切り離しができないため、一度大規模な軍勢を組むと、多方面への柔軟な対応が不可能になる。
敵AIの脆弱性を突いた兵糧攻め
敵はプレイヤーが出陣させた際の兵力のみを判断基準にするため、「大軍で敵を釣り出す→別働の小部隊を出す→大軍を解散する」という手順を踏むと、敵の大軍がプレイヤーの小部隊を相手に睨み合いを続け、勝手に兵糧切れを起こして自滅する。
農兵動員により一時的に数倍の兵力を誇示できるため、格上の相手も容易に無力化できてしまい、真面目に決戦を行う意義が薄れている。
雇用コストの不均衡
足軽(傭兵)の雇用コストが非常に高く、経済力の乏しい勢力は農兵に頼らざるを得ない。
織田家のような職業軍人(足軽)を主体とした軍事組織の再現がシステムに反映されておらず、どの勢力も似たような兵力構成を強いられる。
論争点
兵糧不足と史実再現の困難さ
兵糧の供給量が全体的に極めて少なく、日本半土を制覇した大勢力であっても常に兵糧不足に悩まされる。そのため、秋の収穫を待つだけの時間が頻繁に発生する。
小田原征伐のような大軍動員が兵糧面で非常に難しく、秀吉による天下統一の追体験が困難なバランスとなっている。ただし、当時の遠征が兵糧的に限界に近かったという点では「リアル」であるとする見方もある。
「決戦」の仕様とバランス
勝利条件が「戦況ゲージの完全優位」に集約されているため、精鋭を揃えるより、数に物を言わせた部隊で奇襲を行い、一気にゲージを振り切らせる戦術が効率的すぎる面がある。
兵数による攻防能力の増減や、士気・戦況への影響に差が設けられていないため、大軍としての機能が乏しく、維持費や兵糧を浪費するだけの存在になりがちである。
寡兵でも大軍を覆せるというコンセプトが、戦略の多様性ではなく「大軍と寡兵の戦闘力が同一」という極端な形となっており、内政による富国強兵の意義を損なわせているとの批判がある。
潰走状態への追撃でも兵力減少が緩やかであるため、大軍の完全殲滅は困難だが、挟撃による戦況悪化のみで決着がついてしまうため、数によるアドバンテージが非常に少ない。
狭所での兵力同数化、不利側の勝利による戦意の大幅上昇、敗北側部隊の強制解体など、小勢力優遇の仕様が重なり、大兵力を動員する戦略的メリットが欠如している。
攻城戦のオミット
前作『創造 戦国立志伝』で実装されていた攻城戦が廃止され、包囲された際の戦闘も守備側が打って出る野戦形式に統一された。これにより攻城の醍醐味が損なわれたが、後にPK版にて再実装されることとなった。
武将グラフィックの仕様と評価
有名武将に対し、内政時と合戦時の2種類のグラフィックが用意された。上杉謙信や北条氏康のように戦場のみで鎧を纏う演出は、時代考証の面からも高く評価されている。
一方で、グラフィック数確保のために織田信長などの主要武将の特定時期が前作の使い回しになるなど、リソースの配分に疑問符がつく箇所もある。
マイナー武将については『天下創世』時代からの使い回しが続いており、新旧グラフィックの質の差が目立つ結果となっている。
武将数と収録シナリオの乖離
シリーズ最多の2190人の武将を収録し、一条内政や小野政次といった新規武将も追加されたが、収録シナリオの期間設定と噛み合っていない点が指摘されている。
シナリオの範囲が「川越夜戦」から「夢幻の如く」までに縮小されたため、1545年以前に没した武将は「群雄集結」専用の特殊武将扱いとなり、本能寺以降の関ヶ原や大坂の陣で活躍する武将も出番が乏しい。
有料DLC「信長の誕生」についても、歴史イベントが欠落している一方で、特定の武将が唐突に死亡・行方不明になる仕様が放置されている。
鉄砲伝来前に鉄砲を売買・生成できる、あるいは鉄砲に関する方策を提案するといった、歴史的整合性を欠く手抜きとも取れる仕様が散見される。
武将数が増加した反面、個々の武将を活用するコマンドが乏しく、結果として寿命間近の武将の病気報告が頻発するなどの煩わしさだけが際立つ場面もあった。
歴史イベントの精査も甘く、PK版でも関ヶ原での島津の動向や大坂の陣での人物生存状況に不備があるなど、設定の粗さが目立つ。
城攻めにおける作業感と課題
決戦で敵主力に大勝したとしても、周辺の拠点を一つずつ個別に対処(包囲・強攻)しなければならない仕様が残っている。
主力決戦の結果が周辺地域の支配権に直接波及せず、一点一点の城攻めを繰り返す必要があるため、終盤になるほど作業的な負担を感じやすい。
「決戦の勝利に伴い、その影響下にある数箇所の城が連鎖的に開城・陥落する」といった仕組みがあれば、戦国時代の「合戦の結果が地域の趨勢を決める」という動的なリアリティがより強調されたのではないかという指摘も多い。
評価点
BGMの完成度
音楽面では過去作から引き続き大塚正子氏が担当しており、壮大かつ重厚な楽曲群はゲームの質を支える高い評価を得ている。
「決戦」システムの戦略的深化
近年のリアルタイム制から一転、フェイズ制(ターン制への回帰)を採用したことで、じっくりと先を読んで手を打つ戦略性が向上した。
「指示を出しても即座に戦場全体へ反映されるわけではない」というリアリティに基づくシステムは、アクション要素の強さに付いていけなかった旧来のユーザーからも支持されている。
陣形や作戦によって戦い方が劇的に変化し、敵の意図を読み合う遊びごたえがある。
「車懸かり」「啄木鳥戦法」「釣り野伏」といった史実の戦術がユニットの動きとして再現されており、専用戦法を持つ武将の個性も際立っている。
史実に基づいた着眼点とゲームバランス
安易な武力統一を難しくし、朝廷の認可による「惣無事令」での終焉を目指すバランスは、史実の推移に即している。
勝利による気勢の上昇や、有利な条件での講和交渉、膨大な兵糧消費による遠征の制限など、戦争を一大事として扱う設計がなされている。
戦争継続による流民の流出や厭戦感情の発生、民忠の低下など、敵国側にもデメリットを与えることで講和を引き出すといったリアルな設定が導入された。
武将能力の細分化
「政治」を「内政」と「外政」に分けたことで、足利義昭のような外交工作に長けた人物の価値が明確になった。
兵制と経済の相関
農兵と足軽の概念を志や方策と組み合わせ、序盤の農兵依存から、商業発展に伴う兵農分離(足軽主体)への移行という歴史的流れがゲームバランスに組み込まれている。
外交と商圏の連動
単なる不可侵条約に留まらず、同盟による商圏の通商開放が経済的メリット・デメリット(市場競争や収入の掠め取り)を生むため、将来を見据えた高度な外交手腕が問われるようになった。
志システムによる歴史への理解
各大名の固有の志には詳細な説明が添えられており、歴史的背景への説得力を高めている。志によって専用台詞も変化するため、各勢力の個性が強く打ち出されている。
行軍システムの刷新と遠征のリアリティ
前作『創造』で見られた「部隊の分散による街道の渋滞」が解消され、軍勢を一括して運用するシステムへと進化した。
大軍が一つの軍勢としてまとまって行軍するため、進軍ルートの管理が簡略化されるとともに、戦国時代における大規模な遠征の軍容がよりリアルに再現されている。
外交ハードルの緩和と同盟の利便性
大名間の心証(好感度)が上昇しやすくなり、戦略的な同盟関係を迅速に構築することが可能となった。
これにより、周辺諸国とのパワーバランスを考慮した外交展開がスムーズになり、プレイヤーの意図に沿った勢力図の形成が容易になっている。
柔軟な兵力配置と前線管理
各拠点における兵数をプレイヤーが任意に調整できる仕様となった。
前線には戦力を集中させ、後方の安定した地域には兵数を抑えるといった、戦略的・合理的な兵力運用が可能。拠点の役割に応じた自由度の高い軍備計画が実現し、統治のリアリティが増している。
大軍に対する牽制と決戦の緊張感
圧倒的な兵力を有する大勢力であっても、決戦の仕様上、容易に勝利を収めることは難しくなっている。
数の暴力だけで押し切れないバランス調整がなされており、勢力が拡大した後も一戦一戦に緊張感が伴う。小規模勢力によるジャイアントキリングの可能性も内包されており、常に気の抜けない戦略判断が求められる。
総評
兵糧バランスを整えればおもしろいゲームであった。
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最終更新:2026年05月10日 12:27