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東亰ザナドゥ

【とうきょうざなどぅ】
ジャンル アクションロールプレイングゲーム
対応機種 プレイステーション・ヴィータ
発売・開発元 日本ファルコム
発売日 2015年9月30日
定価 通常版:6,480円&br;初回生産限定BOX:7,600円(共に税別)
廉価版等 SAKURAまつりパッケージ&br;2016年3月24日/3500円(税別)
判定 ゴミ

概要

賛否両論点

  • 「ザナドゥ」ブランドの継承と乖離
    • 過去の『ザナドゥ』シリーズに見られた重厚な強化・育成要素は影を潜め、本作は純粋なアクションRPGとしての側面が強調されている。
      • 往年のシステムを期待する層からは「名ばかりのザナドゥ」と評されることもあるが、開発段階から現代劇のアクションRPGであることは公表されており、期待値のズレによる影響が大きい。
    • システムやUI、装備、手帳機能などは同社の『閃の軌跡』シリーズからの踏襲が色濃く、世界観設定においても「軌跡シリーズ」を彷彿とさせるオマージュ的なキャラクターや組織が散見される。
      • これらの要素から、ユーザーの間では「軌跡シリーズの現代版外伝」あるいは『那由多の軌跡』の流れを汲む作品と見なす向きも強い。
    • ダンジョン攻略の形式やステージ評価といったゲームサイクルからは、同社の『ツヴァイ!!』などの系譜を感じさせる部分もある。
    • 開発元は「ザナドゥ」の名を「会社として新しい挑戦をする際の節目」として冠しており、本作における挑戦は「現代劇」への移行であったとされる。そのため、ゲーム内容において過去作のメカニクスを再現することは当初から意図されていない。
      • ただし、異界ダンジョンの不気味な雰囲気やモンスターの描写など、細部において黎明期のPCゲーム版に対するリスペクトを感じさせる要素は存在する。

問題点

  • シナリオの傾向とキャラクター描写
    • ストーリーは非常に王道的かつ安定した構成だが、初の現代劇ということもあり、採用されている要素は定番の範疇を出ない。良くも悪くも「王道的な中二病要素の強いライトノベル」を地で行く内容となっている。
    • 「朝起こしに来る幼馴染」「海外出張中の両親」「ゲーム好きの親友」といった、アニメや漫画で使い古された記号的な設定が多く、オリジナリティの欠如や寄せ集め感を指摘する声がある。
    • 物語の演出や用語設定において「中二病」的な方向性を強く押し出しており、RPGファンであってもその過剰な演出に気恥ずかしさを覚えるなど、好みが分かれる要因となっている。
    • 主人公は「やれやれ」と口にしつつも困った人を放っておけない、いわゆるテンプレ的な性格。周囲の仲間も主人公を肯定する言動が目立ち、衝突や深い葛藤が少ないため、群像劇としての印象が薄味になりやすい。

  • 世界観と設定の描写不足
    • 物語には「ネメシス」「ゾディアック」「聖霊教会」といった多様な組織が登場するが、その多くが味方陣営として扱われるため、勢力間の対立や緊張感といった物語上の深みには寄与していない。
    • 敵対存在である「グリード」や、重要キャラクター「レム」の正体および行動原理など、核心部分が明かされないまま終わる要素が多く、尻切れトンボな印象を与えている。
    • 物語の舞台が終始杜宮市内に限定されており、世界の変異を内側からしか観測できないため、「杜宮の外と情報の往来が盛んになったことで因果の矛盾が顕在化した」という設定の落差や衝撃をプレイヤーが実感しにくい構造になっている。
    • 隠しエンド(トゥルーエンド)においては、前述の怪異とは異なる「神様」的な存在による奇跡でハッピーエンドを迎えるが、その具体的な伏線が不足しており、展開として唐突感が否めない。

  • キャラクターの扱いとシナリオ構成
    • メインキャラクターの一人であるミツキは、個別の主役回(加入章)が実質的にアスカの掘り下げに割り当てられているため、シナリオ面でやや不遇な扱いとなっている。
      • ただし、戦力面ではチャージ攻撃「ハーミットシェル」によるバリアが迷宮のトラップや戦闘において極めて有用であり、性能面で救済されている側面もある。
    • 同行者の選択肢に関しても、イベント進行中にメンバー変更ができない仕様があり、ダンジョンの属性相性やドロップ率ボーナスを考慮すると事前の選択がリスクになりやすい。
    • フレンドページや隠しクエストのコンプリートには、特定のタイミングで特定のモブに話しかける必要があり、見落とすと周回が必須となるため、攻略情報の参照なしでは手間がかかる。

  • システムと操作性の課題
    • グラフィック面ではポリゴンの角ばりが目立つ箇所があり、エフェクトが重なると処理落ちが発生するなど、最適化に課題を残している。
    • 自動回復スキル「オートリカバー」は、瀕死時に強制発動する上に一度使うとダンジョン脱出まで再使用不可となる。ボス戦前にリセットする手段もないため、道中での事故がそのまま戦力ダウンに直結する。
    • アクション面では、敵の攻撃範囲の広さやホーミング性能の高さに対し、回避の性能が著しく低い。無敵時間がなく、攻撃のキャンセルも効かないため、敵の予備動作を完全に把握した先読みの動きが求められ、爽快感に欠ける場面が多い。
    • 敵が攻撃を受けても怯みにくい仕様もあり、結果としてスキルによるゴリ押しや遠距離からの安全圏攻撃、バリアに依存した戦術が最適解となりやすく、アクションとしての戦略性を狭めている。
  • ストーリー展開の既視感と新鮮味の欠如
    • 『東亰ザナドゥ』は現代異能学園ものというジャンルにおいて極めて王道的なプロットを採用している。
      • 「平凡な日常を送る少年が突如として異能に目覚める」「日常の裏側に潜む異界の脅威」「放課後の学園生活と仲間の集結」といった、既存のアニメや漫画、ゲーム作品で使い古された記号的な構成が目立つ。
    • 特に同社の『軌跡シリーズ』やアトラスの『ペルソナシリーズ』との類似性が強く意識されており、システム面や演出において独自のアイデンティティを見出しにくい点が指摘されている。
    • 「ファルコム作品らしい安定感」はあるものの、同ジャンルの先駆的タイトルと比較した際の新鮮味や驚きに乏しく、既視感を拭えないという声が多い。
  • 序盤のテンポと構造の定型化
    • 世界観の土台作りや各キャラクターの加入イベントに多くの時間を割く構成となっており、物語の核心が動き出すまでの導入部が非常に長い。
    • 各章の進行が「日常パートでの事件発生→異界への突入・探索→最奥でのボス撃破」という極めて定型的なサイクルに終始しており、中盤以降は展開にマンネリ感が生じやすい。
    • ストーリー主導のRPGとしては丁寧な作りだが、次の展開が予想できてしまう「お約束」の繰り返しが、プレイの推進力を削ぐ要因となっている。
  • ダンジョン探索の単調さと自由度の低さ
    • 舞台となる異界ダンジョンは構造が一本道に近く、配置されているギミックもスイッチ操作や足場移動といった簡素なものに留まっている。
    • アクションRPGとして期待される「未知の領域を探索する楽しさ」や自由度が低く、指定されたルートを辿るだけの作業的な進行になりがちである。
    • 特に後半戦においても視覚的な景観の変化や構造的な工夫が少なく、数をこなすにつれて単調な印象を強める結果となっている。

  • 戦闘システムの底浅さとバランス
    • ボタンレスポンスが良く操作感そのものは軽快だが、戦闘の組み立ては「高性能なスキルの連打」や「回避による位置調整」に偏りがちである。
    • 敵AIの行動パターンが単純なため、複雑な戦術を練る必要性が薄く、高難易度設定であっても「回避を最小限に抑え、被弾前に圧倒的な火力で押し切る」というゴリ押し戦法が最適解になりやすい。
    • アクションゲームとしての駆け引きや奥深さに欠ける点は、やり込みを重視するプレイヤーにとって物足りなさを感じさせる一因となっている。
  • カメラワークと視認性の問題
    • 狭い通路や遮蔽物の多いエリアでは、カメラが壁にめり込むなどして視認性が著しく低下することがある。
      • 特に壁際での戦闘においては自キャラや敵の挙動を把握しづらく、ロックオン機能の挙動も不安定なため、意図しない対象にターゲットが吸われるなど操作ミスを誘発しやすい。

  • キャラクター描写の偏りと主人公の造形
    • 主要キャラクターの人数が多い反面、シナリオ上での深掘りや見せ場には明らかな格差が存在する。
      • 加入直後の章こそ焦点が当たるものの、その後は物語の進行に埋もれて存在感が希薄になるキャラクターも散見される。
    • 主人公である時坂洸についても、万能かつ無難な「優等生」的立ち位置に終始しており、人間的な弱みや葛藤の描写が少ないことから、インパクトに欠けるという意見も少なくない。

  • 交流・絆イベントの深化不足
    • キャラクターとの交流を深める絆イベントが用意されているが、類似システムの代表格である『ペルソナ』シリーズ等と比較すると、イベント内容の濃密さや関係性の変化に乏しい。
      • 恋愛的な進展も非常に控えめであり、物語を通じての人間関係の構築が淡白である点は、学園ドラマとしての満足度を損なう要因となっている。

  • 舞台設定の規模感と往復のマンネリ化
    • 拠点となる杜宮市は、地域密着型の雰囲気作り自体は丁寧になされているものの、実際に探索可能な範囲は限定的である。
      • ストーリー進行のために同じエリアを幾度となく往復する構成となっており、後半戦になるほど舞台としての新鮮味が失われ、移動作業に対するマンネリ感が生じやすい。

  • サブクエストの定型化と作業感
    • 用意されているサブクエストの多くが「特定の敵の討伐」や「指定されたアイテムの回収」といった、いわゆる「お使い」的な内容に終始している。
      • 物語を補完するようなエピソードが少なく、報酬を得るためのノルマとして淡々と消化するだけの作業になりやすい。
  • 終盤の急展開と情報の過密
    • 物語の後半から世界観の核心に迫る設定が一気に開示されるが、それまでの等身大の学園生活から一変して「世界の危機」へとスケールが急拡大する。
      • 膨大な情報が短期間に詰め込まれるため、一部の設定が十分に掘り下げられないまま伏線回収を急ぐ形となり、中盤までの路線との極端な温度差に困惑する声も多い。
  • グラフィック水準とモーションの硬さ
    • PS Vitaをベースとして開発された作品であるため、当時の据え置き機の水準と比較しても背景テクスチャやキャラクターモデルの質は高いとは言い難い。
      • NPCの行動パターンやイベントシーンでのキャラクターの動きも硬く、演出面での古臭さを指摘する意見が見られる。
  • ボイス量の偏りと没入感
    • メインストーリーの重要場面を除き、会話の大半が「部分ボイス(パートボイス)」となっている。
      • 膨大なテキスト量と会話の応酬が特徴の作品であるだけに、声のないシーンが続くことで物語の没入感が削がれるという物足りなさを指摘する声もある。
  • UIおよび操作周りの不便さ
    • メニュー画面の遷移や装備・スキルの変更手順が煩雑であり、頻繁に行うアイテム整理の快適性も十分とは言えない。
      • 特にスキル育成システムに関しては導線が不親切であり、効果や成長要素を直感的に把握しにくい側面がある。

総評

    • 全体として未完成な部分が目立つ作品である。

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最終更新:2026年05月10日 22:46