8スレ目804



今日は久しぶりに、実家に帰省する日だ
社会人になって10年、俺ももう32だ
久しぶりに帰ってきた実家のインターホンを押す
「はーい」
「あら、京介じゃない」
「よっ おふくろ」 
俺は軽く挨拶をする
「こんにちは 綾乃ちゃん」
「こんにちは おばあちゃん」
お袋は俺には目もくれず孫の綾乃に話しかけている
「ささ あがってあがって」
俺たちはリビングへと通される
「お従兄ちゃん♪」
綾乃がリビングのソファで本を読んでいた男の子に駆け寄る
「久しぶり、綾乃ちゃん」
このガキの名前は高坂祐介、桐乃の息子だ
ムカつくことに、桐乃に似たのか、かなりのイケメンでお袋によると神童とか呼ばれてたりもする
完璧超人のようなやつらしい 親父もこいつにはすごい期待をかけているらしく、激甘だとか
そして、俺の娘の高坂綾乃もこいつにベタボレときてる このくそガキめ

そんなことをしていると、桐乃が階段を降りてくる
「あ、兄貴来てたんだ」
「おう、お前は今日は仕事休みか」
「ううん、今も原稿書いてるとこ」
こいつは、高校で陸上をやめた後は、タレント兼作家をやっている
TVにもときどき出ている結構な有名人だ
今は、祐介の世話をお袋たちに任せて実家で暮らしている

「あ、綾乃ちゃんだ~♪」
綾乃を見つけると駆け寄って頬ずり始めやがった 久しぶりにあった兄との語らいとかはないのかよ!
「きゃ、くすぐったいよぉ」
「ああ、綾乃ちゃんかわいいなぁ、うちの子になりなよ」
「だめだょお」
俺は桐乃から綾乃を引き離す、たく、こいつはいつもこうだな
「綾乃ちゃん、祐介のこと好きだよね?」
「うん、お従兄ちゃん大好きだよ」
「はぅう」 
桐乃のやつなに恍惚の表情してやがる、妹キャラに反応しすぎだろ
「大きくなったら祐介のお嫁さんになってあげてね」
「うん、いいよ」
「ちょ、母さん!」
「照れない、照れない」
「綾乃ちゃんが祐介と結婚したらあたしの娘になるもんね」
「はい、はいわかったよ。少し落ち着け」
桐乃は綾乃に会うといつもこの調子だな。 祐介と綾乃をくっけるのは俺としては少し複雑な気分なんだが
別の話になるが、祐介は実は俺と桐乃の子だ。俺と桐乃以外は誰も知らないけどな
また、機会があればこのときの話もしようと思う

「京介、来てたのか」
「よう、親父久しぶり」
「おじいちゃんこんにちは」
綾乃が元気に親父にあいさつする
「あ、ああ。こんもちは綾乃」
親父のやつも顔がにやけてやがる、子供には厳しかったのに、孫には激甘な典型だな
「あんたたち、夕飯食べてくでしょ」
「ああ、そうするつもりだ。あいつも友達と夕飯食べてから帰ってくるらしいから」

いろいろあったけど、今はこんなにうまくやれてるんだから、結果的にはよかったのかな
そんな風に俺は一人考えていた

pi pi pi pi pi
「う~ん」
私は眠い目を擦りながら目覚まし時計を止めます
「ふわぁ」
私はまだ肌寒さを我慢して布団から出て、真新しい制服に袖を通します
鏡の前で髪型を整えて、「うん、これでいいかな」
私は、階段を降りてリビングに降ります
「おはようございます!」
リビングに降りると、テレビを見ている桐乃さんと、新聞を読んでいるおじいちゃん、朝ごはんを作っているおばあちゃんがいた
「おはよう綾乃ちゃん、制服似合ってるねかわいいよ」
「えへへ、ありがとうございます桐乃さん」
この人は高坂桐乃さん、お父さんの妹で、お母さんの親友。叔母さんに当たるんだけど
子供のときに叔母さんとよんで怖い顔で「叔母さんじゃないでしょ?お姉ちゃんでしょ?」といわれてから
私は桐乃さんがすごく喜ぶのもあって、お姉ちゃんと呼んでたんだけど、さすがにこの歳になってまで
お姉ちゃんと呼ぶのも抵抗があって中学生になった頃から桐乃さんと呼んでいる。
すごく美人で、才能もあってあこがれちゃうな
「おはよう、綾乃ちゃん。朝ごはんもうすぐできるわよ」
「今日は入学式だな、綾乃ももう高校生か」
「はい!」
この人たちは私のおじいちゃんとおばあちゃんです。とってもやさしくて大好き
「綾乃ちゃん、祐介を起こしてきてくれる?」
「はい、わかりました」
桐乃さんにそういわれ私は、再び2階にあがる
祐介とは高坂祐介と言って桐乃さんの1人息子で私の従兄にあたります
学年は一緒なんだけど私は早生まれなので、年齢は私のほうが1つ下になります
それもあって小さいころからお兄ちゃんと呼んでたんだけど、最近人前ではお兄ちゃんとは呼ぶなと言われるので
祐介くんと呼ぶことが多いです。
コンコン
「祐介」と書かれたプレートがかけられたドアをノックします
この部屋は昔お父さんの部屋だったらしいです。
「お従兄ちゃん起きてる?」
返事はありません
「入るよぉ」
私は部屋の中に入っていきます、どうやらまだ寝ていたようです
私はまずカーテンを開き、肩を揺すります
「お兄ちゃん起きて、朝だよ、入学式遅刻しちゃうよ」
「ううん、あと5分」
「だめ!早く起きて!」
私は布団を剥ぎ取ります
「寒!!、おい綾乃何すんだよ」
「いいから早く起きて、もう朝ごはんもできるよ」
「わかったよ」
お兄ちゃんは起き上がってパジャマを脱ぎ始めました
「わっ!いきなり脱がないでよ!」
「男の裸なんてハズカしがるようなものじゃねーだろ」
「だっ、だからって」
「わかったよ、ごめん、謝るから。先に降りて待っててくれ。すぐに降りるから」
「うん、急いでね」
私は背を向けたままドアを閉め、そっと胸を押さえます
ううまだドキドキしてるよ、顔も熱いし
気を取り直してリビングに降りて待ちます
「おはよう」
「おはよう祐介」、「うむ、おはよう」、「おはよう祐介、綾乃ちゃんに変なことしてないでしょうね」
「してないよ!まったく」
「私たちもあとから入学式見に行くからね、京介から写真とビデオ撮っておいてくれって頼まれてるから」
「はい」 お父さんたち楽しみにしてたもんな
「あのバカ兄貴はいつまでたっても娘離れできないよね」、「娘のいる男親とはそういうものだ」
そんな楽しい会話を朝からして、私たちは家を出ます。「いってきまーす」、「いってきます」
今日から高校生活が始まります、初めてお兄ちゃんと同じ学校に通うことになってうれしいな
楽しい毎日になるといいな。そんな風に思いながら私は歩を進める。

「それじゃ、お父さんたち行ってくるからな」
「おじいちゃんたちに迷惑かけないようにするのよ」
「もぉ、そんなことわかってるよ。私もう高校生だよ」
綾乃は、ふくれっつらをして拗ねる
「はは、そうだな。親父、綾乃のこと頼んだぞ」
「ああ、母さんも楽しみにしているようだ、任せておけ」
「すみません、お父様にご迷惑をおかけして、この子がどうしても日本にいたいというものですから」
「かまわんよ、友達と離れて知り合いが誰もいない外国に行くのを嫌がるのはこの年頃なら当然だ」
「搭乗のアナウンスだ、行かないと。」「そうね。綾乃お祖父ちゃんたちの言うことよく聞くのよ」
「うん、わかってるよ、行ってらっしゃい」
俺たち夫婦は空港に見送りに来ていた親父と綾乃に手を振って、搭乗口へと向かった。

いきさつは、こういうことだ
昨年、会社からニューヨーク支社への転勤を命じられた。期間は2年間
家族で話し合った結果、俺を単身赴任させるのは心配だからと妻はついて行くという結論になった
問題は綾乃だったが、日本を離れるのは嫌だと譲らず、泣かれてしまったので
俺は親父に頼んで、高坂の実家で預かってもらうことにした。綾乃も志望校を高坂家に近い俺の母校に決めた
綾乃の友人も何人か志望校にしていたようなので、本人曰くちょうどよかったとのことだ。
祐介のやつに電話で同じところを志望校にしたと、うれしそうに報告していたのを見て
少しイラついたのは、秘密にしておいてくれ。

そんなこんなで、飛行機に乗り込み俺たちは席についた
「ほんと、悪いな。お前までついてくることになってしまって」
「かまわないわよ、あなた一人だと心配だもの」
「そうか」、「ええ」
そして、飛行機は離陸し、俺はもの思いにふけっていると、あの時のことを思い出してしまった。

大学を卒業し2年目になるころのことだ
「そっか兄貴、結婚決めたんだ」
「ああ」
「うん、おめでと」
「ありがとよ」
俺と桐乃はとあるホテルのレストランにいた
桐乃から久しぶりに会おうよと言われ呼び出されたのがここだ

「それじゃパーッと飲もうよ。ね」
「わかったよ」
それから、俺たちは互いの近況報告をしたり、話に花を咲かせていた
「うう、飲みすぎたかな。ふらふらする。」
「おい、しっかりしろよ」
そういいながら、俺もかなり足元がおぼつかない状態だ
「仕方ねーな。桐乃ここで少し待ってろ」
この状態で帰るのは無理だと判断した俺はフロントへ行って泊まれるかきいてみることにした
幸い、部屋は空いていたので、俺は1晩泊まっていくことにした
「おい、桐乃、まだ寝るな、部屋とったから行くぞ」
「ううん」
俺たちはそんなこんなで兄妹2人で1晩を過ごすことになった。思えばこれが桐乃の策略だったんだよな。

「ほら、ついたぞ。大丈夫か?
俺は備え付けの冷蔵庫からミネラルウオーターを出して桐乃に飲ませてやる
「はぁ、ありがと、だいぶ楽になった」
「そっか、そりゃよかったよ」
「あたし、シャワー浴びてくる」
「大丈夫か?」
「大丈夫だから」
桐乃が風呂へはいったあと、俺も冷蔵庫から飲み物をだし飲む
「ふう。そういえば前にもこんな風に桐乃とホテルへ入ったことあったな。あの時はラブホだったけど」
そうこうしてると桐乃がバスローブ姿で出てくる、俺もシャワー浴びるとするかな
「俺もシャワー浴びてくるから、先寝ていていいぞ」
「そっ、わかった」
俺が出てくると桐乃はテレビを見ていた
「なんだ寝てなかったのか」
「みたいアニメがあったからね」
こいつもかわらねえな
「そうかよ」

「ねえ、兄貴お願いがあるの」
「なんだよ、突然」
「あたしを抱いてよ」
「へ?」
なっ!こいつ今なんていった?冗談にしてはたちがわりいぞ
「あたしからの最後のお願い、あたしを抱いて。」
「おい、冗談はよせよ、俺をからかうのもほどほどに、うむぅ」
こいついきなりキスしてきやがった、しかも舌まで入れてきやがる
「お願い!このまま兄貴が結婚したら、あたし一生後悔する」
「これまで誰とも付き合わないで、兄貴だけを見てきたの!だから、だから」
「これが最後でいいから、あたしの初めてを兄貴に奪ってほしい!そうしたらあたしも覚悟を決められるから」
「お願い!お願いだから ぐす、ひっく、ぐす」
こいつ、そんなこと考えてやがったのか。俺はこいつにそんな思いをさせてきてたのか。
思えば、俺も桐乃も酔っていたのもあったんだろう。こんなに感情をだして雰囲気に流されてしまうなんて
冷静に考えればありえないことだった。だけど今更そんなこといってもどうにもならない。
起こっちまったことは取り消せないんだから。

「わかった、これだけお前を思いつめさせたのは俺の責任だ」
「だけど、本当にいいんだな?」
「うん、お願い」
くぅぅ、こいつなんてかわいい表情しやがるんだ

俺は桐乃のバスローブを脱がし、そのままショーツも取去る
桐乃の乳首とアソコを弄り、十分に感じさせてた頃には俺のアソコももうギンギンになっていた

「はぁ、はぁ。兄貴のそれすごいことになってるね」
「っ、仕方ねえだろ。俺だって男だこんなことしてりゃなるさ」

「ねぇ兄貴もう、いいから挿れて」
「本当にいいんだな?」
「うん」
俺は桐乃の膣口にあてがい腰を落として挿入していった
桐乃は痛みからか涙を流していたが、まったく痛いとはいわず、うれしそうな顔をしていた
おれはふと、挿入口のあたりを見ると、結構血がついていた。
「お前、本当に初めてだったんだな」
「あたりまえじゃん、兄貴よりあたしのこと大事にして、守ってくれる男なんていなかったんだから」
「そっか」
うれしいこといってくれるぜ。兄貴冥利につきるな。こんな風に思うのも俺が重度のシスコンだからだろうか
「桐乃動くぞ」、「うん、いいよ」
俺は夢中で腰を振った、桐乃は痛いだろうに、俺を喜ばせようと自分から動かしたりしている
「くっ、だめだ!もう出る!」
「っ、お願い!中で出して!、初めては中で出してほしいの!」
「なっ!バカなこというな。」
「やだ!」桐乃は俺の腰に脚を絡みつかせてくる
「おい桐乃!、ぐぅだめだ。もう出る!」
「あああ、はぁはぁ兄貴のが出てるのわかる、お腹の奥熱い」
それから俺のが萎えて桐乃から抜いたあと、俺は桐乃を問いただした
「どういうつもりなんだよ。」
「どうしても初めては兄貴のを中に欲しかったの!悪い!」
こいつ、開き直ってやがる
「もし、できちまったらどうするんだよ!」
「いいよ!産むもん!あたし一人でも育てて見せる!」
「おまえ・・・」、「疲れちゃった、ねぇ腕枕してよ。今晩だけは恋人のようにさせて」
「はぁ。わかったよ」
俺は桐乃のお願いを聞いてやり、朝まで腕枕をしてやり、眠りについた

それから2か月後、俺は結婚した。
式では桐乃も盛大に祝福してくれた。一番喜んでくれてるように見えたのは桐乃だった

それからしばらくしてからのことだ。
俺は仕事中にかかってきた妙に真剣な声の桐乃からの電話で喫茶店に向かった。
このとき俺はなにか嫌な予感はしていた

「それで、仕事中に呼び出すなんて、いったい何事だ?」
「兄貴、あのさ。まず、何を聞いても絶対に驚かないって約束して」
「あ、ああ」
「あのさ、あたし。妊娠してるの。兄貴の子供」
「え?」「だから声出さないで。」
「あ、ああ悪い」「って妊娠?俺の子供?」
「そっ。あの時の子供。今3か月目だって。」
「少し前から妙に気分悪いし、あれも来ないからおかしいなと思って、病院に行って確かめてきたの」
「どっ、どうするんだよ!」
「どうするって?産むにきまってるじゃん。あの時も言ったでしょ」

「でっ、でもよ。親父たちにはなんていうんだよ」
「大丈夫、言い訳は考えてあるから」
「それで兄貴に言っておきたいことがあるの」
「なんだよ」
「この件に関しては一切かかわらないで。あたしだけで何とかするから」
「もし、兄貴になにか聞いて来る人がいても俺は何も知らない。」
「そんなこと聞いて驚きだって感じで通して欲しいの」
「なに言ってんだよ俺の子供だろ」
「だから!、兄貴の子供だから、あたしは守りたいの。この子は絶対に産む。兄貴には迷惑かけないから」
「読モは大学卒業したらやめるつもりだったし、そっちに関しては大丈夫」
「親や友達にはあたしからうまく言うから。お願い、決心をぶれさせないで。」
そういう桐乃の顔は今まで見たこともないほど、真剣で強い決意を感じさせられた
「だから、兄貴は普通に新婚生活続けてよ、怪しまれないように。」
「しばらく、あたしとも連絡は取らないようにして」
「わかった。だけどなんかあったら必ず言うんだぞ。俺も覚悟はするから」
「うん」

それからが大変だった。まぁ俺は人から聞いた断片的なことしか知らないんだけど
かなりゴタゴタしたみたいだ

お袋たちから聞いた話だと
桐乃は大学で知り合った男とそういう関係になって、子供ができたといったらしい
その男は自分の夢をかなえるために、大学を中退してアメリカにいったという
そのときに桐乃にもついてきて欲しいといったが、日本から離れたくないということで別れたとのことだ
桐乃はその男の夢の邪魔はしたくない、子供のことで困らせたくはない
「この子は自分一人で育てる」と親父たちに言い放ったらしい
その強い決意をにじませた表情にお袋は気圧されたと言っていた、親父もきっとそうだったでしょうと
親父は大暴れして、男を探し出そうとするかと思ったけど、「勝手にしろ!といっただけだったらしい」
俺のところには、桐乃から話を聞いた、あやせや瑠璃が俺が何か知っているのではないかと
訝しげに問いかけてきたが、桐乃に言われたとおり知らぬ存ぜぬ、俺もお袋から聞いて驚いてると答え
決してボロを出すようなことはしなかったし、周りの反応を見る限りボロを出していないと確信できる。
沙織や麻奈美は特に詮索するようなこともなく桐乃の身体を気づかったという

それからしばらくたち、産まれるのが近づいてくると一番気にしていたのは、なんと親父だったというのだ
お袋だけにいったというのだが、親父は「俺が桐乃の子の父親代わりになってやる。決して不自由はさせない」
と言ったというのだ。これを聞いたときは俺も驚いたね。よほど娘がかわいいのかね。
今になって思えば初孫が生まれるということもあったのかも知れない。生まれてからの可愛がり方は凄かったからな。
祐介という名前を決めたのも親父らしい
桐乃とお袋が子供の性別がわかったと話をしていたのを聞いたらしく、その後命名の本とか買い込んで
なんども字を書いて眺めていたというのだ。

俺が久しぶりに桐乃と顔を合わせたのは祐介が生まれてからだ。
病院に見舞いに行ったときだな。その時に桐乃から言われたよ。
「あたしは、あの子の父親が本当は兄貴だってことは一生誰にも絶対に言わない。
あの子にも一生話すつもりはない。だから兄貴も一生誰にも話さないで」とな

それから数ヵ月後の3月に俺の娘綾乃が生まれたというわけだ。

桐乃のやつがあの2人をくっつけたがってるのは、きっと
自分ができなかった、名実ともに兄妹での結婚を実現させたいとか思っているのだろう。

そんなことを考えながら俺は、眠りについた。

俺たちは高校へ向けて並んで歩き出した、さわやかな朝の風が気持ちいい
春らしい緑のにおいもする
「祐介くんと、一緒に登校できるのは初めてだからなんかうれしいな」
隣を歩く、綾乃が俺にうれしそうに話しかけてくる。 
腰まで伸びた長い黒髪が綺麗で、可愛い表情をされると、地がいいものだからかなりドキっとする。
「まぁ、一人で登校するよりは楽しいかな」
そんな風に会話をしながら登校した俺たちは、クラスわけが張り出された掲示板に向かう
そこには人だかりができていて、見に行くのは大変そうだった
「うわぁ、これ見に行くの大変そう」
「俺が行ってくるよ、綾乃はちょっとまってろ」
そういって俺は駆け出した。ちょっとカッコつけたみたいで恥ずかしい
「うわぁこれは大変そうだな、え~と、うお!く、苦しい。」
なんとか見える位置までこれたぞ、どれどれ
「高坂、高坂、1組にはないな、2組はっと。お、あった高坂。って同じクラスかよ」
さて確認できたし戻るか
「はぁはぁ、同じクラスだ、2組だったぞ」
「そっか、ありがと」
「それじゃ行くか」「うん」
教室に入ると、まだ席は決まってないので適当な席に座る、綾乃も隣に座ってきた
この入学式前の独特な緊張感はなんともいえないものがあるな
「綾乃、この高校に友達何人か来てるんだよな?クラスにいるか?」
「ううん、この中にはいないな。祐介君は?」
「俺も今のところはいねぇな」
「あっ高坂じゃん」
「え?」「え?」
「よっ同じクラスみたいだな」
「赤城、お前もこのクラスなのか」
「ああ、もう何年連続だ?いい加減腐れ縁だよな」
「小学低学年の頃から同じだからな」
「ところでその隣の女の子はどういう知り合いだ?なんか親しく話してたけど」
「ああ、話したことあるだろ。俺の従兄妹だよ。」
「そういえば、同じ高校に合格したって言ってたな」
「へぇ可愛い子じゃないか、ホントお前恵まれてるよな」
「んなことねぇよ。そういやここのサッカー部の監督お前の親父さんなんだよな?お前も入るのか?」
「まぁな。やりにくいっちゃ、やりにくいが公私のけじめは付ける親父だしさ問題ないだろ」
そんな話を赤城としている間に綾乃の友達も登校してきたようで、楽しそうに話している。
キーンコーン
「チャイムだ。じゃまたあとでな」
鳴り終わるのとほぼ同時に、教師が入ってきた。
メガネをかけた、やさしそうな女性教師だ・
「みなさん、おはようございます。私がこのクラスの担任の田村麻奈美です」
そして、連絡事項を聞いたあと、入学式場に移動する
入場するときに見えたが、朝言っていたとおり、うちの家族はみんな来ているようだ
長い話を聞き終わり、途中俺が新入生代表挨拶をし、式場から教室へと再び移動する
諸々の今後の予定などのプリントをもらい、自己紹介をして、説明を聞いた後今日の予定は終わった
「さて、部活は今日はまだないから、帰るか」
「そうだね」
「高坂またな」
赤城が挨拶してくるので俺も椅子に座ったまま軽く手を上げて挨拶を返しておく
「ああまたな」
綾乃のほうも友達とまたねとか言い合っていた
「あっ、高坂君、高坂さんちょっといいかな?」
俺たちは廊下に出ると、後ろから先生に声をかけられた
なんだろ?
「え?はいなんですか?」綾乃が問い返すと
「2人ってもしかして、高坂京介さんと、桐乃さん知ってる?」
「え?えっとはい、こいつが京介さんの娘で、俺は高坂桐乃の息子ですけど。」
俺はそう返答し、先生に問い返す
「えっと、先生は俺たちの親知ってるんですか?」
「あっうん。幼馴染みだったんだ。お互い忙しくて、もう結構長い間疎遠になっちゃってるけどね」

「そうだったんですか」
どうりで俺は見覚えないわけだ、隣をちらりと見るとこっちも見覚えはないといった顔をしていた
「でも、うれしいな2人の担任になれるなんて。これも何かの縁だし1年間よろしくね」
「あっはい」「はい、よろしくお願いします」
「じゃあね」手を振って先生は生徒でごった返す廊下を歩いていく
「まさか、お父さんの知り合いが担任の先生なんてビックリだね」
「ああ、正直驚いたよ」 ホント世間は意外と狭いのか?
帰り道を二人で並んで歩く、日差しが暖かくていい気持ちだ
綾乃も、同じみたいで、手を顔の上にかざして空を見ていた。
こういう仕草がすげえ似合うよなこいつ。
「ほら、早く帰ろうぜ」
俺たちは再び並んで住宅街を歩いていった
「ただいまぁ」
俺たちがリビングに入ると3人とも帰ってきていて昼食が用意されていた
「お帰り、お昼できてるわよ。早く着替えてらっしゃい」
「は~い」
綾乃がうれしそうに階段を上っていき、俺も後につづこうとすると
「祐介、立派な新入生代表だったね、さすがあたしの息子」
「ああ堂々とできていたな」
こうしてほめられるとなんだか照れくさいな
「まぁ。あれくらいこれまで小中と何度もやってるから、なんてことないしな」
うわあ、照れ隠しで何気に余計恥ずかしいこといっちまった。
部屋に入ると、さっさと着替えを済ませ、食事に向かった

食後、俺はてもちぶさたになっていた
「ぐああ、暇だ!春休みの間に漫画もゲームも積んでたのはほとんど消化しちまったしなぁ」
さてどうするか 俺はベッドの上で寝転んだまま考える
ゲーセンにでもいこうかな、そういや綾乃は何してるだろ
対戦相手ができたことだし、あいつと対戦ゲームでもしようか
よし、呼びに行くか
「おーい、いるか?」部屋の扉をノックして声をかけると、ドアがゆっくりと開いた
「どうしたの?」
「いや、暇をもてあましててさ、よかったらゲームの対戦相手してくれないか?」
「うん、いいよ。」
2人で俺の部屋に向かいながら聞いてみた、「お前はさっきまで何やってたんだ?」
「まだ、荷物が全部片付けられてないから、片づけしてたよ」
「手伝おうか?」何気なく言ってみると、赤くなって
「い、いいよ、大丈夫一人でできるから」 「ぼそ・・・見られたら恥ずかしいものもあるんだから」
「ん?最後よく聞こえなかったけど」
「なっなんでもない」

さてなにやろうか
「いろいろあるけど、どれやる?」
「まずは。これなんかどうかな?」
選んだのはいろんなゲームのキャラが選択できる複数対戦もかのうな格闘系のゲームだ」
「おっこれか、俺結構強いぞ」
「そうなんだ、私も何度か友達とやったくらいだけど結構自身あるよ」
「いったな、勝負だ!」
意気込んで得意なキャラを選んで勝負にいどんだが。
ギタギタにやられました。あれ?まったく動けなかったんだけど。
「今のは肩慣らしだ、次は本気で行くからな」
結果、俺はほとんど身動きすることもできずにやられた。
あ、あれ? その後シューティングやレーシングとジャンルを変えて勝負したが全く勝てる気がしない
中にはやったことがないというゲームでも勝負したが序盤は俺が押していても、最後には負けていた
「また、私の勝ちだね。」 「くっそぉ、お前強すぎるだろ」 「ふふん、才能の差かな」
俺は寝転がり、ちょっと拗ねて見せる。くそお、かなり悔しいぞ。

その後、夕食を終えて、風呂からも上がり、トイレに入ろうとしたとき事件は起きた

扉を開けた瞬間、俺の時間は止まったかと思った、いや、それくらい時間の流れがゆっくりに感じたんだよ
たぶん向こうも同じだったろうな、俺の顔を見て完全に固まっている。
なんというか、目の前にスカートと下着を下ろしてる綾乃の姿があったわけだよ。
なんというか、眼福の光景だった。女の子の、その、大事な部分が見えてるんですよ。

だけどそんな眼福な光景もいつまでも見ていることができるわけないよな
俺は、我にかえると、あわてて扉を閉め、捲くし立てるように謝る。
「わ、悪い!、ま、まさか入ってるとは思わなくて、鍵もかかってなかったし!」
「「本当にごめん!」」
やばい、これはやばいぞ、漫画とかゲームでならラッキースケベとかで済まされるけど
リアルでこれはやばい!!
すると、水を流す音が聴こえたので、俺は慌てて、ドアの前から離れる

そっとドアが開き、伺うようにドアを開けて出てきた

俺は硬直していたが、こちらを向いた瞬間に、いきなり土下座をした。
「「ご、ごめん!、本当に悪かった!」」
すると、しゃがみこむような気配がして、俺の肩にそっと手が置かれる
ゆっくりと顔を上げてみると、赤い顔をして
「も、もういいから。これは事故だし、私もつい鍵かけ忘れたし」
「お互い忘れよ。ね。」
それだけ言って、足早に部屋へと向かっていく
その場に取り残された俺は、呆けたまま、その行方を目で追っていた。
「ビンタくらいは覚悟してたけど、助かったのか?」

そう一人つぶやいて、部屋へと向かった。
ベッドに寝転んで目を閉じると、さっきの情景が鮮明に浮かぶ
慌てて頭を振るが、それは消えてくれなくて。
「忘れようったって無理だろ」
「エロ本で見るのとは、ぜんぜん違ったな。なんていうかすげぇ綺麗だった。」
そう呟いて俺は再び目を閉じる。
これからもこんなハプニングがあるのだろうか?
今日の出来事を一瞬思い浮かべる
俺の高校生活はいろいろとこれまでとは大きく変わった毎日をすごすことになりそうだ
そんなことを考えながら、俺は眠りについた。





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最終更新:2010年11月14日 13:12
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