かいゆっくりじゃなくてごめんね!! 下 30KB
虐待-普通 制裁 パロディ 理不尽 自業自得 自滅 家出 同族殺し 飼いゆ 野良ゆ ゲス 捕食種 都会 現代 虐待人間 愛護人間 長いので二回に分けさせてもらいました。
その後電話での相談の結果、れみりゃは男の同僚に飼ってもらう事になった。
結構な数を飼っているらしく、男が渡したれみりゃを42番目だと言っていた。
とてつもない溺愛っぷりだったからきっと可愛がってくれるだろう。
それにしても40匹以上飼ってるなんて本当にれみりゃが好きなんだな、と男は思った。
とりあえずれみりゃに対してはこれで何とかなったので男は一安心する。
そして男は、
「さて、と…」
今日もまた仕事を終えて帰宅し、ジャージに着替えてストレッチを始める。
「ゆ…?」
「むきゅ?」
自分達の目の前で突然ストレッチし始める男に三匹は困惑した。
「わからないよー…」
何で男がこんな事するのか三匹は理解できない。
鎖という拘束を受けて徐々に疲労の色を見せ始めた三匹は疲れた眼で男を見る。
そうこうしてると男のストレッチが終わったらしく、まりさ達に近付いてくる。
そして…、
「それじゃ散歩に行こっか」
邪気のない笑みでそう告げた。
「ゆゆ!?」
「おさんぽ!?」
その言葉に三匹は反応する。
何故かゆっくりは散歩をゆっくり出来るものと考える傾向がある。
鎖で行動範囲を狭められた今、ゆっくりしたい欲求はとても大きいものだったのだろう。
鎖から開放されて自由に行動出来ると判断した三匹は喜びに湧く。
「ようやくじじいもまりさのつよさをりかいしたんだぜ!!」
「むきゅ、ぱちぇはそれよりもごほんをよみたいわ!!」
「わかるよ~おさんぽはゆっくりできるんだよー!!」
喜びに湧く三匹。
散歩はゆっくり出来るという点と、この鎖の戒めから脱せられるというのは願ってもない事だった。
「おお、元気だなぁ」
男はゆっくりの考え等気付きもせずに元気な様子に顔を綻ばせる。
「それじゃ準備をしようか」
「はやくつれてくんだぜ!
ぐずはせいっさいするんだぜ!」
「むきゅ、ぶんぶりょうどうもわるくないわ!」
「わかるよーはやくじゆうにしてねー!」
騒ぐ三匹。
しかし内心は、
『じゆうになったらすぐにころしてやるんだぜじじい!!』
『むきゅ、ここにいたらいのちがいくつあってもたりないわ。
じゆうになったらばかなまりさやちぇんをおとりにしてにげるわ!あのばかなじじいならきっとひっかかるわ!
ぱちぇにしかおもいつかないすばらしいさくせんね!!』
『おさんぽなんだねーたのしみだよー。でもじじいはしんでねーわかるよねー♪』
と好き放題男を罵っていた。
既に昨日のれみりゃの事は忘却の彼方で、男に対する評価も元に戻っていた。
男を制裁しようとするモノ、男から逃亡しようとするモノ、何も考えていないモノ、その全てが散歩の瞬間を待ち望んでいた。
「それじゃ、行くよ」
そしてその時は来た。男はゆっくり達から背を向けて歩き出す。
その右手に三本の引き綱であるリードを持って…。
「ちょっとまつんだ…ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
「むっきゅうううううん!!?」
「わがらないよおおおおお!!?」
リードは三匹のベルトに繋がっており、男がそれを引っ張っていく。
いや、正確には引きずるが正しいが…。
「いじゃい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?まりざのあんよがあ゛ぢゅい゛んだぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」
ザリザリと地面に擦りつけられる痛みに泣き叫ぶまりさ。
男はそれに気付かない。
何故ならiPodを耳にして音楽を聴いているからだ。
少し叫びが聞こえてもさっきの喜びようを見ていた為、疑問にも思わなかった。
「むっぎゅ!むげぶ!?」
まりさですら痛みに泣き叫ぶザマだというのだからぱちゅりーはもっと酷いもの
だった…。
無理矢理リードで引っ張られて痛むベルトの接地部分にあからさまに引きずられる苦痛。
中身を吐き出す暇もなく引っ張られる。
地面だからまだ何とかなるがアスファルトの上にいけば擦りおろされてしまうだろう。
「わきゃら…ないよー!!」
身軽なちぇんは何とか男に着いて行けてたが、それでもギリギリだった。
「むっきゅ!げほッ!!ぴゅけッ!!」
男の歩幅とペースはゆっくりにとってはかなり速く、ついていくのが困難だった。
それに併せてリードがゆっくりの跳躍を妨げ、上手く跳ねさせない。
まさにゆっくり版市中引き回しの刑だ。
「ゆぎぃ!?じにだぶないんだぜぇ!!」
まりさは生きる事への執念で必死に男についていく。人間で言えば重りを身体に装着して、常に全力疾走な状態なのによく頑張れるものだ。
まぁ止まれば死ぬまでもみじおろしな末路は御免なんだろう。
「むっぎゅ!むっべ!?」
ぱちゅりーはもはや跳ねもしていない。
底部からアスファルトに擦りつけられ、痛みにのたうっていた。
「むっぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛んッ!!!?」
ザリザリとあんよを擦られていくぱちゅりー。
抗いがたい苦痛に涙をぼろぼろ流し、しーしーとうんうんを垂れ流す。
中身が生クリームなぱちゅりーはし~し~やうんうんが潤滑油のようになり傷つくのを抑えていたが、所詮は雀の涙だった。
「ま゛…り゛ざ…たぶべ…!?」
ぱちゅりーは必死に命乞いをする。
だがまりさに助ける余裕なんてある訳がない。
散々強いと豪語していても所詮こんなものである。
このまま皮が破れ、中身を垂れ流して死ぬだろう。
しかし、
「むきゅ?」
いきなり引きずりが止まったのだ。
「ぜひぃ…ぜひぃ…なにがおきたんだぜぇ…」
「わがら…ないよ…」
三匹はいきなり降って湧いた身体を休めるチャンスを疑問に思うヒマさえなかった。
「むきゅ…どうじで…こんなべにぃ…」
昨日から訳のわからない事ばかりだった。
ぱちゅりーは自身が考えた穴だらけの作戦。
しかし他の人間ならば無視するか駆除するかでしかないその作戦をあの男を標的にして行ったのは正解だった。
ある意味ゆっくり並に思い込みが激しく、常識等の価値基準が大幅にズレているあの男だからこそ成功した作戦だった。
唯一の失敗は男のズレている振り幅が遥かに大きく、思考の論理が斜め上に大気圏目指す位かっ飛んでいたという事だった…。
「あちゃー、ここ赤が長いんだよな…」
急に止まったのは単に信号に引っ掛かっただけのようだ。
結構待つ時間が長めで三匹もそれなりに回復してきた。
車通りが一切なく、イヤホンから軽く漏れる音とゆっくり三匹の声しか聞こえない。
「むきゅ…」
「だいじょうぶぱちゅりー…」
流石に元々身体能力の高くないぱちゅりーは休憩してもあまり変化はないようだ。
身体はボロボロ。このまま再び男が歩き出したら次こそ中身を撒き散らして死ぬだろう。
必死にちぇんがぺーろぺーろしているが気休めにもならない。
「ちぇん…もうやめたほうがいいんだぜ…」
まりさがぱちゅりーにぺーろぺーろし続けるちぇんにやめるよう促す。
「パチェリーはもう…だめなんだぜ……」
まりさもちぇんもわかっているのだろう。
ぱちゅりーがもう生き残るのは無理だと…。
「ごめんね…ぱちゅりー…」
ちぇんはぱちゅりーに向かって謝罪する。
だがぱちゅりーがそれで納得出来る訳がない。
むきゅ、どうしてぱちぇはなんにもわるいことしてないのにこんなめにあわなくちゃいけないの!?しぬならちぇんとまりさがしぬべきなのによのなかまちがってるわ!!
むきゅ、そもそもこんなことになったのはまりさたちのせいなのになんでぱちぇだけいたいめみなきゃいけないの、ふこうへいだわ!!?
とさっきまでちぇんにぺ~ろぺ~ろしてもらったにも関わらず見下していた。
それに付け足しておくがどちらかというとぱちゅりーは元凶の部類に入るので。
沸々とぱちゅりーの中でちぇんとまりさに対する憎悪が蓄積されている。
自分勝手極まりないが、自分の中で自分=正義の図式が成立しているぱちゅりーはそれに気付く事もない。
「お、青になった」
男が再び歩き出す。
それと同時に再び引っ張られる三匹。
「ゆゆううッ!!?」
「むきゅうう!!?」
「わきゃらないい!!?」
三匹は恐れていた瞬間が訪れた事に恐怖する。
特にぱちゅりーは戦慄する。
確実に自分が死ぬと告げられたようなものなのだから…。
そして死ぬとわかった時、ぱちゅりーは思いもよらない行動を起こした。
「むっきゅう゛う゛う゛う゛う゛ん!!!」
ぱちゅりーは終盤に差し掛かった自身のゆん生最大の跳躍をする。
「ゆゆうう!!?」
今までずっと共にいたぱちゅりーの普段からは考えられない跳躍に驚きを隠せないまりさ。
だが驚いてもいられない。
危機的状況なのはまりさも同じだからだ。
そうまりさは考え、自分の行動に専念する。
その結果、また仲間が死ぬ事になるとは思いもせずに。
「ぱちぇはまだじなないわあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
雄叫びと共に着地するぱちゅりー。
但し、着地した場所はちぇんの上にだったが…。
「ゆ゛に゛ゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
ちぇんにのしかかるゆっくりぱちゅりー。
成体一匹分の重量を乗せる羽目となったちぇん。
当然そんな状態で跳ねられる訳もなく、
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
アスファルトに底部を削られ始めるちぇん。
「むっきゅっきゅ!とってもらくちんだわ!」
勝ち誇ったような笑みを浮かべてちぇんの上で踏ん反り返るぱちゅりー。
「どいでね!!ぢぇんばゆっぐりでぎないよ゛!!!
わがだないよ゛お゛お゛お゛お゛ぎぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
反論しようにも底部を削られる痛みで上手く言葉が紡げない。
そんなちぇんをぱちゅりーは嘲笑し、
「ぱちゅりーはずのうはなのよ!!こんなみにくいにくたいろうどうなんてするひつようはないわ!!
うんうんのやくにもたたないちぇんはぱちぇのふみだいにしてあげるわ!!かんしゃしてね!!!」
と宣った。
「どうじでぞんなごどいぶの゛お゛お゛お゛お゛!!?」
それは一生懸命跳ねていたまりさなも届いており、ぱちゅりーの言葉に声を荒げるまりさ。
しかし元々ぱちゅりーはまりさ達を仲間だとは思っておらず、
「むきゅ、そもそもまりさたちのせいでこんなことになったんだからせきにんとるのはとうぜんよ!!!」
ぱちゅりーはさも当たり前のようにこんな目に遭った責任をまりさとちぇんになすりつける。
ぱちゅりー自身の作戦は完璧、という考えはぱちゅりーの中で絶対だった。
「むっきゅっきゅっきゅ!!!」
「わぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!?」
上にぱちゅりーが乗っているせいで転がる事も出来ずザリザリとコンクリートで舗装された地面にす~りす~りするちぇん。
あまりの激痛に文句を言う事すら出来ず悲鳴を上げるしかない。
「むっきゅむっきゅらくちんらくちん♪」
「ぱぢゅでぃーやめるんだぜ!!ぢぇんがゆっぐぢでぎないんだぜ!!!」
跳ねながらもぱちゅりーにちぇんから降りるように言うまりさ。
どうやらゲスではあるが仲間思いではあるようだ。
しかし、
「むっきゅっきゅ♪
むのうなくずがさわがしいわね。
けんじゃのぱちぇさまにいけんなんてさんねんはやいわ!!」
「ゆぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ!!?」
ちぇんの身体削られていく。
そして遂に、
「ちぇん!だめなんだぜ!!なかみがもれたらゆっくりできないんだぜ!!」
「わぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛…」
ちぇんのあんよが破けて中のチョコが漏れて茶色い道が出来ていくこうなればも
う助からない。
「わきゃら゛…」
ちぇんは白目を向いて口を開いて二度と動かなくなった。
「むっきゅっきゅっきゅ♪いいざまね♪くずのくせにぱちぇをみすてようとするからそうなるのよ♪」
生まれてからずっと共にいた相手に対して信じられない言葉を放つぱちゅりー。
「よ゛ぐぼぢぇんを゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!」
一方ちぇんが死んだ事に怒り心頭なまりさ。
まだこちらはちぇんに対して仲間意識を持ち合わせていたようだ。
しかしまりさとて必死で男についていっている状態でぱちゅりーの相手をしてい
るヒマはない。
「むっきゅっきゅっきゅ♪まけゆっくりのとおぼえはきもちがいいわ!
むのうはなにやってもだめなのよ♪そんなのもわからないからこうなるのよ♪むっきゃっきゃっきゃっきゃ♪」
散々強者と吹聴してきたまりさがぱちゅりーに何も出来ないでいる。
それが自他共に認める体力のないぱちゅりーには言い知れぬ快感だった。
ある意味、ぱちゅりーの言った事は正しかった。
無能は何をやってもだめだと…。
それをぱちゅりーは身をもって教えてくれる事となった。。
いまや物言わぬ饅頭となったちぇんはチョコを撒き散らし終え、ペラペラの皮に成り始めていた。
「むきゅううううう!!なにやってるの!!もっとしっがりたえろこのくぶう゛う゛う゛う゛う゛!!!」
それに気付いたぱちゅりーはもはや生きてはいないちぇんを何度も何度も踏み付ける。
そんな事しても意味がなく、むしろちぇんの中身であるチョコを更に撒き散らす
要因となった。
「むぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛へるなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
それがぱちゅりーの焦りを生み、更なる踏み付けを生む。
まさに悪循環。
全くの自業自得であるのが滑稽だ。
「むぎゅぶ!!?」
するとぱちゅりーのあんよに痛みが走る。
ぱちゅりーはそれが何なのか理解できない。
ぱちゅりーのあんよに突き刺さったもの、それはちぇんの銀バッジだ。
捨てられた訳ではなく勝手に迷子になって戻れなくなっただけなのでバッジが付いたままなのだ。
帽子につけていたそれをぱちゅりーが踏んでしまったのだ。
「むんぎゅううううう!!?」
下で苦しんだちぇんに比べたらささやかな痛み。しかしぱちゅりーにとっては耐え難いものだった。
思わずちぇんから落ちるぱちゅりー。
その拍子にちぇんの身体はベルトから落ち、何の変哲もないあまあまに成り果てる。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?」
ちぇんを利用して休息したとはいえぱちゅりーの身体も限界が来ていた。
そしてちぇんの銀バッジを踏んだ事により、あまりにもあっさりとぱちゅりーのあんよの皮は限界を迎えた。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛う゛!!?
ぱちぇのながみでるな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
穴は小さいが中身が漏れるというのは先程のちぇんを見て末路を想像してしまう。
「やじゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?
じにだぶない゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
半狂乱し、跳びはねるぱちゅりー。
ペース配分もへったくれもない。
元々そんな知能ありもしないが…。
しかもそういう時に限って悪い事は重なるものだ。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
「むぎゅう゛う゛う゛う゛う゛!!?くだりざがよ゛お゛お゛お゛お゛お゛!!?」
ぱちゅりーは悲鳴を上げる。
ほぼ球体に近いゆっくりのその身体には下り坂というものは思いの外恐ろしいものなのだ。
「さっきから何か軽くなった気がするな…」
男がちぇんがいなくなって軽くなった引っ張る重量が軽くなった事にようやく気付き、振り向く。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
「むきゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
それと同時に勢いよく転がるぱちゅりーとまりさ。
しかし男はしっかりリードを握っている。
だから、
「む゛ぎゅ!!?」
「だぜぇ!!?」
ピーンとリードが張って無理矢理止められる。
傷口からうんうんのようにぱちゅりーの中身の生クリームが漏れる。
「あれ?一匹足りないな」
男はちぇんがいない事を理解する。
それを鈍いというなかれ。
小学校の頃はピレネー犬二頭を無理矢理引きずり回して散歩していた男からすればちぇん一匹なぞ重い内にも入らないのだ。
「ありゃ、逃げちゃったか…」
男はベルトに残った髪や皮、チョコに一切気付かずちぇんがいなくなった理由を勝手に推測する。
「ゆひぃ…ゆひぃ…」
「むきゅ…ぱちぇは…けんじゃなのにぃ…」
一方互いにボロボロの二匹は何をするでもなく地面にはいつくばっている。
動く余裕すらないのだろう。
「う~ん、仲良さそうだったけどまさか友達置いて逃げるなんて…そんなに嫌だったのか…飼われるのが…」
男は勘違いしたまま頭を掻いていた。
「むきゅう…ちゃんす…ね…」
一方ぱちゅりーは男が止まった事を千載一遇のチャンスだと判断した。
しかし、
「ま、過ぎた事は仕方ないか」
千載一遇程度ではゆっくりが脱出するのは無理な話だった。
「それじゃ散歩を再会しよっか」
男はもううんざりする位の邪気のない笑みを浮かべる。
まるで誕生日に犬を飼ってもらった子供のような笑みだ。
弟か友達が出来たような気分なんだろう。
だが弟だろうが友達だろうがゆっくりは男の想定より遥かに低い耐久性なのが問題だ。
男の基準では犬と同じように接しているがそもそもゆっくりは犬程頑丈でも強くもない。
パグからピレネー犬まで様々な犬、三毛猫からスフィンクスまでを飼った事のあ
る男はそちらの方は知っていたがゆっくりはそれとは隔絶したものだと考えていなかった。
それプラス兄貴分でありゆっくりのプロである男の言葉を信頼していた。
故に本来なら飼う時はしっかり調べてから飼う男も兄貴分の研兄の言葉にしたがってゆっくりを飼うことにしたのだ。
まぁ何が言いたいかと言うと、ゲスゆっくり五匹がこのような目に遭ったのかは…もはや神の仕業としか言いようのない天文学的運とタイミングの悪さによるものだった…。
これならただ潰された方がマシかもしれない。
「む、むきゅ!?ま、まちなさいじじい!!」
散歩を再開しようとする男に対してそれを感じ取ったぱちゅりーは大声を上げて止めようとする。
しかし、男の耳にはイヤホン。しかも流れている曲は「絶望●リー」。
届く訳がない。
「ライト持って来なかったのは失敗だったか…」
子供の頃は明るい内に散歩していたからそのような準備は怠っていた。
あまり星も月も出ていない夜、男は上手くぱちゅりーの表情を読み取れなかった。
そして、傷にも気付かなかった。
素で頭についていた銀バッジにも気付かないような男だ、無理もない。
「むきゅ、ぱちぇのはなしをきくのよ!!いまぱちぇはおおけがをおっていたいいたいなのよ!!」
必死にぱちゅりーは今の状態を説明する。
しかし男は気付かない。
わざとやってんじゃねえかと思う位の鈍感っぷりだ。
結局、ぱちゅりーの必死の懇願虚しく散歩は再会された。
「ゆああああああああああああああああ!!?」
「むきゅうあああああああああああああ!!?」
しかしここは下り坂。
跳ねるよりも転がるという表記が正しい。
「おお、元気だな。そんなに走りたかったんだ」
まりさ達の転がりを男は興奮しているのと勘違いする。
「それじゃちょっと本気出すか」
男はそう呟くと同時に走り出す。
あっという間に先に転がっているぱちゅりーとまりさを追い抜き、今までとは比ではない引きずりがまりさ達に与えられる。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
「むぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
浮いて、擦られ、浮くの繰り返し。
今まで何とか付いて来れていたまりさも傷を負っていく。
「むぎゅう゛う゛う゛う゛エ゛レエ゛レエ゛レ…」
遂にぱちゅりーが中身を吐き出す。
しかしそれがぱちゅりーに奇跡を呼んだ。
「むきゅううう!!?」
突然スポンとぱちゅりーの身体がベルトから外れたのだ。
「むぎゃんん!!?」
顔面から地面に着地するぱちゅりー。だがもう男の引きずりはやって来ない。
「む…むきゅ?」
不思議に思い、顔を上げると既に男とまりさの姿はなく、ただ一匹ぱちゅりーは取り残されていた。
「むきゅ…や、やったわ…ついにあのじじいからにげられたわ…ぱちぇのさく…せん…どおりね…」
ただの偶然だがそれをまるで自分の作戦のように呟くぱちゅりー。
「みなさい…なにがぱちぇはもうだめよ…おまえらなんかより…ぱちぇはずっとずっと…ゆっくりしてやるわ…」
傷だらけの身体でぱちゅりーは進む。ずーりずーりとはいつくばりながら。
そうしてようやく、といっても人間ならば十秒とかからない距離にある空き地にたどり着く。
「むきゅ…ここで…すこしきゅうけいしましょ…」
一息つくぱちゅりー。
ぱちゅりーが這っていた道筋には点々と生クリームの道が出来ていた。
傷は決して浅くない。
小さいが深い。
このまま何の対処もしなければゆっくりゆっくりと死んでいくだろう。
もっとも…、
「むきゅん!!?な、なんでありがこっぢぐぶのおおおおお!!?」
世界はそんな悠長にぱちゅりーが死ぬのを待ってはくれないようだ。
「むきゅ!あっちいきなさい!!ぱちゅりーはおまえらのあいてをしてるひまはないのよ!!!」
ぱちゅりーは近付いてくる蟻に対して叫ぶが何の意味もない。
ていのいい食糧を見つけた蟻達は次々と巣から出てぱちゅりーに群がっていく。
「むぎゅあ゛あ゛あ゛!!?」
蟻がぱちゅりーに噛み付き、ぱちゅりーが痛みに悲鳴を上げる。
「ぱちぇのちてきなはだにがみつぐなあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
ぱちゅりーが激昂し、蟻の行列にのしかかる。
しかしその程度の攻撃何の意味もない。
むしろのしかかった部分から蟻がぱちゅりーに攻撃していく。
「むぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
次々と蟻に噛み付かれた痛みから逃れるためにぱちゅりーは傷も省みず転がっていく。
帽子が落ちたことにすら気付いていない。
しかし弱ったぱちゅりーでは逃げ切れずどんどん体中を黒い蟻で覆われていく。
「むぎゃ!?やめなざい!?ぱちぇはけんじゃなのよ!!
むぎい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!?」
けんじゃだろうと蟻からすればぱちゅりーは単なる食事だ。
「むぎひぃッ!!?
どうしてあんよがうごかないのお゛お゛お゛!!?」
ボロボロの身体が遂に限界を迎える。
「ひっひぎいぃ!!?」
口の中に何十匹と蟻が入って来る。
殺そうと噛んでも開いた時には新たに大量の蟻が再び侵入し、口内で生き残った蟻もぱちゅりーに噛み付く。
口の中を好き放題されていく不快感。瞼を閉じても隙間から潜り込んで来る。
「むぎょあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
逃げ場所を探そうと不用意に開いた目に蟻が殺到してくる。
瞼はあっという間に黒に塗られ、眼球を噛み付かれていく。
「ふぎゅゆう゛う゛う゛う゛う゛!!?」
もはや喋る事すら困難となってしまったぱちゅりー。
足掻いても好転せず、むしろどんどん悪い方向へ進んでいく。
『やじゃあ゛あ゛!!?ぱぢぇはけんじゃなのに゛い゛い゛い゛!!?
ごんな゛ゆっぐびじべないありにぐわれるなんべい゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?』
目の隙間から更にぱちゅりーの体内の奥深くに侵入していく蟻。
それは痛みに耐性のないゆっくりには壮絶な痛みを与えた。
「ふぴゅぷへえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」
生きたまま体内を荒らされるぱちゅりー。
目の隙間、口の中、傷口と様々な場所から蟻がぱちゅりーに侵入していく。
あまりの激痛に気が狂いそうになるが、単純な構造な分しぶといぱちゅりーは中
々死ぬ事すら出来ない。
「むぶふぅッ!!?」
蟻の攻撃に際限はない。黒い胡麻饅頭に成り果てた今なお死ねぬぱちゅりーに蟻は攻撃をし続ける。
「………!!?」
声を出せなくなってもまだ死ねない。
ある意味存分にゆっくりしているとも言えなくない。
『むぎゅ…だれば…たぶべで…』
もはや声も身動きも出来ず、ゆっくりの象徴たる飾りを失いただの黒胡麻饅頭になってもまだぱちゅりーは死ねず、何時までも蟻と戯れていた…。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そして物語は冒頭へと戻る…。
「ゆぎゃあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
まりさは引きずられていく。
今や生きているのはまりさのみ。
先程下り坂の途中にある空き地にぱちゅりーの帽子だけが捨てられてあったのをまりさは見た…。
ゆっくりにとって命と同価値の帽子をそう簡単に捨てられる訳がない。
ならば考えられるのはぱちゅりーが死んだという事だ。
まりさはそこまで考え至らなかったがぱちゅりーが死んだというのは本能的に理解した。
「ゆっくり…したいんだぜぇ…」
まりさは散歩という名の市中引き回しをされながら呟く。
生まれた頃から一緒だった仲間はもう誰も残っていない…。
殺す筈だった人間には手も足も出ない…。
まりさは考える…どうしてこんな事になったのか…。
飼いゆっくりとして何一つ不自由ない生活を送っていたのに…。
何であのおうちから出て行ったのか…。
「どうじで…ごんな…べに…」
“「まりしゃはこんにゃちいしゃいおうちなんきゃいらないんだじぇ!!!」”
すると突然よぎる走馬灯。
“「むきゅ、そうにぇ!!ぱちぇたちにはもっちょふちゃわちいおうちぎゃありゅわ!!」”
住み慣れたお家を捨て、何の保証もないゆっくりしたここではない何処かのゆっくりプレイスを手に入れられると信じて疑わないまりさ。
それに何の根拠なく賛成するぱちゅりー。
五匹の中でも最も賢かったぱちゅりーが賛成してくれたからますますまりさは調子に乗った…。
『だめなんだぜ…そこをでたらもうにどとゆっくりできないんだぜ…』
過去の自分に対して心の声で止めようとする。
しかし過去は過去。
覆ることは有り得ない。
“「そうじゃね!れいみゅはもっちょおいしいあみゃあみゃがたべちゃいよ!!」”
その日から一度も満足のいくあまあまを食べる事が出来なくなる事のも知らず外にある美味しいあまあまに思いを巡らすれいむ。
“「ありしゅはまえきゃらきょのいえはときゃいはじゃないとおみょっちぇちゃのよ!!」”
とかいはなこーでぃねーとが出来ない事で鬱屈していたありすも賛成する。
“「わきゃっちゃよー」”
周りに迎合するしか出来ないちぇん。
それがこれからゆん生をろくでもない方向に向かわせるとも知らず…。
まりさは後悔する…。
どうしてあんなにゆっくり出来たゆっくりプレイスから出ていってしまったのか…。
あの時からあまあまもあったかいおふとんも全て無くなってしまった。
まりさが望むゆっくりプレイスなんて何処にもなく、ぱちゅりーが言った自分達に相応しいおうちなんて何処にもなく、れいむのいうおいしいあまあまなんて何処にもない。
ありすが言うとかいはなコーディネートだって出来なかった。
有りもしないものを欲しがって結局全てを失った。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛!!?
まりざのおぼうじがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
そして今自分の帽子が外れてしまう。
「まづんだぜえ゛え゛!!!
ゆっぐりじないでもどっでぐぶんだぜえ゛え゛え゛え゛!!!」
男はそれに気付かずまりさを引きずる。
まりさはそれに全力で対抗する。
「ゆあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?
はなぜぇえ゛え゛え゛え゛え゛!!!
まりざのおぼうじどらぜろお゛お゛お゛お゛お゛!!!」
まりさの抵抗なぞ何もしていないに等しく、ただ強くあんよをこすりつけるだけだった。
「ゆああ、ゆ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!?」
仲間が死んだ時にすら見せなかった泣き顔をしながら、まりさは帽子のあった方角を食い入るように見つめていた…。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「おぼうじぃ…おぼうじぃぃ…」
まりさは未練がましく帽子のあった方向を見続ける。
といっても後ろとしか覚えてなかったので見ている方角は見当違いのものだったが…。
「もうやばぁ…おうぢがえぶぅ…」
まりさはかつて一番ゆっくり出来た頃の記憶を思い浮かべる。
じじいがもってきたあまあまを食べて、思う存分ゆっくりして、退屈になったら野良ゆっくりを駆除してすっきりする。
そんな夢のような日々を思い返す。
あの日々はもう帰って来ない。
「がえる゛う゛…おう゛ぢがえる゛ぅ…」
譫言のようにまりさは同じ言葉を繰り返す。
身体が擦れ、削られている時も何回も繰り返す。
まるで自分に言い聞かせるように…。
「ちょっと喉渇いたな」
「ゆびぃ…だぜぇ…」
男がふと立ち止まり自販機で飲み物を購入しようとする。
まりさにとっては滅多にない休憩の時間。
そしてそれはその時起こった。
「じゃお!じゃお!」
「はいはいそんなに急がなくても大丈夫だよ」
「ゆゆゆううううう!!?」
まりさの目が驚きに見開かれる。
まりさの視線の先には金バッジを付けためーりんと…かつてまりさを飼っていた飼い主がいたのだ…。
まりさからすれば何でも言う事の聞く奴隷。
その奴隷が今目の前にいるのだ。
「はやぐまりざをたぶべろぐぞどれい゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛い゛!!!」
まりさは叫んだ。
このままでは自分は死んでしまう。
奴隷ならさっさと助けろ。
そう結論付けて元飼い主に命令する。
しかし、
「うわぁ…嫌なモノ見ちゃったよ…」
元飼い主はまりさ達を見るとあからさまに不快そうな顔になり、足早に去ろうとする。
言葉からゲスだと元飼い主は理解し、制裁されているのだと推測した。
元飼い主は愛でお兄さんだが流石に自分に暴言を吐いたゲスまで助ける気にはなれなかったようだ。
「めーりん、あっち行こうな」
「じゃおお…」
元飼い主はまりさがかつて逃げ出したペットであった事に微塵も気付いていないようだ。
これ以上係わり合いにならないように急ぎ足で去ろうとする。
まりさからすればそれは死刑宣告と同じだ。
それに奴隷が自分を見捨てようとしているのが許せなかった。
「まりざをむじずぶな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?まりざのいぶごどぎぶのがおばえのじごどだろがあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
まりさは喧しく叫ぶ。
そこには命令しかなく懇願なんてものはない。
いきなりそんな事言われてホイホイ言う事聞く奴はまりさの隣でどれを買おうか悩んでいる男位だ。
「おしるこも捨て難い…」
男の方は男の方で全く気付いていない。
相変わらず無駄な集中力だ。
「さ、今日はめーりんの好きな麻婆豆腐だからね」
「じゃお!!」
元飼い主は優しくめーりんを抱き抱えて頭を撫でる。
そこでまりさは気付いた。
こいつは自分がいる場所を奪おうとしていると…。
実際は奪うも何も自分で捨てたのだが…。
「どげえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!ぞごはまりざのばじょだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」
自分にとって一番ゆっくり出来た居場所をよりにもよってくずめーりんに奪われたというのはまりさにとっては屈辱以外の何物でもない。
「ぐずべーりんはざっざとじねえ゛え゛え゛え゛!!!まりあのばじょをどるな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッ!!!!」」
元飼い主の抱えるめーりんに向けて罵声を浴びせるまりさ。
「早く行こうなめーりん」
「じゃお…」
元飼い主は眉間にシワを寄せるが虐待お兄さん(と元飼い主は思っている)と係わり合いたくないという考えの方が強く、小走りで去っていく。
最後までかつて飼っていたペットだと元飼い主は気付かなかった。
元飼い主にとってあの五匹は過去のもの。むしろまりさ達が脱出の際に割ったガラスの修理代の方が記憶に残っている。
「までえ゛え゛え゛え゛え゛!!!お゛いでぐな゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!がえぜえ゛え゛え゛え゛え゛!!!まりざのゆっぐびぶべいぶをがえぜえ゛え゛え゛!!!」
涙で顔をぐじゃぐじゃにして泣き叫ぶまりさ。
帽子も仲間も失い、帰る場所もなく、隣にいるのはゆっくりさせてくれない男のみ。
まりさにとって今はまさに最悪と言っても過言ではなかった。
「さてと、行くか…ってあれ?帽子どうしたんだ?」
男は水分補給を済ませ、再び散歩を再開しようとするが、そこでようやくまりさの帽子が無くなっている事に気付いた。
「いつの間に落としたんだ?」
ゆっくりの飾りの重要性を知っている男は一旦耳にしているイヤホンを外してまりさから聞こうとする。
「がえぜえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?ぞごはまりざのだあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?」
狂乱して叫び続ける。
男が話し掛けても変化はしない。
「あちゃあ…よっぽどショックだったんだなぁ…」
まりさの醜態を帽子をなくしたショックと男は勘違いする。
そしてそれに気付かなかった自分に若干の罪悪感が芽生えていた。
「仕方ない。ごめんな気付けなくて。お詫びに見つかるまで一緒に探すからさ!」
男は笑顔でまりさの帽子捜索の協力を申し出た。
見つかるまで探そうという事は見付かるまで散歩という名の市中引き回しは続くという事だ。
つまり先程の男の言葉はまりさは今日死ぬと告げているようなものだった。
「よっしゃ!もう一回来た道を戻るよ!!」
男はそう言って善は急げとばかりにダッシュする。
「かえべえ゛え゛え゛え゛え゛え゛!!?」
それに引っ張られていくまりさ。
そのままの勢いで宙を舞い、電柱に激突する。
「ぶごぉッ!!!?」
一撃で歯が全て叩き折られる。
だが男は気付かない。
「やっべ!楽しくなってきたぁッ!!!」
運動が嫌いではない男は久し振りのダッシュに興奮していた。
犬ならばその全力位余裕でついて行けただろう。
だが今男の持つリードに繋がられているのはゆっくりまりさ。
「ふひゅぴゅひえ゛え゛え゛え゛え!!!?」
地面に擦られ、壁に激突し、ガードレールぬしがみつこうとするが歯を失い噛み付けない。
夢中になると結界が発生して声が一切届かない男はまりさの惨状に気付かず走り抜けて行く…。
まりさがミンチになってベルトには餡子や皮の残骸だけとなり、命はおろか、姿形までこの世から消える事になるのはもうすぐの事だった…。
「ふひいいいいいいい!!?はへひゃふぉはふへふぇふぇふぇふぇえええええ!!?ふべぇッ!!!?」
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「なーんか散歩行くと皆逃げちゃうよな…」
付けるもののいなくなったベルトとリードを持ちながら男はしょんぼりして自宅に帰ってきた。
「俺ってゆっくり飼うの向いてないのかな…」
三匹には逃げられ(と思っている)、一匹は野良れみりゃに食われ、一匹は原因不明で死んでしまった…。
一週間もしない内にこのザマだ。
「折角出したのに無駄になっちゃったか…」
物置にしまっておいた犬用の道具。
犬小屋もお役御免だ。
「何を間違えたのかな…?」
ゆっくりの生態はそれなりに知っていてもゆっくりの飼い方を知らない男には何を間違えたのかわからない。
五匹の為に物置から引っ張り出した犬のお下がりを再び物置にしまい終える。
「ま、過ぎた事を気にしても何だしな。
今度研兄に聞いてみるとして、今日はもうさっさと寝よっか!」
男は気持ちを切り替える。
「…ん?」
男は自宅に入ると何やら話し声がするのに気付いた。
遠くてよく聞こえないのだが、
「むきゅ!」と「わかるよー!」と言った声がする。
この家は男の一人暮らし。
つまり声は不審者以外有り得ない。
「強盗は勘弁してくれよ…」
男は金属バット片手に声のする方へ向かっていく。
この時点で既に五匹の事は記憶から消えてしまっていた。
騒がしい声がどんどん大きくなってくる。
「むきゅ!なかなかにちてきなおうちね!!」
「わかるよー!ちぇんのおうちにぴったりなんだねー!!」
「むきゅ、おきゃーしゃんおにゃきゃちゅいたわ!」
どうやら声は今は使っていない空き部屋からしているようだ。
無駄に甲高い声。
間違いなくゆっくりだが、男はそれに気付かない。
強盗かもしれないと考えている男は意を決して扉を開ける。
すると、中にいたちぇんとぱちゅりーらしき家族が男に向けて言い放った。
「ここはちぇんとぱちゅりーのおうちだよ!!じじいはさっさとあまあまおいてでていってね、わかるよねー!!」
こうして…またゆっくりが男によってゆっくり出来なくなるのだった…。
END
あとがき
anko649「元銀バッジまりさの末路 中」の感想の中にあったNo.1259141073さんの
「それはそうと善意鬼威三の前で
「飼いゆっくりじゃなくてごめんね」と言ったらどうなるんだろうか。飼いゆっくりにしてもらえるんだろうか。」
のコメントを見た瞬間、これだ!と思い「元銀バッジまりさの末路 下」と同時進行していたのですが何故かこちらの方が先に完成したので投稿させていただきます。
「元銀バッジまりさの末路 下」もちゃんと製作しているので勘弁してください。
というか「元銀バッジまりさの末路」が終わらないよ…上中下の合計が100KBを易々と越えてくよ…。誰か俺に構成能力をくれ…。
ちなみに今更ですが質問に対しての答えですが、
“飼ってはくれるけどロクな目に遭わない”です。
どんな策略を用いようとも予想を上回る思考の吹っ飛びっぷりで崩壊します。
ちなみに男がちゃんとゆっくりの飼い方を知っても何らかのとんでもない解釈の仕方で結局死にます。
それでは、今回このSSを読んで頂き誠にありがとうございました。
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- 他の野生動物にとっては普通の飼い主だろ。人語を理解する+性格がゲス+体が弱いと言うゲスゆとこのお兄さんの相性が致命的に悪いだけ -- 2013-02-28 12:25:54
- もう…マジキチあきor池沼あきで
良いんじゃないかな。この作者。 -- 2013-02-11 19:13:08
- 天然の域を越えてるだろこのお兄さん -- 2013-02-04 02:59:54
- この男に飼われたのが初めの善良ゆっくりじゃなくて
無能なゲス共で本当に良かったw
あとゲスなちぇんって珍しいな -- 2012-11-20 04:02:44
- この男あきらかに池沼だよね。 -- 2012-11-19 01:59:18
- なんだろう、お兄さんの頭が可哀そすぎる。 -- 2012-09-17 15:23:45
- こんな人間が近くにいたら恐怖を感じるよ -- 2012-09-11 22:07:14
- 天然虐待鬼威山… -- 2012-06-28 09:39:23
- お兄さんの頭のネジぶっ飛んでると思う。
あと、ぱちゅりーザマアアアアアアアアア!!!!! -- 2012-03-28 21:17:00
- ↓こまけぇこたぁいいんだよ! -- 2012-02-29 14:15:42
- ゆっくりなんてどうでもいいけど、この男は同じ人間として気持ち悪いっていうか頭の中にゴミでも詰まってるんじゃないか?
-- 2011-11-04 21:43:22
- ちぇんがゲスなのが悲しい… -- 2011-10-15 02:37:50
- ちぇんはちょこっとだけいい奴っぽかった
このお兄さんは犬とゆっくりを同じく思ってたのか?
犬に謝罪だなww -- 2011-10-11 18:41:15
- ちぇんが苦しむのが愉快愉快
それにしてもこのお兄さんちょっと頭おかs -- 2011-08-17 07:01:11
- このお兄さん大好きww -- 2011-07-26 09:08:20
- つーか、半池沼だろ -- 2011-07-07 19:01:54
- この男には生き物を飼う資格が無い
でもゆっくりはナマモノだから飼って良し! -- 2011-03-08 16:30:44
- なんかお兄さんにむかつく話だった… -- 2011-02-14 19:31:56
- スーパーざまぁタイムですっきりー!
げすが酷い目に合うのは良いね -- 2010-10-20 20:50:30
- やはり、ちぇんが苦しむのは心が痛む…
他はスーパーざまあタイムだけど -- 2010-09-27 01:17:06
最終更新:2009年12月26日 15:50