夢想天生 6KB
虐待-いじめ ギャグ 小ネタ 理不尽 飼いゆ 現代 独自設定 オチなんてなかった・・・ひな祭りですね
・7回目
・普通種
・非想天則の3回戦目で決めるとテーレッテー
・虐めません。
・でも、殺っちゃいます。
・ていうかSSじゃない。
・ヨロシクオネガイシマス
『夢想天生』
ゆっくりひな壇というものがある。
それぞれの人形を品種改良されておとなしくなったゆっくりに挿げ替えたものだ。
男雛にけーね。女雛にもこう。
三人官女にはかなこ、さなえ、すわこ。
五人囃子はそれぞれ太鼓=ゆうぎ 大皮=れてぃ 小鼓=すいか 笛=ぱるすぃ 謡=みすてぃー
随身である左随臣は、めーりん。右隋臣はさくや。
仕丁はめるらん。るなさ。りりか。
コストが高いのと希少種だらけのせいか、加工場製のものだとウン十万はくだらない。
なので、友人と共に集められる通常種のゆっくりを集めて、姪っ子のひな壇を作ってみた。
反応は上々で、姪っ子は小学校の友達も集めてわいわいやって楽しんでいる。
残念ながら、ゆっくり達はおとなしくひな壇におさまってる訳はなく、写真を撮ってすぐ、ひな壇から降りてしまった。
けどまぁ、姪っ子達に触られてご満悦だったり、ひなあられ貰ったりして楽しそうだからこれはこれでいいか。
酒をちびちび飲みながらそれを見ていると、協力してくれた友人がとっくりを持ってこちらへやってきた。
「とっくりって・・・」
「熱燗じゃないと酒飲めなくてね・・・ま、それはともかく。良いねぇこういうの。華がある」
「ありがとうな。ゆっくり集めてくれて」
「気にすんな気にすんなきもちわりぃ・・・。ゆっくりなんて店にいくらでいるからね」
「ペットショップってそんなもんなのか?」
「不況の煽りで売れ行き落ちてきて、処分待ちが結構いるのさ。ゆっくりは特に」
「あのゆっくり達もか・・・」
姪っ子に櫛で髪を梳いてもらうまりさが見える。
「そういうこと。悲しいよねぇ・・・」
友人は、とっくりの酒がなくなったのか軽く振りながら赤ら顔で呟く。
「せっかく人間様とお友達になれるように改良された結果が、飼い主が見つからず死んでいくペットもいれば飽きられて捨てられるペットもいるってのは」
「ゆっくりに限らずか・・・」
「そういうことさぁ。ペットは捨てられたらこの先生きのこれない。ペットってのは、そういう生き物と割り切れば楽かもしれんがね」
「重いな・・・」
「酒のせいだねぇ。まぁ、ともかく楽しそうで何よりだ」
「終わったあと、ゆっくり達はどうするんだ?」
「どうせ、店に戻してもダメそうだからあの子らにあげるかねぇ。お前もいる?」
「やめとく」
「そうかい。いやぁ~。絶景かな絶景かな」
「ロリコンめ・・・」
「シスコンに言われたかないねぇ・・・」
姪っ子はしゃぎ疲れたのか友達が帰ったあと、寝てしまった。
姉貴と義兄は買い物に行くというので、俺が留守番だ。
はだけている毛布をかけ直してやって、寝顔に微笑ましい気持ちになっていると、ふと何かが聞こえてきた。
「ゆっくりしていってね!!!」
庭の方を見てみると、姪っ子が飼うと言っていたまりさが、何もない空間に話かけていた。
「いいおうただね」
「ゆふふ~てれるよ!」
「そうだよ! にんげんさんはとってもいいひとだよ!」
・・・大丈夫だろうか。いろんな意味で。
なんとなくこのまりさを飼う姪っ子が心配になったので、話しかけてみる。
「まりさ。誰と話してるんだ?」
「ゆっ! おにいさん。このことだよ!」
「このこ・・?」
まりさがおさげで指す空間には土しかない。
「何もいないじゃないか」
「そんなことないよ! ほら、すごくゆっくりしてるよ」
・・・幻覚?
いや、どうだろう。このまりさはからかってるのか? 後で、「うそついてごめんね!」とか言うつもりだろうか。
とりあえず、姪っ子の手前、野良と違い潰す訳にもいかないから、調子を合わせてみる。
「あー・・・あーあー。いるな。えーと、その、なんだ。ありすが」
「ちがうよ! すごくゆっくりしたれいむだよ。おにいさんまりさをからかわないでね!」
れいむらしい。やっぱり何も見えない。
「あー・・・そうか。ごめんごめん。でも、あれだ。今、姪が寝てるからあんまり騒がないで欲しいな」
「ゆっ・・・ごめんなさい・・・」
しょんぼりとしながら、まりさは縁側に向かう。
「あ、ちょっと待っとけ。足ふいてやるから」
「おねがいするよ!」
まりさを持ち上げて、縁側にあらかじめ用意しといたタオルで底部をふいてやる。
「れいむもお願いね!」
お願いされた。けど、どこにいるのか分からない。
「ゆっ! れいむ駄目だよ! あんよをちゃんと拭かないとゆっくりできないよ!」
まりさが叫ぶと同時に、何もない廊下に、突然土が丸いスタンプのように付いた。
少なからず、驚いてしまう。
「ゆぅ・・・まりさもあやまるよ。おにいさんごめんなさい・・・」
「あー・・いや、うん。気にするな」
見えないゆっくり。・・・新種?
まりさを床に置いてやり、こちらを向かせる。
「なぁ、まりさ」
「ゆっ?」
「れいむにこっちに来るように言ってくれないか。拭いてやらないと」
「・・・おにいさん。かおがこわいよ」
「気にするな気にするな。ほら、呼んで呼んで」
「ゆぅ・・・れいむ。ゆっくりこっちにきてね!」
数秒の間の後、等間隔で廊下に五個のスタンプが付くと、胡坐をかいた足を何かがつっつく感触。
「えーと・・・この辺り?」
なんとなく、その感触のある空間を握ってみる。
「やめてあげてね! もみあげさんはちがうよ!」
「あ、そうか」
「そこはりぼんさんだよ!」
「んじゃ、ここ」
「そこはおめめでしょおおぉぉぉ!?」
「よし。じゃあ」
「おくちのなかやべであげでえぇぇ!!!」
といわれても、感触がないんだからしょうがない。
「なぁ、まりさ。本当にれいむいるのか?」
「なにいってるの! ここにいるでしょおおおぉぉ!?」
「まったくわからん」
「れいむう・・・えいえんにゆっくりしちゃだめだよ・・・」
どうやら、殺してしまったようだ。
おお、れいむ。しんでしまうとはなさけない。
まぁ、やっぱり見えないんだけど。
後日、友人に話してみると。
それは、夢想天生と呼ばれる一部のれいむだけが使える自衛の行動らしい。
原理は分からないが、ゆっくりにはその姿が見えて、人間や動物には見えなくなるそれは、安全かといえばそうではない。
姿が見えないということは、車も人も獣も気にすることなくぶつかってくる。
所詮、饅頭程度の耐性しかない野良ゆっくりでは、その質量に耐えることもできずに、餡子を撒き散らして死ぬしかないのだ。
落ち込んでいる自分に友人は、レアと言えばレアだが、夕立に降られた程度のレアだから気にするなとよく分からないフォローをしてくれた。
また夢想天生を使うれいむに会えるだろうか。
今度こそは、ちゃんと触ってやろうと思う。
無透明な透明人間状態。
人、之を夢想天生と呼ぶ。
アトガキ
冒頭いらないと自分でも思うけど、ひな祭りだから仕方ないね。
鍵山さんちの雛ちゃんを書きたかったけど、書けなかったから仕方ないね。
ということで、書いてみました。男の自分にはひな祭りは縁遠い・・・。
こう、なんですかね。見えないのと見られないのは違うというかなんと言いますか。
我、思う。故に我、在りも。観測する他者がいないと意味がないっていうような言葉あった気がします。
アイデア倒ればっかり書いてますあはは・・・。
ご読了ありがとうございました。
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- このれいむはケン○ロウ -- 2013-01-02 07:48:53
- 北○神拳の前には死あるのみ・・・ -- 2011-07-07 08:52:31
- 次は二重結界で。 -- 2010-07-08 05:49:31
- 微妙に役に立たなさそうな辺りが面白そうな設定 -- 2010-06-10 00:15:30
- 作者別 -- 2010-03-27 20:08:28
最終更新:2010年03月27日 17:12