屠殺 5KB
屠殺
広大な牧草地のど真ん中に、ぽつんと小さなコンクリートの建物が立っている。
ここは全国でも数少ない、ゆっくり用の屠殺場。
ここでは毎日、数多くのゆっくり達が、人間の食料となるために、殺されていく。
連れてこられるのは、屠殺場の周りの牧草地でのびのびと育てられたゆっくり達。
天敵は一切存在しない。彼女達は、れみりゃの存在自体を知らない。
餌は早朝14時、昼15時、夕方16時、黄昏17時、夜18時、深夜19時のそれぞれに、芝生に水をまく機械の要領で、大量に、自動的に与えられる。
すっきりも自由に出来るし、怪我に繋がる尖った石や木の枝なども置いてない。
ゆるやかな丘の斜面には、ふた付きのプラスチック製の巣穴が沢山埋め込まれており、そこに住み着く。
雨が降ると、その巣穴を守る為に、丘の頂上から巨大な庇が伸び、水がふたの隙間から中に漏れないようにする。
まさに至れり尽くせりの、実にゆっくりとした生活を送ってきた。
だが、それも昨日までの事。
適度に育ち、でっぷりとバブルスライムのごとく太ったゆっくりは、まとめて檻に閉じ込められ、台車に乗せられ、屠殺場に運ばれる。
台車が何度も往復し、数百ものゆっくり達が、今日もここにやって来た。
「ぷくぅぅぅぅぅ!!!この箱さんぜんぜんゆっくりできないよ!おわびとしてあまーま持ってきてね!」
「せまいのぜ!まりささまにこんな仕打ちをするなんて、ここの人間はまったくきょういくがなってないのぜ!」
「きたなくてボロボロの檻ね!まったくいなかものにも程があるわ!」
様々な種類のゆっくり達が、口々に台車を引く人間に罵声を浴びせるが、屠殺場の扉を潜った瞬間、それが悲鳴に変わった。
「ゆぎゃぁぁぁぁぁ!!!くさいぃぃぃぃぃ!!!」
「ゆっぐりでぎないよぉ!」
「じにだぐない!じにだぐない!まだぜんぜんゆっくりしてないよぉ!」
「さっさとまりさをゆっくりぷれいすに帰すのぜぇぇぇぇぇ!!!」
屠殺場には、これまで死んでいった何千何万ものゆっくりの死臭で溢れていた。
人間にとってはただの餡子の匂いなのだが、彼女達にとっては、この世で一番ゆっくりできない臭いである。
台車を引いていた人間と、すでに屠殺場に待機していた職員達がその側までやって来た。
薄汚れた茶色いエプロンに、白いTシャツ、濃い青のジーンズに、黒い長靴という出で立ちである。
彼らは檻の扉を開けると、素早く全てのゆっくりにわっかを取り付けていった。
このわっかは、ゆっくりの頭頂部と底面の中央と通るように取り付けられる。底面に当たる部分には、大きなこぶが付いている。
職員達は、それぞれ両手に、わっかに繋がった鎖を十数本まとめて持ち、檻から引っ張り出した。
「いやだよぉ!じにだくないよぉ!ゆぐっ!」
「はなすのぜぇ!もうおうちにかえるのぜぇ!ゆべぇ!」
ゆっくり達が文句を言うが、悲鳴を上げて途切れてしまった。
何故なら、底部の中心をわっかのこぶが圧迫し、気道が塞がれたためである。
ゆっくりは謎が多い生物であるが、生物である以上、呼吸をしなくてはならない。
でっぷりと太った彼女達の底部を、こぶが圧迫する事で、舌を口内上部に接触させ、餡子に空気が入らないようにしているのである。
息が苦しいので、彼女達は、職員が引っ張る鎖について行かざるを得ない。
鎖をある程度引っ張ると、職員達は急に立ち止まった。
ゆっくり達は一息つく。
そこは、とても広い正方形の空間で、天井の高さは3.5m程。天井から小さな輪がぶら下がっており、その真下には、フックが取り付けられていた。
輪とフックは縦20セット×横20セットで、綺麗に格子状に並んでいる。
職員達は、入り口から一番遠いフックまでゆっくり達を引っ張ると、順番に鎖をかけていった。
天井の輪に鎖を通し、井戸の釣瓶の要領でゆっくりを一気に持ち上げると、床のフックに鎖を引っ掛けた。
「ゆぶぅ!」
彼女達は、くぐもった悲鳴を上げた。
職員達はこの作業を淡々と繰り返した。全てのゆっくりを吊るし終えると、広いスペースのほとんどが埋まってしまった。
「ゆぐぐ……ゆぐぅ……」
一番最後に吊るされた、ゆっくりれいむ。
水風船のように、でっぷりと太った体に、深々とわっかが食い込んでいた。
呼吸を確保しようと、身をよじるが、全く効果が無い。鎖と輪がこすれる金属音が鳴るだけである。
少しでも多くの酸素を吸おうとして、口が限界一杯まで開けられている。
「ゆぎゅ、ゆぐっ、ゆ゛っ」
一分程経つと、少しずつ、れいむの動きが弱くなってきた。
人間の場合、首を吊ると、十数秒程で意識を失い、十分程度で死亡すると言われている。
しかし、ゆっくりは自分の体重が人間ほど重くないからか、長くて十五分以上も意識を保っていると言われている。
そして、完全に死亡するのは、最長で四十分程であるとも言われる。
この屠殺場では、時間をそれより長めに取って、一時間吊るす。
彼女達は、一時間、苦しみに苦しみぬいて、その餡子は極上の甘さとなる。
十分経過。
たまに、一瞬大きく震えるが、それ以外は目立った動きをしなくなった。
大きく見開かれた目は、少しずつ濁っていく。
鎖が慣性に従って、ゆっくりと小さく揺れる。
二十分が経った。
突然、れいむがぐにゃぐにゃとうごめき始めた。無意識に動き出す、第二段階である。
体内の餡子が酸欠状態になったので、酸素を求めて激しく脈動しているのだ。
これによって声帯が何度も圧迫され、彼女は断続的に声を上げる。
「ゆ゛っ……ゆ゛っ……ゆ゛っ……」
そして三十分後。
脈動が終わり、また静かになっていたれいむだったが。
「ゆ゛ん!」
一度大きく震えると、目玉がぐるりと上を向いて白目となり、食い込んで二つに分かれた贅肉が、一際大きく垂れた。
全身の餡子が弛緩し、股間部に穴が開き、皮にせき止められていた水分が排出された。
そして、二度と動かなくなった。
この頃になると、部屋のあちこちで、彼女達の最期の声、生命が潰える瞬間の悲鳴の合唱が聞こえてくるようになる。
「ゆ゛え!」
「ぐゆ゛ん!」
「ゆぐぅ!」
「ぎゅ゛っ!」
「ゆ゛っ!」
「ゆがっ!」
大きく小さく、前後左右から声が響く。
鎖が軋む音、ゆっくりのもがく音、餡子がうごめく音、声帯が潰れて漏れる音、そして、最期の悲鳴。
職員達は、これらを聞きながら、休憩を楽しむのである。
普段私達が食べている餡子は、このような過程で作られているのである。
既存作
SS
絵
ゆっくりSAW、ゆっくりサバイバー、10億分の1のゆっくり
自作SSの挿絵、各種一枚絵
作者:ゲームあき
食用犬の屠殺映像を参考にしました。
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このSSへの感想
※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね!
- ゆっくりか・・・たまには感謝して見るのもヒャッハー!ゆっくりは虐待ダァー!ウボァー! -- 2015-10-10 02:20:15
- 俺今饅頭食べているんだが…まさか!? -- 2013-02-23 18:24:09
- あれ、でもゆっくりってそもそも息しないんじゃ・・・? -- 2012-07-02 11:15:28
- やめてくれ!ぜんざいが食えんくなる! -- 2012-03-13 19:31:24
- ヒャッハーww最高だぁぁぁwwwww
外敵がいなくて増長しまくったゲスゆっくりが死ぬのは最高だねぇ!!! -- 2011-12-27 04:57:58
- 絶景だな~~ -- 2011-11-17 14:51:01
- 喰いたくねぇ…ww
首吊りは悲惨な死に様だからしない方が良いな -- 2010-09-30 21:03:08
- 食欲失せる -- 2010-08-25 20:28:11
最終更新:2009年10月20日 15:30