第三章
~出会い~
「・・・君・・・プレイヤーだろ?」
古びた建物に身を預けながらゆっくりと言う。
「え!?えっ~と、あのぉ・・・」
図星を指されたのか目に見えて彼女の態度はおかしくなった。
「この世界に・・・手負いのミレナを前にして・・・止めを・・・刺さないレインはいないよ・・・プレイヤーでもない・・・限りね」
体はとっくに限界を超えている、話すのも行き絶え絶えになりながらだ。
追い討ちをかけるような僕の言葉に、彼女はあきらめたように口を開いた。
「はい・・・確かに私はプレイヤー・・・です。でもあなたはプレイヤーではないのに、なぜ私がプレイヤーだとわかったの・・・ですか?」
彼女の言うことはもっともだ。
★プレイヤー
普通ミレナもレインもプレイヤーについては存在すら知らないことのほうが多い
プレイヤーという特殊な人間がいると実しやかにささやかれている噂がある程度だ。
その噂も、知る人ぞ知るといったLVで知らない人がほとんどといっても過言ではないのだ。
プレイヤー同士ならば、互いを感知しあうことができるらしいが、僕はプレイヤーではない。
プレイヤーを外見で見分けるのはほぼ不可能といっても過言ではない。
なぜならば、僕らとプレイヤーの外見の違いはほぼないからだ。
「それは・・・」
口を開こうとした瞬間、何か話し声のようなものが聞こえてきた。
僕は開こうとした口を閉じ、その話し声に耳を傾けた。
彼女のほうもその話し声を聞き取ったのか、僕と同じようにそれに耳を傾け始めた。
「おい、いたか!?」
若い男の声だ。
おそらく僕を追って来たレインの討伐軍の者だろう。
「いや!こっちにはいなかった」
また別の男の声が聞こえた。
どうやら散開して僕のことを探しているようだ。
「この辺にはいないんじゃないの~?」
若い女性の声。
男二人に女一人。
どうやら彼らはこの三人で行動をしているようだ。
「後調べていないのは・・・あっちのほうか」
一人がそういうと、三人はそろって歩き始めた。
少しずつ三人の足音がこちらに近づいてくる。
このまま隠れていても見つかってしまう。
しかし、だからといって逃げ切るほどの自信はない。
先の戦闘でこちらはズタボロで、まともに走ることすらままならない。
ならば・・・。
僕は音を立てないように自分の愛刀の柄に手をかけた。
瞳を閉じて、感覚を研ぎ澄ませる。
力強い一撃はいらない・・・。
打ち砕く力はいらない・・・。
ただ・・・速く・・・。
ただ・・・鋭く・・・。
必殺の一撃を・・・。
自らに暗示をかけるかのように・・・刃のごとく研ぎ澄ませて行く。
逃げることも隠れていることもできない・・・。
方法はただひとつ。
必殺の一撃を持って、切り伏せる!
「お?ここなんか怪しんじゃ?」
一人の男が僕の隠れている建物の残骸のすぐ近くまで近づいてきた。
射程内!!!
両足のばねを使って一気に飛び出そうとする!
ガサガサ!!!!
「だれだ!!」
僕は、飛び出してはいない、飛び出そうとする寸前に何かが後ろから飛び出したのだ
その何かが草をなぎ倒して音を立てたのだ。
その何かのほうに目を向けてみる。
「あの~えっと、」
先ほどから僕と話をしていたプリーストの少女だった。
「な・・・!」
僕は声を上げそうになるのを両手で口をふさいでどうにか押さえた。
「なんだ・・・君か・・・びっくりさせないでくれよ」
残骸に近づいてきた男が少女を見てびっくりしたように言った。
「ごめん・・・なさい。すごく強いモンスターがいて隠れてた・・・んです。驚かせてごめん・・・なさい」
少女はちょっと困ったよう顔をして言った。
「ふ~ん。気をつけないとダメだよ? あ、そうだ。この辺で怪しい奴を見なかったか?」
男が思い出したように少女に聞いた。
「怪しい人・・ですか?」
彼女は考え込むような仕草をしながら、聞きなおした。
おそらく、僕のことを言っているのだろう。
「そうそう、ミレナの奴なんだけど、こっちのほうに逃げてきたって情報があってさ~」
うしろで視ていた、女性が口を挟んできた。
「そうそう、そいつを捕まえて、本隊の場所を掃かせるって寸法さ」
僕のほうから彼らの姿を見ることはできないが、きっとえばっているのだろうな・・・
幸い。彼らはまだ本隊がすでに退却したことに気がついていない。
そもそも、僕らは調査の為にここに来たわけで戦力と呼べるほどのもを保有していたとはいえないのだ。
「あ!そういえばミレナの人があっちのほうに行くのみた・・ました」
唐突に、今まで考え事をしていた少女が思い出したかのように口を開いた。
彼女の指は僕のいる方向とはまったく別の方向を指差していた。
「そか・・・協力ありがとう。いくぞ!!!」
男が残りの二人に声をかけると、そのまま足跡は早々と遠ざかっていった。
「・・・・ふぅ」
ゆっくりとため息を吐く。
「あはは・・・うそついちゃ・・・いました」
彼女はその場に立ったまま顔だけこちらに向けて、ぺろっと舌を出しながら笑って見せた。
「ありがとう・・・でもなんで僕を助けたんだ?」
少し休むことで呼吸も整ってきた。
僕は舌を出して、笑っている彼女にお礼をいいながら問いかけた。
もっともな質問。プレイヤーとはいっても、彼女はやっぱりレインなのだ。
ミレナである僕を助ける義理はない。
「き・・・あなたはわるいひとにはみえなかったですから。それにまだ、聞きたいこともありましたから」
笑みを崩さずに、理由を単純明快に言った。
「そか・・・まぁ、とりあえず移動したほうがよさそう。どの道ここじゃおちおち話しもできない」
「そうですね、き・・あなたの治療もできな・・できませんから」
僕の提案にうなずきながら少女が答えた。
「とは言うものの・・・正直からだの方はまったく言うことを聞かなくてね・・・」
言葉のとおり、僕の体は建物の残骸に体を預け、愛刀の柄に手をかけたままの状態でとまっている。
感覚が麻痺しているせいか、痛みは感じなくなっていた。
「大丈夫!私にまかせて!・・・ください」
彼女はそういうと、僕が体を預けている、残骸の前に座り瞳を閉じ、残骸の壁に左手を付いた。
「・・・デバイス開放、位置指定、ルート接続、開放、・・・」
少女が何かをぶつぶつとつぶやくと、彼女の左手にはまっている腕輪が淡い光を放ち始めた。
「・・座標指定、セキュリティロック解除、ルート選定・・・」
少女の腕輪の光が徐々に強くなっていく。
それと同時に、彼女の左手が触れているところを中心に残骸の壁が淡い光を帯び始めた。
「な・・・なんなんだ?」
さすがの僕も見たことのない現象に目をぱちくりさせながらその光景をみていた。
「接続!(コンタクト)」
少女が最後の一声を発すると、まばゆい光が残骸の壁から発せられた。
「うわああああ!!!」
思わず声を上げてしまった。
しかし、その光景は明らかに僕らから見れば異質のもの。
少女の腕輪から光が発せられ、彼女に手が触れている壁からも光が発せられているのだ。
「いこう?」
彼女は僕の手をとると、そのまま光の中へ身を躍らせた。
僕の体はまるで重さなどないかのように少女に引き寄せられ光の中へ吸い込まれていった。
「うわあああああああああああああああああああああ!!!!!」
落ちていく。
光の中をただ落ちていく。
隣をみると、僕の手をつかんだままの少女がいた。
少女は光の先をしっかりと見据えて僕と共に落ちていた。
そもそも落ちているという言葉にすら語弊があるかもしれない。
落ちているのか、進んでいるのか、戻っているのか、上がっているのか、僕にはわからなかった。
わけもわからないまま、僕の意識は光の中へと吸い込まれていった。
続
次回予告
「私がレテ平原で出会ったきみは誰?」
「僕がレテ平原でであった少女はいったい?」
互いが互いを知らないままただここまで来てしまった。
「無理にそんなふうにしゃべることはないよ」
「ここは私のお気に入りの場所なのw」
なぜきみは私のほしい答えをくれるのかな?
「この子のこと・・・がもっと知りたい」
「君のことが・・・もっと知りたい」
『でも・・・僕(私)は・・・』
交錯する二人の思い。
違うものを視て生きてきた二人。
次回 第四章~交錯~
ご期待ください。
「僕がレテ平原でであった少女はいったい?」
互いが互いを知らないままただここまで来てしまった。
「無理にそんなふうにしゃべることはないよ」
「ここは私のお気に入りの場所なのw」
なぜきみは私のほしい答えをくれるのかな?
「この子のこと・・・がもっと知りたい」
「君のことが・・・もっと知りたい」
『でも・・・僕(私)は・・・』
交錯する二人の思い。
違うものを視て生きてきた二人。
次回 第四章~交錯~
ご期待ください。
あとがき
Decoな読み物第三章が完成しましたw
今回からサブタイトルが付きました。
ついでに次回予告なんかも作ってみましたw
まだまだ謎をひっぱりますよ~w
プレイヤーに関しては★プレイヤーのリンクから説明に飛ぶことができます。
★がついているものは作者オリジナルの設定に関する説明なので見てないひとは必ず視てねw。
視ないと内容がわからないよw
今回からサブタイトルが付きました。
ついでに次回予告なんかも作ってみましたw
まだまだ謎をひっぱりますよ~w
プレイヤーに関しては★プレイヤーのリンクから説明に飛ぶことができます。
★がついているものは作者オリジナルの設定に関する説明なので見てないひとは必ず視てねw。
視ないと内容がわからないよw
