第4話 遺跡探索

(ダンジョン:レム遺跡前に着く)

 レム遺跡。ヘルメスとの頼み事の代わりにここまで来た。何かある雰囲気が滅茶苦茶するな。

「ここがレム遺跡。今回の目的の場所だ」
「なんなんだ、ここ」
「ここはもともとニギに住んでいた錬金術師が研究所として使っていたらしい。今は遺跡とか言われて誰も近づかないけど」
「なんだか近寄りがたい雰囲気ですもんね」

 あ、ティアも思っていたのか。

「だからこそ未だその中はどうなっているかわからないんだよ」
「来たことないのか?」
「ああ」
「ああって…」
「さ、行こうぜ」

 ヘルメスは気にしないでずかずかと足を踏み入れていく。俺とティアは顔を見合わせて言った。

「仕方ない。行こうか」
「はい」
「おーい。何してんだ?」
「今行くから一人で勝手に動くな」

 俺たちは遺跡の中に入っていった。



 (遺跡内途中)

 遺跡の中は暗く、所々に風化して崩れた跡が見られる。
 現在、ちょうどいい座れそうな空間があったので俺たちは休憩している。

「さっきから魔物ばっかりとしか出会わないな」
「気付いたか」
「最近魔物の量が増えたとは聞いてはいましたけど、ここは異常なまでにいますよ」
「これもホムンクルスの力が弱まっている証拠だ」
「なんだ、ホムンクルスは土地を守る力もあったのか?」
「言っただろ。そいつはここら辺の土に栄養を与えるって。いうなれば、それは自分の領地を主張しているみたいなもんなんだ。だからホムンクルスが弱まった今はその威嚇行為も意味をなしていない」
「じゃあ、放っておけば魔物の繁殖は広がっていくのか」
「それだと人間にも被害が及びます…」

 ティアは暗い顔をして俯いた。ヘルメスはだからこそと、

「だからこそすぐにでもやるんだ」

 俺もティアも人への被害は想像したくない。しっかりと頷いた。

「ああ」
「はい」

 休憩を止めて俺たちは腰を浮かせた。

最終更新:2014年07月03日 17:04