※エンゼルギア2ndのネタバレを含むため、キャンペーン未プレイ者はプレイしてから読むことを強くオススメします
GM:前回のあらすじ!
カナン:調子乗ってたらよくわかんないことになった。
祝:知ってたw
カナン:あとミライさんの提案が流月少将に秒で却下されてたw
為真がミライを追いかけて格納庫へ走った直後。
基地内部では、状況の呑み込めていないクベルタが困惑していた。
クベルタ:「なんかあったんですか?」
祝:「カナンが大変な状況なんだ。為真が追いかけていった」
ボルシチ:「大変な状況……?」
クベルタ:「え、ご主人様、どういう状況ですかこれ?」
ボルシチ:「状況が呑み込めないけど、とりあえずカナンちゃんを助けないと」
祝:「為真を一人にしておけないし、とりあえず行くか」……と言いたいが、まさかこれ状況を説明できるのが俺しかいないのでは。ちくしょう!
サラ:「知っているのね祝!」w
祝:いやこれ個人的な話をしていいものか。この状況で!? しよう!
為真の過去について祝が勝手に話し出す。
そしてカナンがミライと名乗る少女にさらわれたことも。
ボルシチ:「なるほどなるほど。たいへんだー」
カナン:キャラ戻ってない?w
祝:「とにかく俺たちも追おう。あの状況の為真が何するかわからん」
為真:勝手にプライバシー開示しておいてw
祝:「追ってくるなとは言ってたけど。でも見捨てるわけにはいかない」
GM:こういうPCがいてくれるといいんだよな。序盤のイベントをやったかいがあった。
為真:その横でかわいそうなやつがいるんだよなあ!
流月:「気を付けろ、あの機体は何をしでかすかわからん。ただのアペルギアと思うな」
祝:「それは、普段のカナンの戦いを見てればわかってる――」
祝たちが出撃した同時刻。
先行していた為真/雛子機は、アペルギアの姿を捉えていた。
「カナンさんの機体です!」
「姉さん……!」
失ったはずの姉との再会に、為真は複雑な感情を抱えていた。
為真:ようやく追いついて……機体に呼びかける。「お姉ちゃん」
GM:アペルギアは向き直って、通信に応えます。モニターには、あのころと変わらない姉の姿が映っています。
「為真」
「本当に、お姉ちゃんなの?」
「大きくなったわね、為真。ずっと天使と戦ってきたのね」
「…うん」
「つらかったでしょう。頑張ったわね」
「…………うん」
「これまでよく頑張ったわ。でも、もう頑張らなくていいの」
為真:そこで顔を険しくする。「それはどうして? お姉ちゃんが、このままどこかへ行こうとしてることと関係がある?」
ミライ:「ええそうよ。私はこの天使大戦を終わらせるために行くの。私にはその力があるわ。だから為真、私を行かせて頂戴」
為真:「……何をするつもりなの」
ミライ:「それはまだ、言えないわ」
為真:「それを聞かないで、見過ごせない。危険なことかもしれないし、みんなで協力できるかもしれないし……それに、ここで行かせちゃだめな気がする。――止めないと」
ミライ:「為真、私を信じて。ほら追手が来るわ」
祝:情報量0か!w
カナン:……これさ、こっちで雛子やっていい?
GM:え、やってくれるんですか?
カナン:いや、しばらく私出番なさそうだなーってw
為真:どうぞどうぞ。
カナン:今回雛子強いしね。
そこで、これまで黙っていた雛子が口を開いた。
「未来さん。あなたは為真さんのことを、どこまで知っているんですか?」
祝:正妻か?w
ミライ:「どこまで? 全部よ。2年前からのこともカナンを通して知っているし、私は為真を生まれた時からしっているもの」
雛子/カナン:「……為真さんは、2年前にあなたが天使化した時に、呪いを受けています。雛子だけがそれを知ってしまいました」
為真:「……」
雛子/カナン:「でも、最近はその呪いを受け入れて、普通に過ごせるようになっています。立ち直って、強くなっています」
雛子はほとんど見えない目の先にミライを捉えて言う。
「為真さんはきっと、あなたが思うほど、弱くないと思います」
力強い宣言に、為真も答える。
「うん、姉さん、僕は2年前の、姉さんにずっと助けてもらってたころの僕じゃない。あの事故で姉さんがいなくなってから僕の周りは一変したけど、それでもこうしてこの世界を守ろうとするだけの力を振るえるようになった」
「……」
「それに一緒にいてくれる友達だってできた。お姉ちゃん、もう僕は、自分の手の届かないところで何かを失うのはいやだ」
為真:「姉さんが世界を救うために何かをするなら一緒にいるし、無茶なことをするならここで止める!」
ミライ:「…………ふぅん?残念。もう姉の後ろを追いかけるだけの為真じゃないのね。じゃあやっぱり、ここで消さないとね」
ミライはにっと笑う。その笑みが耳元まで裂けるかのように広がると、アペルギアが唸りだす。
機体のところどころに肉が付いたように膨張し、ミライを映し出していたモニターは機体の頭に飲み込まれた。
しかし口が裂けた笑みは、ぱっくりと割れた機体そのものとつながり、機械らしさのなくなった表面に顔が浮かび上がった。
天使化。それも忘れもしない、かつて見た天使の姿。
カナン:ちょっ! 中にいるんですけど!?
GM:通信越しではなく、目の前の巨大な姉の口が動きます。「残念だわ。あなた一人ぐらいどうとでも動かせると思ったのに」
為真:「……結局どこまでが本当の姉さんなのかわからないけど」
ミライ:「難しいことを聞くのね、為真。あの日、私とあの子はひとつになったの。だから全部本当の”私”の言葉よ」
そこへ他のシュネルギアが追い付いてくる。
クベルタ:「見てください、天使ですよ!」
ボルシチ:「うん天使だね」
祝:は?w
ボルシチ:「私たちの初戦闘だね」
クベルタ:「ご主人さま、私の力存分に見せて差し上げます。あんな天使、八つ裂きにしてシチューにして煮込んでやります!」
ボルシチ:「シチューよりは、ボルシチにしようか」w
祝:「待った、あの中にカナンがいる」
サラ:「あれを倒してカナンを助けられる?」
ツバサ:「通信……だめだ、アペルギアは反応してくれねえ」
祝:「くそっ、俺たちはカナンに言葉もかけてやれねえのかよ!」
雛子:「……アペルギアは内部まで完全に天使化しているようです」
為真:「そうか。あれが姉さん……人間だった姉さん、天使化してしまった姉さん……どっちもで。あれが今の本当の姉さんだとしても」
「僕はもう、過去の姉さんとの思い出にとらわれない。
僕は、あれから成長したから。姉さんのためじゃなく、過去にとらわれないために。
いまここにいる僕の友達のために。戦うよ姉さん」
為真は姉に向けて武器を向ける。しかし――。
「あなたには無理よ。そんなものを後生大事に抱えてるようじゃ」
為真の武器、エンゲルランツェは、中ほどで完全に折れ、先が消滅していた。
GM:具体的にどんな感じかというとですね、『天鎖斬月!』で4ページ見開き使った即落ち2コマのアレですw
祝:言い方よw
ミライ:「その武器、私のエーテルでできてるんだから。私に向けられるわけないじゃない」
為真:「……!」
ミライ:「さあ出番よ、『カナン』」
カナンは、海の中を揺蕩っていた。
時間も場所もわからない、永遠に続く暗闇。
そこへどこからともなく声が聞こえる。
ミライ:「カナン――」
カナン:「あれ…ミライさん……わたし……なにしてたっけ」
ミライ:「難しいことは考えなくていいじゃない。敵を倒す、そのための力があなたにはあるわ」
カナン:「そうだ……わたしたたかわないと。…そうすれば、おかあさんといっしょ……」
ミライ:「そう、あなたは戦わなきゃいけない。まずは目の前の敵を倒しましょう。さあ、その力を使いなさい!」
《ベニヤミンⅡ》
GM:そのオーギュメントの効果により、PC達の範囲のメジャーアクションが消滅しました。
祝:つっよw
ミライの姿をした天使がエーテルの波動を放つ。
回避を取ることすらできずに直撃するギアドライバー達だが、物理的な被害はない。
しかし異常はすぐに訪れた。計器に表示される出力が上昇している。
祝:「なんだと、この力は!?」
為真:「武器だけじゃない……!」
ツバサ:「出力が急に跳ね上がった? これじゃリミッターが……」
機体が緊急停止する。
もはや戦闘はできない。膝が折れ気が折れ槍が折れたギアドライバー達へ、ミライ、いや天使が言う。
「為真。姉であったものとして、これが本当に最後の忠告よ。私を追うのはやめなさい」
その言葉を最後に今度こそ天使は去っていった。
「いや……姉さん。必ずすぐに追いかけていくよ」
● ● ● ● ●
GM:ちなみにベニヤミンⅡですが、これはPL自身の意志でダーザインを昇華したもので、何らかの権能や災厄の力でないことは明言しておきますw
カナン:普通に1個消えたんですがw
GM:不正は一切なかったw
※勧誘の様子
GM:ところでカナン、その《戦争からの支配》のオーギュメント、なんか昇華したくなってこない?
カナン:え?
GM:いや、なんかそれだけ今オープンアップしてるんだけどさ。ここにただのパトスチットが5枚あるんだけどw
カナン:なるほど?w
GM:で、なんか『ベニヤミンⅡ』! って叫んでみたくない?w
カナン:叫んでみたーい!w
GM:いや本当のことを言うとですね。このままクライマックスに入るつもりだったんですが、それじゃひとりあまりにかわいそうな人がいるなってw
為真:あっw
GM:そういうわけなので、輸送機が後ろからやってきます。
流月:「皆大丈夫か!」
ボルシチ:「大丈夫じゃないです」w
祝:まあこういうことがあったんだよ」
流月:「ふむ。幸いそれならば対策が取れる。一時凌ぎだが」
為真:「僕は武器もお願いします」
流月:「……残念だが、1度折られた卍解は(ry」
為真:違うよ代わりの武器だよ!
対策を取りながら輸送機でミライを追う。
その時、為真をアクシアが呼び止める。
為真:もう辛くなってきた。
アクシア:「為真くん、ちょっと話いいかしら。……今回、あなたは出撃しなくてもいいわ」
為真:「それは、相手が姉さんだからですか」
アクシア:「……ええ、そうよ」
為真:「僕は、姉さんと戦って、姉さんを止めるつもりです」
アクシア:「それをあなたがやる必要はないわ」
為真:「いえ、僕は……僕の手の届かないところで何かを失うのはいやだ」
アクシア:「それでも、あの天使は私が止める。私が止めなきゃいけないの。だって……2年前のあの日。あのアペルギアには、本当は私が乗るはずだったの」
為真:えっ。それは……予想外。ちょっと待って。メンタル一新したこの状態で考えないと。なんで八つ当たりできるメンタルのときに行ってくれないんだよw
ギアドライバーとなるためには、黒い天使核を体内に宿す必要がある。
これは現在、14〜15歳以下の少年少女にしか確認されていない。だからシュネルギアには少年少女しか乗ることができない。
しかし唯一例外がある。アクシアは20歳を超えていながら、黒い天使核を体内に宿している。
「だから、あのアペルギアの起動実験にも私が乗る予定だった。でも直前に、天使が埋め込まれていること、万一の時に暴走する可能性があることを聞かされた」
「もしそうなったときに、暴走したアペルギアを止めるために私は降ろされた」
「あの日私が乗っていれば……天使化しなかったかもしれない。したとして、未来ちゃんを死なせることにはならなかった」
「ごめんなさい」
為真:「アクシアさん、その話は、姉さんは聞かされていたんでしょうか」
アクシア:「暴走の危険性は、聞かされてはいたはずよ。それでも誰かが乗らなければいけないことを分かっていて、彼女はあの実験に臨んだわ」
為真:「それなら……いいんです。姉さんならそうする」
アクシア:「だから私に、行かせてほしい」
為真:……そうか、ギアがないのか! 普通に全員で行こうって言うところだった!
GM:じゃあやっぱり留守番?w
為真:いやさすがにそれは……むしろ雛子を降ろす?
相談の結果、この戦闘では雛子の代わりにアクシアがナビゲーターとして参戦することに。
雛子は強いので譲ってくれるでしょう。そういうことになった。
為真:「今度こそ止めに行きましょう」
GM:オーギュメントは雛子のまま。ちなみにアクシアのナビゲーター補正は肉体2理知3ね。
為真:あっ強いw
雛子:「雛子もこの場からできることをします」
[クライマックス]
ミライのエーテルに対抗するための緊急措置を終え、シュネルギアは再び発進した。
帝都方面へ向かう空で、ギアドライバーとミライ――天使アズラエル――は再び相対する。
ミライ:「性懲りもなくまた来たようね。言ったはずよ、今度来たら手加減できないって」
為真:「いいや、姉さんを止めるよ」
祝:「カナンは帰してもらう!」
サラ:「そうよ、カナンちゃんを返しなさい!」
クベルタ:「今度こそ私たちの初陣です!」
ボルシチ:「さっきは簡単にやられちゃったけど、今度はがんばろうね」
「カナン、聞こえたら返事をしてくれカナン!」
相変わらず返事はない。
「姉さんが何をしているのか結局わからないけど、もう無茶はさせない。カナンちゃんを返してもらう」
「この戦いが終わって聞ければいいけれど」
「――私はただ……」
※今回のカナンの扱い
カナンの持つパトスチットを1枚使うごとに、アズラエルの能力値を+1またはー1
ダーザインを昇華した場合、ダーザインLVだけ+1またはー1
この効果は1タイミングにつき1回使用でき、そのタイミングが終わると能力値はもとに戻る。
カナン:やっぱりPCデータ必要なかったw
GM:まあこれで支援してください。能力値増やしてもいいんですよ?
カナン:ボスデータ使えたら考えたw
GM:あと、セットアップごとにカナンパートがあります。RPするためのシーンですね。
カナンの意識がふと戻ると、列車の中にいる。
外は雪が降っている。古めかしい昭和の列車が見知らぬ土地を走っていた。
車両の中、目の前に未来と為真がいる。その横には、眼鏡をかけ角の生えたお兄さん――カナンは知る由もないが、大将・維馬篭代胤がいる。
維馬篭:「君たちはヤシマの未来のために働くんだ、これは誇りに思うべきことだ」
未来:「はい、わたしが頑張ることで皆を守ることができるなら」
カナン:「あれ、ミライさん……?」
ミライ:「それは過去の私よ。これはあの子の、《未来》の記憶」
いつのまにかカナンの横に、ミライが立っていた。
その姿は、目の前の少女とほぼ変わらない。
ミライ:「ありふれた家庭で生まれたあの子は天使力の素質を見極められ、弟と2人で戦争に引きずり込まれた」
カナン:「弟……あれって、為真さん!?」
為真:あ、これやっていいんですかね。
GM:どうぞどうぞ。
祝:しゃべれればよいのだ!w
為真:『お姉ちゃんどこかに行くの? 僕は?』
未来:『心配しなくてもいいわ、為真。私が、お姉ちゃんがついてるから』
為真を落ち着かせる未来だが、その腕も震えているのがわかる。
ミライ:「わけもわからないのに人類の未来のためだとか言われて引きずってこられて、あの子も不安で仕方なかった。それでも弟を不安にさせないため、ずっと意地を張り続けてた」
カナン:「ミライさんの、昔の記憶……」
ミライ:「ええ。あの子は本当は戦いたくなんかなかったし、天使と戦う力なんてなければ家族と静かに過ごせたのに。そうずっと思ってた」
カナン:「…………私はずっと、ほしかったのに。そういうことも、あるんだ」
ミライ:「どうしてあなたに私の声が聞こえたかわかる? あなたは戦うための力を求めた。でも、私は、あの子はずっとその力を捨てたかった。だからあなたに声が聞こえたの」
カナン:「力を……私に渡すために?」
ミライ:「ねえ、あなたはどうして戦うための力を求めるの。ただの手伝いなら、平和に過ごせたんじゃないの?」
カナン:「私は……お母さんと一緒にいたかった。戦えれば、お母さんと一緒に過ごせるんじゃないかって」
ミライ:「でもその結果は――」
突如風景が切り替わる。最近のカナンの記憶が映し出される。
アペルギアに乗り天使を殲滅する光景。帰還後、ラムダへの報告。確かにラムダは笑顔を向けてくれた。
「あなたが望んでいたのはこういうことだった?」
「……私は…………」
また風景が変わっていく。
ヤシマではないどこかの街並み、ある民家の中、2人分の料理が食卓にならんでいる。
コマ送りのように風景が進み、食卓には人がふたりやってきた。何かを話しながら、料理を食べている。
「…………私は…………………!!」
● ● ● ● ●
敵はミライこと天使アズラエル。
アズラエルはセットアップに、災厄《アズラエルの顎》で権能を宣言できないHP1の分身を作り出す。
祝:どっかで聞いたことあるやつなんだけどw
GM:まあいろいろとねw
祝:「だが俺たちには歌がある!」イェソド!
ボルシチ:「任されました!」
ボルシチは招魂歌をオーギュメントなしで48成功。
聖霊26=78点以下無効のケルンで弾かれかけるが、カナンがチットを使って能力値を下げ、分身を撃破。
アズラエル:「黒い天使核を取り込んだ私の力を見るがいい」
祝:キャラ変わってね?w
GM:星を落とすもの、時空を砕くもの、奇跡でシーン攻撃ね。
祝:奇跡まで言うならミカエルだな。「あの攻撃はまずい、お願いサラ!」
サラ:「無茶言わないで!」
といいつつミサイルを発射して打ち落とす。
オーギュメント撃った時ぐらいしゃべらないともったいないしね。
GM:アズラエルはセカンドアクションで行動値を下げて再行動、さらに疾風怒濤で追加行動します。
為真:白兵攻撃か、ならリポスト。操気術があるからケルン関係ない!
祝:こっちの通常手番が来たからいつもの行くか。まず盾の乙女、ボルシチの成功数+23。
ボルシチ:大いなる楽の音で勇気の歌シーン化します。53。
為真:初手に歌姫使った分で伸びなかったな。じゃあ素殴り、85点。
祝:これ俺の次のメジャーでもらった53点をボルシチに返せばいいんですね?w
GM:これはひどい。
為真:「感じる、僕たちの力が高まっているのを!」
アクシア:「次はもっとすごいのを見せてあげるわ」
為真:「よし、奇襲は次のラウンドだ!」
カナン:それ奇襲じゃなくね?w
カナンの目に映る風景は、2年前の事件のものになっていた。
格納庫、アペルギアの前。パイロットスーツに身を包んだ未来が入ってくる。
アクシア:『大丈夫よ未来ちゃん、何も心配いらないわ。もし何かあっても私がついてる』
為真:これ暴走の危険性聞かされてて言ったんですよねw
GM:いや未来も暴走するかもぐらいは聞いてるはずです。その上で乗ってる。
未来:『その時はよろしくね』
アクシア:『……ええ、任せて』
その後、未来の乗ったギアは暴走、天使化し、アクシアに討たれることになる。
カナン:「未来さん、最後まで為真さんのことを考えてた……」
ミライ:「あの子は自分が頑張れば、弟が戦争しなくて済むかもしれないと考えてた」
カナン:「無理して訓練してたのは未来さんの方なのに。……でも、あなたは未来さん自身じゃないの? あなたはいったい?」
ミライ:「アズラエル。『あそこ』にいた天使よ」
ミライは語る。
「そもそもアペルギアの計画は、これまでの天使核を宿した人間が乗って天使力兵器を操作することの限界を超えるためにあった。
限界以上の力を出すにはどうすればいいか。今のシュネルギアが2人乗りなのもそういう発想から来ているのよ。
……あの機体には元から、天使から精製された黒い天使核が積み込まれていた」
「じゃあ私が埋め込まれた天使核が……」
「1度天使化して溶け合った後の天使核だから、誰のものとはいいがたいけど」
ミライ:「私ね、天界に帰りたいの。戦争に巻き込まれて、あげくやられたと思ったら機械に閉じ込められて。もうたくさんなの。天界に帰って静かに過ごしたい」
カナン:「そのためにアペルギアを動かしたの……? アペルギアと一緒じゃないと動けないから」
ミライ:「私ひとりでは体を得られないから。だからあの機体とあなたを利用させてもらったの。……ねえカナン。私と一緒に天界に行かない?」
カナン:「あなたと?」
ミライ:「ええ、2人で一緒に天界へ行くの。そこなら争うこともないし、傷つくこともない」
カナン:「ミライさん、あ、いやえっとアズラエルさんは……もともと天界にいたの? そこに、家族がいるの?」
ミライ:「家族? 天使に家族はないわ」
カナン:「……」
思わぬ提案に、カナンは少し考えこむ。
自分がおかれた状況は、もうなんとなく理解できていた。
カナン:「……私はお母さんといっしょにいたい。色々あったし、色々されたけど。でもやっぱり、お母さんが好きなんだ」
ミライ:「そう」
カナン:「お母さんはね、天使は殺さなくちゃいけないと思ってる。ヤシマに来た日からずっとそのために生きてる。だから私はお母さんと一緒にいたくていろいろやってきた」
風景が変わり、再び民家が映し出される。
家の中の食卓に座る2人は、談笑しながらシュニッツェルを食べていた。
「でも本当はね……お母さんと一緒にご飯が食べたい。それだけなの」
「そっか」
ミライは寂しそうに笑った。
ミライ:「カナンちゃん、やっぱりあなたに戦いは向いてないわ」
カナン:「ミライさんだって、優しいのに」
ミライ:「私が?」
カナン:「皆を守るために自分が戦うなんて、そんな優しいこと……」
ミライ:「あの子はそうだったわね」
カナンがミライの提案を飲むことはない。
ミライの取る方法は、カナンを支配した状態で外のシュネルギアと戦うことだけ。
しかしその時、カナンがはっとした表情で振り向いた。
「ねえ、アペルギアは本当に私がいないと動かないの?」
最終更新:2019年08月08日 11:19