※エンゼルギア2ndのネタバレを含むため、キャンペーン未プレイ者はプレイしてから読むことを強くオススメします
















































「ねえ、アペルギアは本当に私がいないと動かないの?」



● ● ● ● ●

カナン:今ってアペルギアが天使化してるじゃないですか。
ボルシチ:はい。
カナン:これカナンだけいい感じにパージしてアズラエルにそのまま帰ってもらうってできないのかな。
GM:一応黒い天使核パワーで動いてるのでどうだろう。
祝:いやでもこれ、カナンから黒い天使核だけ取り出せる説あるな。
GM:あー……これね、シナリオの構造上の欠陥なんですよ。黒い天使核をパージできれば戦う理由なくなるなって。で、多分できちゃうんですよねこれ。
カナン:まあ問題は、天使を取り逃がすと後で何言われるかわからんってところですがw

ここでPLとGMが相談に入る。
「天使と戦わなくていいのでは?」とカナンのプレイヤーが思ってしまい、それを実現させるために方法を考えることになった。
TRPGなのだから、まあたまにこういうこともある。特にこのGMはその場のノリでシナリオを投げ捨てることもよくあるタイプなので。
セッション後のGM曰く、「アズラエルに変な動機を持たせてしまった」とのこと。

各々のキャラクターの目的としては……
カナン:まずは母親のもとへ帰る。その後かつての日常を取り戻す
アズラエル:天界へ帰る。そのためにカナンの黒い天使核とアペルギアが必要
ラムダ:天使皆殺し
アクシア:2年前と同じ天使を止める
為真:姉を止める
とのことで、ラムダ以外はどうにかなりそうな気配はある。

PL4:ラムダについては、まあ対抗するしかないでしょう。カナンが乗り越えないといけないところ。
PL2:為真君は一応説得されたら止まる、かなあ。その後どうなるのかしらんけどw
GM:アクシアさんは……かわいそうだけど納得してもらおうw
PL3:ていうかさ、アズラエルって今帰る必要あるの? 戦争終わってからでもいいとか、ない?
GM:言われてみれば。天使だし、帰るのが数年遅れるぐらいじゃなんてことなさそう。要は帰れればいいんだ。
PL4:他の天使を倒すこと自体は特に何とも思ってない感じでしたしね。
PL3:どうせならアペルギアじゃなくて別のものに天使を移植するとか!
PL1:まさかクベルタと同じ……?w

そして出た結論がこれ。
『アズラエルには矛を収めてもらう。戦争が終わるまで協力なりで基地にいてもらう。終わったら天界へ帰る』
『カナン以外のPCたちはこれから説得。ラムダにはアペルギアの有用性をメインに説得するが基本的に対抗』

PL4:為真とアクシアには申し訳ない気持ちでいっぱいなんですけども! あまりにもあまりにもなんですけど!
PL2:いやまあ、槍と一緒に心が折れるつもりが、先に立ち直っちゃって実は困ってましたからw
GM:よし、決まりだな! いやあ、なんとかなりますね。これは不知火の落ち度ですw


● ● ● ● ●

ミライ:「――確かに、これ以上戦いを続ければ厳しい結果になる可能性もあるわね」
カナン:「私は、ミライさんが帰りたい気持ちもわかる。ミライさんにも、願いを叶えてほしい」
ミライ:「……そうね、最終的に帰れれば文句はないわ。そもそも私が閉じ込められたのは、戦争に使われるため。私は全く関係なかったのに」
カナン:「じゃあ……!」
ミライ:「戦争を起こしてるやつが気に食わない。いいわ、あなたと私、戦いましょうか。ともに」

戦闘中のアズラエルの形が崩れていく。元のアペルギアへとその姿が戻っていく。
それと同時に、カナンの声が響いた。
「――待ってください! もう天使は戦いません!」
カナンは、2年前のミライの記憶の風景を空に映し出す。
少々の悶着の末、為真たちも矛を収めたのだった。

為真:「アクシアさん、次のラウンドはもっとすごいのをみせてくれるって」w
アクシア:「すごかったでしょう」w
祝:「まあ多分、本当のことなんだろうな」
アクシア:「未来ちゃんを奪ったのが天使だと思っていたけれど、天使もまた被害者というわけね」キリッ
為真:「思うところはあるけれど……僕の友達のカナンの提案だから。飲むよ」
GM:というわけで……クライマックス、これで終わりです。
カナン:やったーw
GM:ちなみに分身は幻影喝破で即死した模様。


[エンディング]

GM:ところで今回の話のオチってやつですが、本当にこっちで決めていいんですか?
カナン:いいよ、というかプレイヤーとしてはやりたいネタの提案までしかできないしw
GM:じゃあGMの趣味ということで。

元に戻ったアペルギアが帰還する。
カナンが機体を降りると、ラムダが既にそこにいた。
カナンの目には、ラムダが少し安堵しているように見えた。
「……お母さん」
ラムダの手がカナンの頭の上に伸びる。
「おかえり、カナン」

カナン:驚いて、でも返す。 「うん、ただいま」
GM:ラムダは極まりが悪そうに、すっと後ろを振り向きます。
ラムダ:「私も少し、新しい研究を手を出してみようかと思ったの」
カナン:「研究……って?」
ラムダ:「より人間に近いホムンクルスを作るっていう実験。手始めに人間の味覚を再現しようと思ってる」
カナン:「……」

「……お母さん。楽しみ。……私、手伝ってもいい?」
「そうね、この研究はカナンにも手伝ってもらわなきゃね」

それだけ言い残すと、照れくさそうに部屋を出ていく。
カナンはアズラエルが呼び起こした記憶の風景を再び思い返していた。
民家の中、料理を食べる2人。
まだ私は、その味を覚えている。

● ● ● ● ●

為真の眼は、相変わらず人を天使に映し出しているままである。
しかし為真は姉の天使を見たことで、天使はこれから天使に見えるという気がしていた。
そして、変わったのは呪いだけではない。

事件の翌日、為真が目を覚ますとアクシアが朝食を作っているところだった。
食卓へ続くドアを前に、ひとつ深呼吸する。

為真:ドアを開けると同時に食い気味で、「おはようアクシアさん!」
アクシア:「おはよう、為真くん」
為真:「う、うん……」

雛子も含め、全員が席に着く。
「いただきます、アクシアさん」
アクシアはしばしきょとんとした顔をしていた。
「……ええ、いただきます」

GM:まあ、これ以上やるとまた失言しそうな気がするからここまでにしておこう!w
為真:正しい。この光景のために2年かかりましたからね。


祝はズィーガーへ報告に来ていた。

ズィーガー:「祝、珍しいな。こんな時間にこんな場所で」
祝:どんな時間のどんな場所なんです?
GM:風呂上がりの自販機ということで。近くの草むらでツバサが見てるよ。
カナン:風呂上がりの自販機のそばの草むら……?w

「せっかくだ、呑(や)らないか?」
「俺未成年ですけど」
「知っているさ。風呂上がりはこれだ」
ズィーガーはコーヒー牛乳を投げて渡す。
「奢りだ」

祝:ごくごく。「……そういえば八丈島で、為真とアクシアさんのことについて頼まれましたけど。こういう形で解決するとは思ってませんでした」
ズィーガー:「……ああ」
祝:「けど、いい解決の仕方だったんだと思います」
ズィーガー:「簡単な話は聞いている。未来ちゃん、だったか。あの子の姿をした天使がまた現れた。しかし止めは刺さなかったとな」
祝:「こんなこともあるんですね。亡くなったものが戻ってくるなんて」
ズィーガー:「いや……結局のところ、死人は死人なんだよ。『未来ちゃん』は確かに死んだ。今生きているあいつが何を選んでどう生きていくかは、当人が決めるしかない」
祝:「そんなもんですかねえ」よくわかってないけど。

ズィーガーにとっては珍しく、長く語る。
「祝。お前はまだ若い。自分の命、自分の生き方は、自分のためだけに決めろ。
 これからのお前の戦いで救えない者がどれだけ出てくるか、あるいはもう出ているのかわからないが、それをお前が背負い続ける必要はない」
ズィーガーはそこで草むらに視線を投げた。
「とはいえ……俺は半分死人だからな。お前たちの生き方にあまり口を出しても妨げるだけだろうさ」
草むらにダイレクトアタック!

祝:「大丈夫かなあ」ズィーガーに一礼して草むらの方に走っていくけど。
GM:じゃあ草むらが逃げる。
祝:草むらごと動くの!?w

● ● ● ● ●

一連の事件から少ししたある日。
食堂でボルシチとクベルタがボルシチを食べていた。

ボルシチ:「カナンちゃんも無事に帰ってこれて、あと新しい、人? も増えるって。無事に解決したんじゃないかな」
クベルタ:「そうですねえ。どんな形になるかわかんないですけど。アペルギアのままかホムンクルスか」
GM:次回までに決めといてください。
カナン:はいw
ボルシチ:「君はなんでそんなメタキャラになっちゃったんだろうね。クライマックスとかすごかったし」
クベルタ:「あの人の後釜ですから!」w
ボルシチ:「今回もサポートありがとう」
クベルタ:「はっ、お褒めの言葉を頂けるなんて。不肖クベルタ、これからもせいいっぱいがんばります!」

結果的には戦力を増強できた瑞穂基地。
セラピア奪還作戦の準備が整いつつあるという話も聞く。今は後々の激戦に備えて体を休めるべきだろう。
しかし、そんな仮初めの平穏を実感することもなく、事件は起こる。

――突如、天が割れるかのような轟音が響き渡り、大地が激しく揺れた。

ボルシチ:「わっ!」
GM:ボルシチには分かりますが、強大なエーテルの波動を感じます。
ボルシチ:「これは……!」
GM:あとクベルタが机の下に潜り込んでます。

ボルシチは外に出て空を見上げる。
一筋の光が雲を裂き、何かが降りてきた。
それは天使だった。黙示録に語られる4体の騎士級天使が纏めて出現したのだ。
さらにそれらに囲まれるように、見たことのないシュネルギアがいた。

――頭に直接声が響く。

「合衆国第二代法王セラピア・パルマコンがここに宣言する。この戦争は我々の勝利で終わる」

ボルシチ:あああああーーーーっ!!!!


第5話 《ラスト・デパーチャー》 へ続く。





GM:あ、そうそう。次回からカナンに特殊オーギュメントが追加されるのでよろしくお願いします。

特殊オーギュメント:《ベニヤミンⅡ》(対応ダーザイン:戦争からの支配)
効果:対象のオーギュメントまたは権能(災厄を含む)を打ち消す。
   または、オート・常時を除く対象のアクションひとつを打ち消す。シナリオ1回使用可能。

カナン:ナヘルとミカエル足しておまけがついてきてるとか完全に壊れオーギュメントなんですが大丈夫?w
GM:なんとかなるやろw 技能レベルは減らないしw
カナン:まあ正直黒き業炎を打ち消すのに使うだろうから、ただのナヘルと変わらない説はある。
GM:そして次回はシュネルギア改です。皆さん決めておいてくださいね。
為真:ついにムラクモが持てるのか、胸が熱くなるな。
祝:シュネルギア改は強いですからね。
ボルシチ:春風の楽が強いからもしかしたら変えないかも……w
カナン:そうそう、ミライさんもといアズラエルは人間形態にしようかなって。
GM:アペルギア乗らなくていいんですか?w
カナン:データあるの?
GM:シュネルギア改相当ということで。
カナン:つっよ、それにしよw(テノヒラクルー)
最終更新:2019年08月24日 00:22