眠らない街、東京。
数多の欲望と謀略が錯綜するその魔都は、今や謎の戒厳令が敷かれていた。
忍神が遺したという万能の忍法“天上天下”を巡り、六人の修羅による死闘が始まる。

忍術バトルRPGシノビガミ リプレイ風ストーリー 「毘神(ビガミ)」



   頭領。それはシノビガミというシステムにおける最高位。
   通常、キャラクター作成により生み出されるキャラクターは中忍という階級になる。
   判定に必要な特技を6つ、いわゆるスキルに相当する忍法を4つ、そしてシノビガミの華である奥義を1つ持つのが、中忍。
   頭領は、8つの特技、8つの忍法、そして3つの奥義を持つ。
   単純に奥義の数だけを比較しても、中忍3人と同等の戦力を有するその強力さから、一般的なセッションでは、ボスエネミーの階級として用いられることが多いだろう。

   本セッションでは、全てのPCが頭領である。
   そして、PC人数は6人。全ての流派の頭領クラスが集まる、人知を超えた超弩級セッション。
   本作のタイトルにもなっている忍神(シノビガミ)が遺した最強の忍法"天上天下"を巡り、最強の六人の戦いが幕を開ける。

   そしてその六人。読者諸兄は既にご存じでもあろう。
   改めて、彼らの紹介から、物語を始めていこうと思う。


それはあらゆる忍法、あらゆる人心を掌握する、全能を汎用とする万能。
斜歯忍軍。国士無双、黒潮一人。
(PL:らしょ)

自在の剣戟を一つの太刀筋に帰結させる、剣の術理を否定する剣闘士。
鞍馬神流。深剣、柳生三巌。
(PL:Alurria)

“死”そのものの象徴。彼方より現れし絶対なる訪れ。
ハグレモノ。死に近き石蒜。
(PL:haratomo)

三千年の歴史を歩み、一億の命を背負う国体の守り手。
比良坂機関。国体護持、安倍信明。
(PL:キャスタ)

如何なる者の心も掴み、その力を我が物とする侵略者。
私立御斎学園。黒船、ミッシェル・ペリー。
(PL:えのき)

誰も知らぬ、誰も語らぬ。故にこそ顕れる神代の神秘。
隠忍の血統。隠されし唯仁。
(PL:ninnzinnsann)

これに加えて、GM:イナスファにより、このセッションは執り行われる。
この場を借りて、GMのイナスファくんにお礼と賛辞を述べさせていただきたい。

0.オープニング

ここに集いし修羅こそは、一騎当千の忍修羅達。
しかし、“天上天下”をその手に収めるは者はただ一人。
すべての修羅を打ち倒した者、忍神一人である。

「集いし六人の修羅、その一人よ。あなたは、『六合統一の儀』への参加資格を得ました」
「これから始まるのは、予選。上(かみ)下(しも)に分かれ、自らの強さを示すのです」
「そうしてすべての流派、すべての修羅の頂点へと至りし者に、“天上天下”は齎される」

隠忍の血統の代表、唯仁の脳裏に語り掛ける影がある。
唯仁にはそれが即座に理解できる。"天上天下"の主を決める時が来たのだと。その影は、"天上天下"そのものなのだと。
そして、その声を聴くのは、自分だけではないのだと。

"天上天下"は示す。『六合統一の儀』は、頭領6人による特殊戦であると。
頭領3人から成る"天上"と頭領3人から成る"天下"に分かれ、その覇を競う。
忍神としての資格に勝ると認められた"天上"または"天下"のいずれかが、最後の一人になるまで戦い、たった一人の勝者だけが、忍神となる。
それが、『六合統一の儀』。

   ここで、具体的に本セッションのレギュレーションを紹介しておこう。
   ______

   "天上":黒潮一人、柳生三厳、安倍信明
   "天下":石蒜、ミッシェル・ペリー、唯仁
   この2陣営に分かれる。各陣営いずれかのPCはそれぞれプライズ「天上の巻」「天下の巻」を持つ。
   以下の条件で、陣営に評価点が入る。
   ・メインフェイズの、敵陣営のキャラクターを含む戦闘で勝利する。 :1点
   ・敵陣営の『天上之巻』か『天下之巻』を所持している。 :1点
   ・クライマックスフェイズで勝者となる。  :1点
   そして評価点が5点に達したとき、5点に達した陣営の3人による「最終決戦」に移行する。「最終決戦」の勝者が、忍神になる。
   ______

   3対3からの、三つ巴の戦い。
   協力し、対立し、最強を目指す。


「じゃあ、やりますか。」
最初に動き出したのは、隠忍の血統が頭領、隠されし唯仁。
最終更新:2021年05月03日 15:40