ここから、5人のドラマシーンが連続する。
   互いに交流し、情報を得て、次なる戦いへの地盤が固められていく。
   きっと次は、もっと大きな戦いになる。

1.2.三巌のドラマシーン

   三巌、一人、信明の3人がシーンに登場。
   三巌は一人に感情判定を行った。
   一人は三巌に対してプラスを、三巌は一人に対してマイナスを選択。

"天上組"による会合を終え、三巌は柳生の屋敷に戻った。その奥座敷にて、人に見せることのない《荒行》を、その身に刻み込むのだった。

   三巌は《荒行》を使用し、「忘却:一人への感情」を受けて、命中判定に+1の修正を得た。
   また、このシーンで、最初の戦闘で一人が獲得した奥義の情報が"天上組"に共有された。

1.3.ミッシェルのドラマシーン

   ミッシェル単独のシーン。
   ミッシェルは「奥義:追加忍法/巡らし/回数制限」から《呼び声》を使用。
   シーン外の信明を引きずり出し、感情判定を行う。互いにマイナスを選択。
   《補給》の判定には失敗し、シーンを終了した。

「咲透華(サスケハナ)・御志執費(ミシシッピ)」。ミッシェルに随伴する4隻の黒船。その内の2隻に導入された最新鋭の設備は、一国における政治の代表をして、逃れ得ぬ接触を確約した。

「中央にコネクションを結ぶのは大事デース!」
ミッシェルは天真爛漫に笑う。その笑顔が、美貌が、魅力が、全て彼女の力である。

1.4.一人のドラマシーン

   一人と信明がシーンに登場。
   信明に対して感情を行い、互いにプラスを選択。
   そして、《変形》を使用。《接近戦攻撃》を《万華鏡/指定:登術》に変更。

忍者世界の雄と、一般世界の雄。
それらが手を結ぶことの意味は、すぐに明らかになる。

1.5.石蒜のドラマシーン

その日の夜は、強く冷えた。
徐々に熱を帯びる『六合統一の儀』と対照的に、その夜は忍者たちを凍てさせ。
重く冷たい空気にふさわしく、忍者たちは陰謀を結んでいった。

   シーン表は「冷気」。「衣装術」の判定に失敗したPCは2点の射撃戦ダメージを受ける。
   登場は石蒜、ミッシェル、唯仁の3人。うち石蒜のみが判定に失敗し、その生命点を減らす。


「カムバーック!!」
「体が弱いなら無理してはいけませんよ。」
冷気に気をやった石蒜に、"天下組"の二人が心配の声をかける。

「まぁ大丈夫だよ。”あの人”に近くなるの、割と慣れてるから」
石蒜は震えつつ、確かな確信を持って言う。

   石蒜の持つ《忍道》は、生命点が1点の間、戦闘能力が超強化される効果を持つ。
   《血餅》と併用して、生命点を削って《忍道》を起動する石蒜の戦略にとっては、この被弾も乱暴な近道に過ぎない。
   石蒜はまず《血餅》を使用。なんとこの判定がスペシャルし、石蒜はコストとした生命点を取り返したうえで、兵糧丸を1つでなく2つ獲得する。

   次に、ミッシェルに対して感情判定を行った。なんとこの感情判定で、ミッシェルは石蒜に対して「友情」の出目をロール。
   ならば、と石蒜がミッシェルに対して獲得したプラスの感情は、ミッシェルが変心丸を使用して「友情」に変更。

   ミッシェルの持つ《親友》は、互いに「友情」の感情を持つキャラクターの忍法を自分のものとして使用できるという大技である。
   通常なら、変心丸や戦果の利用等で、自分と相手で計2回感情操作が必要になる《親友》だが、感情判定で直接「友情」をロール出来たこのドラマシーンは、ミッシェルにとって大きな躍進となった。

1.6.信明のドラマシーン

「おぼろげながら、46という数字が浮かんできたんです。」
そう言ったのは、時の環境大臣、小泉新次郎であった。
一世を風靡した内閣総理大臣、小泉純一郎の息子にして、その外見的魅力と適切に立ち位置を定める外交手腕によって世間から愛された政治家である。
「おぼろげながら」の発言は、しかし世間の一部からは批判の対象となった。
しかし、46という数字が、比良坂機関の精鋭たちによる策謀と調略によって引き出された数字であり、最大限日本の国益を守る数字であったと、どうして口に出来ただろうか。

小泉新次郎、その真の姿は、比良坂機関が頭領、国体維持、阿部信明の影武者であった。
国体維持、安倍信明。
安倍清明の流れを汲む陰陽の家系であり、近くは日本有数の長期政権を維持した元内閣総理大臣、安倍晋三の隠し子。
日ノ本三千年の歴史と日ノ本の民1億人の命を肩に背負う比良坂機関の代表である。

   シーンは霧。登場は信明と三巌。
   情報戦に長ける比良坂機関が頭領、安倍信明の実力が十全に発揮されることになる。

濃い霧の中。二人は信明の屋敷の縁で会合している。

「視界が1m以下ということは、霧が深いということですね」
信明が、自らの影武者を真似ておどけてみせた。

「うむ。活かせる有利なら、活かすべきだ。」
返す三巌に愛想は無い。

そうしているうちに、二人の間に簡単なもてなしが並べられていく。
酒の入った瓶子と器。
焼いた干し魚と茸の肴。
ミッシェルの【秘密】と、唯仁の【居所】が記された資料の束。

そして、居所が判明した唯仁の隠れ家には、比良坂機関の精鋭が既に波状襲撃を掛けている。信明と三巌の食事のバックミュージックは、順調に入る戦況報告だ。

如何な精鋭といえど、絶対的神権を持つ唯仁に通じる戦力には非ず。
唯仁のかざす勾玉に、日ノ本と強い因果で結ばれた比良坂の忍者は、ただ臥すのみ。
そうなるはずであった。

彼ら比良坂の忍者の瞳に、別なる勾玉の輝き無くば、のことであった。
「八尺瓊勾玉」。
比良坂の保管する神器の、そのレプリカ。
日ノ本を警護する最重要神品が、単一の窃盗で失われることは無い。
比良坂機関は既に、そのレプリカの作成に成功している。

たしかに、レプリカに真品に勝る力こそ無い。
しかし、三千年の歴史と1億人の民に下支えを受けた信明の呪あらば。
"国益"のため、身命を賭す比良坂の忍者の覚悟あらば。
それは絶対的神権への叛逆を叶えたのだった。

   ドラマシーンにて、信明はまずミッシェルに情報判定を行い、【秘密】を獲得した。
   続けて、それを《情報屋》のコストとして唯仁の【居所】を獲得。
   【居所】を手に入れた唯仁に対して《社会戦》と「奥義:追加忍法」から《天眼》を使用した。
   《社会戦》により唯仁に集団戦ダメージが入る。変調は「忘却」で、感情をまだ持たない唯仁にとっては効果が無かったものの、《天眼》の誘発は果たす。
   唯仁の【秘密】が"天上組"に獲得される。
   これにより、"天下組"の誰が『天下の巻』を持つかが明らかになった。
   『天下の巻』の所持者は、唯仁。

1.7.サイクル終了時

   このセッションでは、『修行』というルールが存在する。

   ______

   各サイクルの終了時に、各プレイヤーは望むなら修行を行うことが出来ます。
   修行を行う順番は、そのサイクルの手番順と同じです。
   修行を行うキャラクターはランダムな特技で判定を行い、失敗すると接近戦ダメージを1点受けます。
   成功すると自分の忍法一つを未修得の状態にし、以下の中から好きな忍法を一つを選んで習得することが出来ます。
   【射撃戦攻撃】、【連撃】、【補給】、【破術】、【痛打】、【凶手】、【達人】、【撫斬】、【開眼】、【息吹】、【帝釈天】、【魂呑】、【閻魔】、【自分が所属する流派の流派忍法】
   ______

   以下の通り、各PCは『修行』を行った。
   一人:《頑健》→《補給》
   三巌:なし
   石蒜:なし
   信明:《接近戦攻撃》→《補給》
   ミッシェル:《接近戦攻撃》→《電撃作戦》
   唯仁:《接近戦攻撃》→《補給》

   また、《荒行》によって自ら「忘却」を受け、《朽気》の効果を高めようとしていた三巌だったが、メインフェイズの戦闘が苛烈なセッションだと判断し、これの回復を試みた。
   判定は11チェックであり、失敗したところに《朧》を使用。ファンブル表を振る代わりにこれを成功とし、「忘却」を回復した。

   そして、ファンブル表の結果は「各PCが、三巌の持つ【秘密】か【居所】を一つずつ獲得できる。」であった。
   結果は以下の通り。
   一人:三巌【居所】
   石蒜:唯仁【秘密】
   信明:獲得せず
   ミッシェル:三巌【秘密】
   唯仁:ミッシェル【秘密】

これにて、第1サイクルが終了した。
劇的な開戦と、堅実な準備。
『六合統一の儀』は、これからだ。
最終更新:2021年05月03日 05:06