ダークデイズドライブ リレーキャンペーンリプレイ第一話
「鋼鉄煤煙王国 四日市 鋼鉄の貴婦人」
著者:haratomo

 ダークデイズドライブ(以下DDD)は冒険企画局から出ているTRPGのシリーズ、「サイコロ・フィクション」の第十三作目です。PCたちは不死の存在である吸血鬼の下僕、すなわち「イケメン」となり主人の指示をもとに各地を放浪します。ここまで聞くとダークでカッコいいイメージですが実際はというとキャラの濃い主人にオンボロの車、金や宿泊場所には困りトラブルは雨のように降ってくる。そんなどうしようもない環境の中PCたちは移動中の車の中で主人の愚痴を言ったりしながら貧乏旅行を続けます。そんな「水曜どうでしょう」のようなTRPG、それがDDDなのです。
その特徴を一言で言うならば「お手軽さ」です。サイコロ・フィクション共通の判定の簡単さに加えてキャラ作の時間の短さ、通常判定においては「イケメンは失敗しない」ため出目が足りずとも(もちろんペナルティーはありますが)判定が成功するなどにより、セッションがストレスなく円滑に進むといったものが挙げられます。
 今回そんなDDDにおいて我々4人はリレーキャンペーンを行うことにしたのですが、第一回のGMとなった男はこんなトレイラーを持ってきたのです……
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志半ばにして潰えた夢。
完成しなかった理論の残滓。
汎人類史に「不要」と断じられた男の意志が成し遂げた、「在り得てしまった」”異聞帯”。
其は鉄と煙を纏う、猛き情熱の人類史。
行き止まりの未来の行く末は、闇を行く汝等に託された。

ダークデイズドライブ リレーキャンペーン第一話
「鋼鉄煤煙王国 四日市 鋼鉄の貴婦人」

見果てぬ夢を、此処に。
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このトレイラーに加えてFGOのサーヴァント、チャールズ・バベッジを彷彿とさせる見た目の美少女が描いてある特異点予告画像までご丁寧にも用意してきました。

PL1「誰がここまでやれと言ったwww」

GM「いや、元はと言えばお前(PL1)のせいだぞ!お前この間やった聖杯戦争TRPGで異聞帯出てくるシナリオなんてやったら、俺だって異聞帯やりたいってなるに決まってるだろ!」

PL2「それにしてもここまでやるかぁ……」

PL3「いやでもこれDDDでしょwwどうやって特異点なんていうドシリアスと混ぜるんだww」

GM「そこらへんはなんとかするからだいじょーぶ!」

そうして始まったPC3人にご主人様を加えた異聞帯旅行。その先に待つのは笑いかシリアスか……リレーキャンペーンの幕が上がります!

PC1:名前はパルシア・モールディング。アメリカ帰りの天才少女。16歳。科学大好きなので吸血鬼なんて非科学的なものを否定してやろうじゃないみたいな感じのスタンスでイケメンになったらしい。バイトで培った《ショップ店員》としての知識を基にパーティーをサポート。イメージはシュタゲの牧瀬紅莉栖と、とあるのアクセラレータを足して2で割った感じ(口調と髪色、目つきがアクセラレータで残り外見が紅莉栖で性格は半々)。

PC2:名前は焔紅梅(イアン・ホンメイ)。らんま1/2に感銘を受けて日本に来た台湾人の男の娘で、日本に関する知識がマンガからのものに限定されているため中国人は「アルヨー」という語尾をつけないといけないという信念を持っている。《バイヤー》としてGショックならぬZショックなど怪しい商品を仕入れた経験から圧倒的な値切りを行う。イメージは銀魂の神楽、にしたかったらしいが……。

PC3:名前は新城日菜(あらき ひな)。20歳女性。もとは半引きこもりでマンガを描いてた日陰者であったが、ネタに行き詰まり創作のタネを求めて吸血鬼の世界へ。異常ドタバタ極まるDDDの世界でもネタ探しに余念がない。マンガをひたすら描いていた《趣味人》としての経験から趣味分野での判定は得意。イメージはデレステの荒木比奈。

 まずはオープニング前にPCたちの主人となる吸血鬼の作成。みんなでダイスを振ってご主人様の性格や年齢、性別を決めていきます。容貌は「美中年」、口調は「威厳」、美学は「温泉」、悪食は「放蕩」と温泉好きのナイスミドルのイメージがPCたちの中で出来上がりつつあったのですが……

GM「それじゃあ性別決めましょうか。」

紅梅「性別はDDD付属の表じゃなくて、私がこのキャラの性別決めたときに使った表使っていいアルカ?(1.女子2.男子3.男の娘4.性別不詳5.女装男子6.男装女子 の自作表)」

GM「まー面白そうだしええやろ!」

日菜「ところでその表まともなのが半分くらいしかないけど大丈夫なんっスかねぇ……?」

紅梅「やったー!じゃあいくアルヨー(コロコロ)。あっ!男の娘アルネ!」

パルシア「お前と一緒じゃねーか!wっていうかナイスミドルの男の娘ってどういうことだよ!w」

紅梅「アイヤー…。確かに、年齢的にちょっと困る感じアルネー。ちょっと振りなおしてみるアルヨ。(コロコロ)5。女装男子アルネー。」

日菜「結局そこから逃げられないっスかぁ~」

紅梅「女装男子ならまだナイスミドルでもいけるアルヨ!いやでもこの歳ならオネエも悪くないアル…ダイスで決めるのがいいアルネ!奇数ならオネエ、偶数なら女装男子アルヨ!(コロコロ)(6の目が上になるも紅梅の手により一瞬で3に改変される)奇数!オネエ!」

残る三人「「「www」」」

紅梅「いやだって私オネエけっこう好きネ。ほら、汝の為したいように為すが良いっていうアルネー。」

GM「いやそれ違うゲームの神w」

そんなこんなで決まった主人は”美しき”巡礼者”アンリ・レイヴンクラフト。美青年の見た目をしたオネエで、口調までなぜかDDDの一覧の中にはない「オネエ」というものになってしまいました。

GM「オネエにはオネエ口調しか似合わないからね、仕方ないね。」

ということでオープニングです。PCたちは友愛会埼玉支部、人類継続機関カルディアにおいて、吸血鬼と共生関係にある人類を明らかな脅威から救ってほしいということを幹部のダヴィンチから説明を受けます。どうやら四日市市で深刻な大気汚染が発生し、オートマタなどの自立した機械人形が人を襲うなどの被害が発生しているようです。PCたち一行に与えられたのは軽自動車を改造して作られた黒い流線形の車両である虚数潜航艇シャドウ・ボーダー。しかしそんなことはおかまいなくアンリは…

GM「アンリは『こっちの方がもっといい名前よぉ~』と車体のわきに書いてある名前にマジックで横線を引き、『”ヘビーチャンピオン”グリーフ・リムジン』と書きなおします」

日菜「で、でたー!DDD特有のクソダサ名前奴―!」

虚数潜航艇シャドウ・ボーダー改め”ヘビーチャンピオン”グリーフ・リムジンは特殊能力として虚数空間を跳ぶことで異聞帯へと向かうことができます。PCたちはドライブシーンで通常のドライブ判定を行う代わりに情報収集を行うことができ、その対象となる情報は我々の汎人類史と異聞帯で異なっています。それぞれの情報は以下のようになっています。

01表.魔霧 異聞帯のみ調査可能
四日市市を飲み込んだ蒸気の霧、その発生源と目される四日市のキャスターの宝具。
 異形の機械は有毒蒸気を振りまき、人類の生活圏を破壊する。

02表.ヘルタースケルター 両方で調査可能
  現在、関東地方にて発見されている謎の生命体。人間を模した二足の蒸気機械。
 彼らの正体を探ることで、その主についての情報も得られるだろう。

03表.蒸気王 汎人類史でのみ調査可能
  異聞帯はいずれも、汎人類史において切り捨てられた過去の偉業から発生している。鋼鉄煤煙王国は、鉄と煙に彩られた蒸気文明の異聞帯と推測されている。過去人類史において蒸気機関に傾倒し、蒸気王と呼ばれる人物がいる。

日菜「っていうか何っスかこの四日市のキャスターって?私たちがやっているのってDDDっスよね?聖杯戦争TRPGだったりしないっスよね?」

GM「安心してほしい、君たちがやっているのは間違いなくDDDだ。」

紅梅「あっそういえばみなさんにお土産があるアルヨー。どうぞアルネー(PLがカバンからマンゴーチョコを取り出す)」

パルシア「あ、どうも。。。っていうかなんで突然?」

紅梅「私(PL)この間台湾旅行に行ったアルヨ。なのでこれはそのお土産アルネ。自分がGMなら台湾行くシナリオにしようかなと思ってたアルけど、今回はPLだったからPCを台湾人にしてみたアル。」

残る3人「「「なるほどー(チョコをつまみながら)」」」

〇1日目昼
そんなことがありつつ1日目昼はドライブシーン。最初は日菜がハンドルを握ります。

日菜「せっかくだからご主人様にチョコを渡すっスよ。『紅梅さんからのチョコっスよ。ご主人様もどうぞ。』と寝てるご主人様にチョコを渡すっス。」

アンリ「あぁんら~気が利くじゃな~い。アタシそういう子好きよぉ~。うん、おいしいわねぇ~(GMがチョコを食べる)」

日菜「いやそこまでリンクさせる必要はないっスよw」

GM「既に1個食べてたけどおいしい!紅梅さんありがとう!」

ドライブのロールとしては「マンガのネタのためにこの世界に入ったっスけど、しょっぱなからこれは流石にベタすぎじゃないっスかねぇ?」と言う日菜に「王道も王道でいいものよぉ~」とアンリが返すといったもので、判定に成功した日菜は無事主人と関係をとることに成功します。

紅梅「それじゃあ私はヘルタースケルターについて調べるアルネ。どこらへんにいるアルカ?」

GM「ヘルタースケルターはですね、東京のスイーツパラダイス、通称スイパラにいますね。」

日菜「なぜにスイパラw」

GM「だってパルシアのPLが今日スイパラに行ったって言ってて俺も行きたかったんだもん!」

ホムンクルスから話を聞きたい紅梅。しかしそのホムンクルスがいるのはスイパラの中。中に入るには価格4の買い物か「脅迫」での判定を成功させる必要があります。

紅梅「お金がもったないので脅迫でいくアルヨ!『これが台湾流値切り術アルヨー!』(コロコロ)あっファンブル。アイヤー。」

残る三人「「「ホ、紅梅―!」」」

ここでまさかのファンブル。しかしDDDでは「PCたちはイケメンなのでどんな判定も成功する」というルールがあるので紅梅のこの判定も成功はします。その反面、判定に自前で成功しないと厄介ごとが降ってきます。今回の場合はゲームオーバーの条件の1つである標的レベルの増加でした。

紅梅「『流石に殴ったらダメアルネー』と言いながらも殴られてのびた店員を横目に店内に入るアル。」

GM「中には白い肌の女の子がスイーツをドカ食いしてます。」

紅梅「『これいるアルか?』とチョコを差し出すアルネ。(PLがGMにチョコを差し出す)」

ホムンクルス「ありがとう。おいしい。(チョコを食べるGM)」

パルシア「なんかこのセッション中GMチョコ食べてばっかりだなw」

そうして出会ったホムンクルスと紅梅は情報をかけた大食い対決をすることに。出目では惨敗する紅梅でしたが、イケメンは失敗しないので多少のダメージを受けながらも勝負に勝つことに成功します。

紅梅「『イケメンは失敗を……しない!』と言ってトイレに駆け込んで、戻ってきた後すさまじい勢いで食べ始めるアルネw」

GM「それアカンやつや!」

勝負に勝った(?)紅梅はヘルタースケルターたちについての情報を手に入れます。

02裏.蒸気人間
スチームホムンクルス。
 誤った人類史が行き着いた卓越した蒸気文明の技術と古より生存し続けていた魔術とが合わさり生まれた、”人類進化の終着”。魔術由来の生体ユニットであるホムンクルスを、四肢を模した蒸気機関に埋め込むことで肉体面での虚弱性を克服した人工生命体。街中に出没する機械生命体は全てキャスターにより生み出された存在であり、汎人類史の現状を調査しているようだ。またキャスターはその第一成功例であり大部分が機械であるが、脳だけは未だに旧人類の生体部分をそのまま用いている。

それはそうと勝負に負けたホムンクルスが去ろうとするのに対して、紅梅が「せめてアドレスだけでも教えるアルヨ~」と追いすがりながらも「電気なんていう汎人類史の軟弱なものを使ったツールなど使わない!」とホムンクルスに一蹴されるシーンもありました。

パルシア「それじゃあ私は蒸気王について調べるかな。スマホで情報を集めつつ、『まさかバベッジという偉大な科学者がこんなオカルトチックなモノに巻き込まれてるなんて……』と独り言をいいましょう。」

判定の結果は成功。蒸気王についての情報が出ます。

03裏.チャールズ・バベッジ
チャールズ・バベッジ。天才的な数学者であり、機械設計者。蒸気機関を用いた世界初となるコンピュータ「階差機関」 「解析機関」を考案した天才碩学。現代では「コンピュータの父」とも呼ばれている。膨大な数的処理の全てを自らの考案した階差機関に計算させることで、人類の飛躍的な進歩を夢見た天才。しかしそれを実現するだけの時間と設備―――費用が不足していた。彼はより高度な計算機械である解析機関をも考案したが、どちらも完成することなく夢半ばでこの世を去った。1871年没。1991年、階差機関は組み立てられ問題なく動作し、彼の理論は正しかったことが証明された。

〇1日目夜
魔霧に関して調べるために虚数空間に潜航するグリーフ・リムジン。その先には蒸気華やかりしスチーム・パンクの世界が広がっています。魔霧についての情報判定は、パルシアの白衣を勝手に借りて気合を入れた紅梅が成功させます。

01裏. 絢爛なるは煤煙世界(ヒストリー・オブ・スチーム)
  在り得なかった行き止まりの人類史である”異聞帯”が一つ、「鋼鉄煤煙王国」の具現。彼が設計した「階差機関」と「解析機関」が完成し、蒸気機関華やかなりし文明世界が到来した、在り得てしまった”異聞帯”そのもの。基本的には常時発動型の宝具であり、脳を除く全てがバベッジの固有結界にして身に纏う機関鎧となる。そして宝具そのものであるバベッジは道具作成スキルを有し、鋼鉄の鎧が武装や霊薬を生産する。彼はこの能力を生かし自立型蒸気駆動人型汎用兵器スチームホムンクルスを量産し、汎人類史を脅かす。また彼と彼が生み出す異形の機械群は甚大な大気汚染を齎し、人類の生存を不可能にする。

GM「さてキャスターについての情報も全て出たのでサーヴァントのマテリアル開示といきましょうか!(懐からサーヴァントの情報がテンプレート通りに書いてある紙を取り出す)」

残る三人「「「!!??wwww」」」

GM「みんなの反応を見て満足した。絵描いてマテリアル作ってよかった……」

日菜「いやDDDって何っスか!?何なんっスか!?w」

GM「いやー、史実でもバベッジの脳がそのまま保存されてるっていうからさー。その脳を核にした美少女アンドロイドがあってもいいと思ったんですよー」

パルシア「いやでもこの完成度はすごいよ!?何なのこれ!?w」

キャスター、ガールズ・バベッジのデータについてはこのリプレイの末尾におまけとしてつけるのでよかったら是非どうぞ。

続きましては日菜のドライブシーンです

日菜「にしても蒸気王国にバベッジに……やっぱ出来すぎじゃないっスかね?」

アンリ「事実は小説より奇なり、よぉ~。でも数百年生きてるアタシでもここまで規模の大きなものは初めてね。ここまでの規模の問題ならもっと強い『正義の味方』の役目なんだけどねぇ~」

日菜「まあでも家でマンガ描いてるだけだった日陰者の私でも、こういう世界の危機みたいな冒険に立ち向かえるのはちょっといいっスね。……正直疲れまスけど。」

などと言いながらも判定は成功。主人との関係がさらに深まります。

パルシアのドライブシーンは「電気もPCもないなら私のハッキングも役に立つか怪しいわね…」というパルシアに「あぁ~らそのPCだって最初は蒸気機関の計算機だったのよぉ~?」などとアンリが励ます、というものでした。

〇1日目深夜
そんなこんなで宿を見つけて泊まる深夜フェイズです。今回見つかった宿はラブホ(2人まで)とビジネスホテル(2人まで)でした。

日菜「紅梅さんとパルシアさんは未成年っスよね?流石にラブホはマズいっスよ!?」

パルシア「なら私と紅梅はビジネスホテル、日菜とご主人様がラブホね?」

日菜「いや本当は私もラブホはイヤっスけど…未成年の情操教育のためっス。仕方がないっス…!」

アンリ「じゃあ日菜ちゃん、一緒に行きましょ♡(GMが日菜のPLにウインクする)」

残る3人「「「www」」」

紅梅「いやリアルにウインクは卑怯アルw卑怯アルヨwww」

そうして夜の闇へと消えていく大人二人。そんな2人を後目に未成年ズは

紅梅「せっかくなので一緒にお風呂に入るアルネー!」

パルシア「紅梅が男の娘なんて知るよしもないので一緒に入ろうとします。これってバレますかね?」

GM「んー。お互い2D振ってみて。その出目の大小で決めよう。」

ここでなんと2人の出目が同値。話し合いの結果パルシアが見抜いたことになりました。

紅梅「ならよくある感じで石鹸を落として拾う時に滑って転んで見てはいけない部分が見えてしまった感じでいくアルネ。ステーン!」

パルシア「あ、あ、あ、あの。その。見ちゃいけないものが、、、、」

紅梅「……エッチ♡」

パルシア「『出ていけー!』と紅梅を放り出します。」

そんなドタバタもありつつご主人様による吸血シーンです。今夜の犠牲者にはパルシアが選ばれました。

パルシア「紅梅とできるだけ離れるようにしてベッドで寝てる感じです。」

GM「それじゃあその枕元に突如アンリが現れます『はぁ~い♡パルシアちゃん♡ アタシ、アナタともっと仲良くなりたいと思うの♡』」

パルシア「ベッドから飛び起きます。『な、何事だ!?』」

GM「そんなことで止まるアンリではないですね。遠慮なくパルシアの血を吸いにかかります。」

パルシア「や、やめろ…やめろー!」

そうして一輪の百合の花びらが落ちるシーンと共に吸血シーンは終了。パルシアは1点ダメージを負います。

紅梅「にしてもGM、オネエのRPうますぎないアルカ?」

GM「いや、俺もオネエなんてRPしたことなかったから不安だったんだけど、どうしてこんなにスラスラ出てきてしまうのか」

日菜「これはGMの内なるオネエの仕業っスね。間違いないっス。」

残る3人「「「内なるオネエwww」」」

〇2日目昼
2日目昼ですが、バベッジのマテリアルが公開されたことで新しいミッションがポップします。それは「汎人類史からの攻撃を無効化するバベッジの宝具『絢爛なるは煤煙世界』を打開すること」です。これに関しては、スイパラ新宿東口店からずっと追跡してきてたスチームホムンクルス相手にパルシアが静岡の科学館「る・く・る」で情報を聞き出しにかかります。
まず、彼女にこちら側の科学技術の面白さを伝えようということで《明るい》サイエンスショー……を要求されたところを、ショーそのものではなくその裏にある《洗練》された理論をペラペラと解説し突破。
「なるほど、確かに蒸気文明こそが最優の技術なのは確かだがこちらの科学技術も興味深い」と言わせたところで、スチームホムンクルスが彼女らの蒸気文明の歩んできた《物語》について語ってくれますが、パルシアはこれを《学問》的な側面で解釈。「なるほど、あんたらの世界の法則も中々興味深いじゃないか」と意気投合します。
ということで特技を代用しつつ判定に成功したので情報を聞き出すことに成功します。宝具を破るのは「既存の枠組みに囚われない、夢を追う開拓者の精神であり、PCたちはガールズ・バベッジとの戦闘時『イケメンの夢』を宣言することでダメージを与えることができるようになる。」ということが分かりました。
その後、「もしこのような形で会ったのではなければ、オレたちはいい友になれたのかもな」と言い残してパルシアは科学館を去りました。

〇2日目夜
 2日目夜はドライブシーン。紅梅はアンリと関係を取りに行きます。ご主人様に食事を差し出す紅梅ですが関係を結ぶには出目が1足りず。ここで「イケメンはご主人様の機嫌を取るのが上手アル!」とイケメンの掟を宣言することにより出目をプラスし、なんとか関係を結びます。
 続きましてのドライブシーンは日菜。ハンドルを握りながらも昨日の深夜にあったこと、及び紅梅の本当の性別を紅梅から聞き出そうとします。

日菜「紅梅さんって何か私に秘密にしてることないっスか?」

紅梅「さあ~?ホンメイワカンナイアルネー?」

日菜「いやいや、私の長年マンガのネタ集めのために人間観察してきた勘が囁くっス…!何か隠し事はないっスか~?」

ということで秘密を隠し通せるかの対抗ロール。結果は紅梅の勝利となりました。

日菜「いや~、絶対何かあると思うんっスけどね~。」

紅梅「日菜の腕をとり、自分の胸に手をあてさせて『乙女のヒ・ミ・ツ♡』と言うアルネ。」

日菜「ちょっ、今私運転中っスよ!?今手を動かされるのは困るっス!?」

そんなこんなで無事(?)2日目夜を終えたPCたちは2日目深夜に突入します。

〇2日目深夜
 見つかった宿は定員4人の観光ホテル。ここは紅梅がバイヤーのアビリティを使用することで値下げをし、宿泊します。そして今夜の犠牲者は……

日菜「観光ホテルってことで久々にいいご飯を食べることができて満足して寝てまスね。『うーん…もー食べられないっス……』」

アンリ「食べられるのはアナタよ♡日菜ちゃん♡」

という言葉と共に日菜のベッドにもぐりこんでくるアンリ。

日菜「うぁお!?な、なな、何っスか突然!?」

アンリ「今日はかわいい日菜ちゃんの血をいただこうかと思って♡」

日菜「血!?いや確かに吸血鬼といえば人の血を吸いまスけど…。この場で!?……っていうか何やってるんスか。紅梅さん。」

紅梅「いや、ただ日菜さんの様子を録画しているだけアルヨ?〇REC。(何かを持つようなしぐさをしながら日菜のPLを見る紅梅のPL)」

日菜「いや、そんな場合じゃなくてでスね!?」

アンリ「問答無用!いただきま~す♡」

アンリに襲われた日菜は1点のダメージを食らい、それとは関係なく紅梅は「いい画が撮れたアルネ!」と満足気でした。

〇3日目昼
PCたちはついに魔霧に覆われた都市、四日市に到着します。ここでは致死性のガスが充満しているため、現地にいる人間のレジスタンスからガスマスクを手に入れる必要があります。これに挑んだパルシアは判定に失敗。不調状態になって判定が不可能になってしまいました。

〇3日目夜
 不調で動けないパルシアに代わり紅梅と日菜がチャレンジ。《静か》に潜伏していたレジスタンスの本拠地を日菜が見つけ、食料不足に喘ぐ彼らに《グルメ》の知識がある日菜が引きこもり時代愛用していたカップ麺を使った油そばをごちそうし、もらったガスマスクがダサいというアンリを紅梅が《ファッション》で説得するという協力で無事に魔霧の無力化に成功した。

〇3日目深夜
 パルシアの不調のこともあるのでできるだけダメージを回復させたいPCたちは、アンリに「魅了」を使ってもらうことで観光ホテルに泊まろうとします。

紅梅「ご主人様へのお願いには私が行くアルネ!その前に…『ねえご主人様。ご主人様を呼ぶときってアンリお兄様とアンリお姉さま、どっちがいいアルカ?』と尋ねるアル。」

パルシア「え?それ今必要なヤツ?」

紅梅「同じ志を持つ同士として、呼び方は重要アルヨ!それで、返事は?」

アンリ「あらあらぁ~アタシにそれを聞いちゃうの~?紅梅ちゃんもやるわね~。紅梅ちゃんの好きなように呼んでもらってかまわないわよ♡」

紅梅「それじゃあお姉さまがいいアル!ところでアンリお姉さま、紅梅、昨日泊まったホテルにまた泊まりたいアル!」

アンリ「紅梅ちゃんの頼みならしょうがないわねぇ~?いいわよぉ~。」

 ということでそこらへんのオートマタを魅了して金品を奪ってきたアンリ。そして泊まった観光ホテルで今夜襲われるのは……

パルシア「って私か!?私は幸せそうな寝顔で寝てるが…」

GM「それじゃあそんな幸せそうなパルシアの枕元にアンリが現れます。『アンリちゃん。来たわよ♡』」

パルシア「ベッドから飛び起きて全力で逃げる。」

GM「問答無用!パルシアの血を抜きにかかります。」

パルシア「うわーっ!」

ということでパルシアに1点。ちょうど不調の部分にダメージが入ってダメージとはならなかったものの、いい加減回復していきたいところです。

〇4日目昼
4日目昼は傷を負ったパルシアのケガを癒すためもありみんなで買い物です。場所はホームセンター。一口にホームセンターと言ってもここは異聞帯。スチームパンクなガジェットの数々が売られています。

パルシア「『蒸気機関だけでここまではすごいな…』などと言いながら物色してます。」

紅梅「紅梅は売ってる飛行艇の模型を見ながらご主人様に『ねーあれ欲しいアルヨー』とねだってるアルネ。値段は6000万くらい。」

GM「6000万っていうと価格8か。そんなもん買えるわけないだろ!っていうかホームセンターにそんな高額商品売ってるのか?」

紅梅「細かいことは気にしないアルネー!さてダメージ増加アイテムは何を買うアルカネー?スチームパンクっぽい物……やっぱりパイルシューター!杭はロマンアルヨ!」

日菜「それがダメージ+1のアイテムなら、+2はオメガシューターっスかね。やっぱり。」

紅梅「それアル!パイルバンカーとオメガシューターを買ってウキウキアルヨ!」

パルシア「それシステムが違うだろ!」

日菜「ところで私が興味示しそうなものってここにあるっスかねぇ?」

パルシア「ほら、ペンタブみたいなのとかここにあるんじゃないのか?」

日菜「それっス!画板みたいな金属の板に補助線がうまく引けるようなメカニックな機構とかインク入れとかがごちゃごちゃついてるヤツを見つけて目を輝かせながら試し描きしてるっス。出来は…(コロコロ)11だから神絵師レベルの絵ができてるっスね。」

紅梅「流石日菜、絵がうまいアルネ!」

日菜「いや~それほどでも…」

ホームセンターで各自はパルシアのショップ店員としてのアビリティも使いながら大量のダメージ増加アイテムを買い込みました。

〇4日目夜
 やることも終わらせたPCたちは経験点稼ぎもかねて今あるトラブルのフィックスにかかります。まずは魅了の代償として発生した美学トラブル、「アレに入りたい」を解決しにかかる日菜から。

GM「《温泉》で浴場を探してから、価格6の買い物または《侵入》での判定をお願いします。」

日菜「《温泉》も《侵入》も得意分野に近いからいけるっスよ!」

《温泉》、《侵入》、両方を無事成功させた日菜は温泉に忍び込んだのですが…

日菜「いや、まさか吸血鬼の部下になることで温泉に忍び込む羽目になるとは思ってなかったっス…」

アンリ「あぁ~ら日菜ちゃん。お疲れ様。せっかくだから一緒に入らない?」

日菜「い、いや~、私が入ってるとゆっくりできないでしょうし、ご主人様はお先にどうぞ~」

アンリ「そんなことないわよ~。さあさ、一緒に♡」

日菜「い、いや、ご主人様そんな……あ~!」

〇4日目深夜
いよいよシナリオのクライマックスが見えてきたPCたち一行。昼の買い物のお金を余らせていたおかげで今日も観光ホテルに泊まれます。そしてアンリが選んだ今夜の犠牲者は…
日菜「いや、また私っスか!?まああんまダメージ負ってないんでいいでスけど…。『温泉って疲れを取るものっスよね?あんなに疲れることになるとは思ってなかったっス…』などとごちながらベッドに入ろうとしまスね。」

日菜が疲れた体をベッドに横たえようとすると、その中にはアンリの姿が。

アンリ「あぁ~ら日菜ちゃん、お疲れ?お疲れなら年上のアタシが優しくリードしてア・ゲ・ル♡」

日菜「ご主人様にとっては大体の人は年下じゃないでス……ぎゃああああ!……っス。」

紅梅「またいい画が撮れたアルネー。豊作豊作」

日菜「いや、紅梅さんこれまで一回も襲われてないのおかしいっスよね!?なんかグルになってないっスか!?」

紅梅「紅梅とアンリお姉さまの間は固い絆で結ばれているアルからねー」

パルシア「何やってるんだこいつらは…はぁ……」

〇5日目昼
観光ホテルでダメージを全回復した紅梅は最終戦に向けた不調演出ボーナスのためにも4日目昼の買い物をトリガーとして発生していたトラブル「甘い話をして!」を一人で解決しにかかります。有名なデートスポットに寄って以来熱い愛の話を聞きたがるアンリに対して紅梅は「お姉さま、これすごいアルヨ!」と日菜がアンリに襲われている様子を録画した映像を見せて盛り上げた後、「これはとあるイケメン男子の話アル……」と他人事のように話しつつも、実はバリバリ本人が心身共にイケメン(男)だった時に、自ら盗んだバイクで走り出してJCと愛の逃避行をした話をしました。

〇5日目夜
 トラブルの解決を終えたPCたちはいよいよこの異聞帯の元凶となっているガールズ・バベッジのもとに突入することを決意します。《文化施設》の知識から彼の居場所を突き止めたPCたちは、その拠点へと侵入します。

GM「拠点はスチームパンクな感じがありながらも幾重にも魔術による結界が施されていて、さながら工房ですね。その中でバベッジが『この世界に害を成そうとするものよ、貴様ら汎人類史の存在にいくら間違いと言われようとも、我が蒸気文明を破壊させるわけにはいかないのだ』とあなたたちに呼びかけ、戦闘態勢に入ります。その近くにはあなたたちにつきまとっていたスチームホムンクルスの少女の姿もありますね」

日菜「…そういえばこれそういうFateっぽいシナリオだったっスね。『工房』っていうセリフを聞いて久々にそのことを思い出したっス」

パルシア「中盤はやってたことが完全にDDDだったしな」

紅梅「…バベッジにこう呼びかけるアルネ。『お義父さん、娘さんを私にください!』」

GM「お前はこの場面でなんつーことを言い出すんだww」

紅梅「あのスチームホムンクルスの子、かわいかったアルネ!是非そばに置いてかわいがりたいアル!」

バベッジ「ふむ。我が娘、フランを欲しいと言うのか。ならばその思い、我に見せてみよ!」

ということで戦闘です。バベッジに攻撃を通すためにはPCたちがそれぞれ「イケメンの夢」を宣言する必要がありますが…

紅梅「それじゃあなんだか科学な因縁がありそうなパルシアに最後の一撃を渡すためにも、バベッジと特技が1個しかかぶってない紅梅から行くアル!『かわいい娘と一緒に元の世界に戻りたい!』」

パルシア「本当にお前はぶれないなww」

紅梅とバベッジの得意分野がかぶる確率は1/6でしたが紅梅はここで見事にそれを引き攻撃は成功。手元にあったパイルシューターとオメガシューターも使用することでかなりのダメージを与えます。

パルシア「ちょ!?紅梅!?なんでそんなダメージ入れちゃってるの!?バベッジほとんど瀕死じゃん!」

紅梅「つい手が滑っちゃったアル☆」

日菜「次は私の手番でスけど…これ私が攻撃したらバベッジの体力0になりまスよね?パルシアに最後の一撃残したいっスけど……」

GM「そこらへんはオーバーキルでやっちゃってもいいよ。せっかくのキメる場だしね」

日菜「じゃあ行きまスね。イケメンの掟も使ってなかったんでここで使いまス。」

日菜「イケメンは、いやマンガ家は、人に夢を与える存在っス。血沸き肉躍るようなアツい物語や、涙をこらえきれない感動の物語、そういう物語も読む人がいなければ無意味っス!そんな読者をなくすような存在は絶対に許さないっスよ!」

この日菜の攻撃も成功。トドメはパルシアに託されます。

パルシア「私もイケメンの掟がまだ残っていたから夢と一緒に宣言することにしよう。」

パルシア「自分の見つけた法則への、お前の熱い思いは認める。だがしかし、オレも現代科学体系というオレが見つけた真理を追究する!イケメンは真理を追究するものだ。お前がお前の見つけた真理を守るように、オレはオレが見つけた真理を守る!」

パルシア渾身の攻撃も無事成功。バベッジはがっくりと膝をつきます。

紅梅「『お義父さん!』とバベッジに駆け寄るアルネ」

バベッジ「貴様らの未来へ向けて歩もうとした熱意、感銘したぞ…。いいだろう…」

そう言うとバベッジは自身の宝具を用いて娘フランの存在を固定化し、汎人類史においても存在し続けることができるようにします。

バベッジ「そこの娘、我が娘フランをよろしく頼むぞ…」

紅梅「分かったアル!この紅梅に任せるアルヨ!」

バベッジ「我はもはやここまでであるが、このような異聞帯は他にもある…私のような存在がいつまた襲ってきてもおかしくないぞ…」

そんな不吉な言葉を言い残して消滅するバベッジ。バベッジの消滅と共に異聞帯も消滅を始めます。

パルシア「なんかGMが最後にそれっぽいフラグを建設しやがったぞw」

GM「リレーキャンペーンだしこういう伏線を立てて人に投げる行為はやり得!」

無事異聞帯を消滅させることができたPCたち。しかしPCたちの下にはスチームホムンクルスの少女、フランが残されています。

アンリ「みんなお疲れぇ~。あら、その子どうしたの?」

紅梅「拾ってきたアル。みんなでかわいがるアルネ!」

アンリ「あぁ~ら、それもそれでいいじゃなぁ~い?」

と、あっさりフランもPCたちのパーティーに加入。

GM「よし!これで俺のPCも無事パーティーに加入できた!本当はバベッジを何らかの形で再回収してPCにする予定だったけど、どうしてフランちゃんが加入することになったんだ…?」

日菜「あれっスね、スイパラで紅梅がかわいい女の子に会ったのが運の尽きっスね」

GM「俺の予定ではもともとホムンクルスの外見なんて決めてなかったんだけどなー、なんで女の子にしたのかっていえばスイパラにいるホムンクルスといえば女の子に決まってるでしょっていうのだけだったし……ってスイパラに行こうと思ったのパルシア(のPL)のせいだからお前のせいじゃん!聖杯戦争TRPGの件といい、今回の卓大体お前のせいだぞ!」

パルシア「えぇ~……」

紅梅「スイパラに行っただけでPCを生やす女、アルネ!」

残る3人「「「www」」」

こうして幕を閉じたイケメンたちの異聞帯珍道中、如何でしたでしょうか。このキャンペーンはリレーキャンペーンなのでGMを変えつつも続きます。オネエ吸血鬼に率いられた一癖も二癖もあるイケメンたちの旅、次回は一体どんな旅になるのでしょうか?

〇おまけ 四日市のキャスターのマテリアルまとめ
■四日市のキャスター
真名:ガールズ・バベッジ
”異聞帯(ロストベルト)”が一つ、「鋼鉄煤煙王国」より訪れた使者(クリプター)。
自身の宝具『絢爛なるは煤煙世界』により四日市市全域に大規模な大気汚染と蒸気機関アンドロイドを生み出し、人類を抹殺している。
その正体はチャールズ・バベッジの死後取り出された彼の脳により生まれた、全身機械のサイボーグ。

【元ネタ】史実
【CLASS】キャスター
【マスター】-
【真名】ガールズ・バベッジ
【性別】フレームは女性型
【身長・体重】162cm(鎧込み)・200kg超(鎧込み)
【属性】混沌・中庸
【ステータス】筋力B++ 耐久B++ 敏捷D++ 魔力A 幸運B 宝具EX
【クラス別スキル】
陣地作成:-
彼は魔術師ではないため、陣地の作成技術を有していない。

道具作成(偽):A
魔力を帯びた器具を作成する。
本来魔術師ではないサーヴァントは道具作成スキルを持ち得ない。
キャスターは宝具と一体化したことにより、同等の能力を得ている。
具体的には鋼鉄の鎧が武装や霊薬を生産する。

【固有スキル】
一意専心:EX
自らの死すら乗り越え、没後100年以上に渡り理想を追い求めた超人的信念。
一つの物事に没頭し、超人的な集中力を見せる。
キャスターの場合、計算、設計、製造などの行動に対して発揮され、道具作成スキルに対するプラス補正として働く。

機関の鎧:EX
蒸気機関を搭載した全身機械鎧を常に身に纏う。取り外しは不可能。
筋力と耐久力をランクアップさせると同時に、異形の蒸気機関がもたらすブースト機能によって三つの能力値に「++」の補正が与えられる。
敏俊のパラメーターはランクダウンするものの、ブースト機能は与えられる。

オーバーロード:B
自身にダメージを負うことを承知とする意図的なブーストアップ。
キャスターの場合は鎧の蒸気機関を意図的に暴走させて出力を増幅、宝具の攻撃力を増加させている。
キャスターの肉体は鎧との親和性を第一にデザインされているため、通常より高ランクでの運用を実現している。
暴走した蒸気機関は損傷し、鎧と一体化しているキャスターはダメージを負う。

【宝具】
『絢爛なるは煤煙世界(ヒストリー・オブ・スチーム)』
ランク:EX 種別:対汎人類史宝具 レンジ:1~126000000 最大捕捉:7000000000人
在り得なかった行き止まりの人類史である”異聞帯”が一つ、「鋼鉄煤煙王国」の具現。
彼が設計した「階差機関」と「解析機関」が完成し、蒸気機関華やかなりし文明世界が到来した、在り得てしまった”異聞帯”。
すなわちバベッジの渇望と夢想が昇華された固有結界であり、それが現実になったこの”異聞帯”においては、人類史そのもの。
基本的には常時発動型の宝具であり、脳を除く全てがバベッジの固有結界にして身に纏う機関鎧となる。
一つの人類史の終着点として成立したこの宝具は対人類の性質を有し、「人」の属性をもつキャラクターからのダメージを無効化する。
そして宝具そのものであるバベッジは道具作成スキルを有し、鋼鉄の鎧が武装や霊薬を生産する。
彼はこの能力を生かし自立型蒸気駆動人型汎用兵器ヘルタースケルターを量産し、汎人類史を脅かす。
また彼と彼が生み出す異形の機械群は甚大な大気汚染を齎し、人類の生存を不可能にする。
「我が事実。我が現実。我が真実。『絢爛なるは煤煙世界(ヒストリー・オブ・スチーム)』―――!!!」

【Weapon】
「機関の爪」
異形の機械腕。
その一撃は、一つの人類史そのものに等しい。

【解説】
一人称:我 二人称:貴様 三人称:かの者/奴

人物背景
彼は天才だった。
世界初のコンピューターである「階差機関」「解析機関」を考案した彼は確信していた。
これが完成すれば、人類の文明は飛躍的に進歩すると。
しかし、彼には設備と費用が。そして何よりも、それらを用意する時間が不足していた。
彼は天才だった。
自らの生きている間に、自らの理想を実現させることは不可能であると悟っていた。
絢爛なりし蒸気世界は、灰燼に帰す運命にあると彼は結論づけた。
しかし、彼は諦めなかった。
彼は天才だった。
身体が限界を迎えるならば、新しい身体(フレーム)に取り換えれば良い。
四肢の肉が鋼鉄に、巡る血液が蒸気に変わるまでに、然程の時間はかからなかった。
老いを克服した彼は、そうして夢を現実にした。
人類は発展し、輝く栄華を掴み取った。
蒸気により太陽が遮られ、大気の汚染が人類の生存を否定しようとも、人類は新たな身体で生き延び続けた。
そうして歴史は、世界に”不要”と見限られた。

―――何故だ。
我が蒸気に間違いなどない。我が蒸気に不可能などない。
一つの歴史しか前に進めぬというのなら、正しい歴史、汎人類史よ。
我が事実。我が現実。我が真実。その歴史に刻んで見せよう。
最終更新:2018年03月24日 01:03