DX3@アカデミアの自作キャンペーン『欠落の楽園』第4話。


=4話今回予告=
文化祭直前。
何度も“ペルソナマスター”の陰謀を打ち砕いてきた『リトルバスターズ』は、蜷川しねま製作のドキュメンタリー番組により、今や時の人となりつつあった。
しかし時を同じくして、学園の生徒たちの間で広がる、漆黒の仮面。
そして、過去を否定する影が、願いを、能力を、歪めていく。

ダブルクロスキャンペーン第4話
『私が望んだ私のネガイ』
ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

PC1水瀬夏芽
ロイス:シャドウ
登校中に現れた謎の人物。
シャドウと名乗ったその人物は、レネゲイドの力を用いてリンを誘拐していった。

PC2古明地紫音
ロイス:久縁蜜柑
ある日の放課後、道端で犬を連れて散歩している蜜柑と出会った。
世間話と称してキミの過去の話を聞こうとする彼女は、暗い表情をしていた。

PC3神羅空幻
ロイス:“プランナー”都築京香
遂にプランナーが直接学園に乗り込んできた。
これから起こる変化を、直接その目で確かめるためらしい。

PC4駿銀次
ロイス:シャドウ
いつものように不良と戦っていると、相手が漆黒の仮面を取り出してきた。
どうやら、シャドウという奴が仮面を配っているらしい。
==

成長報告
夏芽:≪支配の領域≫で妨害
紫音:≪ミスディレクション≫で範囲攻撃阻害
空幻:範囲攻撃確保しつつ調達上昇
銀次:RC上昇


シナリオ開始。マスターシーンから。

何処とも知れぬ闇の中。
般若の面の男、マスターブレードが叫ぶ。
「何だったのだ、あの『仮面舞踏会』とやらは!あれほどまでの屈辱、忘れはせんぞ!」
横で、カルペ・ディエムが花のように笑う。
「まぁ、見ている分には楽しかったけれどね」
そちらを一睨みした後、マスターブレードが視線を向けたのは、おぼろげに浮かび上がっているペルソナマスターの仮面。
「ペルソナマスター!あれも貴様の策の一環か?」
「……確かに、彼女の仮面は我が【愚者の契約】によるものだ。だが、契約した相手がどのような欲望を持っているかは分かるが、それを満たすためにどのように力を振るうかについてまでは我の与り知らぬことだ」
カルペ・ディエムが頷く。
「そうよ。私たちは仮面を、力を与えるだけ。仮面を与えた相手が、自らの意志でもがき、苦しんでいくのを見るから楽しいのよ。完全に相手を操ってしまってはつまらないでしょう?」
さらに、これまで無言だったプラネータも同意する。
「そうだよ。意志がなくなっちゃったら、もうトモダチじゃないんだよ」
その場に同席する、仮面を着けた数人および数匹も同じ考えらしい。

夏芽:あぁ、犬とかいたなw

マスターブレードは一つため息をつき、言った。
「……確かに、それがこのディオゲネスクラブの流儀だな。そして、それぞれの欲望が交錯した際は、力の強い方が勝つ。それがFHの流儀だ。前回の俺は慢心し、結果的にあの姫とやらの力に飲まれた。だが、次に欲望が交錯した時は、俺は容赦しない。たとえ相手が、同じマスターエージェントであったとしてもな」
マスターブレードの瞳に、剣呑な光が灯る。

空幻:え、狙われてる?w

が、ペルソナマスターは顔色一つ変えずに返答する。
「……構わん。それに、マスターブレード、汝と奴ら……リトルバスターズとの決着の場を近いうちに用意するつもりだ」
「ほう……そうか」

GM/ペルソナマスター:「具体的にはあと1シナリオほど先だ」w



「遂に完成したであります!試写会をするでありますよ」
そういってPCたちを呼び出したしねま。先日の誘拐事件、および仮面舞踏会の際の活躍を映像化した『リトルバスターズの軌跡』というPVが完成したらしい。

夏芽:「いつの間にそんなもの撮ったんだ?」
GM/しねま:「こっそり撮っておいたのでありますよ!」
空幻:あんまり目立ちたくないんだけどなー。
紫音:ここも、頑張ってカメラの死角に入ってるつもりだったんだけど。
GM/リン:「やったね夏芽!リトルバスターズも有名になるよ!」とリンが嬉しそうにして、夏芽に抱き着く。
夏芽:「そうだな、人が揃えば……」とは言っても、既に10人以上知り合いは居るんだけど。
GM/リン:「これで18人揃えば2チームで対戦できるよ!」w
夏芽:「そ、そうだな!」
GM/しねま:「あ、文化祭の特別企画として、野球大会が開かれることになったのでありますよ。チームが足りないとのことで、リトルバスターズにも参加してほしい、と上の方から言われているのでありますが……」
夏芽:「よし、あたしに任せろ!……みんなやるぞ!」

非常にやる気ない返答をする他PC3人。

空幻:それって、ちゃんとした企画ですか?
GM:うん、学園側の用意した企画。
空幻:くっ、これほどまでに委員長の立場が憎らしかったことはないw

そして始まる試写会。カットインを多用したオープニングが終わり、まず周囲の人々によるリトルバスターズについてのコメントが入る。

GM:クリスタル囲碁相撲部が「リトルバスターズはおいどんたちの良きライバルであり、目標でごわす」とかコメントしてるw
銀次:あー、いい勝負をした気になってきたw

そして映像はクライマックスへ。ペルソナマスターによる仮面の影響で暴走しているクラスメイト、具体的にはカルロと珠美を、オーヴァードの力で打ち倒すリトルバスターズ。

GM:カルロの方は実際の映像がないんで、普通に撮影したものを編集して使っているw

砕け散る仮面。そして映像は何故か学園内の公園を映し出し――

GM:そこには、元気に走り回るカルロと珠美、そして20人のメイドの姿が!w

「ボクはもう二度とあんなことはしないよ」「その通りです、お坊ちゃま」と拍手する20人のメイド。それを無視して珠美は「リトルバスターズの皆には感謝してるよ。あたしの中にあったドロドロした気持ちも、全部吹き飛ばしてくれたから。……あ、今の台詞、恥ずかしいから、クラスの皆には内緒だよ!」と照れ笑い。

紫音:内緒にならないなw
GM/しねま:「とまぁ、こんな感じであります。とりあえずウェブ公開しておいて、学園祭の時にディレクターズカット版を一般公開する予定でありますよ」
空幻:「……そ、そうね、話題になって、再生数は稼げそうね」
夏芽:コメント数も出るんじゃないかなw
紫音:マイリス数は少ないかなーw
銀次:「なぁ、もっと俺のリーゼントが目立つようにならねぇのか?」
GM/しねま:「じゃあ、ディレクターズカット版では修正して大きくしておくであります」w
空幻:「それと、私の発言は結構危険なものがあるから、変えてほしいんだけど」
GM/しねま:「じゃあ、ここでアフレコしておくであります」w
空幻:いいのかそれでw 「じゃ、じゃあ……『もうどこにもいないキミのために!』」w
夏芽:「いるだろ、そこに!」w


数日後。
いつのものように銀次に喧嘩を挑んできた不良。

銀次:「来いよ、イエロースコーピオン!」

だが、今日は様子が違っていた。
その不良は、自身の不利を悟ると、懐から仮面を取り出した。その仮面は、まるで影を固めて作られたような漆黒の仮面。
仮面を装着した不良は、その力を増大させる……

GM:が、所詮は『ちょっと強いエキストラ』なんで、普通に倒せるよ。

不良を吹き飛ばす銀次。漆黒の仮面は砕け、不良は吹き飛ばされながら叫ぶ。
「くそ……これを付ければ願いがかなうんじゃなかったのかよ、シャドウ……!」
どうやら、この仮面を与えたのは、シャドウという奴らしい。

銀次:「なるほど、シャドウ……コイツは調べる必要がありそうだぜ!」


ある日の放課後。紫音の前に、ふらりと蜜柑が現れる。“取次屋”の店舗の前で良く見る犬を連れている。

紫音:「こんにちは、蜜柑ちゃん」
GM/蜜柑:「ちょっと世間話に付き合ってくれないかしら……紫音、あなたはUGNから来たのよね」
紫音:「そうね。力の使い方や、銃の使い方を教えられたわ」
GM/蜜柑:「あなたから見て、この学園はどう思う?楽しい?」
紫音:「ここは……すごく、居心地がいいわ。妹も楽しそうだし」
GM/蜜柑:「そう……羨ましいわ。そう思えるあなたが」と、その足元で蜜柑に向けて小さく吠える犬。「……そうね、そろそろ帰る時間ね。じゃあね、紫音。興味深い話だったわ」


同じく放課後。クラス企画の連絡会議があるため、鏡子は留守。そのため、猫喫茶の制服の確認を押し付けられた空幻は、一人でやる気なく枚数を確認している。

空幻:「……12、13枚。1枚足りない」w
GM/少女?:「では、私用の制服も用意してもらえますか、マスターレイス?」w
空幻:「SSサイズは無いなぁ……。で、何に使うのかしら、プランナー?」
GM/プランナー:「あくまで潜入工作のためです。別に、私が着たい訳ではありませんし、決して『私がぷらんにゃーとして人気を独占して、あなたのマスターマスコットとしての立場を危うくしてやろう』だなんて考えていませんので」
空幻:「その発言が本気でないことを信じたいわね。……ところで、マスターマスコットって何かしら?」
GM/プランナー:「あなたの部下が、そのように呼んでいたので」……『くーちゃん様、マジマスターマスコット!』w
空幻:「……あいつら、後でシメる」w
GM/プランナー:「冗談はさておき。この学園で、ペルソナマスターは随分と用意周到な計画を立てているようですね。まぁ、私のプランほどではありませんが。いずれにせよ、直接見ておく必要がありそうです」
空幻:「まぁ、あなたのプランはどこまでプランか良く分からないしね」
GM/プランナー:「せいぜい気を付けてください、マスターレイス。万一あなたが負けたら、あなたをマスターレイスに任命した私のプランにミスがあったことになってしまいますから」
空幻:「それは責任重大だなぁ……」
GM/プランナー「では、私の制服を楽しみにしていますよ?」と薄笑いを浮かべて去っていく。
空幻:「注文しておくわ」
夏芽:『すみません、それ来月からなんですよ』w


翌朝。夏芽がリンとドルジを連れて登校中。

夏芽:ドルジが右、リンが左だな!
空幻:左右入れかえると、攻撃力と守備力が逆転するの?w インド人は右なんだけどw

階段を上って、教室までもう少しというところで、リンが立ち止まった。
「何か、おいしそうなにおいがする!」
そう言って、階段を駆け上っていくリン。

夏芽:「お、おい、リン!」

踊り場まで上がったところで、リンが誰かとすれ違った、その瞬間。
すれ違った人物から強いレネゲイドの気配が放たれると同時に、何かが砕けるような音がした。

GM:具体的には、『そげぶ』の効果音。

音と同時に、リンの霊圧……もとい気配が消える。
代わりに、ぽてん、と音を立てて踊り場に落ちるボール。
レネゲイドを放った人物は、そのボールを拾い上げ、夏芽の方へ向き直った。
逆光で姿はよく見えないが、背は低い。
夏芽の足元のドルジが、威嚇の体勢をとっている。

夏芽:「おいお前!リンに何をした!」
GM:「俺か?俺はシャドウ。脆いもんだな、レネビってやつも」
夏芽:「早く戻せ!」
GM/シャドウ:「取り返したいってんなら、せいぜい俺を追うことだ。まぁ、あんた一人で探せるとは思わねぇけど」と言うと、影に潜り込んで消え、リンごと≪瞬間退場≫する。
空幻:……演出的にオルクスかウロボロスかなー。


その直後。
空幻がプランナーの要望で注文したSSサイズ制服は、一晩のうちに届いていた。

空幻:「某UGN日本支部長に頼んだのはいいんだけれど、ちょっと早すぎないかしら?」w
GM/某支部長:「メイド服でしたらすぐに送りますが、着用者の写真を送ってもらえますか?」w
空幻:「分かったわ。可愛い女の子よ」……見た目はな!w

それはさておき、リンが誘拐された夏芽は、学園内を走り回って探していた。
それを目撃する、朝焼けの決闘を終えて帰る途中の銀次。
夏芽は、銀次にリンを見なかったか質問し……そこで誰にも相談していないことに気付いた。

銀次:「リンがシャドウに浚われたって?シャドウはそんなこともしてやがるのか。まぁいい、ダチの頼みは聞くことにしてるんだ。探すの手伝ってやんよ」
夏芽:……ダチ?
GM:チームメイトは友達だろ?
夏芽:確かにw 「そうだ、困ったから委員長に相談しよう!」
空幻:どっちの?w
夏芽:どっちも!レネゲイド絡みだからくーちゃんのほうかな。 とりあえずクラスに戻って「委員長!」と空幻に声を掛ける。
空幻:鏡子を呼んでると思うんで、スルーしますw
GM/鏡子:「な、なんですか、夏芽さん」
夏芽:「くーちゃんの方!」と連れて教室外へ。小声で「リンがいなくなった!」
空幻:「……それはまず教務課に行って……」w
夏芽:「そうじゃなくて!」かくかくしかじか。

この辺りで、授業開始3分前に到着した紫音が合流し、状況を把握。
情報収集した結果、以下のことが分かった。

◎シャドウ
  • 願いを持つ生徒の前に現れ、漆黒の仮面を渡している。
  • 主に、特殊な経歴持ちの生徒の前に現れている。渡された人数は軽く100を超える。
  • 久縁蜜柑と同じ姿をしている。

GM:調べてると、話を聞きつけて明乃がやってくる。「そういえば、しゃどう、とやらなら某も遭遇したぞ。剣の道の【伝承者】として、力が欲しくないかと。某の道は某が決める、と丁重に断ったが……言われてみれば、蜜柑殿と似た背格好であった気がするな」
夏芽:「あの取次屋が……?」
空幻:まぁ、レネゲイドの力で分裂する例もあるし。
夏芽:ああ、ラブクロスねw

◎“取次屋”久縁蜜柑
  • 仮面舞踏会の際には外出していたが、最近は店舗に引きこもっている。昨日、紫音と遭遇したのが例外的。
  • 今日になってから、店舗ごと行方不明。
  • かつて、FHに所属していたが、レネゲイドへの適性が低く、失敗作扱いされていた。数か月前にFHを脱走し、この学園で“取次屋”を始めた。

空幻:「やっぱりね」と呟きます。……それはそれとして、誰かバックラー調達してほしいなー。
銀次:……成功したんで渡します。
空幻:「……このバックラー、血がついてるんだけど」
銀次:「男の勲章だ!」w


実際に向かってみる一同。
“取次屋”の店舗周辺は、レネゲイドの力によって迷宮化していた。
紫音が持ち前の知覚力を発揮すると……取次屋の前でよく見かける犬を発見した。犬は、PCたちの方を振り向いたのち、迷宮へと駆け出していく。

夏芽:「あの犬、久縁の……!」
GM:夏芽のDロイス【動物使い】って、エキストラ動物と即座に仲良くなれるって書いてあるんだよね。

どうにか店舗にたどり着くと、店の外まで客が並んでいた先日とは打って変わり、ほとんど人の気配はない。
犬は、いつもと変わらず店の前の定位置まで行き、地面に伏せた。特にPC達を警戒する様子はない。

夏芽:「ありがとうな、いぬ」
紫音:持っていたビーフジャーキーでも与えます。

店舗の中には、無数のモニターが設置されていた。
写っているのは、漆黒の仮面を所持した生徒たち。
それぞれの願い……欲望を自覚した生徒たちは、それを叶えるために活動している。
一部の生徒は、それを妨げる相手に対抗するために漆黒の仮面を使用し、風紀委員や番長連などに退治されているが、ほとんどの生徒は仮面を使うまでもなく、学園で日常を送っている。
それらの映像を、食い入るように見つめている少女……久縁蜜柑。

空幻:さすが取次屋だ、こんなに大量にモニターを調達するとはw

そして、その影が立体化し、もう一人の蜜柑――シャドウの姿をかたどった。
シャドウは、ボールを手で弄びつつ、PC達に声を掛ける。

GM/シャドウ:「よう、思ったより早かったな」
空幻:「あなたがシャドウね」
GM/シャドウ:「ああ、俺はシャドウ。コイツの影。コイツの闇。コイツの欠落。そして、お前らの過去を否定するものだ」
夏芽:「リンを返せ!」
GM/シャドウ:「心配しなくても、コイツは後で返してやるよ。ま、折角だから、その前に話に付き合ってもらうぜ。な、蜜柑」

声を掛けられて、蜜柑が振り向いた。
その顔には、満たされることなき感情……飢餓の仮面が。

銀次:……『餓鬼』の仮面か?
空幻:某騎士王かもしれないw 『お腹がすきました』w

仮面を着けた蜜柑は言う。
「見せて頂戴。あなたたちの過去を。そして、欲望を、願いを」
言葉と同時、闇が広がり、周囲を飲み込んだ。
蜜柑がEロイス【暴食の胃袋】を使用。自身の精神世界に全てを取り込む。

GM:というわけで、次から個別シーンになるよ。登場は自由だけど……まず空幻からな。
空幻:出ないでほしいなーw

空幻が目覚めると、目前では過去の光景が広がっていた。
それは、『神獣(アルティ・アニマ)』と呼ばれていた彼女が、『マスターレイス』に任命された、その時の様子だった。
己の欲望の障害となる敵を倒し、一息ついた彼女に、どこからともなく現れた妙齢の女性が声を掛ける。
FH日本支部長“プランナー”都築京香。

GM/プランナー:「素晴らしい力です、アルティ・アニマ」
空幻:きちんと挨拶を返します。
GM/プランナー:「その力、そしてその「世界を変える」という欲望……あなたに一つのプランを授けましょう……あなたは今、この時から“マスターレイス”です」
空幻:「……承ったわ。今から私は神羅空幻。貴女のプランに乗ってあげるわ」
GM/プランナー:「あなたがどのように「世界を変える」のか……期待していますよ」

舞台が闇に飲まれ、蜜柑の声が聞こえる。

GM/蜜柑:「やっぱりね。欲望の塊とも称される、マスターレイス。あなただったのね」
空幻:「ええ、そうよ。知っていたのね、蜜柑。私こそ、欲望を統べるもの、“悪霊の主(マスターレイス)”」
GM/蜜柑:「あなたは私に無いものを持っている。尽きることのない欲望を」
空幻:「……あなたには無いの?欲望が」


次は、夏芽の過去。
ドルジと初めて会ったときのこと。
誰にも懐かない猫であったドルジ。当時は小さな猫だった。
そんなドルジを見つめている夏芽に、顔にひっかき傷をつけられた兄が言った。
「あいつは誰にも懐かないからな。俺でも無理だった。無理に手を出すと怪我するぞ」

夏芽:「どっちかというと、お前は懐かれないタイプだろ」

だが、夏芽には奇妙な確信があった。アイツとは仲良くなれると。
手を差し伸べた夏芽に、ドルジが寄り添った。

GM/兄:「あの猫を手なずけるとは……流石夏芽、俺の妹だ!」w
夏芽:「なぁ、ねこ。お前、いつも一人なのか?」
GM/ドルジ:「なー(肯定)」
夏芽:「そっか、あたしも一人だ」
GM:後ろでショックを受けている兄w
夏芽:兄は別枠なんでw 「じゃあ、お前に名前を付けてやらないとな。お前の名前は――」

また、暗転。

GM/蜜柑:「昔から一緒にいる、動物の友。羨ましいわ。私の友達は、みんないなくなってしまったから」
夏芽:「あたしも、大切な人はいっぱいいなくなったぞ。でも、あたしは、あいつらが完全にいなくなったとは思っていない。蜜柑、お前にはいないのか、憶えてるやつは……?」


さらに、銀次の過去。
不良との闘争の中、≪マスヴィジョン(物理)≫の火力が不足していた。
相手は、不敵に笑う。
「けっ、噂の“ライトキャノン”のマスヴィジョンとやらも大したことねぇな。これだからリーゼントなんてアナログな奴は」
銀次の舎弟である猿飛が吹き飛ばされる。

銀次:「俺のリーゼントを馬鹿にするな!お前だけは許さねぇ!」

銀次の怒りと共に、【超血統】の力でマスヴィジョンの力が増大していく。

GM/蜜柑:「怒りが、自分への誇りが新たな力を生んだわけね。確固たる自我、か」
銀次:「ああ。1つ、自分に自信が持てるものがあれば、何でもできるんだぜ!」


最後に、紫音の過去。
UGNのホームにいた時代。より強い力を得るための実験が行われていた。

紫音:妹の深音へとレネゲイド能力を移す実験が行われた結果、逆流してこっちがノイマンに目覚めた。

同様の実験を受けていた仲間たちもいた。紫音も含め、みな番号で呼ばれていた。
……みな、消えていった。

GM/研究者:「何故だ!どうして上手くいかないんだ!」と、残っている実験体を恨めし気に睨む。紫音の服のスソをぎゅっと掴む深音。

そして、紫音と深音だけが残った。研究者は、「実験は失敗だ」とだけ告げ、消えていった。
その後2人はこの学園に送られることになった。

GM/蜜柑:「見慣れた光景ね。UGNもFHも、本質は変わらないということね」
紫音:「そもそも、初めから私はUGNにいたから、どちらがどう、とかはよく分からないわ」
GM/蜜柑:「……あなたは私と似ている。違いは何なのかしら」


PC達4人の過去の回想が終わると、全員が一か所に集合していた。
シャドウが、ボールを弄びつつ、憎らしげに全員を睨んでいる。
「約束だ。とりあえずコイツを返してやるよ」
ボールを夏芽に投げ渡すと、夏芽の手元でリンの姿に戻った。
「怖かったよ、夏芽」と夏芽にしがみつくリン。

夏芽:「大丈夫なんだな、リン」と安心します。
GM/シャドウ:「ケッ。どいつもこいつも、過去ってやつを大事にする。俺たちにはないものを。それが気に食わねぇ。だから、壊してやるよ!」と、オープニングと同様に『そげぶ』音が響く。

Eロイス【砕け散る絆】【傲慢な理想】で、PC4人とリン、ついでにドルジのロイスを1つずつ破壊。PCからは、それぞれのDロイスを消去し効果を無効化する。この効果はシャドウが戦闘不能になったら解除。
さらに、自分の中で何かが壊れる感覚に、それぞれのレネゲイドが活性化する(衝動判定)。

夏芽&銀次:火力が落ちた―!
空幻:マスターレイスが消えたけど、マスターエージェントのトレイルデータは残ってるからいいか。
GM:リンとドルジからは、夏芽へのロイスを消去。リンは夏芽に対し「あなた、誰?」と睨み、ドルジとともに警戒心をあらわにする。
夏芽:「ドルジ……リン……何をした、シャドウ!」
GM/シャドウ:「ははっ、面白れぇ。これで俺たちと同じってわけだ」と笑う。
空幻:「随分と悪趣味ね」と落ち着いて言います。
GM/シャドウ:「折角だから、俺たちの過去も見ていけよ。何もない、思い出にもならない、くだらない、忘れ去られた過去だがな」と≪瞬間退場Ⅲ≫。目前に、巨大な扉が出現する。


扉を開くと、広い空間に出る。どうやらFHの研究所らしい。
訓練生へのレネゲイド能力のトレーニングが行われている。厳しい訓練であり、重症者も出ている。
しかし、教官……着物の女性は気にすることなく、厳しい言葉を飛ばす。
「衝動をねじ伏せろ。お前の“望み”を、欲望を意識しろ」
“ウィンドマスター”月城夜風が、言葉と共に風を放つ。

空幻:着物って時点でわかったけど、やっぱりこの人かー。
GM:別に空幻がやってもいいよ?w
空幻:止めとくw

その様子を、部屋の隅で眺めている被験体の一人……幼い頃の蜜柑。
胸元に、被験体90号とのみ書かれたプレートを付けている。

GM:幼い頃、といっても外見的には今とそんなに変わらないけどな!数年前だから、実年齢10歳弱。

強化ガラスの窓を隔てた先で、研究者たちが憎らしげに被験体90号を見て言う。
「被験体90号は、まだ覚醒しないのか」
「ああ、様々な負荷を与えたが、いまだに欲望を自覚していないらしい」
……そして訓練が終わり、死屍累々とした訓練生たちが残される。
心配そうな表情で、そこに駆け寄る90号。
「なんだよ、蜜柑。俺たちなら大丈夫だって!」
強がる、蜜柑と同年代の少年。
「でも、こんなに血が出ているわよ……」
と、蜜柑は懐から包帯を取出して手当てを始める。
「お前も覚醒してくれれば、俺たちも少しは楽になるはずだけど、まぁ、それはしょうがないよな」
と、ポンポンと蜜柑の頭をなでる。その様子を微笑ましげに眺めながら、他の訓練生たちも同意する。
「そうね。蜜柑ちゃんはあたしたちのアイドルだから」
重傷を負ったまま、蜜柑を気遣う訓練生たち。
「あの研究者たちを含め多くのFHの連中は、非オーヴァードの人間には価値がないと考えてやがる。でも、俺たちは、世の中にはお前みたいに価値のある人間もいるって知ってるぜ。だから、俺たちが強くなって、FHのそんな風習をぶち壊してやるよ!」
そういって笑顔を浮かべる少年を眩しそうに見つめる蜜柑。
「ありがとう、○○」
少年の名前を呼んだはずだが、その名前は聞こえなかった。

そして時は流れ、先ほどの訓練施設に、ジャームが襲ってきた。自然発生したものなのか、他のFHセルから送り込まれたことなのかは分からない。

GM:……(無言で空幻を見つめる)。
空幻:私じゃないよ! 何で蜜柑からのヘイトを貯めなきゃいけないんだw
夏芽:“アルティ・アニマ”……いったい何者なんだw

訓練教官のいない中、訓練生たちは必死に戦い、ジャームへダメージを与え、そして倒れていった。
そして最後に蜜柑だけが残った。ジャームは既に満身創痍だが、倒れた訓練生たちにとどめを刺した後、ワーディングにより身動きが取れない蜜柑へ、鋭い爪を伸ばす――
その直前、風によってジャームが消滅した。
「……ふむ、生き残ったのは貴様だけか」
何の感慨も込めず、ただ事実を確認するように“ウィンドマスター”が呟く。
「どうやらこのジャームは既に致命傷を負っていたらしい。お前に、少しでも力が、欲望があったならば、他の訓練生たちが死ぬことも無かっただろうにな」
特に責める口調ではない。そのことが余計に蜜柑の心を傷つける。
蜜柑はその場に泣き崩れるだけだった。
「……これでも覚醒しない、か。あるいは、と思ったのだがな」
そこに、避難していた研究者たちが戻ってくる。

夏芽:お前らも戦えよw
GM:一般人研究者なんて、対ワーディングマスク着けて逃げるのがやっとだよ!

「“ウィンドマスター”様。間もなくUGNが事件を嗅ぎ付けるはずです」
「……そうだな。この研究所は廃棄する。データの回収が済み次第、爆破しろ」
「はっ……被験体90号の処遇は?処分しますか?」
「いや……」
「では……?」と問い返す研究者に通信が入る。通話はすぐに終わり、慌てて内容を報告する。
「“ウィンドマスター”様。被験体90号を引き取りたいというマスターエージェントが!」
「……そうか。では、引き渡しておけ」
そのまま立ち去っていくウィンドマスター。
「……強く生きろよ」

映像が終わると、周囲は闇に閉ざされ、シャドウの声が響く。
「見ただろ?こんなものは、記録する価値もない、忘れられた過去さ。この後、蜜柑は記憶操作を受けた。つい先日、記憶が戻るまで、アイツも忘れてたんだよ、この過去を」

GM/シャドウ:「この俺も、蜜柑の記憶から作られた偽物だ。具体的なモデルはいるらしいが、記憶処理と情報操作によって、本物の記録も、記憶も、もはや存在しねぇ」

Eロイス【悪夢の鏡像】+【変異する悪夢】。誰かの分身として生まれ、元の人物とは異なる能力を持ったジャーム。

GM:この演出のためにEロイス2つ分無駄遣いしてるw
空幻:本来なら、2人に増えるから面倒なEロイスなんだけどなー。って、コイツはジャームか。
GM:悪夢の鏡像の時点でジャームであることが確定してるよ。
銀次:「……で、こんなものを見せて何のつもりだ?」
GM/シャドウ:「――アイツの願いは分かったか?」
銀次:「……何だそれは?」
GM/シャドウ:「……アイツはずっと悩み続けている。自分の欲望が無いことに。他人の願いを見るために“取次屋”なんてものを始めても、結局自分自身の願いは見つからなかった。探し続けて見つけられず、遂には『自分の願いを見つけること』そのものが願いになっちまった」
空幻:「目的と手段が逆転してるわね」
GM/シャドウ:「他の奴らの願いってのは、大抵ソイツの過去と密接に関係しているわけだよな。過去が願いを作り出す、ってやつだ。だが、蜜柑にはそれがねぇ。不平等だろ? だから俺は、他の奴らの過去をぶっ壊す。それが俺、シャドウというジャームの存在意義だ」
空幻:「そろそろ話は終わり?」
GM/シャドウ:「ああ、つまんねー話は終わりだ。お前らを破壊して、お前らの欲望を蜜柑が吸収すれば、ちっとはアイツの衝動も埋まるかも知れねー」
空幻:「いいえ。私たちの欲望は私たちのものよ。他の誰かのものではないわ。シャドウ、私の欲望のためにあなたを倒す。蜜柑の面倒は私が見てあげるわ」

クライマックス
先ほどの映像で流れた、FHの訓練所。その中央で、蜜柑とシャドウが待ち受けていた。

GM/蜜柑:「今までの私には、願いが無かったから何も変えられなかった。FHを脱走してこの学園に来てみたけれど、あの研究所と何も変わらないわ。この学園は、実験所なのよ。ここにしかない道具、ランク制度……そういったものが安全か、副作用がないかを確認するための実験所。例えば、スペリオルミックスとかね」
空幻:「……そうね、その推測は正しいわ」
GM/蜜柑:「……別に、何も変えられなくてもいいと思ってた。誰かさんが言うところの『世界を変える意志』なんて、失敗作である私には持つ資格がないんだと。でも、そんな時にペルソナマスターが私に接触してきた。そして私は思い出したの。忘れていた過去を、もう取り戻せない過去を。その喪失感……飢餓の衝動は、別のもので埋めるしかない。何らかの欲望で」

蜜柑の衝動に合わせて、空間全体が蠢く。

GM/蜜柑:「見せてもらったわ、あなたたちの過去、そして願いを。その何もかもを私のものにするわ。それが、『私が望んだ、私の願い』」
銀次:「全く、つまんねー話だな!」
空幻:「止めた方がいいわ、蜜柑。私の願いは、あなたには重すぎる。あなた自身の願いを、あせらずにゆっくり探せば良かったのに……今のあなたは、飢餓の衝動に支配されている」
夏芽:「やりたいことを見つけたいんだろ?じゃあ、一人じゃダメだ。他の人と一緒にいなきゃダメなんだ」
GM/蜜柑:「……これまで、取次屋として色々な人の欲望を見てきたわ」
夏芽:「見るんじゃない、一緒に体験しなきゃダメなんだよ!」
GM/蜜柑:「……そうね、私にもそんな仲間が居れば良かったのだけれど」
夏芽:「分かった!……あたしが友達になる!」
紫音:「私も付き合うわよ」
銀次:「そうだぜ、過去が無いってんなら、これから過去を作ればいいだろ!」
GM:そう言われて蜜柑は揺らぐが、そこにシャドウが「おい蜜柑、そんなまだるっこしことしなくても、欲望を奪っちまえばいいだろ?それがFHの流儀ってやつだ」と戦闘に誘導しつつ、「つーわけだ。まぁ、俺は、破壊できれば何でもいいんだよ。別にコイツのために何かしてやろうってわけじゃねーんだ。ジャームだからな」

訓練所の形をしていた周囲が生き物のように蠢き、その場の全員を取り込もうとする。衝動判定。
空間の主、蜜柑は告げる。
「ここは私の精神世界。あなたたちも、その一部になりなさい」
ミドルで使ったEロイス【暴食の胃袋】の効果で、蜜柑への命中-2d、蜜柑以外全員クリンナップに1d10ダメージ。

GM:で、これダメージだから軽減されるんだよねー。
空幻:カーンw

敵は蜜柑とシャドウの2体。相対距離10m。


セットアップ
蜜柑が≪原初の黄:奈落の法則≫で範囲のCT+1を、≪幻想の色彩≫で射程延長してPCのエンゲージへ発動。
更にシャドウが≪永劫進化≫≪原初の白:サポートデバイス≫≪原初の黄:加速装置≫で強化しつつ≪クイックダッシュ≫でPCとエンゲージ。

GM:これでシャドウの行動値は8から40になったぜ!
銀次:お前は何を言っているんだw

イニシア
GM/蜜柑:「教えてあげるわ。私の飢えを。満たされることのない飢餓感を」範囲(選択)に対して≪原初の灰:スタヴェイション≫6レベル。ラウンドの間、全判定-18dね。これについては、タイタスで打ち消せる【不利な効果】とするよ。

そのまま、圧倒的行動値でシャドウが≪影の武具:インフィニティウェポン≫≪原初の青:ダブルクリエイト≫≪原初の黒:ライトスピード≫からの2回攻撃。≪C:ウロボロス≫≪原初の赤:マルチウェポン≫を範囲に撃つだけの単純なコンボ。だが……

部屋中に広がる闇。その闇が全て、シャドウの手の中で濃縮され、漆黒の刀身を持つ刀となる。
「ぶち壊してやる、この刀で!」

GM:トレイルデータ【濃縮体】込みで武器攻撃力はこのラウンドは45点ずつ。二倍で固定値90。
空幻:だから【濃縮体】はダメなんだってw
紫音:取り合えず単体化します。
GM:じゃあ、空幻から狙う。リアクションCT+1の-18dだけどどうする?
空幻:ガードします。
GM:だと、ダメージ131点。ダメージ入ったら≪喰らわれし贄≫で火力上昇。これで2回目の攻撃の固定値は108だ!「なんだ、マスターレイスとやらも存外脆いもんなんだな」
空幻:「あら、まだ終わらないわよ」とタイタス蘇生。
GM:で、範囲攻撃は単体化されるんで、2回目は≪原初の灰:万軍撃破≫でシーン攻撃に。ダメージは151点。

この攻撃は領域の盾で銀次が空幻を庇う。
続く銀次と紫音の手番は、ダイスペナがきついのでメジャーで離脱。
120%を超えた空幻が、アージエフェクトで加速して先手を取ってシャドウに攻撃するが……

GM/シャドウ:「いいぜ、まずはお前から壊してやる!」と、正面から攻撃を受けつつ刀を振るう。≪原初の紫:復讐の刃≫で反撃。
空幻:げ、流石にガードできないから倒れそう。
夏芽:じゃあ、行動放棄して庇った!
GM:反撃は108点ダメージ。
空幻:こっちは……106点の装甲-5扱い。
GM:……は?
空幻:13d振ったら出目が101だった。9がたくさんあった。
GM:……お前は何を言っているんだ。……100点ほど抜けるんで一度戦闘不能になる。

シャドウが体勢を崩すと、PCたちの過去……Dロイスが戻ってくる。
しかし、シャドウは≪原初の虚:魔獣の証≫9で蘇生。
次は蜜柑の手番。

「私は、何かが欠落しているとずっと思っていた。FHにいた影響で歪んでしまったからかもしれない。でも、そのことが願いを得るための力になるなら、それでいい」
蜜柑の姿が消えるが、言葉は続く。
「あなたたちにも見せてあげる、私の闇を」

GM:マイナーで≪原初の青:陽炎の衣≫で隠密になりつつ、≪千変万化の影≫で技能レベル+9して20に。メジャーで≪原初の赤:絶対の恐怖≫≪C:ウロボロス≫を範囲化して攻撃。FHチルドレン用トレイルデータ【生来の狂気(ナチュラルボーン)】の効果で交渉達成値+10なので、基準値30。隠密中なので≪フラッシュゲイズ≫と≪ミスディレクション≫は無効。

空幻と夏芽に攻撃。空幻は難なくガードし、夏芽はリザレクト。
≪喰らわれし贄≫で打点を挙げるが、流石に空幻に対してダメージが通る要素がない。
ラウンド終了時【暴食の胃袋】でダメージが飛ぶが、空幻のダメージ減少10の壁が厚い。なにあのボスw
2ラウンド目セットアップは、先ほどと同様。≪原初の黄:奈落の法則≫は空幻と夏芽とシャドウのエンゲージへ。
シャドウの範囲攻撃は紫音によって単体化され、空幻がタイタス蘇生。
実はまだ100%に届いていない銀次の攻撃と、元々打点の低い紫音の攻撃がシャドウに飛ぶが、ギリギリで耐える。
蜜柑は、移動してから攻撃を試みるが、銀次の≪フラッシュゲイズ≫で止められる。

そして、夏芽の手番。

夏芽:どちらもCT11だから、固定値勝負! フルコンボで攻撃、出目10だけどクリティカルせず、達成値27!
GM:それは、シャドウは回避できないが……蜜柑が闇を放って攻撃を受け止める。≪原初の白:束縛の領域≫、判定基準値30の10dでファンブルチェック。
空幻:……ここで倒せないと面倒だな。何とかする方法は……≪フラッシュゲイズ≫をSロイスで回復して使ってもらうくらいか。
GM:ここが10dでファンブルすることを期待してもいいのよ?w
夏芽:≪支配の領域≫はあるけど、ねーよw
銀次:……くーちゃんが敵になると怖いんでSロイス使って≪フラッシュゲイズ≫します。
GM:なんだその理由w

夏芽の声に従い、ロイスが回復したドルジがシャドウと蜜柑へと突撃する。
周辺の闇が蠢き、その攻撃を阻害しようとするが、銀次のリーゼントから放たれた光によってその試みは失敗し、ドルジがシャドウを貫いた。

GM:まぁ、蜜柑は≪原初の緑:命の盾≫でファンブルチェックで避けたが、シャドウは倒れる。「くそ、ここまでか。だが……ついでだ、お前らも壊れちまいな!」と、シャドウの内部から影が爆発する。Eロイス【悪意の爆発】でシーン全体に3d10ダメージ……14点。ガードやカバーリングは可能。
夏芽:≪領域の盾≫を空幻に。庇ってもらった。
紫音:タイタス切ります。
銀次:リザレクト!
GM/シャドウ:「けっ、結局壊せずじまいか」と、【悪意の爆発】の影響で死亡状態になる。……ここで≪蘇生復活≫があると、死亡も回復できるんだけどw

ボロボロになったシャドウが影へと戻っていく。
その様子を、泣きそうな表情で見ている蜜柑。
「どうした蜜柑?ジャームが一匹、好き勝手やった挙句に死ぬだけだ、気にすんなよ」
蜜柑の記憶にある、誰かと同じような笑顔を浮かべつつ、シャドウは消滅した。

空幻:「ジャームにも、絆はあるのよ」
GM/蜜柑:「……後は私が戦うだけよ。私が望んだ、私の願いのために」

と、意気込んではみたものの。
流石にPC側の達成値操作が多いため、コンスタントに命中70くらい出されるんで、回避固定値が40(≪混沌なる主≫で+10)あっても届かず。
紫音の攻撃によって、蜜柑の飢餓の仮面が割れた。
「さようなら、私の願い……」
さびしそうに呟いて、蜜柑は気絶した。


エンディング

空間が壊れ、もとの店舗に戻る一同。
そこに、重々しい声が響く。
「流石はリトルバスターズ。我が仮面の力を与えたその二人を倒すとはな」

夏芽:「どこだ!?」
GM:「ここだ」声の先には……仮面を着けた犬が1匹。
夏芽:「い、犬?」
GM:「我が名はペルソナマスター。今は訳あってこの犬に寄生している。別に、この犬が本体というわけではないぞ」
空幻:なんだ、アニマルオーヴァードかと。
GM:「貴様らの戦い、全て仮面を通して見させてもらった。実に見事だった。そして、それ故に我が計画は順調に進むというわけだ」
銀次:「手前、何が目的だ!」
GM:「負の感情の象徴である仮面。そして、それを破壊するリトルバスターズというヒーロー。それらはもはや、この学園の誰もが知る物語となった……何、これから目立ったことが起こるわけではない。大多数の人間にとっては、これまでと同じ日常が続くだけだ。ほんの少しだけ変化した日常が、な。すぐに理解するだろう」
空幻:「じゃあ、楽しみにしておくわ」

GM:ちなみに、この犬含むペルソナマスターはエキストラだ。倒すと宣言すれば倒せるよw
紫音:犬倒してもなー。
夏芽:え、エキストラの動物……?
GM:まぁ、今は憑依されてるから懐きはしないが……尻尾くらいは振っているかもしれないw
空幻:ところで、ペルソナマスターについての情報って私しか持ってないんだけど。
夏芽:ペルソナマスター、いったい何者なんだ……w
空幻:蜜柑が説明してくれると助かるんだけどなー。
GM:気絶してるよw
空幻:くっ……じゃあ、自分が調べてきたということにして説明します。
銀次:「空幻、そこまで知ってるとはお前スゲー奴だったんだな。ただの昼寝してる狐じゃなかったのか」

しばらくすると、蜜柑が目覚めた。

GM/蜜柑:「……やっぱり、私なんかが、望みを、欲望を持とうとするのが間違いだったのかしら?」
空幻:「……1つヒントをあげるわ。人だけではなく、生きるもの誰もが持つ欲望……『生きたい』という願い。あなたは、それが強いんじゃないの?」
GM:まぁ、例の回想シーンで覚醒してたらFH用Dロイス不死者になってた気はするな。100%超えてもジャーム化しないけど、UGNからジャーム扱いされるという曰くつきのアレ。
夏芽:じゃあ、顔を赤くして「み、蜜柑!その……なんだ……友達になってくれないか?」
GM/蜜柑:「……そうね、私でよければ」
紫音:例の犬を連れて来て「この子も、あなたの友達でしょう?」
GM/蜜柑:「ええ。でも、あなたも大切な友達よ、紫音。……私はこれまで通りでいいのかしら?」
空幻:「さあ?あなたが変わりたいのなら、変わればいいんじゃない?」
銀次:「良い友達ができて良かったじゃないか、蜜柑。そうだ、願いが無いってんなら、俺の関島(かんとう。学園島周辺を指す)制覇に付き合わねぇか?」
GM/蜜柑:「それは楽しそうだけれど……まぁ、必要なものがあったら調達してあげるわ」と言いつつ、少し考え込み。「さて……ペルソナマスターは私を捨てたと見て良さそうね。一応、FHについての機密情報をいくつか思い出してしまったわけだから、追手が掛からないか心配だわ」
空幻:端の方に連れて行きます。
GM/蜜柑:「ああ、このままではうっかり大切なことをしゃべってしまうかもしれないわ。例えば、マスターエージェントの秘密とか」w
空幻:「ぜひうちに来てください」w まぁ、シャドウとも約束しちゃったしねー。
紫音:で、家に帰ると、プランナーが待っているとかw
空幻:なんだこの八方塞がりw


FH・くーちゃんセルが順調に拡大したところで、最終回に続く。
最終更新:2018年03月30日 11:28