『春です。』

前回から地続きのエンディング。


生徒たちは、イーサンに護衛されエイブリーへと帰ってきた。
学校にはすでにイーサンの雇った冒険者が到着している。蛮族の姿はなく、平穏そのものだ。


GM/ウール:哨戒にあたっていたウールが皆さんを発見します。「みんな、戻ってきたのね!」
メリエル:「ウールさん! 大丈夫だったの?」
GM/ウール:「ええ、蛮族の襲撃はあったんだけど護り切ったわ。私たち大活躍だったのよ。特にビビ」
メリエル:ビビ……ビビか。
タルタリク:ビビなあ。
GM:まあウールが休んでた他の人を呼んできます。
アウイナイト:「ちゃんと無事だったみたいだな」
GM/ミーナ:「まあね。まあ全部ビビが回復してくれたからなんだけど」
GM/ビビ:「そ、私が大活躍したんだから。学長は?」
メナ:学長なあ。
メリエル:「ビビさん。学長は……ブルックリン先生、あなたのお母さんは。もういないわ」
GM/ビビ:それを聞いたビビは、驚くというよりあきらめたような表情になります。「……なんとなく、わかってた。そうなるかもしれないって」
タルタリク:「気付いていたのか」
GM/ビビ:「理由はわからないし話してもらったこともないけど。何か大きな秘密があって、そのせいで死んじゃうような気がしたの。なんとなく、もう会えないんじゃないかって」

「だからこっちに残ったの。覚悟してたから……だから大丈夫よ」
そう言いながら、ビビは声を殺して泣き始める。

メリエル:「あなたのお母さんは、本当に素敵な先生だったわ。私たちのことを最後まで考えていてくれた」
GM/ビビ:「ええ。きっとそうやって、いなくなったんでしょうね」
GM/エイベック:「君たちが無事に帰ってきた以上、こうなることはわかっていたよ。私は事情を知っていたが……いやその話は後にした方がよいな。まずはこれからのことを決めなければ」
アウイナイト:えっ、知ってたの。

その後、エイベック先生から聞いた事情によると――。
エイベックは昔、ブルックリンと一緒に冒険者として活動していた。その過程でケテルを発見し、ブルックリンは全能の力を自らの命に使うことで守護者となった。
出会った当時からブルックリンの姿は今と変わらず、そもそもエイベックより年上だったらしい。
……エイベックってエルフのおじさまだったよな。それの若い頃から一緒にいて、しかも年上ということは、ブルックリンの年齢は――やめておこうw
さすがにそこまでの事情とはビビも思っていなかったので、かなり驚いていた。

GM/ビビ:「もっと普通に、敵の攻撃を庇って死んだ、とかだと思ってた。確かに昔から見た目変わらないなって思ってたけど」w
メリエル:つまり学長は永遠の17歳w

エイブリーの教師たちは、ケテルの権能により生み出された特殊なアイテムを持っていた。例えば妖精魔法の時間超拡大だとか、無制限ダブルキャストとか。
しかしケテルの権能が失われたことで、そのアイテムも壊れた。
いや、それよりもっと重要なことがある。

メナ:実際、先生5人中2人がいなくなったんだよな。
メリエル:なんならビビがアステリア最高神官説あるからな。プリースト8とか9でしょ?
タルタリク:あと残りの魔剣。誰が持つ?
アウイナイト:別に持ってても仕方ないんだよな。
メリエル:「アウイナイトさんは戦いで負けた相手にいつも言うこと聞かせるから、従者が欲しいのだと思っていたわ」w
アウイナイト:「いやいやそういうんじゃなくて。でも俺に従者ができたら……たしかにいいかも」
メナ:従者を持つ従者は強いですからねw
GM/ソニア:「メナあなた、魔剣を作りたがってたじゃない。ガイアを持って帰らなくていいの?」
メナ:「魔剣持って帰りたいところなんすけど……もっと設備が整ったところで研究したいんすよね。そういう意味じゃ、ここに置いておくのがいいんじゃないっすか?」
GM:じゃあそういうことになった。ちなみにルーンはミサの所有物になった。
ミサ:「いやー困っちゃいますねー」でれでれw
GM/ルーン:「権能は迂闊に使うんじゃねーぞ」
タルタリク:振りかな?
GM:あ、ザットはちゃっかり鼓砲の教官に収まりそうです。汎用蛮族語で鼓砲しないといけないのが難点w
タルタリク:後手でも使えて自分にかかる鼓砲むちゃくちゃつええだろw

残りの先生たちが新たな先生を探してくる間、空いた授業はしばらくの間休講か自習となる。
生徒たちの中には既にそれぞれの分野のエキスパートが揃っている。彼らが教える形でも皆は学んでいくだろう。
嵐を乗り越え、結束が強まった彼らなら。
日常が戻ってきた。





GM:さて、エンディングですが。何かやりたいことある人いる?
ノエ:アウイナイトと話がしたさ。というか卒業の話やりたいんですよね。一気に時間が飛ぶんだけど。
アウイナイト:いいんじゃない? もしそれまでの話がやりたくなったらそれはそれで「こんなことがあった」すればいいからw


卒業の季節。
能力により卒業が決まるこの学校の制度上、全ての生徒が同じ時間だけ学校にいるわけではない。
アマンテはあの事件の後みるみる能力を伸ばしてすぐ卒業してしまったし、ソニアもそつのない成績でいつの間にか卒業していた。
しかしアウイナイトとノエは、ちょうど同じ時期に卒業することになった。

アウイナイト:卒業式的なのが終わった後、寮のラウンジで待ち伏せ。
ノエ:じゃあ同じく待ち伏せしようとしてたノエがひょこひょこやってきます。
アウイナイト:「ようノエ」
ノエ:「えっ、なんでいるの」w
アウイナイト:「お前のこと待ってたんだけど」

アウイナイトは、持っていた花を手で弄りながらしばらく黙っていた。

アウイナイト:「お前、これから何すんの?」
ノエ:「なにするんだろう。強くはなったけど、人族のことはぜんぜんよくわかってないし」
アウイナイト:「ふーん。俺はまあ、リードと一緒に戦場に行くんだけど」
メナ:IKUSABA?w
ノエ:「アウイってリード君のこと好きなの?」
アウイナイト:「それどういう意味で?」
ノエ:「好きのどういう意味とか、そういうのもわかんないんだよ」

――アウイとリードとか。
――アマンテとディーズィー先生だとか。

ノエ:「そういう関係がわかんなくて、一回聞いてみたくてさ」
アウイナイト:……ちょっと自分の頬を両手で叩く。よし。「まあ俺はリードのことが好きだけど、それとはまた別の意味で、お前のことも――!」

ぱくぱくぱく。

アウイナイト:結局口には出せないけど。しゅーん。
ノエ:「?」
アウイナイト:「……お前とは離れたくないと思うんだけど、よかったら一緒に来ないか?」と隠してたお花を差し出します。
ノエ:「私は……学校でこうやってチーム組んで、やってきたけど。いっつも指輪割るし」
アウイナイト:それな。
ノエ:「一緒にいて楽しいのは私もそうだけど、卒業してまでってのも……足引っ張りそうだし」と、ちょっとうじうじ。

「……はぁー」
アウイナイトはかつて割られた指輪を取り出した。
「お前のいいところは考えなしでうじうじしなくてアホ面していいよーって何も考えず言うところだろ!」

アウイナイト:「お前がこの指輪を割らなくなるまではこの指輪、嵌め続けるからな!」
ノエ:「んー、そこまで言われちゃ仕方ない。ついていかせてもらうよ。ありがとうアウイ!」
アウイナイト:「い、いいから行くぞ!」
ノエ:笑顔のまま答えるよ。「待ってよー!」



GM/ウィリアム:「今だ! お前らやったな!」ウィリアム突入!w
タルタリク:タルタリク突入!w
ミサ:ミサさん突入! 「リルズ神の加護ぞあれ!」
アウイナイト:「え、なんだ!?」
GM/ウィリアム:「よーし今日はお祝いだ!」

結局同期たちが大集合して、いつものように宴会が始まった。
他の生徒もだいたいは同じ時期に卒業する。ただしウィリアムは単位的なものが足りずにもう1年ぐらいは居ることになりそうだ。

GM/ヴィーヌ:「私といえど、今日ばかりは飲ませませんわ。反省なさい」
タルタリク:サカロス神官が飲ませないって言ってるのマジでやばいなw
GM/ミーナ:「卒業後ね。みんなどうするんだっけ。リードとアウイは聞いてるんだけど」
タルタリク:「今は私たちがこうやって宴会を開いているが、学校の施設としてあればより交流の場が広がるはずだ。学校に残ってバーでも作ろうと思うよ」
GM/ニーナ:「なるほどー。私たちはドレさんと一緒に冒険に行くよ」
アウイナイト:最後までセットかこの3人w
ミサ:「宣教の旅に戻ろうかなって」
ノエ:ルーンがいるんじゃないの?
ミサ:「特定のではなく、神を信仰したいのです」
GM/ルーン:「少なくとも俺だけは、お前の信仰を傍で知ってるさ」
ミサ:あ、だめその言葉はミサさんを貫通してプレイヤーに刺さってるからだめ。尊い……。

メリエル:キャラシには13歳って書いたけど、エンディングなら多分成人してる。「私は実家に戻るわ。家は兄様が継いでいるけれど、私もやることは多いから」
GM:ジェリアとウールも同様ですね。ヴィーヌも本来はそうなんでしょうが……。
アウイナイト:ヒモがw
GM/ウール:「家はフェンディルよね? ザルツ内なら、またどこかで会うこともあるかもね」
メリエル:「ええ、また。……ビビさんは、ここに残るのよね」
GM:卒業してませんね。事件以来、いろんな魔法とか事務処理を平行して学び始めた関係でそもそも卒業できる状況でもないようです。しかし卒業後も学校に残るでしょう。
タルタリク:じゃあビビとキュリー先生をバーで出迎える準備をしようw
メリエル:ところで新しい先生は闇の魔術に対する防衛術の先生みたいにコロコロ入れ替わったりしなかったのだろうかw
GM:決めてない!w


一方メナとミリアーナは、路銀が尽きてソニアが卒業後開いた工房に転がり込んでいた。
ソニアは卒業後、いい感じに冒険に出かけ、その冒険でいい感じの遺跡を発見し、自らの工房としてマジックアイテムを売っているらしい。ちゃっかりしすぎている。

メナ:「いやー助かったっすー」
GM/ソニア:「なんでお金に困ってるの」
メナ:「魔剣の研究しようと色々やってたら」w
GM/ソニア:「エイブリーなら魔剣もあったのに」
メナ:「それはまあ世界を見て回るとかそういうあれもあって。でも魔剣ないんすよねえ」
GM/ソニア:「なんなら、神になれるだけの魔剣でも作れば? ルーンにガイアにケテルに……あれの力で本来神になれたんでしょ? ガイア自体は魔動機文明の魔剣なんだし、作っちゃいけない理由はないでしょ」
メナ:「……目からうろこ! なるほどその手があったっすかー!」といって工房からダッシュで出ていく。

「あれはもう、マギテックというよりブラックスミスだね」
ミリアーナは、後先考えず突っ走ったメナを見て苦笑する。
「ミリー、私たちはやるべきことをやりましょうか」
「やるべきことって?」
「ちょうど遺跡調査の護衛依頼を出そうと思っていたから。あなた路銀もないでしょ」
「ありがたーい!」
「それに、今回行くのは例の遺跡よ。以前行った時、王の間とは別に厳重に守られた扉があったから、あの奥へ行く」
「あれ? それって、魔剣の話にも関係あるんじゃない? メナを呼び戻さなくていいの?」
「どうせ戻ってくるから」
「ははあ。じゃ、それまでにやるべきことをやろうって話か!」

メナ:「忘れ物したっすー!」w
GM/ソニア:「ほらね」w

また春が来る。
アウイナイトの秘密、ディーズィーの行方……いまだ残された謎は多い。
しかしなんだかんだ、彼らならうまくやるだろう。エイブリーの学びが胸にある限り。


==完==

イラスト:からつき
最終更新:2018年04月01日 20:40