ソードワールド2.0単発セッション Amazing Days!!
著 haratomo    

 全てはキャンペーン中の一発ネタから始まりました。とあるソードワールド2.0(以下SW)キャンペーン中の一話で1組のアイドルユニットが登場しました。Amazing!!というそのユニットはメインの冒険者技能がレベル7である一方、サブ技能として全員バードをレベル10で習得しており、しかも全員自分の習得している呪歌をランダムで使用する《アメージング》の使い手だったのです。しかもそれによりばら撒く呪歌は《ヌーディー》やら《ラブソング》やら怪しげなものばかり。
そんなAmazing!!のメンバーはFateからネロ・クラウディウスとエリザベート・バートリー、アイマスから前川みく、そして初音ミクという作品の垣根を越えた人選で、セッション中は冒険者レベルの高さから来る精神抵抗値や、達成値の高い呪歌でレベル7帯冒険者であるPCたちを苦しめ、またそのそれぞれ立ったキャラクターはPCたちの印象にも残りました。そのキャンペーンを受け、彼女らを一発ネタで済ますにはもったいないということで立てられたのが今回のセッションです。相当な迷惑集団であったAmazing!!でしたが、どうなることやら…。

◎PC紹介
  • レグルス
29歳ミアキス(黒猫)の男性。
レグルスは獅子座の星の名前
ごく普通の幼少期を過ごし、冒険者を目指して15のときに眠り猫流擬態術の道場に入門。道場の師範代であるタマモキャットを師匠として修行します。師匠に憧れるあまり口調を真似ていたが、大人になるにつれて語尾に『わん』を付けることを恥ずかしく思いやめました。その時の癖なのか今でも気を抜くと語尾が『わん』となってしまうことがコンプレックス。
全ての秘伝を習得し免許皆伝となった後は冒険者として過ごし、今に至ります。基本的に丁寧語で話すため、パーティーの外交担当を任されています。何やらいずれ重要な約束を交わすことになっているようですが…
データとしてはフェアリーテイマーとスカウトがメイン。ウォーリーダーとアルケミストで味方の補助をしつつミアキスの高い敏捷と知力を活かしてファストアクションから高威力範囲魔法を撃ち込んで数を減らす役割です。

  • ヘソナイト
70歳フロウライトの男性。
 橙の鉱石でできた体を持つフロウライト。身長は180cm程度。感情が昂ぶる、特にポジティブ系の感情だと綺麗なオレンジ色に発光します。逆に怒りとかだと赤色寄りの橙になるとか。
ユリスカロア信仰のプリーストとして教えを広めつつ占いで悩める人々を教え導いたりする聖人君子。ただし結構な石頭でもあり彼の前でやらかしをすると容赦なくストーンハンマーこと拳骨が飛んできます。しかし無闇に厳しいだけじゃなくちゃんと相手の良いところも指摘してくれる優しさのある人。またミスティックとして見えないはずの未来を観測し、冷静に危機を未然に防ぐその様から"unlook observer"という二つ名を持っています。
 読書が趣味で、特に愛読しているものは詩集など。
70歳という年齢からくる落ち着きとかからかなりゆきのような形でパーティーのリーダー的なポジションを任されています。
 データとしてはプリーストとしてパーティーの回復を一手に担う一方、ミスティックをそこそこの高レベルで取得しているため、探索や判定で有利に働く…こともあります。全てはダイス神の導きのままに。

  • ソフィー
20歳ルーンフォークの女性。
 普段は真面目で優しい眼鏡っ子のおねーさん。しかしてその実態はかなり重度のアイドルオタク。冒険者を始めたきっかけもアイドルの自由な姿に憧れたからだとかなんとか。Amazing!!についても当然知っておりデビュー以来の大ファン。推しはミク・ハツネらしい。
 データとしては2丁拳銃のマギテックシューター。スカウトも習得しているためレグルスと同じくファストアクションからの4連撃で雑魚敵を蹴散らします。

  • レギンレイヴ
18歳ヴァルキリーの女性。
レギンレイヴは神々の娘の意、親しい人からの愛称はレギン。幼い頃に魔物に襲われて父親を失くしてそのせいで破産、冒険者の人に拾われてその人に冒険者技能を学びました。自分のような悲劇をなくしたくて強くなったとか。性格は基本的に内気ですが、強い正義感を持っており悪には容赦ないです。しかし戦闘になると人が変わるようです。
 データとしてはファイターライダーで、(データ的にはレンタルの)レジェンドホース"タマ"に乗ってデスサイズを振り回します。超高所攻撃全力攻撃でとにかく単体高火力に特化しています。

◎オープニング
GM「それじゃあオープニングを始めていきましょう。と、その前に。あなたたちは9レベル帯ということで持ってる名誉点的にもそこそこ有名な冒険者でしょう。ということでまずはあなたたちパーティーの名前と、拠点にしてる冒険者の宿の名前を決めようか?」

ヘソナイト「みんな特に希望がないならルルブにある二つ名表からランダムにいくつか選んで決めようと思うんだがどうだろうか?」

PC残り「「「いいよー」」」

GM「了解。それじゃあみんな1個ずつD6を振ってもらえる?その4つの出目によって単語を選ぶから」

ということで記念すべき最初の出目で出た単語は「指」。

PC一同「「「「指……?」」」」

GM「身体部位の表を引いてしまったからね、仕方ないね」

ソフィー「い、いえ、まだ希望はありますよ。残りの単語で何かいい感じのが出るかもしれないですし!」

そうして出た次の出目で出た単語は「腕」。

PC一同「「「「腕……?」」」」

GM「……このままだと流石にアレなので追加で振っていいよ。というかなんで君たちはよりによって身体部位の表を2連続で引くかな?表は20個弱あるよ?」

追加で2回振った単語は「優・義」と「深更」。この2つから取って団の名前は「深更の優義団」となることに。

GM「それじゃあ冒険者の店の名前は残った単語から『指腕亭』ってことで。主人の名前はアームズ・フィンガーさん」

PL一同「「「「www」」」」

GM「いや、みんな笑ってるけどこの名前すごくいい名前じゃない?普段の生活に欠かせない指や腕のように、冒険者たちにとって欠かせない店であってほしいという思いがこもったいい名前じゃない(真顔)」

レギン「いや…でもその名前は流石に…w」

GM「まあそんなことはおいといてオープニングに入ろう。ある日、君たちはフィンガーさ
んから依頼の話を持ちかけられるよ」

フィンガー「おうお前ら、実は俺の知り合いから腕が立って信頼できる冒険者がいないかっていう頼みがあってな。この指腕亭の冒険者の中ではお前らが一番強いし頼みたいんだがどうだ?詳しくは俺も知らされてないんだがどうやら相当なVIPの護衛らしいぞ」

ヘソナイト「フィンガーさんからの紹介なら信頼できるだろう。みんなはどう思う?」

PC残り「「「いいぞ/いいですよ」」」

フィンガー「ありがとよ。それじゃあちょっと依頼人の秘書の人を呼んでくるからお前らはちょっと待っててくれ」

フィンガーさん、名前はちょっとアレでも他人からの信用はきちんとあるようです。流石冒険者の店の主人。それからフィンガーさんは店の奥から緑のスーツを身に着けた秘書風の人間女性を連れてきました。

GM「イメージはデレマスのちひろさんです」

レグルス「やべえよ…悪魔がいる…」

ヘソナイト「鬼!悪魔!ちひろ!」

GM「いやいや、あくまで外見のイメージだけでこの人はそこまで邪悪ではないよw」

そんなこんなで出てきた女性はスクレと名乗ってPCたちと自己紹介をします。

ヘソナイト「それで依頼についてなんだが、詳しく聞かせてもらえるか?」

スクレ「そのことに関して非常に申し訳ないんですが、事をできるだけ内密にしたいのでできればこちらが用意した場所で話をしたいのですが、よろしいでしょうか?」

ヘソナイト「まあそれでもいいが…」

スクレ「ありがとうございます!初対面の私を信用してついてきてくれるなんて…」

レグルス「いえ、信用しているのはあなたではなくフィンガーさんですが」

スクレ「…フィンガーさんはなんて信頼されてるんでしょう、と言おうと思っていたのですが…」

レグルス「あっ」

PCの勘違いにより微妙な悲しみを背負ったスクレですが、PCたちをとある場所へと案内します。そこは街の中にある病院の一室でした。ノックをすると中から「どうぞ」という声がしたのでドアを開けるスクレ。

スクレ「依頼を受けてくださる冒険者の方々、連れてきましたよ」

中にいたのは若い人間男性。眼鏡をかけており良く言えば誠実そう、いい方を変えると苦労人風の容貌をしています。

GM「イメージとしては赤羽根Pです」

ソフィー「なるほど、それなら苦労人風ですね」

男性は脚に包帯を巻いてベッドに寝ていましたが、PCたちを見るとベッドから飛び起きます。

男性「キミたちだね!僕らのプロダクションが出した依頼を引き受けてくれたのは!」

と言ったものの脚を痛めている中いきなり起き上がったせいで「いてて」などと足を押さえています。

PC一同「「「「プロダクション…?」」」」

男性「…あれ、スクレ、もしかして説明してない?」

スクレ「ウィトルさん、あなたが説明してください。彼女らのプロデューサーはあなたでしょう?」

男性「え?僕?でもそういうのはスクレさんの方が…」

スクレ「ウィトルさん??」

男性「分かったよ…。あ、自己紹介が遅くなってすまないね。僕はウィトル。サジタリウスプロダクションでAmazing!!というアイドルユニットのプロデューサーをやっているものだ」

ここでPCたちはAmazing!!を知っているかの判定。無事全員知っていることが分かった。またソフィーさんはここでクリティカル。流石ドルオタである。

〇アイドルユニット"Amazing!!"について
アメージング担当の猫耳系アイドル「ミク・マエカワ(以下みく)」、アメージング担当のドラゴン系アイドル「エリザベート・バートリー(以下エリ)」、アメージング担当の皇帝系アイドル「ネロ・クラウディウス(以下ネロ)」、アメージング担当の電子系アイドル「ミク・ハツネ(以下ミク)」の4人ユニット。冒険者としての心得もあり、全員バード10レベという異色の集団。

ヘソナイト「ああ、あのアメージングをひたすら繰り返しているっていうはた迷惑なアイドルユニットのことかい?」

ソフィー「え!?あのAmazing!?ほんと!?」

テンションが他のメンバーと違い明らかに浮いてしまったソフィー。必死になってその場をごまかします。

ウィトル「はた迷惑とは心外な…。まあでも知っているなら話ははやい。実は今度うちのユニットが”Amazing Treasure Box!!”っていうツアーをやることになってるんだけど、これにちょっと問題が発生しててね」

ここで更にライブについてまで知っているかの判定。他のメンバーが当然のごとく失敗していく中、ソフィーはドルオタとしての意地で成功させます。

〇ツアーについて
8日後に控えているAmazing!!が行う大規模なツアー、それがAmazing Treasure Box!!である。サジタリウスプロダクションがあるこの街を始まりとして多くの地方を回る予定になっている。

ソフィー「ええ!?あのツアーに問題g…いえ、なんでもないです…」

ドルオタを隠そうとしているソフィーに対してウィトルは「キミも大変だねぇ」というような気づかいの表情を向けてます。

ウィトル「実はその話は僕のこの怪我とも関係しててね…」

〇ウィトルの話
仕事を終えて夜に街を歩いてたら突然「お前はAmazing!!のプロデューサーのウィトルだな?」と言われ暴行を受けた。暗かったので相手は分からなかったが、去り際に「よく聞け、これ以上の目に遭いたくなければ今度予定されているツアーの公演を中止にしろ。いいな」と脅しをかけられた。

ウィトル「…ということなんだ。でも彼女らのライブを待っている人はたくさんいるし、既にハコは押さえてある。ライブを中止にするわけにはいかないんだ!」

スクレ「でもAmazing!!のみなさんも冒険者としての実力は相当なものです。そんな彼女らに脅しをかけてくるということは向こうも相当力に自信があるはずです。そういうことでウィトルさんのお知り合いだったフィンガーさんに信頼できて実力ある冒険者を紹介してもらえるように頼んだんですよ」

レグルス「それで俺たちには何をしてほしいんですか?」

ウィトル「君たちにはライブまでの間4人の護衛兼プロデューサー代理をやってもらいたい。と言っても書類とかの事務的なところはベッドにいる僕でもできるから、君たちにやってもらうのは彼女らが本番十分なパフォーマンスを発揮できるようにメンタル面をケアしてやることなんだけどね。報酬は一人当たり3000Gに加えて、ライブでの売り上げの一部を2500Gから5000Gまで渡そうと思っているんだけど」

ヘソナイト「という話だが、どうだろう?みんな?報酬も悪くないしいい依頼だと思うんだが」

PC残り「「「いいと思うぞ/思う/思います」」」

ウィトル「ありがとう!本当に恩に着るよ!」

とまたまたベッドから飛び出そうとして脚を抑えるウィトルさんでした。ウィトルの病室を出たPCたちはスクレの案内のもと、次はAmazing!!の面々に会いに行きます。

スクレ「ここの建物にレッスンスタジオがあります」

と目の前にあるのは城のような外見をした建物です。

GM「結構立派な城みたいな外見ですね」

レギン「それって上にピラミッドと姫路城乗ってる?」

一同「「「「wwww」」」」

GM「本当は346プロの本社のイメージだったんだがなぁ…。まあそれでもいいや。君たちは立派なお城の上にピラミッドと和風の城が乗っている前衛的な建物の中に案内されるよ」

案内された部屋の前に立つと、中から声が聞こえてきます。

???「子犬、大丈夫かしらね?アタシのアイドル人生、こんなところで終わりなんてイヤなんだけど!」

???「うむ、余が認めた奏者のことだ。あの程度でへこたれる器でもあるまい」

???「でもひどいケガみたいですよ?心配です」

???「大丈夫にゃあ!スクレさんもなんとかするって言ってたし!」

スクレ「護衛の方々を連れてきました。入りますよ」

と言って開けたドアの向こうにいるのはフリフリのアイドル衣装を身にまとったドレイク、豪華な赤いドレスを身にまとった人間、少し近未来チックな衣装を着たルーンフォーク、猫耳猫しっぽを生やしたミアキスの4人です。

ヘソナイト「メンバーの中にドレイクがいるのを見て少し眉を顰めるかな」

ソフィー「憧れのアイドルが目の前にいるのを見て完全に天国です。尊い…」

レギン「興味ない…。鎌にかくれてじっとしてる…」

レグルス「俺もあまり興味はないかな」

様々な様子のPCの面々を見て、ドレイクの少女エリが口を開きます。

エリ「ふーん。アンタたちがアタシのプロデューサー?まっ、人族にしては悪くないわね」

ヘソナイト「それお前の台詞じゃねーから!!!」

そんな一幕もありましたたがPCとAmazing!!の面々、それぞれが自己紹介を終えました。ソフィーさんは終始ヘブン状態のようです。

スクレ「自己紹介も終わったところで、深更の優義団のみなさんにはそれぞれの担当アイドルを決めてもらいます。ライブまでの時間は短いですし、みなさん1人がアイドル1人を担当した方が彼女らとしても分かりやすくていいしょうから」

ということで担当アイドル決めです。激しい推しの取り合いが発生すると思われましたが、存外あっさりと決まりました。

〇担当アイドル一覧
  • ヘソナイト:エリ
  • レグルス:みく
  • レギン:ネロ
  • ソフィー:ミク

担当アイドルも決まりましたし、いよいよミドルに突入です。

◎ミドルフェイズ
ミドルフェイズはTB(ターンバイト)制になっています。1日は1TBで、1日目から7日目までの合計7TBがPCたちに与えられた時間です。7日目終了後、8日目にはAmazing!!の面々によるライブの本番が控えています。また、1日目、3日目、5日目、7日目の終わりにはアイドルたちとの交流シーンがあります。

〇アイドルとの交流シーンについて
 PCたちはまず1D6を振り、その後出目に対応した状況でアイドルたちとの日常の1シーンを過ごします。その後、それぞれの状況に応じた能力値+冒険者レベルで判定を行い、その値に応じてアイドルの信頼度が上昇します(例えば一緒にショッピングに行き、その帰りには荷物を持っていたので冒険者+筋力など)。ちなみにこのアイドルの信頼度は8日目のライブにおいてそのライブがどれだけ成功したかに関わってきます。

以上ミドルフェイズの流れをまとめると以下のようになります

1日目 アイドルシーン① 2日目 3日目 アイドルシーン② 
4日目 5日目 アイドルシーン③ 6日目 7日目 アイドルシーン④ ライブ当日

  • 1日目
最初の段階で調査できる情報は①街の噂(非戦闘系技能+知力で目標値16) ②ライブについて(非戦闘系技能+知力で目標値16) の2種類です。また情報項目とは関係ないものとして、病院にいるウィトルのもとに話をしに行くというものもあります。1日目のそれぞれのPCたちの行動は以下の通りです。
①街の噂
レグルス、レギン

②ライブについて
ヘソナイト、ソフィー

〇ウィトルとの話
なし

GM「ということで情報判定に移っていきたいと思うんですけど…レギンさん、あなたライダーですよね?」

レギン「はい。なのでうちのタマに探索指令を使って情報を集めるつもりですが…」

GM「ところでこのシナリオ、シティーシナリオなので街の中で情報収集とかするんですよ。タマってレジェンドホースだったよね?街の中でそんな乗り回したり嗅ぎまわさせたりするの?」

レギン「うーん…あっ、それじゃあこんなのはどうですか?私たちのパーティーって街でもそれなりに有名だと思うんです。だからうちのタマもあちこちで人気で、私がタマを連れて散歩しているとそんなタマに集まってくる人たちから話を聞くっていう感じはどうですか?」

GM「なんか絵面が面白いから採用で!」

そんなこともありつつPCたちは無事全ての情報を抜くことができました。

①街の噂:街では最近謎の裏組織が活動しており、家畜がさらわれたりなどの被害が発生している。どうやらその組織は「黒き獣の数」という名前のようだ。

②ライブについて:今度のライブ会場であるが、その昔はコロシアムとして使われており、夜になると今でもその時無念を抱いて死んだ剣士のうめき声が聞こえるなどの嘘か真か分からないような噂も流れている。

レギン「…うちのタマ散歩させてたら人がやってきたから話聞いといた」

レグルス「お前俺が地道に調査している間にそんなことやってたのか…。俺の苦労は…」

  • アイドルシーン①
ついに来ましたアイドルとPCたちの交流シーン。PCたちは担当アイドルとどのような時間を過ごすのでしょうか。それぞれのPCとアイドルたちの行動は以下の通りです。
みく&レグルス:ショッピング
ネロ&レギン:散歩
エリ&ヘソナイト:図書館
ミク&ソフィー:レッスン

〇みくとショッピング
まずはみくとレグルスです。積極的にレグルスに絡むみくとあくまで彼女に対してビジネスライクに接するレグルスのショッピングはどのようになったのでしょうか。

みく:「にゃああーー!」

レグルス「どうしました?マエカワさん」

みく:「みくの猫耳のスペアがもう無くなってるにゃあ!みくは猫耳がないとアイドルとして活動できないのに…」

レグルス「いやでもマエカワさんはミアキスですし、自前の耳としっぽがあるのでは?」

みく「それはそれ、これはこれにゃあ!みくはかわいい猫ちゃんアイドルを目指しているから、かわいい猫耳や猫しっぽの追求には余念がないのにゃあ!」

レグルス「まあいいですが…それじゃあ行きましょうか」

そうして二人が向かったのは様々なつけ耳やつけしっぽが売っているコスプレショップのような店。

みく「この耳かわいくて素敵にゃあ!あ、この猫耳もかわいい!」

店内の猫耳を次々と物色するみくを後目にレグルスはというと

レグルス「『どうしてこんなものを…」と物色するみくを見てますが、ふと店内にあったキツネ耳に目が留まり、手に取ります。『これがあれば師匠のように強く…?』」

そんなレグルスの様子に目を付けたみくは

みく「あ、それかわいいにゃあ!」

レグルス「後ろ手で素早く耳を隠します。『…なんですか?』」

キツネ耳をつけることを頑なに拒否するレグルスを前にしても、みくは「いいから1回着けてみるにゃあ!」と譲りません。

レグルス「『…しょうがないですね』と渋々猫変化を使って自分の耳を無くしてキツネ耳をつけます」

みく「思ってた通りにゃあ!やっぱりレグルスさんかわいいにゃ!そうだ、このキツネ耳はみくからのプレゼントにするにゃ!せっかくみくの買い物に付き合ってくれているから、レグルスさんにも何か得るものがあってほしいにゃあ!」

レグルス「いや、でもマエカワさんにお金を出させるのは悪いですし……」

みく「レグルスさん、みくだってアイドルにゃ。アイドル活動で結構お金は稼いでるから、みくの財布を心配する必要はないにゃあ。ささ、耳をどうぞにゃあ!」

レグルス「そこまでするなら受け取っておきましょうか…着けるつもりはありませんが」

みく「やったにゃあ!それじゃあお会計してくるにゃあ!」

帰ってきたみくはその大量の荷物をレグルスに渡します。それを受け取ったレグルスは

レグルス「まああんなに大量に買い物をしていた時点でこうなる気はしていましたよ……はぁ…」

みく「へへ、レグルスさん、これからよろしくにゃ!」

今回要求された能力値は荷物持ちということで筋力。レグルスはこれで達成値20を出しました。

〇ネロとお散歩
次のシーンはネロとレギンです。事務所で休むレギンに対してネロが突然やってきて話しかけます。

ネロ「余の市民の様子を見に行くぞ!レギンよ!」

レギン「割と受け身なので言われたら逆らいません。『はい…分かりました。』と言ってネロに従います」

そうしてタマにまたがり街に出たネロとレギン。ネロはレギンに興味深々のようです。

ネロ「これからともにアイドルとプロデューサーとしてやっていく以上、お主のことも知りたい。好きなものは何だ?余に言ってみよ」

レギン「『この武器ですかね…』いや、本当は戦いが好きなんですが、この子そこらへんに無自覚なのでw」

ネロ「うむうむ、やはり冒険者たるもの己の身を守る武器は大事であるな!この剣も余にとってとても大事なものだ」

とネロは腰に下げた原初の火(データ的にはマナドーラ相当。楽器でもある)を撫でます。

レギン「後はこの子、タマかな…」

ネロ「その馬、名はタマといったか。うむ、よい名だ。余も気に入ったぞ。これからよろしくな、タマ!」

とネロはタマをなでなで。タマも心地よさそうです。

そんなネロとレギンのシーンでしたが、今回の要求能力値は敏捷。レギンはここでなんと6ゾロを出します。

レギン「GM、この場合ってどうなるんです?」

GM「うーん、あくまでこれは判定じゃなくて達成値出してるだけなんだけど、6ゾロだしなぁ…それじゃあ今の値に5足した値を達成値にしていいよ」

レギン「やったぁ!ネロとすごく仲良くなってますね、私」

ということでレギンの達成値は29でした。流石6ゾロ。

〇エリと図書館
次はエリとヘソナイトです。エリがドレイクということで少し苦手そうだったヘソナイトはどのような時間を過ごしたのでしょうか?

エリ「図書館に行くわよ!子ジカ!いや、子ジカはおかしいわね?石だから小石?そうね、小石がいいわ!図書館に行くわよ!小石!」

ヘソナイト「色々とツッコミたいところはあるが、適度に諦めて話を進めるか…。でもなんで図書館に行きたいんだ、エリ?」

エリ「決まってるじゃない!誇り高きドレイクとして、愚かな人族のブタどもの上に立つ以上、帝王学は必須でしょう?」

ヘソナイト「理由はともかく、本に興味を持つことはいいことだな。よし、連れて行ってやろう」

そうして図書館に着いたエリの第一声は……

エリ「ここが図書館ね!」

ヘソナイト「素早くエリの頭を殴ります。ゴンッ」

エリ「痛っ!何するのよ!」

ヘソナイト「もう一度ゴンッ。その後声を抑えて『図書館なんだから静かにしろ!』と言います。詩の出だしを暗記するくらいには読書が好きなので」

エリ「何よ、アタシが行ったことある蛮族領の図書館はもっと騒がしかったわよ!」

ヘソナイト「蛮族どもの図書館もどきと神聖な図書館を一緒にするな!」

エリ「何よ!」

とさっそくケンカを始めるエリとヘソナイト。結局ヘソナイトの剣幕におされてエリのほうが引き下がります。

ヘソナイト「『帝王学の本だったな?案内してやる。』と言って本棚から一番簡単そうな本をエリに渡します。平仮名で『はじめてのていおうがく』って書いてあるやつですね」

レギン「サブタイトルに、『ゴブリンでもわかる!』をつけ足そう」

GM「これで今日からキミもゴブリンキングにクラスチェンジ!」

一同「「「「wwww」」」」

『ゴブリンでもわかる!はじめてのていおうがく』を手にしたエリは「おお…!これが帝王学の本…!」と目をキラキラとさせてます。そんなエリを後目に図書館の本を読むヘソナイト。そしてヘソナイトがふと顔を上げると……

GM「エリが本を開いたまま突っ伏して寝てますね。本にもよだれが垂れてる感じです。」

ヘソナイト「エリのところに歩み寄り頭を思いっきり殴ります。ゴンッ!」

エリ「あいたっ!何するのよ小石!」

ヘソナイト「本を汚すな!」

口ごたえしかけるエリですが、ヘソナイトの威圧感を前に大人しく引き下がります。

エリ「きょ、今日のところはこれまでにするわ。帰るわよ、小石」

ヘソナイト「それなら帰りましょうか。ところでGM、エリってこの本のことどれくらい理解できたんです?」

GM「おっ、それじゃあせっかくだし2Dの出目で決めるか。(コロコロ)5か。これなら全然理解できてない感じだね」

エリ「完璧に理解したわ!人の上に立つにはあふれるエナジーに弾けるパッション!帝王学ってそういうことなのね!なーんだ、アイドルと一緒じゃない!」

ヘソナイト「こいつ、どうしようもないな……」

ヘソナイトが要求されたのは知力。達成値は18でした。

〇ミクとレッスン
最後はミクとソフィーの2人です。どちらもちょっぴり内気なペアですが、どうなったのでしょうか。

GM「ということでミクのレッスンシーンにいきたいと思うのですが、ところでこのユニットってどんなユニットなんだっけ?」

ソフィー「アメージングを売りにしたユニットですよね?まさか……」

GM「そう、そのまさかです。レッスンシーンに登場する人にはアメージングに抵抗してもらいます」

ソフィー「やっぱりかー…大丈夫かなぁ…?」

GM「せっかくアイドルたちにデータがあるしね。ソフィーさんも大好きなミクさんの歌声を聴けて幸せなんじゃない?」

ということで選ばれた曲は穏やかな気分になるという効果の《アンビエント》。抵抗に失敗したソフィーさんはほんわかふわふわとした気持ちになります。

ソフィー「ミクさんの歌声をこんな近くで聴けるなんて…幸せ……」

ミク「ソフィーさん、どうかしましたか?」

ソフィー「い、いえ!?なんでもないですよ!?大丈夫です!」

ミク「あの…ソフィーさんって現役の冒険者ですよね?できれば足さばきとか教えてもらいたいなぁって。私、ちょっとステップが苦手で…」

ソフィー「えええ!?いや、私なんかがミクさんにステップを教えるなんてとんでも…」

ミク「そうですか、ソフィーさんがイヤなら仕方ないですよね。せっかく冒険者の方からステップを教えていただけると思ったんですが…」

ソフィー「ああ大丈夫です大丈夫です!教えます!教えます!」

この後2人はダンスのレッスンをやったのですが、まだ距離感が掴めていないようです。
レッスンに関しては任意の技能で振れるので、ソフィーは器用を選択。達成値21を出しました。

  • 2日目
2日目の情報収集シーンです。1日目で「街の噂」「ライブについて」と2つの情報を抜いているので③黒き獣の数について(スカウト+知力で目標値17)④ライブ会場について(文献判定で目標値16)の2種の情報を調べることができます。2日目の各PCの行動は以下の通りです。

③黒き獣の数について
レグルス

④ライブ会場について
ヘソナイト

〇ウィトルとの話
レギン、ソフィー

③と④の情報に関しては2人がきちんと情報を抜くことができました。

③黒き獣の数について
この街を中心にして活動している魔神を崇拝する集団。魔神を召喚し従えること自体に重きは置いておらず、そこから得られる知識を追い求める集団らしい。もとは目立たないようにひっそりと行動していたが、最近その活動が比較的活発化しているらしい。

④ライブ会場について
今回のライブ会場は元はコロシアムという話だったが、コロシアム時代には獣などの死体が手に入れやすいということもあり裏で魔神崇拝者が運営に関わっていた。そのことが露見した結果コロシアムとしては使われなくなった。

一方怪我をして入院しているウィトルさんのお見舞いにいったレギンとソフィーのシーンです。

ウィトル「やあ、レギンさん、ソフィーさん。いらっしゃい。僕のお見舞いなんかにわざわざ来てくれてありがとう」

ソフィー「いえいえ、ウィトルさんこそ傷の調子は大丈夫ですか?」

レギン「差し入れとして果物の盛り合わせを持ってきてます。『…どうぞ』」

ウィトル「おや、そんな果物まで僕にくれるのかい?本当にありがとう!ケガは順調に治りつつあるよ。医者の話ではライブ当日にはなんとか松葉杖で歩けるようになるみたいだってさ。君たちこそどうだい?うちのアイドルたちとはうまくやれてるかい?」

ソフィー「えっと…ミクさんと一緒にいることができるのはうれしいんですけど、なんだかお互いに遠慮しちゃってて。何かミクさんとの話のきっかけみたいなのってないでしょうか?」

ウィトル「うーん、そうだね。ネギの話なんてどうかな?ミクは見ての通り(発動体かつ楽器のネギを常に装備)ネギが好きで、ネギの話になったら人が変わったようにおしゃべりになるんだよ」

ソフィー「なるほど、ネギ…。そういう手がありましたか!ありがとうございます!」

ウィトル「レギンさんはどうかな?ネロとはうまくやれてる?」

レギン「昨日は一緒に散歩しました…。ネロさん、随分楽しそうでよかったです…」

ウィトル「ほう、ネロが君みたいなタイプの子と相性がいいなんてちょっと意外だな。これは新しいユニットのヒントになるかも…。おっと失礼。こういう話を聞くとついついね。まさか僕の方がアドバイスをもらうとは思ってなかったよ。ありがとう」

ということでその後も2人はアイドルたちや仕事のことについてウィトルさんと話をしました。これにより、2人の次回のアイドルシーンの判定に+2の修正が入ります。

  • 3日目
 3日目の情報収集シーンです。2日目までの情報から、新しく⑤黒き獣の数の動きについて(スカウト+知力またはセージ+知力で基準値20)を調べることができるようになっています。PCたちの行動は以下のようになりました。
⑤黒き獣の数の動きについて
ヘソナイト、レグルス、ソフィー

〇ウィトルとの話
レギン

⑤の情報の目標値が高めだったせいか、技能持ちのPC3人が⑤の情報を調べることになりました。しかし悔しくも全員が失敗。今回の情報成果はなしで終わります。一方のレギンですが、今日も果物をウィトルさんに差し入れ、アイドルシーンでの達成値に更に+2(2日目との合計で+4)の修正を入れます。

  • アイドルシーン②
 2回目のアイドルシーンです。PCとアイドルたちの距離は縮まっているものもいればまだ遠いものもあり。まだまだ序盤です。ダイスの結果それぞれの動きは以下のようになりました。

ネロ&レギン:ショッピング
ミク&ソフィー:料理
エリ&ヘソナイト、みく&レグルス:レッスン

〇ネロとショッピング
 1回目のアイドルシーンではタマに乗って二人で街へと繰り出したネロとレギン。今度もネロはお出かけをしたいようです。

ネロ「レギン、街へ出るぞ!買い物だ!」

レギン「『はい、分かりました』と即答します。前回までと比べるとちょっとやる気です」

二つ返事で街に出た二人ですが、タマとネロは街の人たちに大人気になっています。

市場のおっちゃん「おう、レギンちゃんにタマかい!毎度ありがとね!おまけ、しとくよ!」

市場のおばちゃん「まあ、そこの赤いドレスのお嬢ちゃんも随分かわいいじゃない!お嬢ちゃんのかわいさに免じてこいつはおまけしとくよ!」

子ども「わーい!タマだー!」

ネロ「うむうむ、愛いやつらめ。ところでレギン、お主いつもこんなに人気なのか?」

レギン「…いつもタマは人気ですけど、ここまでじゃないですね。ネロさんのお陰かもしれません」

ネロ「うむ!なんといっても余の輝きは万人を魅了するからな!」

筋力で判定をしたレギンの達成値はウィトルのもとを訪れていたバフもあり25。かなりの出目の高さでした。

〇ミクと料理
 1日目アイドルシーンではお互いに遠慮してしまっていたようだったソフィーとミク。調べものから戻ってきたソフィーに対してミクは一緒に料理を作ることを提案します。ソフィーはウィトルから聞いてきたことをミクとの会話にうまく活かすことができるのでしょうか。

ミク「あの…ここ最近ソフィーさんも大変みたいですし…一緒にお料理しませんか?気分転換にもなるでしょうし」

ソフィー「ちょうどいいです!私、帰りにネギを買ってきたところなんですよ!これで料理を作りましょう!」

ソフィーが買ってきたネギを見せるとミクの目の色が突如として変わります。「そのネギは●●市場の××ネギですよね!?あれは甘くて…」などとそれまでの内気がウソのようにソフィーに積極的に話しかけるミク。「早くキッチンに行きましょう!」とそのままソフィーの手を引っ張っていきます。

キッチンでは「それ切ってください、お願いします!」「あ、それはそこに置いといてください!」とテキパキと指示を飛ばすミクにこれまでとは違う一面を見てとまどうソフィーの姿と、無事出来上がったソースにまでネギをたっぷりと使ったチヂミがありました。出来を決めるための出目も9だったことですし、相当おいしいチヂミができたことでしょう。ソフィーの達成値は21。順調に仲は深まっているようです。

〇みく&エリとレッスン
 最後はみく&レグルス、エリ&ヘソナイトの2組が参加するレッスンです。真面目なみくと破天荒なエリ、この2人が同時にレッスンするとどうなるのでしょうか。

GM「まずは2人のアメージングで何が演奏されたかの決定からかな。(コロコロ)みくが《レジスタンス》(精神抵抗上昇)、エリが《チョーク》(息が詰まるような音を出す)だね」

レグルス「この場ってみくとエリの呪歌が同時に流れてるんですよね?この場合どうなるんですか?」

GM「んー、この場合は達成値がより高い方の呪歌が適用されるかな。2人の達成値を見てみようか。(コロコロ)あっ、達成値同じだ。これ2つとも効くやつだね」

PC2人「ええええええ」

みくのレジスタンスに関しては2人とも抵抗を放棄。エリのチョークに関してはGMの出目が良かったのもあって2人とも抵抗に失敗します。

エリ「♪ボエ~」

PC2人「ぐあああ…この歌声は…」

エリ「よし!よく歌えたわ!どうだった?私の歌!」

ヘソナイト「『お前、やりすぎだろ!?』といいつつエリの頭をゴン!と」

エリ「いった!?何するのよ!」

ヘソナイト「結構お前の歌は我慢して聴いてたけどなあ、いい加減我慢の限界だぞ!?」

エリ「我慢の限界ってアタシの歌をどう思ってるのよ!?」

そんなやりとりをするエリ&ヘソナイトを後目にみくとレグルスはというと…

みく「みくの歌、どうだったにゃあ?」

レグルス「よかったと思いますが、マエカワさんはここの部分がもう少し…」

みく「わかったにゃあ!」

レグルス「『マエカワさんは覚えが早くて助かります』とごたごたやってるエリを見ながら」

そんな二人のそれぞれの達成値はヘソナイトが23、レグルスが21でした。

  • 3日目夜
 2回目のアイドルシーンも終わり、3日目の夜です。アイドルたちとの時間を過ごした後、宿でスクレさんが4人に対してあるお願いをしてきます。

スクレ「今度のライブに向けて今から会場の下見をするんですけど、みなさんもご一緒に来てくださいませんか?会場は幽霊が出るとかなんだかちょっと怖い噂もありますし、冒険者の方々についてきてもらえたらありがたんですけど…」

ヘソナイト「確かに本番中襲われるとも限らないし、会場の下見はしておくべきだな」

ソフィー「流石リーダー、賢いです!」

レグルス「いやー、アイドルと交流するのですっかり忘れてた。俺たち護衛だったわ」

GM「いやいや、そこは忘れないで!w」

そして会場となるスタジアムに向かったPCたち&スクレさん。スカウトであるソフィーとレグルスが会場を探索すると、かなり新しい足跡が見つかります。

レグルス「足跡を見つけたらスクレさんに話しかけます。『スクレさん、私たちのほかに今日ここを利用した人はいますか?』」

スクレ「いえ、いませんけど…」

レグルス「気を付けてください、ここにある足跡からすると何か私たちの他にも…」

ここで5人に向けて襲い掛かる殺気。敵の襲撃です。事前に足跡を見つけていたおかげもあり、危険感知判定は無事成功。不意打ちを受けることなく戦闘に入ります。敵は下位の魔神であるティキラが2体に同じく下位魔神のゴードベルが3体。PCたちは3ラウンドほどで難なく撃退に成功します。魔神を前に若干青くなっているスクレの「これも私たちに脅しをかけている人たちの仕業でしょうか…」という言葉に対してレギンが「大丈夫…ネロさんたちは私たちが守ります」と返して3日目夜のシーンは終了します。

  • 4日目
4日目の情報収集シーンです。情報項目は3日目にポップした⑤黒き獣の数の動きについて が依然として残っていますが、前回失敗したことで難易度が20から19になっています。4日目のPCたちの行動は以下の通りです。
⑤黒き獣の数の動きについて
レグルス
〇ウィトルとの話
ヘソナイト、ソフィー

レギンに関しては戦闘で使用した消耗品などを買い足しに行きました。ヘソナイトとソフィーの二人は次のアイドルシーンでの判定に+2の修正を得、黒き獣の数の動きについての情報を調べにいったレグルスは辛くも成功しました。

⑤黒き獣の数の動きについて
黒き獣の数の動きが最近活発になっている理由は「刻(とき)」の問題がある。魔神召喚に適した刻が近づいているのだ。黒き獣の数はこの刻の接近に対して大規模な召喚を目論んでおり、そのための準備を進めているようだ。

  • 5日目
 ⑤黒き獣の数の動きについて を調べたことで⑥黒き獣の数の本拠地 (スカウト+知力またはセージ+知力で基準値20)がポップします。5日目のPCたちの動きは以下の通りです。
⑥黒き獣の数の本拠地
レグルス
〇ウィトルとの話
ヘソナイト、ソフィー、レギン

レグルスは今回も判定に成功。残りの3人もアイドルシーンでの修正をもらいました。

⑥黒き獣の数の本拠地
ライブ会場の地下が黒き獣の数の本拠地だ。黒き獣の数はそこで召喚の儀式を行う予定らしい。また、召喚に最も適した日がライブ当日であり、召喚に際してその存在が露見したくない黒き獣の数としては事前に圧力をかけることでライブを中止にさせ、安全に召喚をしたかったようだ。

  • アイドルシーン③
 黒幕の居場所も掴み、いよいよクライマックスが近づいてきました。そんな5日目のアイドルシーンの割り振りはダイスの結果以下のようになりました。
ネロ&レギン:ショッピング
ミク&ソフィー、エリ&ヘソナイト、みく&レグルス:レッスン

〇ネロとまたまたショッピング
 ネロとレギン、3回目のショッピングです。流石に3回目ということもあり、2人は打ち解けた様子でショッピングを楽しんでいたようです。達成値は25。描写が簡単気味なのはGMの同一イベント描写力が限界を迎えていたためです。お許しください。

〇3人でレッスン
 ではみく、エリ、ミク、3人のレッスンです。演奏された呪歌はエリが出目11で出したキュリオス(歌の対象が気になって仕方なくなる)が最も達成値が高く、みくの呪歌はその達成値に1及ばず、ミクに関してはファンブルでした。気持ちよく歌えたエリはかなりゴキゲンの様子。

エリ「どう、豚ども!アタシの歌は!」

ヘソナイト「エリへと歩みより頭を叩きます。ゴン!『お前の歌はおかしい!もはや歌から龍気が漏れ出しているレベルだぞ!そもそもなんで練習でそこまで全力を尽くすんだ!』」

エリ「何よ!君主として人族どもを導いていくにはやっぱり覇気が必要なのよ!それに練習でできないことは本番でもできないっていうじゃない。アイドルたるもの、練習にも全力を出さなきゃいけないのよ!」

ヘソナイト「うーん珍しく正論だな…お前もアイドルとして信念はあるのか…」

一方のみく・レグルスコンビはというと…

みく「みくの歌…どうだった?」

レグルス「その…なんというか、あの歌は…バグです…みくさん、本当だわん」

みく「…だわん?」

レグルス「あっいやさっきのはですね」

みく「…かっ、かわいい!レグルスさんすごくかわいいにゃ!」

レグルス「かわい…?」

みく「そうだ!レグルスさんもアイドルデビューするといいにゃ!キツネ耳わんわんアイドル、絶対流行るにゃあ!トップアイドルであるみくが保証するんだから間違いないにゃあ!」

レグルス「みくのセリフを聞いてぐるぐる目になった後、突然猫化して逃亡します!」

みく「あっ、レグルスさん!待つにゃあ!」

 最後にミク・ソフィーコンビ。呪歌がファンブルだったミクはかなり落ち込んでいます。

ミク「ソフィーさん…私、全然ダメで…歌っててエリザベートさんの歌に圧倒されてしまって…何もできないで…ううっ…」

とソフィーに泣きつくミク。

ソフィー「泣いているミクを抱きとめながら『ミクは悪くないから…』と繰り返します」

3人それぞれの達成値はヘソナイトが24、レグルスが24、ソフィーが22でした。


GM「それじゃあ特に何もなければ6日目のライブ会場地下に移動するけど…」

レグルス「GM、ちょっとシーンが欲しい。キャラ設定にある約束をせっかくだから今やってしまいたい」

GM「いいよ。時系列的にはどこらへんがいい?」

レグルス「レグルスがレッスンスタジオから逃げた後で」

路地裏に逃げ込んでじっとしていたレグルスを、みくはついに見つけることに成功します。

みく「レグルスさん、やっと見つけたにゃあ!」

レグルス「みくに見つけられたら向き直って真面目に『…みくさん、3日後のライブまで、みくさんたちのことは俺たちが守ってみせます』と言います」

みく「な、なんにゃ、急に改まって…。まあでもありがとにゃ。レグルスさんも、みくたちのライブ、絶対観に来てにゃ!約束にゃ!」

レグルス「はい、もちろん」

みく「うん!みくも全力でがんばるにゃあ!」

レグルス「…ところで、それはそうと俺の衣服を取りに戻りたいんだが…」

みく「あああ!忘れてたにゃああ!レグルスさん、まだ猫のままだったにゃあ!」

  • 6日目
 6日目。情報も出尽くし、PCたちはいよいよ黒き獣の数の本拠地であるライブ会場の地下へと突入します。

GM「地下には大きめのホールのような空間があって、その床には魔神召喚に使うと見られる魔法陣や器具がそこかしこに散らばってるね。その中心には一人の司祭が『ふんふんふふーん!』と楽しそうに儀式の準備をしているよ」

レグルス「(無言で『来い』のハンドサインを3人に送る)」

レギン「『そこまでです!』と一気に突入します!」

GM「楽しそうに歌っていた司祭は声のした方を振り向き、ちょっと慌てた後『そうか、近頃我々について嗅ぎまわっていた冒険者がいると聞いたがお前らか。ここまで突き止めたことは褒めてつかわすが、この場を見たからには死んでもらう!』と臨戦態勢だね」

レグルス「なんかちょっとチョロそうな悪役だな…こいつら知識好きだって言うしちょっとつついてみるか。『ところで、そもそもそれって、何やってるんだ?』」

司祭「おっ、知りたい?」

ソフィー「はい、知りたいです!」

司祭は「知りたいならしょうがないなー」などといいつつ魔神召喚に関するオタク知識をひけらかしています。

レギン「…今のうちに戦闘準備できますよね?騎獣縮小の札を使ってタマを出します」

司祭「ふっ、私が話している間に戦闘の準備を進めていたようだが、それは私も同じこと!いでよ!魔神たち!」

ということで最終戦闘です。敵は前衛にメルビズが2体、中衛にドレッドバールが1体、後衛にティキラと魔神教徒の高司祭(邪神の高司祭のデータのプリースト技能をデーモンルーラー技能レベル9にしたもの)です。ドレッドバールの21という高い先制値の前に1回は先制を落とすPCたち。しかしヘソナイトの幻視により+2のバフを得て先制判定をやり直し、なんとか先手を確保します。ミスティックは偉大。以下ラウンドごとの動きをまとめます。

ラウンド(以下R)1
先手を取ったソフィーとレグルスがファストアクションを使ってメルビズたちに範囲攻撃を連続で打ち込み、両者を打ち倒します。その後レギンがドレッドバールに向けチャージを乗せながら攻撃。この攻撃でレギンは6ゾロを出しますが、これによりティキラの特殊能力が発動。ピンゾロになってティキラがレギンの失敗を笑います。

レギン「あああああ!ティキラうざったいいいいい!」

GM「いやー渾身の一撃だったね。渾身すぎたのがダメだったけど」

返しの敵の動きはドレッドバールがレギンに強化魔力撃込みで強打をすると共に後衛3人に氷のブレス。また司祭もちまちまと魔法攻撃を仕掛けます。ティキラは自身の能力でピンゾロを見たことにより爆笑しており動かず、PCたちが適度に消耗したところで2R目に移ります。

R2
まずはヘソナイトがパーティー全体の回復。レグルスは範囲攻撃で全体をまんべんなく削り、ソフィーとレギンがドレッドバールのコア部位を攻撃し、着実にダメージを積み重ねていきます。
 敵の攻撃は神官が相変わらず魔法攻撃でチクチクと攻撃する一方でティキラがドレッドバールを回復。ドレッドバールはというとブレスも使えないため乱戦を形成しているレギンを集中攻撃し、レギンは気絶してしまいます。

R3
レギンが気絶している場所はヘソナイトがアウェイクンできる範囲の外だったのでソフィーがアウェイクポーションをかけるために走って向かいます。その結果起き上がったレギンがドレッドバールを殴り、ヘソナイトはその回復、レグルスは変わらず範囲を削ります。
 一方の敵は司祭、ティキラが前衛後衛を魔法で狙う中ドレッドバールが強化魔力撃による高火力を前衛にいたレギンとソフィーに向けます。

GM「それじゃあどっちに魔力撃行くかはランダムで(コロコロ)ソフィーか。後衛だけど大丈夫?」

ソフィー「大丈夫じゃないですよ!ただでさえ魔法やドレッドバールのテイルスイングで削れてるんですから!」

そんなソフィーが強化魔力撃に耐えられるはずもなく。もとからHPが削れぎみだったのもありソフィーは死亡してしまいます。

ソフィー「あああ死んでしまったあああ!みなさんすみませんんんんん!」

GM「あれ?そういえばソフィーってルーンフォークだったよね?ここで死ぬと1年間の記憶消えるくない?」

PC4人「「「「あっ」」」」

一同「「「「「(大爆笑)」」」」」

まさかのここでPCの一人、しかも死亡時のデメリットが割と重いルーンフォークのソフィーが死亡してしまいます。戦力の一人が死亡したことによりPCたちの行く先に暗雲が立ち込め始めます…

R4
 いよいよ佳境になった4ラウンド目。敵の主戦力たるドレッドバールは消耗しているものの、特殊能力によりラウンド毎にHPが10ずつ回復していくためある程度の余裕はあります。そんな中ここでレギンがドレッドバールに向けて一撃を放ちます。

レギン「ソフィーのかたきです!食らいなさい!」

ヘソナイト「おお!カッコいいぞ、レギン!」

レギン「いっけー!(コロコロ)あっ、ピンゾロ…」

一同「「「「ここで出すかー?」」」」

残りの面々も攻撃をしますがどれも決定性に欠けます。一方で敵の攻撃は更に苛烈さを増し、魔法攻撃を受けたレグルスが気絶、かなり消耗していたレギンが死亡してしまいます。

R5
いよいよPCがヘソナイトのみとなった5ラウンド目。ヘソナイトは気絶していたレグルスを起こし、レグルスは魔法を行使しますがそろそろMPが枯渇しており、ティキラを落とすことには成功するものの司祭は残りHP5、ドレッドバールはコア部位の残りHPが10で依然として立っています。そして返しの敵の攻撃によりヘソナイトは気絶、レグルスは死亡、PCは全滅してしまいました。

GM「いや…どうしよっかこれ…夢ってことでやり直す?」

レグルス「そういえばGM、アイドルたちってキャラとしてデータあったよね?」

GM「そりゃ前のキャンペーンで敵として出てきたからね、あるよ」

レグルス「俺たちがそのデータ使ってアイドルとして参戦することってできない?」

GM「…それだあああ!みんなもそんな感じでどうかな?」

一同「「「「いいですよ!」」」」

GM「それじゃあドレッドバールの回復の問題もあるし、アイドルたちはPCたちのすぐ後から追っていたって感じで。登場シーンを順番によろしく」

〇みく
到着したものの倒れてるレグルスたちを見てショックを受けて立ちすくむみく。「ライブ見に来てくれるって言ってたのに…」悲しみの中、みくの胸の中には一つの歌が浮かんできます…

〇エリ
 倒れたヘソナイトを見て「小石!アタシに黙ってこんなに傷だらけになって!」と駆け寄るエリ。そばにいたドレッドバールを「アンタがやったのね!」と睨みつけ、その場で限定龍化します。「アイツにやめろと言われたアタシの歌、アンタに聴かせてやるわ!」とその吐息に龍気を込めながら宣戦布告をします。

〇ネロ
 最後まで戦いぬいたレギンの姿を見たネロ。「余の臣下レギンよ、余が来るまでよくぞ頑張った。後は余たちにまかせるとよい」と労いの言葉をかけた後、「貴様ら、魔神と見える。貴様らの目的は知らぬが余の愛する臣下をその手にかけたこと、心の底から後悔させてくれよう!」と高らかに宣言します。

〇ミク
 臥したソフィーに駆け寄るミク。返事をせぬその姿に泣き崩れた後、立ち上がり涙を抑えて「どんな時でも、アイドルとして、ちゃんと、歌、歌うから…!今度は絶対に負けない!私の歌、届けてみせる!」と立ち上がります。

R6
 PCをアイドルたちに変えての最終決戦。敵の最大戦力であるドレッドバールのコア部位のHPは残り20。これまでの奮闘の甲斐もあり後一歩ではありますが、アイドルたちの技能はバード10を除けばメイン技能のレベルは7程度。ドレッドバールは明らかに格上の相手です。以前の順番を引き継ぎ、アイドルたちの先攻で戦闘が再開されます。
 まずはネロがファイアーストーム。当然のごとくドレッドバールには抵抗され、ダメージの出目も振るわないものの、人間の種族特徴、運命変転により出目を返し11ダメージを入れます。続いてはエリが限定龍化の後にブレス。これも同じく抵抗されるものの出目が良く残りHPの9点を丁度削り切り、ドレッドバールが倒れます。残すはHP5の司祭のみ。彼も残りの2人の手によってめでたくお縄となりました。

  • 蘇生シーン
 こうして黒き獣の数の目論見を阻止した深更の優義団、そしてAmazing!!の面々でしたが、死んでしまったPCたちの蘇生が必要になってしまいました。そこで(気絶で済んだヘソナイトという例外はありますが)PCたちの蘇生を7日目及び4回目のアイドルシーンを使って行うことになりました。

〇レグルス&みく
GM「それじゃあ蘇生シーンにいきたいんだけど…」

レグルス「それに関して、せっかくアイドルだし歌によって目覚める描写がしたいんだけどいいかな?何の歌かはアメージングで決める感じで」

GM「いいよ、せっかくだし他のPCたちもそんな感じで行こうかな?それじゃあレグルスさん振ってどうぞ」

レグルス「(コロコロ)あっヌーディー…。よりによってこれかー…」

まどろみの中にいるレグルスの意識に、歌声が聞こえてきます。深淵の中、その歌のする方へ手を伸ばすレグルス。その先で手に触れ、その手を取ったレグルスは急速にその意識が上昇していくのを感じます。目を覚ましたレグルスの目の前にいるのは自分の手を握っているミアキスの少女の姿です。その少女、みくはレグルスが目を覚ますと抱き着いてきます。

みく「よかったぁ…レグルスさん、もう蘇ってこないと思ったんだからぁ…!」

レグルス「???みくさん?っていうか上半身裸!?」

みく「あっ…ごめんにゃ!急いで上着取ってくるにゃ!」

蘇生後のため直近1時間の記憶が飛んで混乱するレグルスでしたが、なんやかんやで状況を把握します。

レグルス「そうか…俺は死んだのか…みくさん、心配かけてすまない」

みく「そうだよ…みく、本当に心配したんだから…ばかぁっ…」

レグルス「でも、みくさんのライブを観に行くという約束があったからこうやって戻ってこれた…わん」

そんなレグルスに、みくもその目に涙を浮かべながらも「わん!」と笑って返事をし、このシーンは終了です。ちなみに蘇生時には雇われたコンジャラーが立ち会っていましたが、気を遣って気づかれないように退場しています。コンジャラー有能。

〇レギン&ネロ
 暗闇にいるレギンの意識に、ネロの力強い《キュリオシティ》の歌が響きます。その歌に導かれるようにして、レギンは目を覚まします。するとその目に映るのは、ベッドに寄り添う赤き皇帝の姿です。

ネロ「うむ、目を覚ましたか。余の歌、よかったであろう?」

レギン「え…あ…ネロさん…?」

ネロ「死者の目をも覚ますとは、流石余の歌だ。褒めてくれてもよいぞ?」

などと気丈に振るまうネロですが、その表情は少しでも何かあると崩れてしまいそうです。

レギン「…そうですか…私はネロさんを守るのに失敗したんですね…護衛できず、申し訳ございません」

ネロ「謝る必要はない。むしろ謝るのは余の力不足の方だ。余がもっと早く着いていればこのようなことには…余も臣下のためにもっと強くならねばな…」

レギン「いえ、そんなことありません。ネロさんはもう十分に立派なアイドルです」

ネロ「そうか…ならばよいだろう。余がライブで輝く姿、レギンも観に来てくれ」

そう言うとネロはレギンに向けて自らの手を差し出します。レギンはベッドから身を起こしそれに口づけをして、シーンは終了です。

〇ヘソナイト&エリ
このヘソナイトとエリのシーンのみ、気絶からの回復のため時系列的には6日目です。意識を失ったヘソナイトに、《サモンスモールアニマル》の優しい音色が響きます。目を覚ましたヘソナイトの目に映るのは、自らを膝枕して歌うエリの姿です。

エリ「あっ、目を覚ましたわね、小石!あの魔神、アタシたちが倒しといたわよ!褒めて褒めて!」

そんな尻尾を振っているエリを待っていたのはヘソナイトの褒める言葉ではなく、ゲンコツでした。

ヘソナイト「お前アイドルがこんな危険なところに来てどうする!ケガなんかしたらどうするつもりだ!」

エリ「でも小石たちもアタシたちがいないとダメだったじゃない!」

ヘソナイト「うるさい!ライブを目前に控えたお前が来る必要が無かったっていう話をしているんだ!大体お前は――」

そして始まるヘソナイトの説教とそれに口ごたえするエリ。ひとしきりいつものやりとりを繰り広げた後、ヘソナイトは「でも助けてくれたのは嬉しかった」と小さく呟いてこのシーンは終了です。

〇ソフィーとミク
どこかも分からない空間を漂うソフィー。不確かな意識の中その耳に一つの《ラブソング》が聞こえてきます。それは恋する乙女が愛する人に向けて贈る歌、そして恋の嬉しさを歌った歌。

ソフィー「なんだかどこか懐かしいような…暖かいような…」

その歌と共に鮮明になっていくソフィーの意識。それと同時にソフィーを成していた記憶という要素のうち、一部が消えてなくなっていきます。そうして目を覚ましたソフィーの目に一番に映るものは――

ミク「はじめまして、ソフィーさん」

突如目の前にいるミクの姿に「あぁメガネメガネ」などと慌てるソフィー。

ソフィー「本当にミクさん…?夢みたい…」

ミク「(小声で)これが夢だったらどんなによかったんでしょうけどね…」

ミク「そうです、今目の前にいるのはあなたのアイドル、ミク・ハツネですよ」

憧れのアイドルがすぐそばにいる。その事実にうれし泣きをするソフィーでしたが、自らの置かれた状況を徐々に把握し始めます。「何か…あったんですか」と尋ねるソフィーにミクはこの1週間でのソフィーとの思い出を語ります。

ミク「ソフィーさんとのレッスンや料理、本当に楽しかったんですよ?…あっそうだ」

そしてミクが懐から取り出すのはネギをたっぷりと使ったチヂミです。

ミク「あの時の味をできるだけ再現したんですけど…ごめんなさい、ソフィーさん、覚えてないですよね。自己満足のために覚えてもない人にこんなこと言うなんて私、悪い子ですよね…」

そんなミクが出した料理を食べるソフィー。

ソフィー「うん、すごく…すごくおいしいよ!」

食べるソフィーの目にはいつの間にか涙が浮かび、そのまま二人とも涙の中でシーンは終わります。

さて蘇生シーンを終えてのアイドルとの信頼度上昇判定ですが、今回はどのPCも素晴らしいロールをしてくれたということでGMが全員任意の技能で6ゾロを出したことにしてもいいとの大盤振る舞いを見せます。その場の流れ、大事。

◎ライブ!そしてその後―
 最終戦闘の後のごたごたも終わり、いよいよライブ当日です。ライブ前はリハーサルなどもあるため、PCたちはアイドルと会うことはできませんでしたが、ライブの関係者席には怪我もある程度治り歩けるようになったウィトルとスクレ、そして4人の冒険者の姿があります。熱狂の中、魔法により増幅されたアイドルたちの声が会場いっぱいに響きわたります。

みく「今日はみんな、みくたちAmazing!!のライブに来てくれてありがとうにゃ!」

ネロ「今回のライブに関しては少々不穏な噂もあったようだが、何、心配はいらぬ!思う存分、余の歌声に酔いしれるとよい!」

エリ「あっちょっと!アンタだけのステージじゃないのよ!豚ども、アタシの歌声、しっかりと聴いておくのよ!」

ミク「まあまあお二人ともそれくらいで…みなさん、今日は楽しんでいってくださいねー!」

Amazing!!「「「「それじゃあ聴いてください、私たちの新曲――!」」」」

 ライブ後、PCたちは楽屋にいるAmazing!!のもとを訪れます。

〇レグルス&みく
 ライブの間中みくから貰ったキツネ耳をずっと着けていたレグルス。横を向き、少し恥ずかしそうにみくに労いの言葉をかけます。

レグルス「ライブ、お疲れ様でした。よかったですよ」

みく「あぁ、ありがとにゃ…それみくがあげた耳!かわいい!!」

レグルス「…何ですか?」

平静を装いつつも急いでキツネ耳を外すレグルス。しかしみくは見逃がしません。「レグルスさんがキツネ耳着けてるとこ、見たんだからね!」と隠したキツネ耳を引っ張り出します。

みく「着けて着けて!だって着けたらカワイイんだもん!」

レグルス「いや、俺はかわいいなんて別に…」

みく「いーや、カワイイことは大事なこと!みくもカワイイねこちゃんが好きだからアイドルやってるんだし!」

レグルス「俺なんかがかわいくてもしょうがないんですよ。みくさんはかわいいからいいですけど」

みく「かわ…(顔が真っ赤)」

レグルス「気づいてなかったんですか?かわいいですよ、みくさん」

みく「気づいてないのはそっちだよ…」

小声でそう言い残すとみくは猫変化をしてその場から逃げます。その後捕まえられ、レグルスに毛を逆立てたりしますが彼に撫でられると快適そうに喉を鳴らしています。

〇レギン&ネロ
 ライブを終え、疲れは見せつつもしっかりとしたたたずまいのネロ。そんなネロにレギンが話しかけます。

レギン「ネロさんお疲れ様でした。あなたの雄姿、しっかりとこの目に焼き付けましたよ」

ネロ「うむうむ、そうであろう!どうだ、レギンも改めて余に惚れ直したであろう?」

レギン「はい、勿論です!ネロさんの臣下で本当によかったです!」

ネロ「…レギンにそう正面から言われると少し照れるな…まあよい。レギンよ、そなたの応援、感謝するぞ」

〇ヘソナイト&エリ
 次はヘソナイトとエリ。ステージが終わり、休んでいるエリにヘソナイトが近づいていきます。

ヘソナイト「『ステージ、よかったですよ』とエリの肩を軽く叩きます」

突然ヘソナイトに触られたエリはこれまでのゲンコツを思い出し、一瞬ビクっと震えますが、ゲンコツがないことを察するとそのまま尻尾をふりふりと振っています。

エリ「いいわ小石、アタシをもっと褒めて!」

ヘソナイト「お前なぁ…まあ今回は本当に頑張ったし、たまには褒めてやるか」

そう言うとヘソナイトはエリの頭をなでなで。エリもそれを嬉しそうに受け入れています。

〇ソフィー&ミク
 ライブを終えたAmazing!!の面々がPCたちとそれぞれの時間を過ごす中、ミクは楽屋の隅で気まずそうにしています。そんなミクを見つけたソフィーはミクに近づき―

ソフィー「ステージ、すっごくよかったです!その…私が覚えていたときよりずっとうまかったです!」

ミク「…当たり前です。あなたの覚えていない1年間、私はずっと頑張ってきたんですから」

とミクはちょっと悪戯っぽく笑いかけます。

ミク「成長し続けるアイドルミクを、これからもよろしくお願いしますね、ソフィーさん!」

ソフィー「はい!」

そして肝心のライブの盛況具合ですが、それぞれのアイドルの信頼度は以下のようになりました。

みく:106
ネロ:109
エリ:96
ミク:94

合計は405。GMは信頼度の合計を250から350までしか決めてなかったため、それを大幅に越える値となりました。ツアーAmazing Treasure Box!!の初回公演は大盛況のうちに終わり、後のライブ史に名を残すこととなるでしょう。

◎エンディング
 ライブから数日。深更の優義団とAmazing!!の面々、そしてウィトルとスクレはサジタリウスプロダクションの事務所に集まります。

スクレ「深更の優義団のみなさん、今回は本当にありがとうございました。お陰様でライブも無事大盛況のうち終わることができました。でも今回みなさんには大きな負担をかけてしまって申し訳ないです…」

ウィトル「僕からも謝罪させてくれ。本当に申し訳なかった。蘇生に関する費用は本来の報酬とは別にうちの事務所から出させてくれ。こんなものでは全然足りないのは十も承知だが、うちからのせめてもの謝罪の念だ」

ヘソナイト「それに関してはそこまで気にすることはないですよ。我々も冒険者として活動する以上、ある程度の危険に身を置くことは覚悟していますし。勿論、蘇生代を出していただけるならありがたく頂戴しますが」

レグルス「それに関してなんだが…リーダー、俺、このパーティーを抜けようと思う。そしてウィトルさん、俺を雇ってくれないか?」

ウィトル「…え?でも君たち冒険者じゃぁ…」

レグルス「そっちのプロダクション、これからツアーをやるんだろう?こんなこともあったし、俺を護衛にしてみないか?」

ウィトル「確かにそれはありがたいけど…残りの3人はそれでいいのかい?」

ヘソナイト「我々はパーティーを組んでいるとはいえ結局のところ流れ者の集まりに過ぎません。レグルスが考えた結果抜けるというのなら、それを止めようとは思いませんよ」

ソフィー、レギン「「そうですね」」

ウィトル「ありがたい。それj…」

みく「レグルスー!(レグルスに抱きつく)」

みく「嬉しいにゃあ!これでレグルスもキツネ耳アイドルデビューかにゃあ!?」

レグルス「いや、俺はただみくさんと一緒にいたかっただけなんですが…」

みく「それはみくも同じだけど…団のみなさんに迷惑だろうなって思ってたし…まさかレグルスの方から言い出すなんて…ま、まあひとまずは護衛ということにしてあげるにゃあ。でも、みくは絶対レグルスをキツネ耳アイドルとしてデビューさせてみせるにゃ!そしてみくと一緒にユニットを組むにゃ!みくが決めたことはぜったいにゃあ!」

――数年後、サジタリウスプロダクションのライブには変わらぬ姿でステージに立つみくと、その横に立って歌うキツネ耳を着けたミアキスの男性の姿があったといいます――

一方レギンとネロはというと…

ネロ「うむ、これでレギンとも別れか。少し寂しくなるな…」

レギン「でも…私はもう既に貴女の臣下です!たとえ直接は会えないとしても、私は常に貴女にふさわしい臣下であり続けます!」

ネロ「…ふっ、これほどの臣下がいるとは。余も更に強くならねばな。レギンよ、これからも余を応援し続けよ。そうすればその声援で余もより一層光り輝くことだからな!」

レギン「…はい!」

そしてヘソナイトとエリですが、こちらはこちらでエリがヘソナイトに懐いてべったりのようです。

エリ「小石ー小石ー!」

ヘソナイト「やめろ!ひっつくんじゃない!邪魔だ!」

と口では言いつつもまんざらではなさそうなヘソナイトなのでした。

最後はソフィーとミクです。他のメンバーが楽しそうにしている中、ミクは一人浮かない顔をしています。

ミク「これでソフィーさんともお別…いや、これで元のアイドルとファンの関係、ですね…」

ソフィー「ミクさん!あ、あの、同じルーンフォークとしての仲間でもありますし…こ、これからも私とお友達でいてくれませんか!」

もじもじとしたソフィーから発された友達という言葉。ミクはその響きに大きく目を見開きますが、間もなくその表情は笑顔へと変わります。

ミク「…そうですね、ソフィーちゃん。こちらこそこれからも友達でいてきれますか?」

ソフィー「もちろん、ミクちゃん!」

そう返すソフィーの顔も満面の笑顔です。

ミク「でもソフィーちゃんの友達であると同時に私はアイドルミクでもあります。これからも私のファンでいてきださいね?ソフィーちゃん?」

ソフィー「うん、これからも全力で応援するよ、ミクちゃん!」

これにてアイドルと冒険者の織り成した8日間の物語は終幕です。この交差が彼ら彼女らのこれからにどんな変化をもたらしたのかは、神のみぞ知ることでしょう。
Amazing Days!! ―終―
最終更新:2018年04月29日 10:47