※エンゼルギア2ndのネタバレを含むため、キャンペーン未プレイ者はプレイしてから読むことを強くオススメします
Mission:
ラブレターをもらった遠山桂。せっかく生き残ったのにまた死亡フラグが立ってしまう。
浮かれた気持ちを落ち着かせ桂の死を回避するためにはこれしかない。
2人のデートをむちゃくちゃにしろ!
※ここからしばらくの間、NPCを虐めるのに夢中になるプレイヤーたちが描かれます。
GM/セラピア:「2人は朝の9時に学校の校門で待ち合わせするんだよ」というわけで、待ち合わせを妨害する案を考えてください。
為真:郵便受けに待ち合わせ場所が変わったって入れておこう。技能なんだろう、《誘導》?
GM:その誘導じゃねえw
カナン:そっちの方が穏当かも。佐世保君が家を出たところで水をぶっかけるとか考えてたw
祝:道中で謎の不良として立ちふさがって佐世保君をボコボコにするとか考えてたw
判定の難易度を鑑みて、カナンの水ぶっかけ案に決定。
カナンがバケツを《調達》し、それを《運動》でうまく死角からぶっかける。
為真:運動って誰が一番得意?
祝:肉体低い。
ボルシチ:アイドル使えば。
カナン:技能なーし。
為真:……ここか! クリス、クリスに頼むw
クリス:「いやあ、僕よりも君の方が適任だろう」w
雛子:「…頑張ってください」w
ボルシチ:勇気の歌で応援します。「がんばってくださーい」w
為真:「ええい、やればいいんでしょうやれば!」
待ち合わせの1時間前、かなり余裕を持って佐世保君は家を出た。多少のトラブルがあっても余裕で間に合う計算だ。
しかしその時、不意に後ろから水がかかった。服の袖と足首が大きく濡れてしまった。
振り向いても出所はわからない。ゲリラ豪雨? そんな馬鹿な。
わけがわからないが、このままだとまずいことはわかった。
「こんな格好じゃ桂さんに会えない!」
GM:というわけで予備の服に着替えてきます。これでも待ち合わせには間に合う計算ですね。
祝:もう1回同じことやればいいのでは?w
GM:同じネタは1日1回までなんでよろしく。警戒されて難易度上がってるし。
祝:じゃあ不良になってぶんなぐるかーw
カナン:ただの通り魔やんけ!w
為真:……ちょっと待って。それ多分格闘で判定するよね? 「殴るの……僕かい?」
祝:「おうよくわかってんじゃん」w
ボルシチ:勇気の歌ーw
佐世保君は急ぎ気味に路地を駆けていく。間に合いはするが、余裕を持っておきたい。
フードを被った人とすれ違う瞬間、肩がぶつかった。
為真:精いっぱいドスを利かせる。「おい兄ちゃん」
GM/佐世保:「あ、ごめんなさい――」
為真:「ごめんなさいじゃないんだよ!!!!」
GM/佐世保:「す、すいません、お金なら、お金なら!」
為真:「お金! そんなもので! そんなものでお前なあ!」って太ももあたりを狙って殴る。
カナン:確実に移動に支障が出て、しかも目立ちにくい。嫌らしいチョイスだw
為真:あ、やべ出目がよすぎた。達成値12w
GM:それはもう悶絶不可避。
結局佐世保君は、遅れて校門前に到着した。
桂に対し、突如ゲリラ豪雨に襲われたなど不自然な供述。
GM:怪しいことがあると、桂の感知判定が入ります。
カナン:いざとなったらその判定に妨害入れようw
GM/桂:……今回は失敗。「私も今来たところだから」というが、まあ好感度は下がったんじゃないでしょうか。
カナン:「第一段階はこんなところですね」w
謎の黒幕臭。いや実際今クロマクだけど。
GM:佐世保君はミリオタですが、今回のデートでは趣味を自重しています。商店街でショッピングを楽しんだりするようですね。
為真:やるなあ。
カナン:良さそうな店の商品を先に全部買い占め……いやさすがに無茶だなw
ボルシチ:クレープ食べ歩きしてる最中にこぼさせて服にべちゃー、とか。
GM:じゃあそれで行くか。今日はプシナもオフだからクレープ食べてるよw
どうやってクレープをこぼさせるかだが。
為真:とりあえず案1、物理で殴るw
GM:絶対気付かれるw
カナン:念能力的なものでクレープを吹っ飛ばすとか。
祝:バナナの皮で転ばせようぜw
相談の結果、バナナの皮に決定。
軍略判定。
為真:階級高いの誰? こっち4。
ボルシチ:3。
祝:3。サムライがそこそこ高いんじゃない?
カナン:ツィヴィール単なので2w
為真:またかよw
雛子:「為真さんならできます」w
為真:「おかしい……おかしくない?」w
祝:「お前には才能がある、お前こそやるべきだ」w 《盾の乙女》飛ばしまーす。
「あ、クレープ屋さんだー、私お腹すいちゃったー。クレープ一緒に食べない?」
「いいですね! ここは僕が出しますよ!」
桂の提案に対し、即座に対応する佐世保君。
しかしクレープを買って数歩先には、事前に完璧な軍略で死角と歩行ルートを読み切っていた為真によりバナナの皮が置かれていた。
「あっ」
佐世保君はバナナの皮に取られひっくり返り、クレープが顔面に直撃する。
「さ、佐世保君大丈夫!?」
「今、何か踏んだような……」
カナン:でもさ、これで頭お花畑の今の桂さんの好感度下がるの?
GM:もうこれ桂さん大爆笑ですね。
為真:何わろとんねんw
GM:特に印象に変化ないって感じです。拭き取ったらもう気にせず次へ進んじゃいますね。
カナン:実際、誰とは言わないけど「あっ」っていいそうな人がバナナの皮で滑って顔面にクレープとか想像するだけでもう面白いしなーw
祝:「インパクトが足りなかったか……」
トゥアレタ:「インパクトの問題じゃないんだけどなあ」
祝:「じゃあトゥアレタはどうすりゃいいってんだよ」
トゥアレタ:「私に振る!?」
祝:「このままじゃ桂さんが死ぬんだぞ、そんなことでいいのか! 俺だって真面目に考えてるんだぞ!」w
トゥアレタ:「……! そうなの……? 私、ずっとおふざけだと思ってたわ」
為真:「おふざけだと思うよ」w
トゥアレタ:「でもそれじゃダメなのね。私、協力させてもらうわ!」
為真:「僕以外が実行犯になる案を出してくれ」w
「佐世保君はここの定食屋さんに入るつもりなんだよ」
GM:と個人でやってる小さな定食屋を示します。本当はシャレオツなフランス料理店とか行きたかったみたいだけど、瑞穂には無かった。
祝:絶対妨害したらバレるよなあ。でもここで好感度を下げておきたい。
カナン:待てよ、いっそのこと9人全員で先に堂々と占拠すれば佐世保君入ってこれなくないか? 席ないでしょw
祝:え、全員入るの?
カナン:ちょうどクリス君に町を案内してるって名目があるしたまたま昼飯の場所が被ったってことで行ける!
祝:でも桂さんへのダメージにはならなくない? 普通に一緒に食べそうw
為真:佐世保君の方がいたたまれなくなるでしょ。桂さんお花畑すぎて殴っても効かない、佐世保君から桂さんに離れてもらうように狙おうw
なんだこの会話。
ともあれ、先に店に入った一行。
2つあるテーブルを祝・ツバサ・トゥアレタと為真・雛子・クリスで占拠し、カウンターにボルシチ・セラピア・カナンが座る。
セラピア:「ボルシチちゃん何食べる? ボルシチ以外ならなんでもあるんだよ」
カナン:「普通の定食屋ですからね」w
ボルシチ:「あ、ぴろしきとか食べてみたいんだよー」
セラピア:「おばちゃーん、ピロシキふたつー」
おばちゃん:「無いよ」w
そこへ佐世保君と桂さんがやってくる。
佐世保:「いっぱいだ……」
桂:「あれ、皆どうしたのこんなところで」
カナン:ここからどうしようw
為真:クリス君にさ、こういうこと言ってもらえない?
クリス:『あれ、きみもきたんだ。奇遇だねえこんなところで。やはりギアドライバーとナビゲーターはひかれあう運命なのかな』
カナン:これクリス君に言ってもらいたい台詞をどんどん投げればいいのか?w
祝:GM、インカム用意してたことでいいですかw
GM:いいよw
クリス君を操作して、佐世保君のメンタルをボコボコにしよう!
祝:桂が二股かけてたことにすればいいんじゃない?
GM:明らかにわかる嘘はすぐ桂が訂正するから。あとリアル性を重視してここからは相談できませんので、クリス君は勝手にプレイヤーの発言を拾ってしゃべりますw
カナン:え、どうしよう。
ボルシチ:じゃあ……『ところでその子は? あんまり似てないけど弟さん?』
為真:!!?
カナン:ぶっこんだw
「ところでその子は? あんまり似てないけど弟さん?」
昼食を予定していた定食屋で出会った金髪碧眼のイケメンは、佐世保君を見るなりそう言った。
少しむっとなる。
桂:「佐世保進君。今デートしてるの!」
為真:桂さんが強いw
カナン/クリス:「妬けちゃうねえ、僕という運命共同体がありながら」
桂:「えー何言ってんのー」w
カナン/クリス:「だってそうだろう? 命を預けあう仲なんだから」とにかく意味深だ、意味深で攻めるw
桂:「それはそうだけどー、同じ機体に乗るわけだし」
ボルシチ/クリス:ぼそっと、「別にそれだけのつもりじゃないんだけどな」
GM:うわぁw 佐世保君は明らかに戸惑いを敵意を抱いてるよ。
為真:(祝さん、煽ってくださいよ)ってインカムで連絡w
祝:「やるな、ライバル登場じゃねえか」w
桂:「べ、別にそんなんじゃ……」
祝:「ギアドライバーのペアだし一緒にいる時間も多いし、大変だな、ツバサ」w
ツバサ:「そうだな、トゥアレタ」w
トゥアレタ:「そ、そうね」w
皆にからかわれる桂さんは、佐世保進から少し遠くに見えた。
さっきのクリスの呟きが、妙に頭に残る。
クリスは美少年だ。人当たりもよく、桂さんと同じギアドライバーで、桂さんと同じ機体に乗って、桂さんと命を預けあって……。
「もー、そんなんじゃないってー」
桂さんとクリスの関係を否定する言葉なのに、なぜか聞いていて苦しくなる。
為真:今ならいけるな。「僕たち詰めて座りますよ。ここどうぞ」
雛子:「雛子たち、そっちのテーブルに移った方がいいでしょうか」
佐世保:「……いや……邪魔しちゃうのも悪いし、僕たちは別の所を探します」
カナン/クリス:「そうか、それは残念だ。君とも交流を深めてみたかったんだが」w
祝:勝者の余裕w
GM:佐世保君は、乾いた笑いで出ていくよ。桂も「あ、ちょっと待ってー!」と追いかけていく。
「どうだった、僕はちゃんとできていたかな」
クリスはけろっとした表情で言った。人の精神を殴りつける言葉が初めから無かったかのようだ。
祝:「完璧だ! ばっちりだったぜ!」w
セラピア:「それにしても、あんなセリフがぽんぽん出てくるなんて。ボルシチちゃん……侮れないんだよ」
ボルシチ:「面白かったねお母さん!」w
セラピア:「ひぃ」
プレイヤーの正気度が削れまくっていたので、以降は適当にカットし、別れのシーン。
佐世保君は、桂さんを基地の前まで送ってくれた。
佐世保:「今日は楽しかったよ。でも色々と、恥ずかしいところを見せちゃってごめん」
桂:「今日は楽しかったねーまた一緒に遊びに行こうねー」
為真:メンタル化け物かよw
祝:ここでクリスに迎えに行ってもらおう。
GM:やっぱりNPC紹介欄正しかったわ、クリス君が一瞬でなじんだ、最初からいたかのようにw
基地の方、闇の中から姿を現すクリス。
「遅かったね。迎えに来たよ。彼とのデートは楽しかったかな?」
桂はクリスにエスコートされ、基地へと戻っていった。
「……はぁ」
ひとつため息をつき、佐世保君は帰路に付く。
為真:水かけとく?w
GM:同じネタは1日1回までなのでw
カナン:そうだ、せっかくだからあれ聞きたいんですよね。「やめてよね」のやつ。
GM:やりますかw
祝:「これじゃとどめたんねーわ、よろしくなクリス」w
クリス:「いいけど、ここから走るのかい、距離あるなあ」w
とぼとぼと下を向いて歩く佐世保君の前に、街頭に照らされたクリスが浮かび上がる。
佐世保:「クリスさん、でしたっけ。桂さんとはどういう関係なんですか」
祝/クリス:「昼間も言わなかったかな。命を預けあう仲だよ。もちろんそれで終わらせるつもりはないんだけど」
佐世保:「……同じ機体に乗ってるんですものね」
佐世保君は、声を震わせて尋ねる。
「どうして僕はあの機体に乗れないんですか」
佐世保:「1年前の定期健診でもやっぱり僕にはギアドライバーの才能はなくて。ギアドライバーとして頑張る桂さんを、僕は……」
祝/クリス:「君は選ばれなかった。僕は選ばれた。ただそれだけのことじゃないか」
佐世保:「う、く……うぅぁあああああ!!」
うなり声を上げ、拳を握りしめてクリスへとびかかる。
クリスは冷静に見切り、カウンターで佐世保君の頬を殴り飛ばした。
「――やめてよね。本気で喧嘩したら、君が僕にかなうはずないだろ」
祝:「……で? ここまでやって、桂の命は守れるのかよ?」
セラピア「これで守れないなら、ボクたちにはどうしようもないんだよ」
祝:「長い一日だったな」
クリス:「戻ったよ。どうだったかな、僕の演技は」
祝:「恐ろしいぐらい完璧だったよ」
クリス:「来世が合ったら、俳優を目指そうかな。出るならやっぱり昼ドラかな」
為真:「ガンダムとかがいいと思うよ」w
クリス:「声優かなーそれもいいな」
カナン:「……本当にこれでよかったんでしょうか」
GM:これがキャンペーン上で大きな意味を持つと信じて。
カナン:犠牲が大きすぎるんだよなあw
GM:いや、元々はですね――
カナン:断じて違うぞw
翌朝。カナンの部屋に再び桂がやってきた。
桂:「ちょっと聞いてよーカナンちゃん。佐世保くんに振られちゃったよ」
カナン:「え?」
祝:すっとぼけやめろw
カナン:いや、こんなにすっぱりとは全く思ってなかったw
GM:桂の方から詰め寄ったら、佐世保君が退いたということみたいですね。
カナン:「それは……残念でしたね」
桂:「え? なんで?」
カナン:「え、だってあんなに楽しみにしてたのに……」
桂:「そりゃ楽しかったよ。ラブレターもらったし、ご飯もおごってもらったし。でもまあそんなこともあるって。はぁーあ、イケメンの彼が欲しいなー」
カナン:「……」
桂:「私はいちいち引きずらないの」
カナン:「そう、ですか。それならよかったです。でも……やっぱり、難しいのかな」
桂:「何が?」
カナン:「軍人と一般人の溝、っていうのかな。……私、特別クラスに移ってから、元のクラスの子と話せてない」
桂はしばらくぶりの真剣な顔でカナンに向き直った。
桂:「見えない壁があるのは否定できないけど、だからこそ私たちは毎日戦う理由があると思う。一日も早くこの戦いが終われば、きっと壁もなくなるよ」
カナン:「……そうですね、きっと」
桂:「そしたら、絶対いい男を見つけるんだから!」
祝:なんでフラグ折ったのにフラグ建てるの?w
クリス:「今日もインカムあるけど何か言った方がいいかな?」w
為真:もう十分仕事したんでw
祝:「まーなんにせよ平和ってのはいいことだな」
トゥアレタ:「いい話で片付けようとしてない?」
祝:「さすがトゥアレタ話が分かる―」w
セラピア:「佐世保君には悪いことをした気もしたけど、これで桂さんの命が救われるんだよ」
ボルシチ:「桂さんのためだからね、うん、うん!」w
セラピア:「でも……今回の件で、ボルシチちゃんの中の眠っていた何かが目覚めた気がするんだよ」
ボルシチ「あれ、わたし何かやったっけ?」w
こんな光景も、戦争の中の羽休めにすぎない。
1人の少年の恋の行方は、もっと大きなものの前に流されていく。
――警報が鳴った。
エンゼルギアキャンペーン
『エンドレスサマー』
第二話
- Someone Like You -
シナリオが1本終わった? いいえ、まだ祝のオープニングです。
最終更新:2018年09月10日 20:44