※エンゼルギア2ndのネタバレを含むため、キャンペーン未プレイ者はプレイしてから読むことを強くオススメします














































[ミドルフェイズ]

ボルシチが目を覚ましたことは瞬く間に伝わった。
流月少将の手配により、瑞穂基地の主要面子が集まって話を聞くことになる。
すなわち、ギアドライバー達にアクシア、ヴィヴリオ、流月、プシナといった面々。セラピアとカナンはその場にいない。

流月:「八丈島での激戦から一週間がたった。そして昏睡状態にあったボルシチ少尉が目を覚ました。彼女から皆に話があるということだ」
ボルシチ:「はい」
流月:「後はよろしく頼む」シーン進行をプレイヤーに投げた!w
祝:「で、何を話すことがあるんだ?」
ボルシチ:「まずは、瑞穂基地の皆さん。大変ご迷惑をおかけしました」
為真:なんかキャラ変わってない?w
GM:2期ですからね、キャラも変わるw
ボルシチ:「その、やっと記憶が戻ったと、言います、か。……端的に言いますと」
祝:このボルシチなんか頭良さそうw

「私は未来から来ました」

祝:「…………」
為真:「…………」

 …………。

祝:「あれ本当におかしくなったんじゃないよな。サラはどう思う?」
サラ:「今は真面目な話をしてるのよ! 最後まで聞きなさい!」
祝:あれー?
ボルシチ:「そしてセラピア・パルマコンは、未来での私の母です」
為真:記憶を取り戻したうえでやっぱり母親なの?
ボルシチ:「こんなキャラだと思ってなかったけど」
為真:え、今のそれPC発言?w
ボルシチ:はいw
祝:「……で? なんで未来人のボルシチちゃんがこんなところにいるわけ? 俄かには信じがたいですよ」と大人たちをちらっ。
GM:大人たちは真剣だ! ヴィヴリオもアクシアも笑わないよ真面目に聞いてる!w
為真:大人じゃないけど祝の気持ちに同意するぞ!w
GM:流月だけは事前に聞いてたけど。

ボルシチは自身の生い立ちについて語る。
「私は今から数年後の合衆国で生まれました。
 母は合衆国で軟禁状態にあって、私はずっと母と外に出ることなく一緒に暮らしていました」

しかし、ボルシチから見て5年前、世話係の男に母親――セラピア・パルマコンは連れていかれ、戻ってくることはなかった。
そして記憶を取り戻した上でその光景を思い返せば、世話係の男はクリスだった。

ボルシチ:「その時の私には母を探すことはできなくて、それから一人で暮らしていて……そんなある日」
GM:ずっとボルシチに喋ってもらうのもアレなので、回想入ります。他のキャラも出るし。



母、セラピアがいなくなって5年が経った。
ボルシチは毎日変わり映えのしない部屋の中で、歌を支えに過ごしていた。
ある日の夜、何かが部屋の窓ガラスにぶつかる音がする。
気になったボルシチは窓に寄って、外を眺めてみた。

GM:って普通窓開かないよな。えーじゃあ、外を見ても特に何もありません。
ボルシチ:「……?」
GM:その時、とたんに音もなく天井が崩れ落ちて、音もなく二人の人間が部屋に乗り込んできた!
カナン:音もなく天井が崩れ落ちた!?w
祝:どういうことだよw
GM:侵入者の一人は素早くボルシチの口元を抑えて言う。「我々は怪しいものではない。君をここから解放しにきた」
祝:グリッドマンじゃんw
為真:つまりCV緑川光。
ボルシチ:「んー!」
侵入者:「ただここで君に騒がれては天使たちに気付かれてしまう。君に害をなす気はない。私の話を聞いてほしい」
ボルシチ:頷きます。

ボルシチは解放され、改めて侵入者を見た。
仮面に黒いフードを被った男だ。

カナン:仮面のCV緑川光って心当たりが多すぎるんだよなあ。
GM:仮面はこう、ブリーチの虚みたいな感じね。ってこいつ今から名乗るわw

侵入者の男はボルシチに名乗る。
「私の名前は流月焔」

祝:え、流月少将CV緑川光!?
流月:「合衆国によって制圧されたこの地球を救うために来た」
祝:やっぱりグリッドマンじゃんw
流月:「君はこの世界の外を見たことがあるかい?」
ボルシチ:「……ない、です」
流月:「そうだろうな。かつて大きな戦争があった。
    天使大戦と呼ばれる20世紀最後の戦争で、合衆国は天使兵と呼ばれる異界の力を利用しこの星の支配権を手に入れた。
    今や人々は合衆国の天使によって管理される。自由は何一つ残されていない」
ボルシチ:「外の世界にも、自由はないんですね」
流月:「そうだ、この星のどこにだって自由はない」

流月は現在、レジスタンスとして天使と戦い続けている。
しかし天使は強大で、とても人間では叶わない。

流月:「しかし我々は一つの方策を思いついた。過去に飛び、天使大戦の結末を書き換えることだ」
ボルシチ:「過去……?」
流月:「1999年、天使に対抗する勢力のヤシマ陸軍に参加するんだ。これは君にしかできないことだ。
    そこには君のお母さんもいる。君が過去に飛び、歴史を変えることができれば、君のお母さんもあるいは……」
ボルシチ:「……お母さんを助けるには、それしかないんですか?」
流月:「ああ、そうだ。既にセラピア・パルマコンは助けられない。過去を書き換えない限りは」
GM:実際のところ、セラピアはとっくに死んでるでしょう。
為真:実は総統になってるとかは?
GM:あ、それもいいかも。とにかくもう手遅れなことは確かです。

ボルシチは、母との最後の光景を思い出す。
ひとりで生きていけるようにと歌を授けてくれた、あの日の背中。

ボルシチ:「……やります」
流月:「やってくれるか。では早速君には過去に飛んでもらう。そのための準備は既に完了している」

その言葉を合図に、後ろにいたもう一人が前に出る。
同じく黒いフードを被った女性だが、よく見るとフードの下にメイド服を着ている。

クベルタ:「私の名前はクベルタ10-9(ツェン・ノイン)。ご主人様、何なりとご用命を」
カナン:クベルタ、クベルタじゃないか!
ボルシチ:「ご主人さま?」
クベルタ:「はい、あなたが私のご主人様です。過去現在未来、いかようにも連れて行って差し上げます」
祝:このクベルタぽんこつじゃないぞ。
ボルシチ:「私と一緒に過去へ飛ぶことも?」
クベルタ:「可能です。ご主人様の手となり足となり、この身が砕けるまでお力になりましょう」
ボルシチ:「ひとりよりずっと心強いよ。よろしく」

時間を移動できる能力を持つホムンクルス、クベルタ。
彼女の力があれば、母を助けることができる――ボルシチに決意が宿る。

流月:「これから君が行くことになるのは1999年7月4日。合衆国のミサイルにより、ヤシマの鎖国が終わる日だ」
ボルシチ:「ヤシマ……」
流月:「なに、心配することはない。私もそこにいるはずだ。……君の頑張りに期待している。この星の未来を頼んだぞ」

クベルタの手の中で、銀色時計が逆回転を始める。
「覚悟はよろしいですね、ご主人様。何か思い残したことはありませんか?」
「……大丈夫。絶対にこんな未来を変えてやる!」
「その意気です」
周囲にエーテルが溢れ、ボルシチの意識が飲まれていく……。



そして現在。
1999年に現れて以後のボルシチは、瑞穂基地の面々も知っている通り。
セラピアに発見され、セラピアをおかあさんと呼んだ記憶喪失の少女は、なし崩し的にセラピアのパートナーとなって天使と戦っていた。

ボルシチ:「と、そういうことがありまして」
為真:「うん。……仮面流月マンか」w
祝:「そんなことが、ね」
ボルシチ:「でも……結局私は、母を助けられなかった」
祝:「話は分かった。でも急に大人びたボルシチちゃんに違和感しかないよ」
ボルシチ:「あ、記憶が無かった時のことは忘れてもらえると助かる」
カナン:黒歴史!?w

※記憶喪失のボルシチ発言集
「わたしボルシチー!」「でもボルシチはいい名前だと思うんだよ~」
「でもお母さんと一緒ならなんでもできそうな気がするんだよ~」
「あれ、わたし何かやったっけ?」「皆さんも割りませんかすいか!」
「んー、そっかー。いつも通りだよ」

流月:「実は、彼女がこの基地で発見されることはわかっていた。
    ミサイルの当日、この基地の地下で我々は1体のホムンクルスを発見した。そこで見つかったのがこの手帳だ」

手帳には流月の字で、1999年7月4日の流月が知りえない未来の情報が書き込まれていた。
ボルシチの話と合わせると、未来の流月がホムンクルス・クベルタに持たせたものだと推測できる。

祝:まー流月少将が言うなら間違いないだろうw
流月:「我々――すなわち私やヴィヴリオ大佐は、この手帳をもとに未来に起こる出来事の対策を立てながら動いてきた。だからボルシチを受け入れた」
GM:そう、ボルシチが味方であることは手帳によってわかってた。決してヴィヴリオの危機管理がザルだったわけではない。それだけは伝えたかったw
為真:PCも驚いた、安心したw
流月:「クリスが現れることもわかっていた。事前にその目的を含めて察知していたからこそ監視を続けていた」

※2話で思いっきりトゥアレタの処遇を巡って対立してた気がするが、それもわかってたことだから! そういう茶番だった! そういうこと!

流月:「その結果、1度目の侵攻は防ぐことができた。本来であれば、最初のタイミングでセラピアが連れ去られていたはずだ」
ヴィヴリオ:「誤算だったのは八丈島に2度目の侵攻をかけてきたところだ」
流月:「だがまだ終わったわけではない。これからも邁進していきます」
カナン:なんで謝罪会見みたいなん?w
為真:「……これからどうするんですか?」
流月:「打って出る。作戦は準備中だが、遠からず我々は天使本隊との全面戦争に突入する。同時に彼女を連れ戻すための計画も準備中です」
カナン:なんで謝罪会見みたいなん?w

GM:とまあこんなところなんだけど、何か質問ある?
為真:「そういえばこれからは、なんて呼べば……? 『ボルシチ』っていうのもなんか変だし」
祝:ああ、本名。
ボルシチ:「………………実は本名が、ボルシチなんだ」
カナン:えぇ……w
祝:一気に信憑性が増した! こんな名前を付けるのはセラピアしかいない!w
為真:「……じゃあ、ボルシチで」w

カナン:あとそうだ、クベルタどうなったんだろう。
祝:「そうだ、件のホムンクルス、クベルタ10-9なのだが。ボルシチ少尉、君が目を覚ましたのと同じタイミングで彼女も目を覚ました。入ってきてくれたまえ」
???:「はーい!」

大きな声と共に、少女が扉を開けて部屋に入ってくる。
いや、扉を思い切り吹き飛ばし、派手な音を立ててすっころびながら、部屋になだれ込んできた。

クベルタ:「ご主人様! お会いしたかったですご主人様ー! どこで何をしてるのかと思ったんですよ!」
祝:よしクベルタだな!w
ボルシチ:「……君は本当にあのクベルタか?」
クベルタ:「そうですよクベルタです! もうずっと淋しかったんですよー!」
ボルシチ:「何かが違う……! でも、もう一度会えてよかった」
クベルタ:「ご主人様にこう言ってもらえるなんて感激でございます!」
祝:「キャラ違くない? 話に聞いてたのとさ」
サラ:「あなた、この基地に来てからどれくらい経つっけ。この基地にいる人、だいたいあんなものよ」
祝:「はーなるほどなー。俺ももっと順応しないといけないのかな。サラ、大変だったんだな」
サラ:「現在進行形よ、残念ながら」
GM:まあクベルタは時間移動の時に結界に頭ぶつけたんでしょう。ボルシチもそう。
カナン:あーだから、結界が破られる当日にならないとタイムワープできなかったんだ。
GM:そういうことにしたw ……というわけで、今後クベルタがボルシチのナビゲーターとなります。専用オーギュメントもウリエル。
ボルシチ:えーっと能力値能力値。
GM:なんで聖霊+3なんだよこいつ!
カナン:ホムンクルスさの欠片もない……。


その時、流月に通信が入った。
数度のやり取りの後、流月は部屋の面々に向き直る。
「カナンが目を覚ましたということだ」


● ● ●


為真:「カナンが目を覚ました……もう面会できるの?」
流月:「通信によると、もう面会できるところまで回復している。すぐにここに来るということだ。待っていてくれ」

ボルシチ、そしてカナンの復帰は、ギアドライバー達を活気づかせた。
セラピアはいないが、クベルタという新たなナビゲーターも加わった。1週間を経て、瑞穂基地に失われたものが戻りつつある。

GM:じゃあここからはカナンに投げるのでw
カナン:あっはい。ではしばらくして、部屋の外から誰か近づいてくる音がします。
ラムダ:「失礼します」
GM:そういえばクベルタが壊した……いや別のドアにしようw
カナン/ラムダ:じゃあまずラムダが入ってきて……「ご覧ください」と一歩横にずれると、そこにカナンが立っています。
為真:歩けるのか。
カナン:「……えと、カナンです。どうも」

カナンはさすがに病み上がりで、いつもの元気はない。
しかしそこにいた人物は、それだけではない違和感を感じた。

カナン:最初に気付くとしたら、目かな。いつも見てた感じと違う。
為真:目はわからないけど……でもおかしいとは思うのかな。
祝:ここは地雷処理班に任せろ。「なんか雰囲気変わった?」
カナン:「え、いやえっと、その……」

カナンは思わず手を上げ、目を隠した。
しかしそうして上げた右腕が、皆の目に留まる。
その腕、特に肘の部分が、明らかに人間のものではなかったからだ。

為真:それが見えたら、思わず聞いちゃう。「その肘は? その体は……」
GM:そしたら、ラムダが答えよう。「私から説明しましょう」と嬉しそうに話し出す。
ラムダ:「先の八丈島の一件で体の大半が使い物にならなくなりましたので。それらを機械化することで戦線復帰してもらいました」
祝:マジで機械化?
ラムダ:「さらに、彼女の体には黒い天使核を埋め込んであります。うまくいっていれば、シュネルギアのギアドライバーとしても活躍が期待できる」
為真:……驚いた、というか。ちょっと言葉に詰まる感じで……「あれ、本当?」
カナン:「私、憧れてた」

カナンは表情を変えない。
しかし声は震えている。

「みんなと戦えるなら、私だって、お母さんの役に立てるよ」

カナンが機械化され、シュネルギアに乗ろうとしている。
告げられた事実に、部屋は沈黙に包まれた。

GM:いやーGMはカナンちゃんだけには幸せになってほしかった。
ボルシチ:う、うんw
為真:いやだってそんなPCおる??
祝:カナンとラムダを見比べてみる。「それはカナンの本心なのか?」
カナン:「……みんなみたいに、私もなりたい!
     がんばるよ、これから。初めてのことも、多いけどさ。……そばにおいてほしい。助けに、なりたい」
祝:「そうか。その気持ちに気付けなくてごめんな」
ボルシチ:「でもこれだけは言っておきたくて。私たちは今までもカナンちゃんに助けられてきたよ」
カナン:「ありがとう。関わり方は違うけどさ、これからも助けになれたらうれしいです」
ボルシチ:……お辛い顔になるw

その時、重たい沈黙を壊す思い切り明るい声が響いた。
「何の話なのかなーと思ったら!」

クベルタ:「わー私以外もホムンクルスがいたんですね!」
カナン:クベルタの話何も聞いてないんだ私は。「え、えっと……誰?」
クベルタ:「クベルタ10-9。未来から来たんです。まあホムンクルスにはホムンクルスの戦い方があるから、大丈夫ですよ!」
カナン:「ホムンクルス……瑞穂にいたんだ」
クベルタ:「いますよー2020年ぐらいになれば」
GM:よし、クベルタならこの空気を明るくできる! セラピアがいないし桂すら手が出せない今、お前が頼りだ!w
カナン:なんかこのNPCの使われ方、覚えがあるな……。
ラムダ:「ではカナンはこれから適合に関する検査を行いますので、失礼いたします」
カナン:「あ……皆さん、それではまた」と、ドアを閉めた際に思いっきり取っ手を壊して……。
GM:あ、ドアないんですよーw
カナン:壊れたドアを片手で持ち上げ、元の位置にはめ込んで去っていきます。ちょっと力加減を間違えて取っ手は壊れた。
祝:完全に使い物にならなくなったw


2つの衝撃の事実が判明して暫し。
何はともあれボルシチとカナンの復帰祝い、あとクベルタの歓迎会を開こうということになった。

祝:いや誰が提案するんだよそんな地獄!w
GM:やっぱりここは、お辛い成分のアクシアさんしかいないかなって。
アクシア:「ボルシチちゃんも記憶を取り戻したし、カナンちゃんも元気になったし。クベルタちゃんっていう新しい仲間もできたし!」
為真:全然元通りじゃねえんだよ!w
GM:やっぱりね、こんな時だからこそね。
ボルシチ:真面目に、「は?」という顔になる。
カナン:キャラがすごいことになってるw
為真:「ぱ、パーティーはともかく。歓迎する食事会ぐらいならいいんじゃないでしょうか」
アクシア:「そうよね、歓迎会しなきゃね」
クベルタ:「歓迎会ですね! 私、腕によりをかけて頑張ります!」
祝:お前の歓迎会なんだよなあ。
クベルタ:「ご主人様見ててください。私は料理も完璧なんです!」
ボルシチ:え、絶対だめなパターン……。「無茶をしないでね?」
クベルタ:「私のことを気遣って下さるなんて、なんて優しい! 感激です!」
ボルシチ:気遣ってるのは機材なんだよなあ。

辛辣!

GM:しかし……実際誰が作るんだろう。
祝:そういえばいつもこういう時に料理してたのって、カナンとセラピアだった。作れないな。「誰か歓迎会できそうな場所知らない?」
為真:あっ、基地の家!w
GM:あっ、GMも忘れてたわw
カナン:丁寧な伏線じゃなかったの!?
為真:「そういえば昼前にこんな話があって……」とちらしを取り出す。『基地の家 本日オープン!』
祝:「よしじゃあそこにするか!」
雛子:「ブルー瑞穂は少し楽しみです」
為真:「僕は食べないけどね」w


瑞穂の町も住民の多くが疎開していて、もうやっていない店も多い。
八丈島に行く前は確かにあった、近くの見慣れた喫茶店が、今や基地の家になっていた。

祝:「マスターのやつそこまで考えて」
GM:店には既に3人の先客がいるようです。学ランをきた佐世保進、坂月四郎、加藤乃々香。
カナン:なんでいるんだよw
GM:なお桂さんは歓迎会面子にちゃんといる。
祝:「だめだ、帰ろう」w
ボルシチ:「でも、これは桂さんが決めるべきなのでは?」
祝:「どうにもこうにもならないことがわかるだろ!」

そうこうしている内に、佐世保がこちらに気付いた。
佐世保は特に怯みも動揺もせず、静かに手を上げる。

佐世保:「久しぶりじゃないか、元気にしてたかい?」
祝:俺は実質ほぼからみないけど。
為真:僕も恐喝したぐらいしか……。
祝:「最近見てなかったけどどこいってたの?」
佐世保:「僕は……君達(※クリス)にボコボコにされ、あれから泥水をすする思いで這い上がってきた。
     僕たちは自分たちの力だけで八丈島にわたり、マスターから厳しい鍛錬を受け、身も心も一回り二回りでかくなったってわけさ」
カナン:あの話そのまま通すんだw

カットされているが、第3話でそんな茶番があったのである。

佐世保:「決着をつけるのはまた今度にしておくよ」と席を立つ。「ありがとうマスター。ブルー八丈島とはまた味を変えてきたね、ブルー瑞穂は」
為真:えっ!?
シングォ:「お前さんたちみたいな味の分かるやつは貴重なんだよな。嬉しいもんさ。今日はオープン記念のサービスさ、またきてくれよ」

「おっとすまない、道を開けてくれるかな」
その堂々とした雰囲気に、思わず道を開けるギアドライバー達。
佐世保はそこを悠々と歩いていく!
桂のそばを通る瞬間に言葉を残し、佐世保は去っていった。
「桂さん、僕はきっとあなたにふさわしい男になって現れます。待っててください」

桂:「誰だっけあの人」w
為真:草。
雛子:「あの人……雛子の目にすら別人に見えます」
祝:「夏でも学ラン来てるやつはちげえよな」
雛子:「あとブルー瑞穂楽しみです」w
祝:ていうかGM、ミドル2からシリアスしかないって話なんだったのw
GM:つい出したくなったw

歓迎会スタート。
例によってブルー瑞穂が出される。

ユウキ:「食べてみてください」
為真:「どうせブルーハワイだよ!」w
ユウキ:「為真さん、もっと色々な料理に触れないとだめですよ」
為真:いやだってお前も机ひっくり返してどうせ一緒だろ! って言ってたじゃんw
ユウキ:「何言ってるんですが、最初からわかってましたよ。反抗心ですよ」
為真:え?w
ユウキ:「これが一緒だっていうなら何食べたって同じですよ」w
祝:なんで2期になってみんなキャラ変わるの?w

キャラが変わった人……為真、ボルシチ、ユウキ君、佐世保
名前が変わった人……トゥアレタ
なんというか変わった人……カナン

ツバサ:「すげーよ水って! 太らねーからな!」
祝:「かき氷うめえ! カロリー0!」
アクシア:「お待たせ私たちも来たわ!」
為真:あっ終わったわかりそめの平和。
GM:ツバサがズィーガーの席へ行くんですが、当たり障りが無い返事しかできなかったり。
祝:キャラが違う、お前も2期の闇に飲まれたか。「ツバサのあれ……俺にできることってないのかな」
サラ:「ないわ」
祝:「そうかなー」
サラ:「よく考えて、私たちが話に絡んだらろくなことにならないわ」
祝:「そうかもな。はぁ……俺疲れてんのかもな」
サラ:「国試大変だったわね」w
カナン:プレイヤー!w
GM:そんな他愛もない会話をすごすのでした。
祝:他愛もなくねええーーっ!!
そんな中、店の厨房ではクベルタがせっせと料理を準備していた。
主役なのに。

ボルシチ:「クベルタ、今日は歓迎される側でしょ、私が運ぶよ?」
クベルタ:「いえいえここは私に任せてください、しっかりおもてなし致しますので!」
ボルシチ:「そう言わずに」運びかけてた皿を取る。

皿をぐいっとひっぱりなおすクベルタ。
変な力がかかった皿は、そのまま2人の手を離れすっとんでいく。
「あーれー」
派手に飛んだ皿は、料理ごと店の入口へ。
その時、ちょうど入口の扉が開いた。

カナン:「ぎゃぱっ」
GM:はいカナン到着でーすw
カナン:というか混ざるつもりじゃなかったんですけど。
GM:いや混ざってくださいよw
ボルシチ:「あっ……大丈夫?」
カナン:「――もう!! なんなんですかこれー!! ちょっと、普通そうはならないでしょ!」

珍しくカナンは怒りを露わにした。
店の中を見回し、転んだままこちらを見ているクベルタと目が合う。

クベルタ:「えっ、あっうぅ」
GM:でも大丈夫、ホムンクルスだからね!
カナン:「あーもう何これべたべたする……あ。ごめんなさい、遅れました」
祝:「誰だって遅れてきた瞬間にボルシチ被ったらそうなるって」
アクシア:「とりあえず、ようやく全員そろったんだし、仕切りなおしてはじめましょう」
カナン:お箸はまだもてそうにないし、ずずーっとお汁でも飲もう。
為真:カナンな、どう接していいかわかんねえんだよな。
カナン:とりあえず、ボルシチの未来から来た話を詳しく聞いておきたい。
ボルシチ:話します。「私、未来から来たんだ」かくかくしかじか。

カナンを加え、歓迎会は進んでいく。
カナンは自身の現状について話す。みんなと並んで、戦えるようになると。

カナン:「スプーンとかあります? まだちょっと慣れなくて」
ボルシチ:「はいこれ。……また、こうして何かやろう? それがカナンちゃんとやりたいことだから」
カナン:「はい。訓練とか変わるだろうから、そこは不安だけど」
祝:いうて俺も、軍の生活は全く慣れてないからなw
為真:「何よりも自分の安全のために、よく訓練するんだよ。うまく何かを言えるわけじゃないけど……一番大事なのは生きて帰ることだと思っているから」
祝:「俺よりサラとかツバサに聞いた方が参考になるんじゃないかな」
カナン:「……ありがとうございます。あの、役に立ちたいので。頑張ります、私」

そうして歓迎会も終盤に差し掛かった時、カナンに通信機で連絡が入った。
所用で来れなかったプシナからだ。

プシナ:「検査の結果が出ましたよー」
カナン:「あ、わかりました。じゃあもう、戻ります」
祝:「検査?」
カナン:「能力の適性というか、私のエーテル反応? を見てどういうギアと相性がいいかとかを見る検査だそうです」
GM:そういうわけでカナンは店から出ていきました。それから……そうだな、アニメでBGMだけ流れてる感じでシーンが動いていきます。
祝:え、なんか嫌な予感。

平和な街が映し出される。
人は減ったが、瑞穂に残ると決めた者たちのたくましい日常が流れていく。
瑞穂基地の内部では、機体の修理のため格納庫の喧騒がもう1週間続いている。
今日も食堂は賑わいを見せ、ヴィヴリオや流月といった幹部が資料を眺め、研究所の明かりは消えることがない。
医務室に主がいないのもいつものことだ。そこには代わりに兵器の研究者のひとりと、カナンが向かい合って座っていた。

しばしの沈黙の後、研究者が口を開いた。
カナンの顔が驚愕に染まる。何かをまくしたてるが、相手の表情は変わらない。
研究者は、再び同じ言葉を告げた。

「――天使力兵器適性はありません」

PL:………。
カナン:「……なんで。私それじゃ……」

「それじゃ、みんなの役に立てない」

「お母さんの役に立てない」

「お母さんに……見てもらえない……!」

カナンの眼から涙は流れない。
ただその声色とわずかに歪んだ表情が、泣いている印になっている。
そのことがいっそう、一つの事実を引き立てた。
人間でもなく、戦うことすらできない存在になったという、その事実を。

祝:誰ですかこんな地獄を作ったのは。
GM:プレイヤーです!w
為真:ダーザインが「カナンからのあこがれ」って……ああぁぁ。
GM:さて、もしかしたらあの後何か追加でやったり食い下がったりしたかもしれませんが……結論はだめでした。黒い天使核は反応しませんでした。

カナンは思わず診察室を飛び出していた。
あてもなく走り続け、自分がどこにいるのかもわからない。
ホムンクルスの体ですら疲れを感じ始めたころ、カナンはぽつりと呟き、立ち止まった。

カナン:「私……なんにもなくなっちゃった。お母さんも、お母さんにもらった料理も」
GM:その時、どこからともなく声が響きます。「あなたはどうしても天使と戦いたい?」
為真:おっと。
カナン:「え…?」

カナンはわずかに驚いたが、不思議とその声に疑問を持たなかった。
ただ求められるように答える。

カナン:「だってそうしないと私……私、戦わなくちゃいけないのに……」
謎の声:「いいわ。だったら私が力を貸してあげる。私と一緒に戦いましょう」

声のする方に振り返る。そこには少女が立っていた。
柔らかく明るい栗毛が肩までかかっている。
カナンとそう年も離れていない。

為真:…………うそぉ。
カナン:「あなたは……」
謎の声:「はじめまして。私、ミライ。よろしくね」

カナンがミライの手を取ると、不思議なことに、これまでと同じように優しい人肌のぬくもりが伝わってきた。
そのそばで、機械の駆動音が響いた。見ると、そこが古い機体の格納庫であることに気付く。

GM:格納庫の中には、旧世代のシュネルギアが1機たたずんでいます。もしかしたら見覚えがあるかもしれない。
祝:待って旧世代のギア?
カナン:あ、そういえば何か言ってたような……。
GM:これは先日八丈島から引き揚げられた機体です。旧世代のシュネルギア――またの名をアぺルギア。

既にその役割を終えたはずの旧世代機。
他に誰もいない空間で、2年の時を経て、「欠陥品」は再びその目に光を宿した。



  エンゼルギア天使大戦TRPGキャンペーン
  第4話「ディアマイフューチャー」



最終更新:2019年08月08日 01:03