作品概要
パラソルスターは、1991年2月15日にタイトーから
PCエンジン専用タイトルとしてリリースされた、半固定画面型のステージクリア方式によるアクションゲーム作品。
同社の看板シリーズの一つである「バブルボブル」シリーズの三作目として発売されました。
プレイヤーは初代作品のシナリオで人間の姿を取り戻した「バビー」と「ボビー」を操り、傘を使って敵を倒しながらステージを進んでいきます。
マルチタップを利用した二人同時プレイが可能。ステージ構成は6ステージ+ボスで構成されたワールドが8つあり、さらに特定の条件を満たすと二つの隠されたワールド現れ、
これを出現させてクリアしたかどうかによって分岐するマルチエンディング方式が採用されています。
グラフィックは当時としては高品質なもので、カラフルで可愛いキャラクターが大きなサイズで描かれ、場面転換ではPCエンジンでは表現が難しいとされる二重スクロールもスムーズに描かれています。
BGMも耳に残りやすく、明るくポップなマーチ風BGMを中心に、作品やステージの雰囲気によく似合った曲が用意されています。
ボス戦闘の音楽は作品発売の数年前よりブームになっていたラテン音楽の「ランバダ」を意識したような曲調になっています。
ゲームシステムは、傘を使った攻撃が特徴的で、敵の攻撃を防御したり、傘の上で敵を回して投げつけるなどの攻撃方法を駆使して敵を倒していきます。
耐久力の設定されていない敵は傘で触れる事で気絶させる事ができますが、傘に物を乗せている時は上方向以外に対して無防備な状態になります。
落下中はパラソルを開く事で落下速度を調節できますが、足元は無防備になります。
またゲーム中には、パワーアップ、攻撃、得点などの用途に用いる様々なアイテムが登場して、これらを見つけて獲得していく事も作品をプレイする上での視覚的な楽しさの一つになっています。
中でも、得点アイテムはステージの至る所に隠されていて、入手得点も華々しい大きさでポップアップ表示されるなど、ゲームクリアに必ずしも必要ではないスコアの獲得にも意欲を向けるように演出されています。
これらのアイテムは直接触れるだけでなく、傘によって敵や雫を投げつける事でも取得できます。
家庭用ならではの演出として、100円玉のアイテムを入手するとコンティニュー用のクレジットが一つ増えるという、アーケードゲームをオマージュした表現も登場します。
難易度は序盤ステージではアドリブでも十分にクリアできる易しめの設定になっていますが、後半になると傘だけでは倒せない大型の敵が出現し始め、
パワーアップをしてない状態では移動力の低さや攻撃手段の乏しさによって、追い詰められてやられてしまう事も起こりやすくなります。
また、真のエンディングを目指すには特定のプレイ手順を踏まないと出現しないアイテムを取得する必要があるため、アドリブの通じにくい、やや決まった手順のプレイが要求されます。
なお、アイテムの出現は仕様を知らなければ一見ランダムに見えますが、必ず出現条件が設定されていて、同じ手順を踏めば必ずそのアイテムが出現するようになっています。
総じて、パラソルスターは、当時のアクションゲームとしては丁寧に作られ、グラフィックやBGMなどの演出も非常に素晴らしい作品です。
しかし攻略スタイルとしてはパターン性が強く、適切なアイテムの取得を意識する必要があるため、初心者には厳しいと感じるかもしれません。
ゲームシステムとしてはオールドスタイルの印象が強い作風ですが、ポップな絵柄のアクションゲームが好きな人には、ぜひプレイしてほしいゲームです。
気になる点
プレイヤーキャラクターである「バビー」と「ボビー」は上方向への防御性能が高い反面、緊急的な切り返し能力や落下方向への攻撃、防御手段が与えられていないため、
安全なステージ攻略のためにはむやみに敵に近寄らずに、一定のポイントで湧き出る雫をためて遠距離から攻撃するという地道な手順になりやすく、傘を使ったシステムがあまり軽快な攻略スタイルに向いていない側面があります。
余談
余談として、バブルボブル3のタイトルを関した作品は本作の他に「バブルメモリーズ」が
アーケード作品として後に発売され、ナンバリングが機種によって不統一になっている作品の一つになっています。
パラソルスターは国内ではPCエンジン専用として発売されましたが、欧州向けとしてはNESやゲームボーイ、Amiga、Atari ST向けタイトルとして広くライセンス移植が行われていたようです。
類似性の見られる作品
- ドンドコドン - 同社製の固定画面型アクションゲーム。アーケード版を原作として、ファミリーコンピュータやPCエンジンにも移植されている。敵を気絶させて投げつけるアクションの流れや、ワールドごとにボスのいるステージ構成の点では本作の本家「バブルボブル」シリーズよりも本作との共通点が多い。