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我が命の光、我が罪、我が魂。 ◆PatdvIjTFg



その中学校に存在する特異なクラブ活動の一つに、善人クラブというものがある。
いわゆるボランティア系のクラブの一つであるが、
運動部室の清掃、遺失物の捜索、いじめの仲介、生徒の悩み相談と、その活動は幅広く、皆に信頼され、重宝されているクラブである。
部内を見てみよう。
一人、椅子に腰掛けて冊子を読む少女がいる。
肩にかかる程の黒髪、平均より少し高い身長、中学三年生ながらにしとやかな美しさ、見るものを安心させる微笑み、
彼女こそ善人クラブの部長、一色である。下の名前はわからない、誰もが彼女を善人クラブの人、善人クラブの部長として認識している。
故に下の名前は重要ではない、ただ重要な事は彼女のイデアが善人クラブであるということである。

「ジェノサイダーさん」
しっとりと落ち着いた声音、一色の言葉が誰もいない部室内に響く。
独り言か、否。この言葉は、部室内にいるもう一人への呼びかけである。

「何?」
読者の皆様も第三の眼を開いていただければ、部室内にはっきりとその姿を見ることが出来るだろう。
霊体化しているが、部室の片隅に佇むは間違いなく英霊。
その、英霊の姿を見よ。蛮人じみて上半身は裸、しかし一転して下に着るは文明的なハーフジーンズ。
しかし何よりもだ、おお、虎よ、虎よ!その全身には虎めいて文様が入っている、
その上、その虎のような文様は、その英霊の感情に呼応して、薄ぼんやりと光るのだ。
そして、首後ろを見よ。
まるで角のように、その部分から黒く尖った物体が隆起している。
人間の近存在であるが故に、なんたる異形であるだろうか。
その姿はまるで、酔っ払った神が作った人の似姿の様である。
しかし、その英霊は神のつくりたもうた創造物ではない、
元は神の創造物でありながら、魔王の思惑によって人の身ながらに悪魔の力を植え付けられた魔人――人修羅なのだ。

「体の調子はいかが?」
「何をしたかは知らないけど、一回ぐらいなら十分に戦えて、君が死なないぐらいのマガツヒが集まってるよ。
まるで……マガツヒ農場だ、絶望、悲哀、憤怒、この学校には何もかもがある……それでいて、君はそんな平然とした顔をしている、全く驚くよ」
「……その感情が」
「え?」

歪む。空気が歪む。少女の表情が歪む。
人を狂気に至らせる青白い月――その三日月のような微笑。

「私たちを必要としてくれる」
だから、私たちは人のために働くのだと、少女は言った。
言葉の意味を考えあぐねて、人修羅は首を捻る。
と、同時に扉が開く。
少女が二人、一人は善人クラブの部員、人のためにこそ働く、素晴らしき奉仕者。
そして、もう一人は。

「部長、悩みを相談したいって女の子が来てますけど」


「えっと……ですね、その善人クラブだったら、どんな悩みでも聞いてくれるっていうから…………」」
「ええ、私たちにできることなら、何だって」
人の喜びこそ、少女の喜び。感謝されることこそ、自分の存在価値。故に、彼女は善人クラブを創った。
だから、何度目だろうと、人に悩みを相談される瞬間というのはたまらない。
何としてでも目の前の少女の悩みを解決してやろうと、一色は思う。
その行為こそが、自身の存在価値を肯定してくれる。

多人数に聞いて欲しい悩みもあれば、たった一人、信頼できる人間に聞いて欲しい悩みというものもある。
この少女の場合は後者だったらしい、故に一色は部室に立入禁止の札を掲げ、懺悔室のように秘密の暴かれることのない空間を創る。
人修羅も同室しているが、その姿は相手の少女には見えないのだから許してもらいたい。

「友達に彼氏が出来て……」
「うん」
「それで、それで…………」
「大丈夫、落ち着いて話せばいいの。話し辛いのなら、話せるようになるまで待ってあげるし、日を改めたっていいのよ」
「……はい」
少女は深く息を吸い込み、吐く。もう一度、繰り返す。
「それで……あの子、彼氏と遊ぶからって、私と遊んでくれなくなって……それで、わたし……友達がいなくって」
「善人クラブに入部したいの?」
「いえ、違うんです……わたし、もう一度、あの子と遊びたいんです……だって、わたしにはあの子しか友達がいないから」
「うん……」

「あの子と彼氏を別れさせたいんですけど」

「それは間違っているわ」
「え?」

「そうまでしてその子を思っているのなら、直接相手と話すべきよ。そんな手段を使っちゃダメよ」

「でも……善人クラブは」
少女が言葉と共に取り出したのは、写真であった。
1枚、2枚、3枚、いずれも善人クラブのメンバーが写っている。
善人クラブがサッカー部の部室を荒らしている様子――サッカー部は部室が汚くなる度に、善人クラブに掃除を依頼していた。
善人クラブがクラスメイトから、こっそりと物を盗む様子――善人クラブは落し物の捜索が上手い
善人クラブがいじめの首謀者に金を渡している様子――善人クラブはいじめの仲介を行っていた。

善人クラブが人を助けるには、誰かが困らなければならない。
その種を蒔く様子。

「こういうことしちゃいますよね?」
「…………」
少女は嗤う、一色は凍りついた様にその微笑を崩さない。

「あの子は私の大切な友達なんです、あの子が、あの子だけが、あの子こそが、だから……助けてくれますよね、一色センパイ」
「……いつか、こんな日が来るんじゃないかと思っていたわ」

他人に感謝されること、それこそが彼女たちの存在意義。
故に、存在証明のために走り続けなければならない、何もかもを燃料として燃やしてしまいながら。

「……明日、屋上で会いましょう」


空は不気味なほどに赤かった。
屋上で一色を待つ少女の感情は異常な程に昂ぶっている。
愛――それこそが、感情の名前だ。
少女は、友人を愛していた。
友人こそが彼女にとって世界に一人だけの存在だった。
だから、その愛を取り戻せることが喜ばしくてたまらない。
いや、この愛は今まで以上に燃え上がることだろう。
傷ついた時こそがチャンスなのだ。

「うん、楽しみ……だなぁ」

屋上の扉が開く。

「あっ、センパ……」
「アンタだったのね……」
「えっ……」

扉を開いたのは、一色ではなかった。
扉を開くと同時に、全力で少女の下に距離を詰め、少女の華奢な体をフェンスに押し付けるのは、誰だ。
ああ、少女の青ざめた顔を見よ、今にも泣きださんとするその顔を見よ。
屋上への来訪者こそが、少女が恋い焦がれた少女。
愛おしくてたまらない、世界にただ一人の彼女の友人。

「アンタのせいでッ!先輩がッ!」
「待って、どういうこと!?」
「先輩に嫌がらせするだけじゃ足りなくなったの!?この人殺しッ!!先輩を返せッ!!!」
「どういうこと……私、そんなことしない!!絶対しないよ!!」
「善人クラブの人が教えてくれたんだ!アンタが先輩に嫌がらせをしているのを見たって!!」

瞬間、少女は悟った。
善人クラブに罪を押し付けられたのだと。
善人クラブは種を蒔く、善人クラブに救いを求めることとなるように。
ならば、自分の知らないところで、善人クラブはあの子の彼氏に種を蒔いていたのか。
いや、それだけではない――罪を押し付けられた。
あの子が正常な判断が出来なくなるほどのことが、あの子の彼氏に起こったらしい。
それに乗じて――いや、その事象こそ、善人クラブが起こしたものなのかもしれない。
言わなければ、あの子に疑われるなんて絶対に嫌だ。

「違う……善人クラブが!善人クラブがやったんだ!!!私はやってない!何も悪くない!!」
「嘘を付くなあああああッ!!!アンタのこと一番の友だちだと思ってたのにイイイイ!!!」
「私じゃない!!私じゃないよ!!!」
少女はふたりとも泣いていた、互いが互いに心が絶望の底に沈み込んでいる。
愛しい人に髪の毛を引っ張られ、押し倒され、殴られ、憎しみの目で以て見られる少女の感情よ。

「私だって、あなたの事が好きだったのにイイイイイイイイ!!!!!」

少女が殴る。
少女が殴る。

少女が殴る。
少女が殴る。

少女が殴る。
少女が殴る。

「ジェノサイダーさん」
「ああ、まるで……マガツヒのシャワーみたいだ。別に殺さなくていいんじゃないかな?」
「私は人の憎しみも、絶望も、悲しみも、いらないわ。
ただ、喜びと感謝、信頼が欲しいだけなの……だから」
彼女たちは気づかない、屋上の扉から彼女たちを観察する一色達の姿に。
そして、彼女たちは気づけない。

「殺しなさい、善人クラブのために」
サーヴァントの真の速さは少女達には色付きの風が吹いたようにしか見えなかった。


「違う……アタシは殺そうとしたんじゃない」
「そうね」

「わかって欲しかったの、アタシがどれだけ辛かったのか。
あの子はいい子だから、ほんとはとってもとってもいい子だから、だから……きっとわかってくれると思ったの」
「ええ」

「だって……あの子はアタシの親友だから……親友なのに……」
「…………」

「アタシ、あの子を殺したの……?アタシが……」

「大丈夫、大丈夫……ね?」

「死体は隠しましょう、貴方はあの子とは会わなかった」

「貴方には先輩が待っているのよ、大事な人が待っているのだから、捕まってはいけない」

「それに、あの子だって貴方が幸せになることを願っているはずよ、例え死んでも」


「大丈夫、きっと全ては上手くいくわ……だから、私を信じてくれる?」
「…………はイ、オねがイします。イっしきぶちょウ。アたしをたすけてくださイ」







善人クラブは、他人に必要とされることで存続している。

【クラス】ジェノサイダー
【真名】人修羅@真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE
【属性】中立・悪

【パラメーター】
筋力A+ 耐久B 敏捷A 魔力A+ 幸運E- 宝具A

【クラススキル】
虐殺者:A-
世界は二度生まれなかった。
ジェノサイダーによって創世の可能性は摘まれ、そのために60億の人間とそれ以上の生命体に新たなる命は与えられなかった。
そのために、人修羅は虐殺者として最高ランクの虐殺者スキルを持つ。
間接的な虐殺であるため、この聖杯戦争においては聖杯の破壊あるいはルーラーとの戦闘において有利な補正を得るに留まる。

【保有スキル】
自己改造:A
自身の肉体に、まったく別の肉体を付属・融合させる適性。
このランクが上がればあがる程、正純の英雄から遠ざかっていく。

話術:E
言論にて人を動かせる才。
詐術や詭弁で共感を得て契約を取り付けるが、
往々に手痛い失敗もする。

神の加護:E-
創世の可能性を破壊した者に与えられた罰。
人修羅は神の恩恵をうけることはない、そのために神の下僕が敵となった場合、自身の全行動に対して不利な補正が加えられる。
また、彼は聖杯に何かを願うことはできない。

【宝具】
『始まりの禍魂(マロガレ)』
ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:- 最大捕捉:1人
常時発動型の宝具、人修羅という存在の根幹を成す宝具であるため魔力消費はほとんど発生しない。
人に悪魔としての第二の生を与える。
禍魂の最高位、マサカドゥスはこの聖杯戦争が東京ではないため持ち込むことは出来なかった。

『地母の晩餐(ガイア・レイジ)』
ランク:A 種別:対軍宝具 レンジ:1~99 最大補足:1000人
仮に何の準備もなく使用した場合、マスターは死ぬ。
準備していても死ぬかもしれない。
広範囲に渡って、自身の魔力の衝撃を大地に伝わせ天を割る。
万能属性ではないので、物理反射ならば跳ね返せるかもしれない。
超威力なのでクリティカルが出ても出なくても死ぬ。

『魔の軍勢』
ランク:- 種別:対軍宝具 レンジ:- 最大補足:3匹
ジェノサイダーの仲魔を召喚するスキル。
ライダーのクラスで無いため使用不可。

【Weapon】
人修羅が生前扱った地母の晩餐を除く7つのスキル
至高の魔弾:敵単体に対し万能ダメージ(大)
真空刃:敵に対して1~4回の特大の衝撃ダメージ
マグマ・アクシス:敵単体に特大の火炎ダメージ
絶対零度:敵に対して1~4回の氷結ダメージ(大)+氷結
ショックウェーブ:敵に対して1~4回の電撃ダメージ(大)+感電
吸魔:敵単体から魔力吸収(小)
チャクラの具足:一日に1割の魔力回復

【人物背景】
世界を創成するために、東京を球状にして世界を崩壊させる東京受胎を、
偶然発生の中心である病院にいた事から他数名と共に生き残った少年。
ルシファーに魅入られ「マガタマ」を体内に寄生させられる事で悪魔へと変貌する。
悪魔が巣食うボルテクス界となった東京をさ迷い、世界の在り方を示す様々なコトワリに触れ、
そして、全てのコトワリを拒み、世界創世の可能性を無くした。

【サーヴァントとしての願い】
無し

【マスター】
一色@絶叫学級7巻(善人クラブ)

【マスターとしての願い】
世界中に善人クラブの善意を広げたい

【weapon】
善人クラブ:聖杯戦争に直接用いることは出来ないが、校内での工作に関して協力を要請することが出来る自身が部長を務めるクラブ。

【人物背景】
メサイアコンプレックスの少女、人間の知恵とは偉大なもので助けを求めている人間がいないのならば助けを求めるように仕向ければよい。
善人ではあるので、助けを求められたら助ける。ただし、そんな邪悪な誘いには勧誘禁止しないかもしれない。

【方針】
善人クラブとして活動することで人修羅にマガツヒ(人情の感情エネルギー)を献上しつつ、その内地母の晩餐ブッパ。

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最終更新:2015年04月26日 19:22