【神話】
「怪奇幻想の文学」
。
ダンセイニやラヴクラフトが読めるのでお得。
たしか最初の4巻本の方は昭和40年代に出てたはず。
そんなに怖い話じゃないけどアナトール・フランスの「聖母の軽業師」
確かE・L・ホワイトやフィッツ=ジェイムズ・オブライエンの短篇を訳してたのが現在の大瀧啓裕氏。
このシリーズではまだ本名表記なのが今見ると微笑ましくもあります。
大瀧氏の訳書は先月刊行のアンソロジー『ラヴクラフトの世界』(青心社文庫)
が、郷愁あふれるクトゥルフ・ワールドで、とても楽しく読めます
『ラヴクラフトの世界』は、
T・E・D・クラインの「ポーロス農場の変事」を読むためだけでも充分“買い”です。
この短篇は「恐怖小説の分野で奇跡の名作」と言われる『復活の儀式』(上下巻創元推理文庫)の 原型とされる作品で、読み比べるといろんな面で実に興味深いです。
ディープな
ゴシックロマンスや怪奇小説通であればあるほど余計に楽しめる構造になっていて
そのへんもマニア心をくすぐるものがありますので、興味のある方はぜひ一読を。
ラヴクラフトクトゥルー佐野史郎主演のテレビドラマは映像化の中では良かったほう。
小説を読まずに『ネクロノミコン』を観ても、単なるホラー映画にしか見えないので
あの雰囲気に興味があるならぜひとも原作を読むことをお薦めします。
「自分とは何ぞや?」という本質的で根源的な恐怖に向きあうには、
クトゥルーの神話大系は格好のテキストになりうるでしょう。
ラブクラフトといえば、クトゥルフとほぼ同時代にチャペックの「山椒魚戦争」がかれていることに興味を覚えます。
半魚人のシンクロニシティでしょうか。
同時代のラヴクラフトの小説の世界観もそうですが
『山椒魚戦争』は地球を支配したかに見える人間中心主義文化に対するカウンターのような気もします。
ちょっと時代が違うかもしれませんがクリフォード・シマックの『都市』にも近いものがありますね。
『都市』では、人類が滅亡した後に、進化した犬が文明を築く世界が描かれますが、
それもやがて、その後に進化した虫の世界に取って変わられる運命にあるという壮大な物語。
それらの小説には、科学の進歩だ何だといっても「人間なんて何程のものなのか」
というシニカルでペシミ スティックな醒めたスティックな醒めた視線が感じられます。
最終更新:2009年05月10日 08:57