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八九寺「アララギさ~ん」


スザク「?」

スザク「僕の名前はクルルギだけど…」

八九寺「失礼、噛みました」

スザク「……?」

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03/12 23:24 URBANO BARON(e)

[1]エルザス
スザク「ねぇ、君は…」

八九寺「…はい?」

スザク「いや、そんな訳ないか」

八九寺「なんなんですか?」

スザク「なんでもない。ただ君が、僕の昔の知り合いに似ていたから、つい…」

八九寺「それは奇遇ですね!実は私も、あなたが私の知り合いに似ていたので、つい声を掛けてしまったんです」

スザク「そう。じゃあ僕はこれで」

八九寺「はい。お気をつけて、クルルギさん」

スザク「君もね」タッタッタッ…

八九寺「はて…?」
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03/12 23:36 URBANO BARON(e) [2]エルザス
1

~阿良々木家~

暦「ふ~ん、そんなことがあったのか」

八九寺「はい。私が自分から阿良々木さん以外の人間に話しかけるなど、前代未聞です」

暦「それは僕としては、そのクルルギとかいう奴に嫉妬せざるを得ないな。八九寺は僕だけの八九寺だというのに…というか、そいつは僕にそんなに似てたのか?」

八九寺「う~ん…」

暦「なんだよ、お前があいまいな返事をするなんて、珍しいな」

八九寺「阿良々木さんに似ていた、というよりは、見覚えがあった、のほうがより正確ですね。不覚にも阿良々木さ~んと声をかけてしまいましたが、あれは単に私が人に呼びかけるのになれていなかったせいで、思わず出てしまっただけなのかもしれません」

暦「なんだよそりゃ。じゃあお前が怪異になってから、どこかで会ったことのある人だったのか?」

八九寺「いえ、そうではないと思います」

暦「じゃあ、いつ見かけたんだ?そのクルルギってやつを」

八九寺「うっすらとですが…たぶん彼は、私の生前の記憶に残っているのです」
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03/13 00:04 URBANO BARON(e) [3]エルザス
2

暦「お前の、生前の記憶…?」

八九寺「はい。彼の風貌は、生前の私の同級生のそれにどことなく似ています」

暦「その同級生の名前は?」

八九寺「たしか、枢木スザクくんだったと思います」

暦「枢木か…たしかに珍しい苗字だし、間違いないかもな」

八九寺「しかし、私の生前の記憶はかなりあいまいなので…」

暦「待てよ、当時のお前の同級生ってことは、今はもう成長して大人になってるんだよな?たしか、お前がもし生きていたときの実年齢は、お前の方が僕よりも少しお姉さんだったはずだ。そういう設定あったよな?」

八九寺「あまりメタなことは言わないでください。レディの年齢を公言するなんていただけませんし、だいいちそれは鬼物語のネタバレです」

暦「お前がさっきあったクルルギってやつは、僕と似た背格好をしていたんじゃないのか?自分で言うのもなんだが、僕は男性の平均身長よりいくぶん背が低いぞ」

八九寺「スルーしましたね…たしかに、私と同い年の殿方にしてはすこし若いような気もしますが……もともと子供っぽい顔立ちでしたし、背もあまり伸びなかったのかもしれません」

暦「たしかにその可能性もあるな。じゃあその枢木ってやつは、何でお前を見て驚かなかったんだろう?小学生のころの知り合いが10年たっても昔のままの容姿で街をふらついてたら、普通驚くんじゃないのか?」

八九寺「そうでしょうか?他人のそら似だと思って片づけるのが落ちだと思いますが」

暦「そんなもんかなぁ……」

八九寺「正直、私の枢木くんに関する記憶はそうとうあいまいなので、この推測にあまり正確さはないのかもしれません。覚えていることは容姿と名前くらいで、あとは全然覚えていないんです。どれくらい仲が良かったのか、あるいは悪かったのか。それすら覚えていないんです…」

暦「ふーん」


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03/13 01:00 URBANO BARON(e) [4]エルザス
3


~翌日~


火憐「兄ちゃん、事件だよ!!」ドスドス

月火「寝てる場合じゃないよ、お兄ちゃん!!」ドカドカ

暦「あぁもうわかったわかった!起きるからそれ以上僕のベッドを破壊しないでくれ!」

火憐「わかればよろしい」

暦「それで、なんの事件なんだ?また詐欺師が出たんじゃないだろうな?」

月火「詐欺師ではないけど、不審者だよ!」

暦「不審者?」

火憐「最近この近所で、小中学生の子供に道を尋ねる不審な男が目撃されてんだ」

暦「道を訊くぐらいで不審者扱いされるのか?世の中変わっちまったなぁ…」

月火「ただ訊くんじゃなくて、その、なんというか…とにかく怪しいんだって!」

暦「それだけじゃわかんねぇよ。もっと具体的に…」

火憐「不審者は若い男、身長はだいたい兄ちゃんと同じくらいかそれよりやや大きい程度」

月火「不審者はきまってこの近所にある公園までの道を訊くんだってさ」

暦「公園?」

月火「お兄ちゃんも行ったことあるでしょ?ほら、団地のほうの…」

暦「あぁ、あそこか」

その公園とは、僕と八九寺が初めて出会ったあの公園のことである。

暦「で?それだけじゃまだ不審者と呼ぶには程遠いぞ」

火憐「あたしと月日ちゃんで、道を尋ねられた児童生徒の何人かに話を聞いたんだけど…」

暦「また正義の味方ごっこか。こりないな…」

火憐「黙って聞いて。その子たちは全員、道を尋ねてきた男を見てなぜだか気味が悪くなったんだって」

暦「はぁ?」

月火「その子たちが言うには、その不審者はけっこう顔立ちの整った好青年なんだけど、なんていうか、その…あんまり人間らしくないというか…」

火憐「つまり、幽霊みたいなオーラをまとってるんだそうだ」

暦「幽霊だ?なんでそうわかるんだ」

月火「道を訊かれた子たちの全員が同じことを言ってるんだよ?幽霊みたいだって。異口同音に。怪しいと思わない?」

火憐「これはもう不審者とみて間違いないぜ!」

暦「ずいぶんと性急な結論だな…」

火憐「考えてみてよ兄ちゃん、不審者の背格好は兄ちゃんとだいたい同じなんだよ?」

暦「それがどうした?」

月火「わたし達ファイヤーシスターズとしては、お兄ちゃんと背格好が同じってだけで、不審者と断ずるよりほかにないんだよ!!」

暦「世界中の僕と同じ背格好の人に謝れ!というか、僕に謝れ!!!」
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03/13 01:02 URBANO BARON(e)

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最終更新:2012年05月20日 00:06
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