26 名前:お中元冷戦1 :2008/07/21(月) 01:29:13 ID:???
夏休みの暑い日、シンが家で兄弟たちとゲームをしているとレイ・ザ・バレルが遊びに来た。
レイ「土産だ」
シン「スイカ一玉とは豪勢だな。サンキュ。早速切ろうぜ」
ロランがいたら切ってくれたかも知れないが、いないのでシンがナイフを器用に操ってスイカを切った。スイカの断面には種が無かった。
シン「あ、種無しスイカだ、珍しい。どうしたんだ?」
レイ「ギル(ギルバート・デュランダル)へのお中元を持ってきた」
シン「勝手にか?大丈夫なのか?」
レイ「問題ない、ギルは『種無し』が嫌いだ。コーラを飲んだらげっぷが出るぐらい確実に機嫌が悪くなるから、俺の判断で処分する。
   それにこんな低レベルな嫌がらせをしてくる奴は誰かわかってる」
シン「大変だな。今うちに何人居るんだ?わからんから適当に切り分けるか」
シンは居間にいる人数より多めに切り分けた。
ジュドー「お土産を持ってきてくれるなんて、俺のダチに爪の垢を飲ませてやりたいよ。ゴチになります」
ウッソ「お返しに後で僕の畑で出来たの持って行って下さい。とうもろこしとか(ニヤリ)」
レイ「とうもろこしはギルが喜ぶ(ニヤリ)」
ルナマリア「レイ気が利くわねー」
ステラ「あまー」
レイ「お前らいたのか…問題ない」
カミーユ「スイカバーでも良かったのに」
シン「何言ってるんだカミーユ兄さん。レイ、お前は食べなくて良いのか?」
レイ「ギルが嫌いなものを俺が好きだと思うか?」
シン「それもそうか…まだスイカだいぶ余ってるな」
そこへキラもやって来た。
キラ「のど渇いた~あ、レイこんにちは。スイカかー涼しそうで良いね。もらって良い?」
シン「あ、それ俺が狙ってた一番甘そうなやつ」
レイ「俺は気にしない。それもこれも遠慮せず食べてくれ」
レイはスイカの残りを全部キラの皿に入れようとした。
キラ「いや、いいよ、こんなに食べたらお腹痛くなるって」
レイ「遠慮するな、お前が下痢ピーでも俺は気にしない」
キラ「いや、僕は困るから」
レイ「シンも気にしない」
シン「俺を巻き込むなー!!」
 何を思ったかレイはその後も執拗にキラに種無しスイカをすすめ続けたのだった。

27 名前:お中元冷戦2 :2008/07/21(月) 01:47:20 ID:???
ステラが種無しスイカをシンの家でごちそうになって帰ってくると、スウェンがくそ暑い日なのに何かを煮込んでいた。
もっとも、スウェンは無表情なので暑がっているのかどうかわからない。
ステラ「何かおいしそうなにおいがする」
スウェン「…治部煮だ。鶏肉と麩と野菜を煮込んでとろみをつけたものだ…これはインスタントだがな」
クロト「金・沢!名・物!」
ネオ「うちの偉いさんは治部煮嫌いだからなぁ。向こうも下らないことするよ。だから気を利かせてこっちで処分してやるのさ」
スウェン「…そういうわけで、夏休みはうちは三食治部煮祭りだ」
ステラ「うぇ、うえーい?!」
ネオ「食費が浮いて良かったなあ」
スティング「うっさい甲斐性なし」
アウル「ごめんね安月給でさあ!」
ネオ「お前ら厳しいなーお兄さんは悲しいぞ」
クロト「おっ・さん!」
ネオ「おっさんじゃない!」

かくして、デュランダルとジブリールのつまらない当てこすり合戦を表面化させないよう、両サイドの若人たちは骨を折っているのである。

シーブック(セレーネ姉さん、治部煮なんて作れたんだ。結構難しいと思うんだけど)
カミーユ(どうせインスタントだろ)
ロラン「シッ、せっかく姉さんが料理する気になったんだから、水を指さないでよ!」
セレーネ「ん?何か言った?」
カミーユ・シーブック(ロランが声を上げるから…)
ロラン(ゴメン…)
コウ「…この味は、高級贈答品の金沢郷土料理セットのサルでもできるインスタント治部煮だね、姉さん」
セレーネ「…えーそうよ。スウェンから巻き上げたインスタントよ」
17歳トリオ(…あああ、コウ兄さんがシナプス先生に影響されて無駄にグルメ気取っちゃって…。
      セレーネ姉さんへそ曲げてるじゃないか…orzorzorz)

36 名前:お中元冷戦・余談 :2008/07/22(火) 00:15:38 ID:???
26-27の補足として。
デュランダル家の場合。
 配達屋「お届け物です。受け取りのサインお願いします」
レイ「はい」
 配達屋「ありがとうございました」
レイ「荷物は…送り主『ロード・ジブリール』、荷物『種無しスイカ』…まずいぞ」
デュランダル「おやレイ、何が届いたのかな?」
レイ「め、メロン」
レイは事実を伏せてそう答えた。まあウォーターメロン(スイカ)もメロンもメロンのうちだし、ウソも方便だ。
デュランダル「そうか、今夜のデザートが楽しみだな」
デュランダルには「種無し」は禁句だった。普段は冷静沈着な人物だが、「種無し」やこれに類する言葉を見聞きすると不機嫌になる。
 原因は彼の若い頃のつらい記憶だ。デュランダルは若い頃同じコーディネーターのタリアと結婚まで考えていたが、
コーディネーター最大の欠点である低い生殖能力が原因で子供を作れないことが判明し、別れていた。
 以来、マジシャンが「種も仕掛けもありません」と言っても腹を立てるし、デザートで種無しブドウが出てきたらキレるほどだ。
そういうわけでレイは独断で種無しスイカをデュランダルに知られず処分するため、兄弟一家を訪れたのだった。
26へ続く。

 種無しスイカを食べたウッソは約束通りレイにトウモロコシを分けてくれた。
ウッソ「デュランダルさんは種多いの好きなんですよね」
レイ「あとメロンはないだろうか?」
ウッソ「それも作ってますけど、そっちも分けるかどうかは条件次第ですよ」
レイ「…ルナマリアのMSシミュレータ搭乗データ(ニヤリ)」
ウッソ「…商談成立ですね(ニヤリ)」

ジブリールと強化人間一家の場合。
ジブリール「おいネオ、今日中にそこのお中元の整理しておけよ」
ロゴス代表のジブリールは、むやみやたらに届くお中元の整理を直属のすぐやる課(別名ファントムペイン)のネオに押し付けることにした。
ネオ「はいはい、お仕事お仕事っと…あの野郎つまらない雑用ばかりさせやがって。あんな奴にお中元贈る奴の気が知れないなあ。
   どんな奴が贈るんだ?…モ○プチ6カ月分、なめ猫DVD、それにこいつは治部煮セット6カ月分…おーうグレート数だけは多いぜってやつ?
   贈り主はデュランダル氏で、「ジブ煮ーる」ってワケかい。あちらさんもくだらないことするなあ。
   …まあこれ見たらうちの小物様どうせファビョるしな。もらっておいてやろう。これも整理だ、整理」
そういうわけでネオは独断でジブ煮をジブリールに知られず処分するため、黙って持って帰ってきたのだった。
27へ続く。

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最終更新:2013年09月18日 18:48