390 名前:カテキョ!-ある夏の日編- 1/2 :2008/08/02(土) 22:05:26 ID:???
ある夏の日

マリナ「でね…ここはこうなってこうなるから…こうなるのよ。判った?」
 刹那「…ガンダムだ

ボーンボーンボーンボーンボーン

 マリナが教科書の説明をし終えたところでちょうど時計が夕方の五時を指した。
マリナ「はい、じゃあ今日のお勉強はここまでにしましょうか」
 刹那「ミッションタイム・オーバー。これより撤収作業に入る」
そういいながら卓袱台の上の勉強道具を片付ける始める刹那。
マリナはそのまま台所で夕食の準備を始めているロランのところへと向かう

 ロラン「お疲れ様です、マリナさん」
マリナ「いえ、そんな 刹那君は頭が良くて呑み込みも早いし、優しい良い子で私もなんだか弟が出来たみたいで嬉しいんですよ」
そういいながらマリナはロランの予備の割烹着を手馴れた手つきで身に着ける。
ロラン「その上いつも夕飯の手伝いまでさせてしまって本当にすいません」
マリナ「ロラン君の料理の手際はとても勉強になりますし、それに料理って作るの楽しいんですよね」
ロラン「マリナさん、貴方って人は……だ、そうですよ、セレーネ姉さん!」

ロランは縁側でぐた~と寝転んで携帯TVを見てるセレーネに聞こえるように大声を上げる。
セレーネ「はいはい…どうせ私は炊事洗濯掃除なにもできませんよ~だ」
そういうセレーネの元にマリナは冷たく冷えた麦茶を運んでくる。

セレーネ「ん、せんきゅ」
セレーネは其れを受け取ると美味しそうに喉を鳴らして飲み干す。
マリナ「でもセレーネさんは立派な研究所にお勤めじゃないですか。私理数系は全然ダメなので才能豊かな女の方って尊敬しちゃいます」
セレーネ「聞いた?ロラン。マリナさんが私を立派な研究所に勤める才女だと褒めてくれてるわよ~」
ロラン「はいはい」
マリナはそんな二人のやり取りを聞きながらクスクスと楽しそうに笑っている。

ピンポーン
 ロラン「シロー兄さんかな?姉さん出てくださいよ」
セレーネ「ん~私今手が離せない~」
マリナ「私が出ますね。はいは~い」

マリナはスリッパをパタパタさせながら土間に向かうと玄関のカギを外し扉を開ける。
マリナ「おかえりなさいませ、シローさん。あらドモンさんもご一緒だったんですね、おかえりなさいませ」
シロー「や、やぁマリナさん。ただいま…」
ドモン「ただいま…そこで偶然シロー兄さんにあってな…」
マリナ「そうでしたか、では」
マリナはシローのカバンを受け取ると二人分のスリッパを用意する。
シロー・ドモン「「あー、マリナさん。実は…」」
そういう二人をずいっと押しのけ二人の女性がマリナの目の前に現れる。


391 名前:カテキョ!-ある夏の日編- 2/2 :2008/08/02(土) 22:11:22 ID:???
一人はシャギーの入った薄緑色の髪に垂れ目のお嬢様風、もう一人は動きのある栗色の髪にヘアバンドをした意志の強そうな女性だ。
アイナ「初めまして、アイナ・サハリンです。シローさんとは婚約直前まで来てる仲ですの」
レイン「初めまして、レイン・ミカムラです。ドモンのトレーナー兼メディカルドクター勤めております」

 一瞬きょとんとしたマリナは慌てて割烹着を脱ぐと二人に対して深々と頭を下げる。
マリナ「初めまして私、マリナ・イスマイールと申します。今は刹那君の家庭教師を勤めさせていただいております。どうぞよろしくお願い致します」
マリナはそういうとさらに来客用のスリッパを二つ出して立ち上がる。
マリナ「シローさん、ドモンさん。立ち話もなんですし、お二人にもおあがりになってもらってくださいな。すぐお茶を入れますから」
マリナはそういとパタパタと台所のほうへ引っ込む。

シロー・ドモン「……(汗」
 二人はそれぞれの恋人の突き刺すような視線に嫌な汗が出てくるのを感じていた。
アイナ「マリナさんって随分美しくて礼儀正しいお方ですのね、シロー」
シロー「いや…アイナほどじゃないよ…」
レイン「単なる家庭教師ですって?それにしては随分割烹着が板についてるようね、ドモン」
ドモン「だからそれはロランの夕食の手伝いを…」
アイナ、レイン「「ふ~ん…それで?」」

ロラン「どうです?向こうの様子は」
 台所でロランは食事を作る手を休ませることなくセレーネに尋ねる。
セレーネ「空気が石のようだわ(笑)其れにあんなにバツの悪そうな顔してるシローとドモン見るの何年ぶりかしらね~」
 客間に偵察に行っていたセレーネが面白そうに答える。
マリナ「あの…やっぱり私が事情をちゃんとお話した方が…」
セレーネはマリナの目の前でチッチッチと指を振る。
セレーネ「ダメよ~当事者の貴方が何を言っても状況は悪化するだけ」
マリナ「…はい」
ロラン「もうすぐアムロ兄さんが帰ってくるから仲裁してもらいましょう」
セレーネ「そうね、其れが一番だと思うわ」

ピンポーン

 セレーネ「うわさをすれば影ね」
ロラン「マリナさん。悪いけどアムロ兄さんに事情を説明してもらえますか?僕は最後の仕上げで手が…」
マリナ「はい…お任せください」

 土間まで来たマリナが玄関の扉を開けるとそこにはアムロの姿があった。
マリナ「お帰りなさい、アムロさん。実は大変な事が…」
アムロ「や、やぁマリナさん、ただいま…」
アムロは引きつった顔でマリナにしきりに目配せをする。
そんなアムロを押しのけるようにずずずいっと色とりどりの華やかな女性達が前に進みでる。
ベルトーチカ、ユウリ、アリョーナ、カニンガム、チェーン「「「「「初めまして、あなたがマリナさんね?私は…(以下略」」」」」
マリナ「………さすが刹那君のお兄様。真のガンダムだけの事はありますね…」

アムロ「あははは…はぁ~(なんでこーなるの)」

どうやら色んな所を回り回っているうちにマリナに関する噂に尾ひれ背びれが付いてしまっているようだ。
そして三人の男がそれぞれの女性の誤解を解くのに深夜までかかったというお話だったとさ。


          END

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最終更新:2013年09月18日 19:13