124 名前:踊る!日登町商店街 :2008/08/30(土) 17:56:05 ID:???
久方ぶりに唱えよう!パラレルパラレルルルルルルー
お祭りシーズンには早いかなー?

エイムズ「うん?」
ギャバン「どうした、エイムズ」
エイムズ「あれは…アマダ隊長のご兄弟では…」
ギャバン「おう…あれはアル君か…」
エイムズ「なにやら荷物を広げてますが」
ギャバン「ジョン、届けは出ているか?」
ジョン「はっ、え~~っと……あ、ありますね。
     あそこのパン屋の主人、キース・レジェの名前で、楽器の使用申請が出てます。

  今日は日登町商店街が主催するお祭りの日。
  公園やスタジアムで大きなイベントが行われ、幹線道路のほとんどが車両通行禁止の歩行者天国になっている。
  まだ早い時間とあって、人通りもそれほどではないか、
  気の早い大道芸人が芸を披露したり、屋台の組み立てや仕込みに忙しい連中もいる。

  そして、パン屋『ドンキー』の前にもリアカーから荷物を降ろしている子供たちの姿があった。
  ちなみに、このリアカーはジュドーやガロードが引いている姿をよく目撃されている。
アル「あっ! ギャバン隊長だ!!」
シュウト「こんにちはー」
ギャバン「アル君に、シュウト君、だったか?
      二人とも祭り見物…にしては、随分と粋な格好だが…」
アル「へへ~、いーでしょー」
  二人ともトリコロールのポンチョにソンブレロという格好である。
ギャバン「このソンブレロは…紙製か?自分で作ったのか!」
シュウト「そうでーす」
ギャバン「ほぅ、さすがガンダム兄弟だな、よく出来てる… ところで、今日は二人だけかな?」
アル「ちがうよ、ロラン兄さんと、ガロード兄さんにティファおねーちゃんも一緒」
ギャバン「ほう…」
ロラン「ギャバン隊長?」
ガロード「げっ!」
ギャバン「いよぅ、ロラン。
      それと、人の顔を見るなり回れ右とは、元気そうだな、このいたずら坊主!」
  太い腕が伸び、今まさに逃げ出さんとしたガロードの襟首を捕まえる。
  その隣には、驚いて大きな目をさらに丸くしているティファの姿もあった。
ギャバン「今日は何をしたんだ?盗みか?偽造か?」
ガロード「うわ~っ!何にもやってないよっ!」
ギャバン「だったら何で逃げる」ニヤニヤ
ガロード「う…その、なんとなく…」
ギャバン「後ろめたいことがあるからだろう。あんまりカトック先生に心配かけるなよ」ウメボシグリグリ
ガロード「あだだだだ!」


125 名前:踊る!日登町商店街 :2008/08/30(土) 17:57:04 ID:???
アル「ねー隊長、ボルジャーノンは?」
ギャバン「近くに待機させてある。 祭りの日は何が起こるかわからんからな。
      その上、何処もかしこも人手不足だと言うことで我々も警邏の真似事と言うわけだ」
ロラン「お仕事ご苦労様です」
シュウト「シロー兄さんもお祭り来てるの?」
エイムズ「アマダ隊は南口担当だ。残念だったな」
シュウト「そっか…」
ガロード「ぜってー“エイプリル”見に行ってるんだぜ」ハナセー
ギャバン「エイプリル?誰だ?」ヘッドロックギリギリ
ロラン「セシリーの事です。今日はあちらでもイベントをするらしくて」
ギャバン「“も”と言う事は…」
ロラン「ええ、僕たちはドンキーで客寄せの手伝いです」
ギャバン「ふむ、ローラ・ローラのお出ましか? 御曹司が飛んできて店ごと買占めそうだが」
ロラン「違います。僕はこのまま、普通に!接客です」
ジョン「なんだ、残念…」ボソッ
エイムズ「ジョン?」
ディアナ「まったくです」
ハリー「………」
ロラン「ディ、ディアナ様!」←ひっくり返った声
ギャバン「月の女王!?」
ロラン「い、いつのまにこちらに!」
ディアナ「なにやら楽しそうなことをやっているとキエル・ハイムより伺いまして」ニッコリ
ハリー「ギンガナムも張り切っていた。随分と大きなイベントのようだな」
ロラン「お祭り、好きそうですよね、ギンガナムさん…」

ギンガナム「小生、本日も絶!好!調!であーーる!!」





126 名前:踊る!日登町商店街 :2008/08/30(土) 17:57:57 ID:???
ガロード「んじゃ、始めるぜー!!」
アル&シュウト「「YA!HO!」」
  アルの奏でるトランペットが高らかに鳴り響き、
  シュウトの手にしたクラベスが軽快なリズムを刻む。
  大小二つのトムトムをストラップで吊るしたガロードがマレットを振るうと、
  そこはラテンな世界だった…

 編成がわずか3人と言うこともあってジャンル的には微妙な所だったが、ガロードの刻むリズムには、
  細かい分類などどうでもいい、と思わせるだけの楽しさがあった。
トニヤ「ぅアタシも混ぜれーー!」
  いつの間に来ていたのか、足を止めた人たちの間から、我慢しきれなくなった様子でトニヤが飛び出す。
 観客たち「「「おおお~~~」」」
  何処とは言わないが、トニヤの持つ健康的かつ豊かな部分が弾む様子に目を奪われる男たち。
  もちろん、周りの女性からは、冷ややか~な目で見られたり、足を踏まれたり、脇を抓られたり。
ガロード「トニヤ、ほらよっ!」
トニヤ「おー、気が利くじゃない!」
  投げ渡されたタンバリンに機嫌を良くするトニヤ。
  華やかさが一気に上がり、周囲も盛り上がる。
ルナマリア「うううう~~~~~」
メイリン「お姉ちゃん?」
ルナマリア「もー我慢できないっ!ルナマリア・ホーク、いきますっ!」
メイリン「ちょ、お姉ちゃんっ!?」
  ルナマリア・ホーク参戦。
  トニヤとならんで元気よくステップを踏み、そのたびにピンクのミニがひらりひらりと翻る。
 観客たち「「おおっ!」」

  目ざとい輩が超ローアングルからお宝ショットを狙うが…
ビクザム「ハロ?」
  と、ことごとくアルの連れていたハロ、『ビクザム』が割り込み、
  結局、丸いあんちくしょうのセクシーショットでメモリーが埋め尽くされたという。
カメコA「こ、この球体がっ!」
  怒りに切れたカメコがビクザムを捕まえようと手を伸ばすが、
  その手をさらに捕まえる、たくましい腕があった。
ウィッツ「ちょいとお客さん、かってに写真とか撮られるのは困るんですがねぇ」
カメコB「なんだよキミはっ!」
ウィッツ「あ゛? 俺が誰だか、テメェに関係あんのか?」
  某○賊狩りもかくやという眼力に圧されては、カメコたちは尻尾を巻くしかない。
カメコA「い、いえ…」
カメコB「失礼しました…」
  すごすご。
ウィッツ「ふん、ガンダム乗りをなめんじゃねぇ」
トニヤ「カタギの人を脅かしてるんじゃないっ!」
  投げつけられたタンバリンがすぱーん!と景気のいい音を鳴らした。

127 名前:踊る!日登町商店街 :2008/08/30(土) 17:59:32 ID:???
 踊る阿呆に観る阿呆、というわけではないだろうが、この美少女二人の参加は、
  体を動かしたくて仕方が無かった人々の後押しとなる。
ディアッカ「ふっ…我が日舞の冴え、魅せてくれよう…」
イザーク「いや、どう聞いてもラテン系だから」
ディアッカ「判らんやつだな。そこをあえて合わせるのがアートなんじゃないか。
       行くぞ」
イザーク「ちょ、ちょっと待て、俺まで巻き込むな」
ニコル「さっきから貧乏ゆすりみたいにリズムを取っといて何を言ってるんです。
     素直にお付き合いしましょう」
イザーク「お、おい…いや、あの、今から会場入りすればだな、リハ前のラクスに会えるかも…」
ミゲル「おーいガロードー、俺たちも混ぜてくれー」
イザーク「聞けよ、お前ら!」
ラスティ「はいはい」←聞いてない
 ディアッカ「グゥゥゥレイトオオオオォ!!」

ガイア「オルテガ!」
オルテガ「応っ」
ガイア「マッシュ!」
マッシュ「はっ!」
ガイア「ラテンのリズムと聞いては我々が出ぬ訳にはいくまい!行くぞ!」
オルテガ&マッシュ「「おうっ!」」

ロアビィ「先輩は参加しないの?」
エニル「トニヤに先を越されちゃったからね、乗りそこなったと言うか(苦笑」
ロアビィ「おやまあ」
エニル「あと、賑やかな曲って苦手なのよ」
ロアビィ「じゃあ、今から落ち着いたバーでもいかない?もちろん、オゴッ!」スパーン!
トニヤ「そこっ!ナンパ禁止っ!」


ディアナ「ハリー・オードは踊らぬのか?」
ハリー「は、武辺者にて、あの手の踊りはあまり得意ではありませんので」
ディアナ「で、あるか。 ……さすがにワルツを演じてくれとは言えませんね」
ハリー「………器用にこなしそうな所が、恐ろしくはありますが」
ディアナ「た、確かに」クスクス
シャギア「あの兄弟の中では、クラッシックは長兄と三男、八男と、
      十から十三男が対応します…いや、十六男も加えるべきか」
  シャギアの視線の先では、軽快にトランペットを吹き鳴らすアルの姿。
ハリー「…居れば、できるのか…」
オルバ「評判の大家族ですから」
ディアナ「さすがお詳しい」
オルバ「それが僕たちです。 女王陛下におかれましてはご機嫌麗しゅう…」
ディアナ「これよりも、彼の兄弟たちの守護、よしなに」
シャギア「はっ」
オルバ「我らが身命を賭して、必ずや」
シャギア「(別に、誰かに命じられたからやるわけではないがな)」
オルバ「(でも、スポンサーは一応、敬っておかないとね、兄さん…)」
シャギア「(その通りだ、オルバよ…)」

128 名前:踊る!日登町商店街 :2008/08/30(土) 18:00:45 ID:???
 チリリン♪
ロラン「いらっしゃいませー」
おばちゃん「こんにちは。表で騒いでたらおなか減っちゃって。
       相変わらずい~い匂いね」
キース「ありがとう御座います。おかげさまで…」
おばちゃん「そういえば、奥さんもうすぐなんだって?
       色々大変だろうけど…がんばってね」
キース「はい」
ロラン「○×△円ですね…毎度ありがとうございました~」
キース「毎度どうも!」
  チリリン♪
ロラン「………ガロードたちは上手くやってるみたいだね」
キース「ああ、予想以上だよ。追加ももっと焼かないとな。
     …しかし、お前の弟たちにあんな才能があったとはなぁ…」
ロラン「えへへー、すごいでしょー」
キース「お前を褒めたんじゃねえっつーの」
  チリリン♪
ロラン「いらっしゃいませー」
フラン「よっ!」
キース「なんだ、フランか…」
フラン「なんだとはご挨拶ねぇ客商売!
     …まぁ、客じゃないから愛想売られても困るんだけど」
キース「結局冷やかしなんじゃねーか」
ロラン「お祭りの様子はどうだった?」
フラン「盛り上がってるわよー。南口商店街の方は、
     セシリーが超セクシー衣装でマドンナ熱唱してて、大騒ぎ」
キース「ほう!超セクシー!!」キラリン
ロラン「ベルレーヌさんにいいつけるよ?」
キース「なっ…ロラン貴様、裏切るのかっ!」
フラン「安心なさいよ、ロランが言わなくてもあたしが言いつけるから。 捏造写真つきで♪」
ロラン「フラン…それは洒落にならないから止めよう…」



129 名前:踊る!日登町商店街 :2008/08/30(土) 18:02:13 ID:???
ガロード「んじゃあ、こっから、ここまでの人は、このリズムね!」
  観客に向かって、トムトムを叩き、リズムを伝える。
  観客たちは、リズムに合わせて手拍子を始めた。
ガロード「んで、こっちの人たちは、このリズムで!」
  いわゆる『裏』を取るタイミングでリズムを刻む。
ガロード「おっけー!!いい感じ!みんな天才!!」
  朗らかに笑いながらガロードがさらにリズムを乗せる。
トニヤ「♪~~~~」←すでに踊ってる人
ミゲル「ニコル、大丈夫か?」
ニコル「Bebopって初めてですけど…出来ないとは言えない流れですねー」
イザーク「♪~~~~」←すでに踊ってる人弐号
ガロード「ニコルさん、いけるかい?」
ニコル「うん、大丈夫。やってみる」
  ガロードがキラから強奪してきたという、ヤマハのキーボードに指を走らせるニコル。
  他にも、楽器を持ち寄った者、ガロードが空き缶やペットボトルで即席に
 作り上げた打楽器を持つ者などが加わり、奏者だけで十数人の大所帯になっていた。
  手拍子を合わせる観客や、その輪の中で踊っている連中まで合わせると、
  すでに百人近いだろう。

シュウト「ガロード兄さんって、すごいや…」
アル「うん…」
  体力のない小学生組は、蒲柳の質であるティファ共々、休憩しながらのプレイだったが、
  ガロードは朝から動きっぱなしだった。
  ドラムを叩き、観客を盛り上げ、時には一緒に踊り、笑い、揉め事があれば間に
 入って仲裁を勤めたりもする。
ティファ「ガロード……」
  少年が動くと、人々の輪が広がる。
  手拍子が、笑い声が、歌声が広がる。
  それは、NTと呼ばれた少女が持ち得なかった『力』だった。
ティファ「ガロード……」
アル「ティファお姉ちゃん、大丈夫?」
シュウト「どっか痛いの?」
ティファ「違うの。
      嬉しいの。
      ガロードが居てくれて…。
      ガロードのことを、こんなに好きなことが、嬉しいの」
シュウト「ティファお姉ちゃん…」
  一際高い歓声があがった。
ガロード「ありがとー!ありがとー!!大好きだぜおめーら!!」


おわり。

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最終更新:2013年09月20日 21:22