698 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/11/05(水) 23:56:13 ID:???
ガンダム兄弟の食卓(元ネタはアレ)
ドク、ドク、ドク。
高鳴る心臓の鼓動が、山野で鍛えた野性のカンが、ドモン・カッシュに今までにない危険を感じさせていた。
原因は、目の前で湯気を立てるキノコのリゾット。
セレーネ「ドモン、冷めると味が落ちちゃうわよ?」
作った張本人のセレーネはにこやかに勧めるが、目が笑っていないように思えた
ロラン「このリゾットすごくおいしいですよドモン兄さん」
ロランはにこやかに勧めてくる。
ヒイロ「任務完了」
リリーナの手料理でないので安心したのか、ヒイロはあっという間に食べていた。ヒイロともあろう男が無警戒過ぎるように思えた。
アルとシュウトも、特にキノコ好きと言うわけでもないが、喜んで食べた。
マイ「姉さんがこんなのを作れるとは思いませんでした。これはレシピに残して、あと報告書も」
コウ「長いのいらないよ」
マイは掘り出し物を見つけたようなテンションだった。コウはニンジンではないので普通に食べていた。
シーブック「材料はキノコと米とチーズ…何のキノコだろう?でもこの材料でキノコパンも作れるな。
米でもパンを作れるから、朝米主義ならパン派も米派もみんなハッピーじゃないか」
シーブックは食べ物を見るとパンに結び付けて考える習慣がついてしまった。
カミーユ「熱苦しいなあ。早く冷めてくださいよー」
カミーユはまだ口をつけていない。猫舌らしい。
その両側から早々と平らげたジュドーとガロードが獲物を狙う猫の目つきでカミーユの皿を見ている。その正面で刹那が食欲介入する気でスタンバっている。
キラ「ギンガナムさんが
来ないでゆっくり朝食を楽しめるなんて久しぶりだー。ところで昔、温泉地の美人四姉妹と居候の従兄弟がキノコのリゾットを食べたら」
シン「ハイハイ、ソレナンテエロゲソレナンテエロゲ」
キラの話が長くなりそうなのでシンは謎の呪文を唱えてスルーした。ギンガナムは結局来なかった。
アムロ「ちゃんとしたキノコを使ってるようだな…だったら大丈夫か。材料さえ間違えなければそこそこのものは作れるようだからな」
シロー「昔みたいにトリュフチョコをキノコの一種だと思い込んでトリュフチョコのスパゲティを作ってきたようなことはなさそうだね」
半信半疑の様子でゆっくり食べているアムロとシローに、
ウッソ「大丈夫!僕はキノコだって詳しいんだ。その僕が大丈夫だって言うんだから信じてよ」
ウッソがキノコ頭を振り振り熱弁した。
山野で師匠ともども、食用に出来るキノコというキノコを食べ、時に飢えのあまり毒キノコを食し、笑いタケで笑い狂い、
金に困ってマツタケの取れる山からマツタケを根こそぎ採って売りさばき、
干しシイタケがマジックマッシュルームと思われて宇宙港で拘束された経験もあるドモンもいっぱしのキノコ通を自認している。
なのに自分の経験を無視してウッソの知識を鵜呑みにして良いものかどうか…。
ドモンが自分の経験から導いた結論を言い出した時にはもはや手遅れだった。
セレーネがリゾットに使った「セイカクハンテンダケ」の中毒症状でドモンが自信が持てず散々迷っている間に、家族全員の中毒症状が進行し、
アムロは「ええい、このスイッチだ!」とモニターを叩き壊しまくり、シローとコウが冷徹かつ傲慢不遜な態度で刺々しい会話を交わし、
ヒイロが異常なハイテンションで「L!O!V!E!りりぃぃぃぃなあぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ(*´∀`*)」と叫び、
ザクがかっこいいと言う刹那とガンダムが最高だと言うアルがけんかを始め、キラが意欲的に収拾をつけようとしている横で、
パピヨンマスク(アムロの私物らしい)と股間にブリキのちょ金魚をつけただけの変態仮面ロランが野蛮な叫びを上げて暴れ回り、
セレーネがしおらしく、私が部屋に生えてた正体不明なキノコを使ったのが悪かったんですぅと素直に白状しながら泣き崩れ、
それを見ても報告書なんて面倒くさいと知らぬ顔を決め込んだマイはモニクに卑猥ないたずら電話をかけている…というような惨状だったのだ。
(つづく)
699 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/11/05(水) 23:58:18 ID:???
ガンダム兄弟の食卓(元ネタはアレ)
オリヴァー・マイによる「セイカクハンテンダケ集団中毒事件」の報告書
「 か
ゆ
う
ま 」
(おわり)
最終更新:2013年09月22日 22:36