601 名前:魔法の中尉ブラスター・マリィ『召還』1/4 :2009/04/28(火) 09:57:46 ID:???
マリナ「♪~♪~♪~」
“少女”は、にこやかにはたきを振るう。
一振りごとに、目の前が綺麗になってゆくのだ。
彼女にとって、これほど楽しいことはなかった。
マリナ「♪~♪~♪~」パタパタ
テロリストH「な、なんなんだよ、お前は!!」ドタタタタタタ
マリナ「♪~♪~♪~」パタパタ
カラカラカラ……
乾いた音を立て、地面に転がる弾丸。
マリナ「うふふ♪」
テロリストH「ひっ!」
マリナ「さぁ、キレイキレイしましょうね~~♪」
少女はにこやかにはたきを振るう。
一振りごとに、男の手にしたマシンガンが、ホスルターの拳銃が、
鞘に収められたナイフが、ばらばらと部品を撒き散らしながら落ちてゆく。
マリナ「んふふっ♪」
テロリストたち「「「ぎゃああああ!!」」」
強力を寄る辺としていた男たちは、一斉に武器を投げ出し、走り出した。
おそらく、死神に肩をたたかれてもこれほど恐怖はしなかっただろう。
マリナ「あ… もう! お掃除まだ終わってないのにぃ!」
ぷんぷん!と、はたきを持った手を腰に当て、小さく――十二、三歳ほどであろうか――
なった
マリナ・イスマイールは頬を膨らませた。
体を包むのは、旧ジオン公国幼年学校の制服である。
ゆったり目の半ズボンとひざ下丈のソックスが愛らしい。
マリナ「あ! せんぱーい!」ブンブン
マリィ「ん?」
マリ「こっちよ、准尉!」
手招きされ、パタパタと駆け寄る少女。
マリィ「この子は?」
マリ「私たちの仲間よ。 と言っても、キャリアはあなたとそれほど変わらないけどね」
マリナ「魔法の准尉、ブラスター・マリナです! 始めましてーー!」ニパッ!
マリィ「はじめまして。 私は魔法の中尉、ブラスター・マリィです。
…えっ? こんな子供が戦ってるんですか?」
マリナ「マリナ子供じゃないもん! 花も恥らうにじゅうよんさいだもん!」
マリィ「にじゅう…ええっ! 年上っ!」
マリナ「うやまいたまえ」エッヘン
マリィ「――――」パクパク
602 名前:魔法の中尉ブラスター・マリィ『召還』2/4 :2009/04/28(火) 09:59:34 ID:???
マリ「“変身”とはそういうものよ、中尉。 理解できなくても納得しなさい」
マリィ「りょ、了解…」
マリナ「…中尉さん?」
マリィ「は…い、そうですが…」
マリナ「…一番したっぱです。 マリナの方がせんぱいなのに…」イジイジ
マリィ「じゅ、准尉…」
ティキィィィン!
マリ「!!」
マリィ「危ないっ!」
アスファルトを蹴って宙に舞うマリと、マリナを抱いてそれに続くマリィ。
爆発!
マリ「くっ!」
マリィ「赤いビーム? まさかっ!」
マリナ「すごいすごい~♪」
ジョニー「アヘッドだと!?」
シン「知っておるのか、ライデン!」
ジョニー「…そのフレーズは止めて、お願いだから」ウルウル
シン「す、すまん…つい… それで、あのMSはなんだ? 見たこともないが…」
ジョニー「連邦軍が新しく開発したっていうバリバリの新鋭機だ。
配備が始まったばかりで、定数をそろえてる部隊すらないはずだぞ」
シン「そんな最新鋭機が3機も… いったい何が…」
テロリスト1『くっ… 地上部隊は全滅か… おのれ…体制の犬め!』
マリ「うるさいっ!!」
マリィ「た、大尉?」
マリナ「わんわん♪」
マリ「この後片付け! 誰 が や る と 思 っ て る の !!」
テロリスト1『…へ?』
マリ「こんなに散らかして…砂利とか埃とか盛大に巻き上げてくれちゃって!
後片付け! お掃除! お洗濯!
それがどれだけ大変なのか、わかってての狼藉でしょうね!!」
テロリスト1『せん…我等の理想を、洗濯ごときと比べるな!』
ぶちっ!!
マリィ「え?」
マリ「ごとき…ごときっつったか!」ゴゴゴゴゴゴ
マリィ「ちょ、大尉!?」
マリ「ゆるっっっっさん!!」
よりファンシーに生まれ変わった、新生魔法の布団たたきを天に掲げるマリ。
マリ「 1日 ザ ク ーーー!!」
603 名前:魔法の中尉ブラスター・マリィ『召還』3/4 :2009/04/28(火) 10:01:15 ID:???
魔法の大尉ブラスター・マリが魔法の布団たたきを掲げるとき、
空の彼方より、鋼の巨人が飛来する!
見よ! 全高17.5m! 体重34.2t!
超硬スチール合金の鎧を纏い、4300kwのジェネレーターがうなりを上げる!
その名も、1日ザク!
1日ザク「しゅごーーーー……」
マリィ「……旧ザクじゃないですかーーーー!!」
マリナ「大変! 私たちも、もびるすーつを呼ばないと!」
マリィ「え? 呼ぶって…」
マリナ「3対1じゃ、せんぱいも大変だと思うんです!」
マリィ「いえ、あの、旧ザクだと、3機が30機でも…」
思いつめた表情のマリナは、魔法のはたきを両手で握り、一心に祈り始めた。
マリィ「あのぉ…」
ぴちょん…
マリナ「助けて! エッちゃん!」
どっ!
小さな水溜りから、巨大な水柱が立ち上った。
テロリスト2『なっ、なんじゃああああ!!』
じゃきん!
マリィ「………」
その水柱をGNソード…否、GN高枝切り鋏で切り裂き、
ガンダム・エクシアが現れる。
フェルト「うそ…エクシアのGNドライブはダブルオーに…」
ガロード「なんだ、あの背中…」
ティファ「ハート?」
そう! GNドライブを取り外されたガンダム・エクシアは、
マリナ・イスマイールの厖大な愛と魔力を源とする無敵のガンダム、
ガンダム・エッちゃんとして生まれ変わったのである!
(たまにGNドライブを戻されて、エクシアR2として活躍することもある。)
マリィ「あーー…… そういうノリなわけですね…」
604 名前:魔法の中尉ブラスター・マリィ『召還』4/4 :2009/04/28(火) 10:02:58 ID:???
テロリスト2『な…モビルスーツが、あっという間に2機…』
テロリスト3『ど、どこから現れた?』
テロリスト1『うろたえるな! ガンダムはともかく、もう一機は旧ザクだぞ!
それにこのアヘッドは対ガンダムを想定された新鋭機だ!
3対2で、何を恐れる!』
マリナ(Inエッちゃん)『いいえ!』
マリ(In1日ザク)『3対3よ!』ニヤリ
マリィ「はいはい」
ぶん!
魔法の物干し竿が風を切り、くるりとマリィの手の中で回転する。
どん!
魔法の物干し竿を突き立てられたコンクリートに、蜘蛛の巣のような亀裂が走った。
マリィ「来いっ! 鉄人!!」
がらがらがら……どっ!!
テロリスト3『じ、地面から…』
ごごごごごごごご……
テロリスト2『ティ……ティエレン………』
ゴンゴンゴンゴンゴンゴン………
マリィ「ふむ…私のMSはティエレンね…
慣れた機体ではあるけど…なんで宇宙用…」orz
それも、熊さんマークも愛らしい、セルゲイ・スミルノフ中佐専用機であった。
マリィ「中佐の予備役編入と同時に解体された筈だけど…」
魔法ですから。
マリィ「そういうものなの?」
慣れないと、この先つらいですよ?
マリィ「……努力します」
つづく。
でけでけでけででーででん(BGM)
明けない夜はなく
止まない雨もない
どこまでも続くかと思われた争いは
思わぬ決着を迎えることになる
次回 『決戦』
シャギア「私の愛馬は凶暴です」
ちょ、おま
最終更新:2013年11月23日 19:59